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公開番号2025015916
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-31
出願番号2023118812
出願日2023-07-21
発明の名称コンクリート組成物
出願人JFEスチール株式会社,JFEシビル株式会社
代理人個人
主分類C04B 28/08 20060101AFI20250124BHJP(セメント;コンクリート;人造石;セラミックス;耐火物)
要約【課題】高炉水砕スラグ微粉末を用いたコンクリートの初期・中期強度が低コスト且つ簡易な手法で効果的に改善されるコンクリート組成物を提供する。
【解決手段】結合材が普通ポルトランドセメントからなり、細骨材が砂からなるコンクリート組成物であって、単位結合材量が340~370kg/m3、水結合材比が48~52%、単位粗骨材量が900~1100kg/m3、細骨材率が42~48%であるコンクリート組成物に対し、セメント質量比の30~50%を高炉水砕スラグ微粉末に置換し、細骨材容積比の15~45%を高炉水砕スラグ細骨材に置換した組成からなる。このコンクリート組成物は、初期・中期強度が改善されるとともに、初期強度発現を普通コンクリートよりも早めて高強度化できる。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
結合材が普通ポルトランドセメントからなり、細骨材が砂からなるコンクリート組成物であって、単位結合材量が340~370kg/m

、水結合材比が48~52%、単位粗骨材量が900~1100kg/m

、細骨材率が42~48%であるコンクリート組成物に対し、
セメント質量比の30~50%を高炉水砕スラグ微粉末に置換し、細骨材容積比の15~45%を高炉水砕スラグ細骨材に置換したことを特徴とするコンクリート組成物。
続きを表示(約 340 文字)【請求項2】
高炉水砕スラグ微粉末は、JIS A6206:2013で規定する粉末度が4000であり、石膏を4質量%以下含有することを特徴とする請求項1に記載のコンクリート組成物。
【請求項3】
高炉水砕スラグ細骨材の粗粒率が2.35~2.75であることを特徴とする請求項1または2に記載のコンクリート組成物。
【請求項4】
リグニンスルホン酸化合物とポリカルボン酸エーテルの複合体を主成分とする混和剤を単位結合材量の1.2~1.5質量%含有することを特徴とする請求項1または2に記載のコンクリート組成物。
【請求項5】
コンクリートが請求項1に記載のコンクリート組成物の硬化体で構成されることを特徴とするコンクリート床。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、主に土木や建築分野で使用されるコンクリート組成物に関するものであって、特に普通ポルトランドセメントの一部を高炉水砕スラグ微粉末に置換したコンクリート組成物に関するものである。
続きを表示(約 3,600 文字)【背景技術】
【0002】
高炉水砕スラグ微粉末(以下、GGBFという。)の潜在水硬性を利用し、普通ポルトランドセメントの一部をGGBFに置換した高炉セメントがある。一般に高炉セメントとして多く流通しているのは、置換比率が30%超え60%以下である高炉セメントB種(JIS R5211)であるが、普通ポルトランドセメントに、別途GGBFを混入して用いることもなされている。
コンクリートにGGBFを用いると、ワーカビリティーの改善、水和熱の抑制、耐薬品性・耐海水性・水密性の向上が期待できるとされている。使用方法については、指針として「高炉スラグ微粉末を用いたコンクリートの設計・施工指針」などが示されている。
一方で、普通ポルトランドセメントの一部をGGBFに置換すると、置換率の増加に伴い初期・中期の強度発現が遅延する課題があることが知られている。
【0003】
GGBFを用いたコンクリートの初期・中期強度の改善法が、例えば、特許文献1や特許文献2に示されている。
特許文献1には、GGBFを用いたコンクリートについて、(i)細骨材および/または粗骨材の一部または全部として高炉徐冷スラグ骨材を配合し、(ii)刺激剤として、ポルトランドセメント、石灰石、水酸化カルシウム、膨張剤の中から選ばれる1種または2種以上を添加し、(iii)混合材として、石灰石微粉末、フライアッシュ、シリカフォームの中から選ばれる1種または2種以上を添加する、ことにより初期・中期強度が改善されることが記載されている。
また、特許文献2には、GGBFを多く含有するコンクリートについて、セメント用GGBFの製造工程で専用の添加剤組成物を添加することで、初期・中期強度発現が改善可能であることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2018-145033号公報
特願2016-199452号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1、2に記載の技術では、特別な添加剤や複数の添加剤を添加したり、特殊な配合や専用の製造工程・プラントが必要となる。そのため、GGBFを用いたコンクリートの初期・中期強度は改善できるものの、製造工程や製造手段が複雑化する、コストが増加するといった課題がある。
したがって本発明の目的は、以上のような従来技術の課題を解決し、特別な添加剤や専用の製造工程・プラントなどを用いることなく、GGBFを用いたコンクリートの初期・中期強度が低コスト且つ簡易な手法で効果的に改善されるコンクリート組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題を解決するために種々の混錬試験を行いなされたもので、普通ポルトランドセメントの一部をGGBFに置換したコンクリートの初期・中期強度発現の遅延を、低コスト且つ簡易な手法で改善したものであり、その特徴は以下の通りである。
[1]結合材が普通ポルトランドセメントからなり、細骨材が砂からなるコンクリート組成物であって、単位結合材量が340~370kg/m

