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公開番号2024164511
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-27
出願番号2023080043
出願日2023-05-15
発明の名称水硬性組成物
出願人大成建設株式会社
代理人弁理士法人磯野国際特許商標事務所
主分類C04B 28/08 20060101AFI20241120BHJP(セメント;コンクリート;人造石;セラミックス;耐火物)
要約【課題】本発明は、経時保持性、表面の滑らかさ、積層性の全ての指標において優れた水硬性組成物、積層体、及び、積層体の製造方法を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明に係る水硬性組成物は、セメントを含まない水硬性組成物であって、高炉スラグ微粉末と、石灰石微粉末と、膨張材と、消石灰と、細骨材と、増粘用混和剤と、を含む。本発明に係る積層体は、前記水硬性組成物を積層させたものである。本発明に係る積層体の製造方法は、セメントを含まず、高炉スラグ微粉末と、石灰石微粉末と、膨張材と、消石灰と、細骨材と、遅延用混和剤と、増粘用混和剤と、を含む水硬性組成物を、材料押出方式の積層装置を使用して積層する工程を含む。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
セメントを含まない水硬性組成物であって、
高炉スラグ微粉末と、石灰石微粉末と、膨張材と、消石灰と、細骨材と、増粘用混和剤と、を含むことを特徴とする水硬性組成物。
続きを表示(約 490 文字)【請求項2】
加水から経時的に変化するベーンせん断抵抗値について、0.4~0.9kPaを満たす時間が60分以上であることを特徴とする請求項1に記載の水硬性組成物。
【請求項3】
水粉体比が30.0%以下であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の水硬性組成物。
【請求項4】
遅延用混和剤を含み、
前記高炉スラグ微粉末100質量部に対して、前記増粘用混和剤が0.035~0.060質量部であり、
前記高炉スラグ微粉末100質量部に対して、前記遅延用混和剤が0.700質量部以下であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の水硬性組成物。
【請求項5】
請求項1又は請求項2に記載の水硬性組成物を積層させたものであることを特徴とする積層体。
【請求項6】
セメントを含まず、高炉スラグ微粉末と、石灰石微粉末と、膨張材と、消石灰と、細骨材と、遅延用混和剤と、増粘用混和剤と、を含む水硬性組成物を、材料押出方式の積層装置を使用して積層する工程を含むことを特徴とする積層体の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、水硬性組成物、水硬性組成物を積層させた積層体、及び、水硬性組成物を積層させた積層体の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
近年、建設業界では、CO

排出量の削減を目的として、新しい材料や施工法の開発、改善に各社が取り組んでいる。
本出願人は、特許文献1に示すとおり、セメントの代わりに産業副産物である高炉スラグ微粉末を含有させた水硬性組成物を提案している。この水硬性組成物は、所定量の刺激剤を含有するとともに水酸化カルシウムの含有量を特定することによって、強度などの材料特性を確保しながら、セメント使用量の削減に伴うCO

