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公開番号2024138111
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-07
出願番号2024121189,2020068126
出願日2024-07-26,2020-04-06
発明の名称焼結体、粉末及びその製造方法
出願人東ソー株式会社
代理人
主分類C04B 35/486 20060101AFI20240927BHJP(セメント;コンクリート;人造石;セラミックス;耐火物)
要約【課題】
常圧焼結によって得られるジルコニア焼結体であって、SEPB法により測定される破壊靭性値が高いジルコニア焼結体を得るための原料、当該原料から得られる焼結体、及びこれらの製造方法の少なくともいずれかを提供する。
【解決手段】
安定化剤を含有するジルコニアを含み、単斜晶率が0.5%以上であることを特徴とする焼結体。このような焼結体は、安定化剤を含有し、単斜晶率が70%を超えるジルコニアを含み、単斜晶ジルコニアの結晶子径が23nmを超え80nm以下であることを特徴とする粉末を使用することを特徴とする製造方法により得られることが好ましい。
【選択図】 なし
特許請求の範囲【請求項1】
イットリア、カルシア、マグネシア及びセリアの群から選ばれる1種以上の安定化剤を含有するジルコニアを含み、前記安定化剤の含有量が1.0mol%以上1.8mol%以下、ジルコニアの結晶相に占める、単斜晶ジルコニアの(111)面に相当するXRDピークの面積強度に対する、単斜晶ジルコニアの(11-1)面に相当するXRDピークの面積強度の比が0以上、単斜晶率が0.5%以上、相対密度が99%以上100%以下、平均結晶粒径が0.1μm以上0.8μm以下であることを特徴とする焼結体。
続きを表示(約 620 文字)【請求項2】
単斜晶率が5.7%以上である請求項1に記載の焼結体。
【請求項3】
前記安定化剤が、イットリアである請求項1又は2に記載の焼結体。
【請求項4】
前記安定化剤の含有量が1.5mol%以上1.8mol%以下である請求項1乃至3のいずれか一項に記載の焼結体。
【請求項5】
JIS R1607で規定されたSEPB法に準じた方法で測定される破壊靭性値が6MPa・m
0.5
以上11MPa・m
0.5
以下である請求項1乃至4のいずれか一項に記載の焼結体。
【請求項6】
アルミナ、ゲルマニア及びシリカの群から選ばれる1以上の添加成分を含む請求項1乃至5のいずれか一項に記載の焼結体。
【請求項7】
前記添加成分がアルミナである請求項6に記載の焼結体。
【請求項8】
前記ジルコニアが、単斜晶ジルコニアと、正方晶ジルコニア及び立方晶ジルコニアの少なくともいずれかと、を含む請求項1乃至7のいずれか一項に記載の焼結体。
【請求項9】
140℃の熱水中で6時間浸漬処理前の正方晶率に対する、140℃の熱水中で6時間浸漬処理後の正方晶率の割合が15%以上である請求項1乃至8のいずれか一項に記載の焼結体。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれか一項に記載の焼結体を含む部材。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、ジルコニアを主相とする焼結体、その原料となる粉末及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
ジルコニア焼結体は、粉砕媒体や構造材料など強度を必要とする従来用途に加え、時計、携帯電子機器、自動車、家電等の装飾部品などの装飾用途への適用が検討されている。装飾用途へ適用される焼結体は脆さを低減すること、すなわち破壊靭性値を高くすること、が求められる。
【0003】
これまで、破壊靭性値の改善を目的とて種々のジルコニア焼結体が報告されている。例えば、特許文献1には、中和共沈法で製造された市販の3mol%イットリア含有ジルコニア粉末と、市販のアルミナ粉末と混合した混合粉末とし、当該混合粉末をマイクロ波焼結することで得られたジルコニア-アルミナ複合焼結体が報告されている。当該複合焼結体のIF法により測定される破壊靭性値(K
IC
)が6.02~6.90MPa・m
1/2
であることが記載されている。
【0004】
特許文献2には、リン、二酸化ケイ素、アルミナを含むジルコニア粉末を熱間静水圧プレス(HIP)処理することで得られたたジルコニア焼結体が報告されている。当該焼結体は、JIS R 1607に規定される方法で測定された破壊靭性値が6~11MPa・m
1/2
であることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2017-226555号公報