、水結合材比が48~52%、単位粗骨材量が900~1100kg/m

、細骨材率が42~48%であるコンクリート組成物に対し、
セメント質量比の30~50%を高炉水砕スラグ微粉末に置換し、細骨材容積比の15~45%を高炉水砕スラグ細骨材に置換したことを特徴とするコンクリート組成物。
【0007】
[2]上記[1]のコンクリート組成物において、高炉水砕スラグ微粉末は、JIS A6206:2013で規定する粉末度が4000であり、石膏を4質量%以下含有することを特徴とするコンクリート組成物。
[3]上記[1]または[2]のコンクリート組成物において、高炉水砕スラグ細骨材の粗粒率が2.35~2.75であることを特徴とするコンクリート組成物。
[4]上記[1]または[2]のコンクリート組成物において、リグニンスルホン酸化合物とポリカルボン酸エーテルの複合体を主成分とする混和剤を単位結合材量の1.2~1.5質量%含有することを特徴とするコンクリート組成物。
[5]コンクリートが上記[1]~[4]のいずれかのコンクリート組成物の硬化体で構成されることを特徴とするコンクリート床。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、セメントの一部を高炉水砕スラグ微粉末に置換したコンクリートの初期・中期強度を、特別な添加剤や専用の製造工程・プラントなどを用いることなく、細骨材の一部を高炉水砕スラグ細骨材に置換するという低コスト且つ簡易な手法で効果的に改善することができる。さらに、高炉水砕スラグ微粉末の置換率を最適化することで、初期強度発現を普通コンクリートよりも早めて高強度化することができる利点もある。
また、材料の一部として高炉水砕スラグ微粉末と高炉水砕スラグ細骨材を用いるため、セメント製造に係るCO

の排出量を削減できるとともに、リサイクル材である高炉スラグ材の活用によって天然資源枯渇化を抑止できる。このため、環境に配慮したコンクリートであるといえる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
普通コンクリートG0B0のセメントの一部をGGBFに置換したコンクリートG50B0の材齢7日圧縮強度を、普通コンクリートG0B0の材齢7日圧縮強度とともに示すグラフ
普通コンクリートG0B0のセメントの一部をGGBFに置換したコンクリートG50B0の材齢28日圧縮強度を、普通コンクリートG0B0の材齢28日圧縮強度とともに示すグラフ
普通コンクリートG0B0の細骨材の一部をBFSに置換したコンクリートG0B30およびコンクリートG0B50の材齢7日圧縮強度を、普通コンクリートG0B0の材齢7日圧縮強度とともに示すグラフ
普通コンクリートG0B0の細骨材の一部をBFSに置換したコンクリートG0B30およびコンクリートG0B50の材齢28日圧縮強度を、普通コンクリートG0B0の材齢28日圧縮強度とともに示すグラフ
普通コンクリートG0B0のセメントの一部をGGBFに置換し、且つ細骨材の一部または全部をBFSに置換したコンクリートG30B30、コンクリートG50B30、コンクリートG50B50およびコンクリートG50B100の材齢7日圧縮強度を、普通コンクリートG0B0とコンクリートG50B0の材齢7日圧縮強度とともに示すグラフ
普通コンクリートG0B0のセメントの一部をGGBFに置換し、且つ細骨材の一部または全部をBFSに置換したコンクリートG30B30、コンクリートG50B30、コンクリートG50B50およびコンクリートG50B100の材齢28日圧縮強度を、普通コンクリートG0B0とコンクリートG50B0の材齢28日圧縮強度とともに示すグラフ
普通コンクリートG0B0のセメントの一部をGGBFに置換したコンクリートについて、BFSの置換率と材齢28日圧縮強度との関係を示すグラフ
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下の説明において、高炉水砕スラグ微粉末をGGBF、高炉水砕スラグ細骨材をBFSという。また、コンクリートについて、結合材として普通ポルトランドセメントのみを配合し、細骨材として砂(陸砂)のみを配合したものを「普通コンクリートG0B0」(G0B0とは、GGBFの置換率0質量%、BFSの置換率0容積%を意味する)と呼ぶ。一方、普通コンクリートG0B0に対して、その普通ポルトランドセメントの△△質量%をGGBFに置換し、細骨材である砂(陸砂)の▲▲容積%をBFSに置換したコンクリートを「コンクリートG△△B▲▲」と呼ぶ。例えば、普通コンクリートG0B0に対して、その普通ポルトランドセメントの50質量%をGGBFに置換し、細骨材である砂(陸砂)の30容積%をBFSに置換したものを「コンクリートG50B30」と呼ぶ。同じく普通ポルトランドセメントの50質量%をGGBFに置換し、細骨材である砂(陸砂)はBFSに置換しなかったものを「コンクリートG50B0」と呼ぶ。同じく普通ポルトランドセメントはGGBFに置換せず、細骨材である砂(陸砂)の50容積%をBFSに置換したものを「コンクリートG0B50」と呼ぶ。
(【0011】以降は省略されています)

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