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公開番号
2025002267
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-09
出願番号
2023102325
出願日
2023-06-22
発明の名称
立方晶窒化硼素焼結体
出願人
株式会社タンガロイ
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
C04B
35/5831 20060101AFI20241226BHJP(セメント;コンクリート;人造石;セラミックス;耐火物)
要約
【課題】工具寿命を長くすることのできる立方晶窒化硼素焼結体を提供する。
【解決手段】cBNと結合相とを含み、焼結体の総量に対して、cBNの含有割合は80~94体積%、結合相の含有割合は6~20体積%であり、結合相は金属相とV化合物とAl化合物とを含み、金属相はNi、Ni含有合金及び固溶体からなる群より選ばれる1以上を含み、Ni含有合金及び固溶体はNiと、Al、Ti、V、Cr、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、W及びCoからなる群より選ばれる1以上の元素とを含み、V化合物はVN、VCN及びVCからなる群より選ばれる1以上を含み、Al化合物はAl
2
O
3
、AlN及びAlB
2
からなる群より選ばれる1以上を含み、金属相の200面の最大ピーク位置2θが51.60°未満で、V化合物の220面のピーク強度をI
1
、金属相の200面のピーク強度をI
2
としたときI
1
/(I
1
+I
2
)が0.40~0.80であるcBN焼結体。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
立方晶窒化硼素と結合相とを含む立方晶窒化硼素焼結体であって、
前記立方晶窒化硼素の含有割合は、前記焼結体の総量に対して80体積%以上94体積%以下であり、
前記結合相の含有割合は、前記焼結体の総量に対して6体積%以上20体積%以下であり、
前記結合相は、金属相と、V化合物と、Al化合物と、を含み、
前記金属相は、Ni金属、Ni含有合金及びNi含有固溶体からなる群より選択される1種以上を含み、
前記Ni含有合金及び前記Ni含有固溶体は、Niと、Al、Ti、V、Cr、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、W及びCoからなる群より選択される1種以上の元素とを含み、
前記V化合物は、VN、VCN、及びVCからなる群より選択される1種以上を含み、
前記Al化合物は、Al
2
O
3
、AlN、及びAlB
2
からなる群より選択される1種以上を含み、
X線回折における前記金属相の(200)面の最大のピーク位置2θ(°)が、51.60°未満であり、
前記V化合物の(220)面のX線回折ピーク強度をI
1
、前記金属相の(200)面のX線回折ピーク強度をI
2
としたとき、
I
1
/(I
1
+I
2
)が0.40以上0.80以下である、立方晶窒化硼素焼結体。
続きを表示(約 390 文字)
【請求項2】
X線回折における前記金属相の(200)面のピークの半値全幅(°)が、0.40°以上0.70°以下である、請求項1に記載の立方晶窒化硼素焼結体。
【請求項3】
前記立方晶窒化硼素の(220)面のX線回折ピーク強度をI
3
としたとき、
I
1
/I
3
が0.70以上1.50以下である、請求項1又は2に記載の立方晶窒化硼素焼結体。
【請求項4】
X線回折における前記V化合物の(220)面の最大のピーク位置2θ(°)が、63.40°未満である、請求項1又は2に記載の立方晶窒化硼素焼結体。
【請求項5】
X線回折における前記金属相の(200)面の最大のピーク位置2θ(°)が、51.40°未満である、請求項1又は2に記載の立方晶窒化硼素焼結体。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、立方晶窒化硼素焼結体に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)
【背景技術】
【0002】
立方晶窒化硼素(以下「cBN」ともいう。)は、ダイヤモンドに次ぐ高い硬度と優れた熱伝導性を持つ。また、立方晶窒化硼素は、ダイヤモンドに比べて鉄との親和性が低いという特徴を持つ。そのため、立方晶窒化硼素と、金属やセラミックスの結合相とからなる立方晶窒化硼素焼結体は、切削工具や耐摩耗工具などに用いられている。
【0003】
近年は、耐熱合金など、難削材に対する切削工具性能の向上の要求が強まっている。特に成形性が高い焼結金属の加工においては、被削材が複雑な形状を有していることが多いため、工具によって加工した場合に、熱衝撃によって工具に欠損が生じ易い。また、焼結金属は硬質粒子を含むことがあるため、工具が摩耗し易い。そのため、焼結金属の加工には立方晶窒化硼素が用いられることが多く、特に、立方晶窒化硼素含有率の高い立方晶窒化硼素焼結体について多くの検討がなされている。
【0004】
例えば、特許文献1には、立方晶窒化硼素、Al
2
O
3
、AlON、SiAlON、TiC、TiCN、TiN、WC及びダイヤモンドからなる群から選択される1種類以上よりなる硬質粒子と、(Co,Ni)
3
(Al,W,V,Ti)で表される金属相とを含む、焼結体について開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2014-208889号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の焼結体において、硬質粒子が立方晶窒化硼素(cBNとも称する)である場合、cBN粒子同士の結合強度が不十分となる場合があり、耐欠損性に改善の余地がある。
【0007】
本発明は、工具寿命を長くすることのできる立方晶窒化硼素焼結体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、鋭意検討の結果、cBN焼結体が特定の構成を含むことで、工具寿命を長くすることのできる立方晶窒化硼素焼結体が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
本発明の要旨は、以下の通りである。
[1]
立方晶窒化硼素と結合相とを含む立方晶窒化硼素焼結体であって、
前記立方晶窒化硼素の含有割合は、前記焼結体の総量に対して80体積%以上94体積%以下であり、
前記結合相の含有割合は、前記焼結体の総量に対して6体積%以上20体積%以下であり、
前記結合相は、金属相と、V化合物と、Al化合物と、を含み、
前記金属相は、Ni金属、Ni含有合金及びNi含有固溶体からなる群より選択される1種以上を含み、
前記Ni含有合金及び前記Ni含有固溶体は、Niと、Al、Ti、V、Cr、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、W及びCoからなる群より選択される1種以上の元素とを含み、
前記V化合物は、VN、VCN、及びVCからなる群より選択される1種以上を含み、
前記Al化合物は、Al
2
O
3
、AlN、及びAlB
2
からなる群より選択される1種以上を含み、
X線回折における前記金属相の(200)面の最大のピーク位置2θ(°)が、51.60°未満であり、
前記V化合物の(220)面のX線回折ピーク強度をI
1
、前記金属相の(200)面のX線回折ピーク強度をI
2
としたとき、
I
1
/(I
1
+I
2
)が0.40以上0.80以下である、立方晶窒化硼素焼結体。
[2]
X線回折における前記金属相の(200)面のピークの半値全幅(°)が、0.40°以上0.70°以下である、[1]に記載の立方晶窒化硼素焼結体。
[3]
前記立方晶窒化硼素の(220)面のX線回折ピーク強度をI
3
としたとき、
I
1
/I
3
が0.70以上1.50以下である、[1]又は[2]に記載の立方晶窒化硼素焼結体。
[4]
X線回折における前記V化合物の(220)面の最大のピーク位置2θ(°)が、63.40°未満である、[1]~[3]のいずれか1つに記載の立方晶窒化硼素焼結体。
[5]
X線回折における前記金属相の(200)面の最大のピーク位置2θ(°)が、51.40°未満である、[1]~[4]のいずれか1つに記載の立方晶窒化硼素焼結体。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、工具寿命を長くすることができる立方晶窒化硼素焼結体を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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