排出量の削減を図ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許第6137850号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者らは、セメントを使用しない水硬性組成物(特許文献1参照)について鋭意検討した結果、3Dプリンティングによって品質の良い積層体を提供するために特に重要となる指標を洗い出した。具体的には、適切に積層可能な状態を材料が長時間保持できるかの指標である「経時保持性」、積層後の積層体における表面性状の指標である「表面の滑らかさ」、どれだけ高く積層できるかの指標である「積層性」の3点である。
そこで、本発明者らは、材料の組成を調整することによって、「経時保持性」、「表面の滑らかさ」、「積層性」の全ての指標において優れた水硬性組成物を創出したいと考えた。
【0005】
このような観点から、本発明は、経時保持性、表面の滑らかさ、積層性の全ての指標において優れた水硬性組成物、積層体、及び、積層体の製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題は、以下の手段により解決することができる。
本発明に係る水硬性組成物は、セメントを含まない水硬性組成物であって、高炉スラグ微粉末と、石灰石微粉末と、膨張材と、消石灰と、細骨材と、増粘用混和剤と、を含む。
本発明によれば、水硬性組成物は、組成を特定することによって、経時保持性、表面の滑らかさ、積層性の全ての指標において優れたものとなる。
本発明に係る水硬性組成物は、加水から経時的に変化するベーンせん断抵抗値について、0.4~0.9kPaを満たす時間が60分以上であるのが好ましい。また、本発明に係る水硬性組成物は、水粉体比が30.0%以下であるのが好ましい。また、本発明に係る水硬性組成物は、遅延用混和剤を含み、前記高炉スラグ微粉末100質量部に対して、前記増粘用混和剤が0.035~0.060質量部であり、前記高炉スラグ微粉末100質量部に対して、前記遅延用混和剤が0.700質量部以下であるのが好ましい。
本発明によれば、水硬性組成物は、より確実に、経時保持性、表面の滑らかさ、積層性の全ての指標において優れたものとなる。
本発明に係る積層体は、前記の水硬性組成物を積層させたものである。
本発明によれば、積層体は、経時保持性に優れた水硬性組成物を積層して製造されることによって、表面の滑らかと積層性に優れたものとなる。
本発明に係る積層体の製造方法は、セメントを含まず、高炉スラグ微粉末と、石灰石微粉末と、膨張材と、消石灰と、細骨材と、遅延用混和剤と、増粘用混和剤と、を含む水硬性組成物を、材料押出方式の積層装置を使用して積層する工程を含む。
本発明によれば、経時保持性に優れた水硬性組成物を積層することによって、表面の滑らかさと積層性に優れた積層体を製造することができる。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る水硬性組成物は、経時保持性、表面の滑らかさ、積層性の全ての指標において優れている。
本発明に係る積層体は、経時保持性に優れた水硬性組成物で積層され、表面の滑らかさと積層性に優れる。
本発明に係る積層体の製造方法は、経時保持性に優れた水硬性組成物を積層することによって、表面の滑らかさと積層性に優れた水硬性組成物を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
水硬性組成物のベーンせん断抵抗値の経時変化を示すグラフである。
サンプル1の積層体の外観写真である。
サンプル2の積層体の外観写真である。
サンプル3の積層体の外観写真である。
サンプル4の積層体の外観写真である。
サンプル5の積層体の外観写真である。
サンプル6の積層体の外観写真である。
サンプル7の積層体の外観写真である。
サンプル8の積層体の外観写真である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本実施形態に係る水硬性組成物、水硬性組成物を積層させた積層体、及び、水硬性組成物を積層させた積層体の製造方法について説明する。
[水硬性組成物]
本実施形態に係る水硬性組成物は、セメントを含まない水硬性組成物(いわゆるセメントゼロ型の組成物)であって、高炉スラグ微粉末と、石灰石微粉末と、膨張材と、消石灰と、細骨材と、増粘用混和剤と、を含み、更に、遅延用混和剤を含んでもよい。また、本実施形態に係る水硬性組成物は、ベーンせん断抵抗値が所定要件を満たすのが好ましく、水粉体比が所定値以下であるのが好ましい。
以下、各構成要件について詳細に説明する。
【0010】
(セメント)
本実施形態に係る水硬性組成物は、セメントを含まない。
ここで、セメントとは、詳細には、JISR5210:2009に規定されている各種ポルトランドセメントである。
水硬性組成物がセメントを含まないことによって、セメント製造時のCO

排出量を削減することができる。また、水硬性組成物がセメントを含まないことによって、セメントを材料とした場合に発生する硬化後の「白華現象(炭酸カルシウムの析出)」の発生、及び、当該現象に基づく積層体の表面における「色むら」の発生を回避することができる。さらに、水硬性組成物がセメントを含まないことによって、セメントを材料とした場合に問題となる水和発熱に起因する「温度ひび割れ」の発生も回避することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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