特開2011-178610号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1及び2で開示されたジルコニア焼結体は、マイクロ波焼結やHIP処理等の特別な焼結方法を適用することにより作製する必要があるため、工業的な適用が困難である。ところで、装飾部品への適用に際しては、信頼度の高い破壊靭性値での焼結体の脆さが評価することも求められている。これに対し、破壊靭性の測定方法は標準化されているものでも複数の方法が存在し、測定方法毎で得られる値が大きく異なる。特許文献1の破壊靭性値は簡易的な方法で測定された値であり、また、特許文献2の破壊靭性値は測定方法自体が不明確であり、いずれも開示された値は信頼性が低い。
【0007】
本開示では、常圧焼結によって得られるジルコニア焼結体であって、SEPB法により測定される破壊靭性値が高いジルコニア焼結体を得るための原料、当該原料から得られる焼結体、及びこれらの製造方法の少なくともいずれかを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の要旨は以下のとおりである。
[1] 安定化剤を含有するジルコニアを含み、単斜晶率が0.5%以上であることを特徴とする焼結体。
[2] 単斜晶ジルコニアの(111)面に相当するXRDピークの面積強度に対する、単斜晶ジルコニアの(11-1)面に相当するXRDピークの面積強度の比が0以上である上記[1]に記載の焼結体。
[3] 前記安定化剤が、イットリア、カルシア、マグネシア及びセリアの群から選ばれる1種以上である上記[1]又は[2]に記載の焼結体。
[4] 前記安定化剤の含有量が1.0mol%以上2.5mol%未満である上記[1]乃至[3]のいずれかひとつに記載の焼結体。
[5] JIS R1607で規定されたSEPB法に準じた方法で測定される破壊靭性値が6MPa・m
0.5
以上11MPa・m
0.5
以下である上記[1]乃至[4]のいずれかひとつに記載の焼結体。
[6] アルミナ、ゲルマニア及びシリカの群から選ばれる1以上の添加成分を含む上記[1]乃至[5]のいずれかひとつに記載の焼結体。
[7] 前記添加成分がアルミナである上記[1]乃至[6]のいずれかひとつに記載の焼結体。
[8] 前記ジルコニアが、単斜晶ジルコニアと、正方晶ジルコニア及び立方晶ジルコニアの少なくともいずれかと、を含む上記[1]乃至[7]のいずれかひとつに記載の焼結体。
[9] 140℃の熱水中で6時間浸漬処理前の正方晶率に対する、140℃の熱水中で6時間浸漬処理後の正方晶率の割合が15%以上である上記[1]乃至[8]のいずれかひとつに記載の焼結体。
[10] 安定化剤を含有し、単斜晶率が70%を超えるジルコニアを含み、単斜晶ジルコニアの結晶子径が23nmを超え80nm以下であることを特徴とする粉末を使用することを特徴とする上記[1]乃至[9]のいずれかひとつに記載の焼結体の製造方法。
[11] 安定化剤を含有し、単斜晶率が70%を超えるジルコニアを含み、単斜晶ジルコニアの結晶子径が23nmを超え80nm以下であることを特徴とする粉末。
[12] 前記ジルコニアの結晶相が、単斜晶ジルコニア及び正方晶ジルコニアを含む上記[11]に記載の粉末。
[13] 前記安定化剤が、イットリア、カルシア、マグネシア及びセリアの群から選ばれる1種以上である上記[11]又は[12]に記載の粉末。
[14] 前記安定化剤の含有量が1.0mol%以上2.5mol%未満である上記[11]乃至[13]のいずれかひとつに記載の粉末。
[15] アルミナ、ゲルマニア及びシリカの群から選ばれる1以上の添加成分を含む上記[11]乃至[14]のいずれかひとつに記載の粉末。
[16] 前記添加成分の含有量が0.1質量%以上30質量%以下である上記[15]に記載の粉末。
[17] BET比表面積が6m

/g以上20m

/g未満である上記[11]乃至[16]のいずれかひとつに記載の粉末。
[18] メジアン径が0.05μm以上0.3μm以下である上記[11]乃至[17]のいずれかひとつに記載の粉末。
[19] 上記[1]乃至[9]のいずれかひとつに記載の焼結体を含む部材。
【発明の効果】
【0009】
本開示により、常圧焼結によって得られるジルコニア焼結体であって、SEPB法により測定される破壊靭性値が高いジルコニア焼結体を得るための原料、当該原料から得られる焼結体、及びこれらの製造方法の少なくともいずれかを提供するができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示について、実施形態の一例を示して説明する。
(【0011】以降は省略されています)

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