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公開番号2025028615
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-03
出願番号2023133534
出願日2023-08-18
発明の名称誘電体組成物および電子部品
出願人TDK株式会社
代理人前田・鈴木国際特許弁理士法人
主分類C04B 35/468 20060101AFI20250221BHJP(セメント;コンクリート;人造石;セラミックス;耐火物)
要約【課題】熱衝撃などによるクラックを抑制することができる誘電体組成物を提供すること。
【解決手段】主相粒子と、偏析粒子と、を含む誘電体組成物であって、偏析粒子の少なくとも一部は、RE元素、Mg、TiおよびOを含むRE-Mg-Ti-O偏析粒子であり、RE元素は希土類元素であり、RE-Mg-Ti-O偏析粒子に含まれる金属元素の合計を100モル部としたとき、RE-Mg-Ti-O偏析粒子に含まれるRE元素、MgおよびTiの合計が70モル部以上であり、RE-Mg-Ti-O偏析粒子におけるRE元素およびMgの合計に対するMgの比率が0.1~0.3である誘電体組成物。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
主相粒子と、偏析粒子と、を含む誘電体組成物であって、
前記偏析粒子の少なくとも一部は、RE元素、Mg、TiおよびOを含むRE-Mg-Ti-O偏析粒子であり、
前記RE元素は希土類元素であり、
前記RE-Mg-Ti-O偏析粒子における金属元素の合計を100モル部としたとき、前記RE-Mg-Ti-O偏析粒子におけるRE元素、MgおよびTiの合計が70モル部以上であり、
前記RE-Mg-Ti-O偏析粒子におけるRE元素およびMgの合計に対するMgの比率が0.1~0.3である誘電体組成物。
続きを表示(約 480 文字)【請求項2】
前記RE-Mg-Ti-O偏析粒子は前記主相粒子の粒界に存在する請求項1に記載の誘電体組成物。
【請求項3】
前記RE-Mg-Ti-O偏析粒子の平均粒径が0.1μm以下である請求項1に記載の誘電体組成物。
【請求項4】
前記誘電体組成物の断面を合計で5μm
2
以上観察したときに、前記RE-Mg-Ti-O偏析粒子が平均で0.2~2個/μm
2
観察される請求項1に記載の誘電体組成物。
【請求項5】
前記主相粒子の組成はBaTiO
3
である請求項1に記載の誘電体組成物。
【請求項6】
前記RE-Mg-Ti-O偏析粒子の組成は{RE
(1-a)
Mg
a

2
Ti
2

7
であり、
前記aは0.1~0.3である請求項1に記載の誘電体組成物。
【請求項7】
請求項1~6のいずれかに記載の誘電体組成物を備える電子部品。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、誘電体組成物および、当該誘電体組成物から構成される誘電体層を備える電子部品に関する。
続きを表示(約 1,300 文字)【背景技術】
【0002】
電子機器に組み込まれる電子回路あるいは電源回路には、誘電体が発現する誘電特性を利用する積層セラミックコンデンサのような電子部品が多数搭載されている。特許文献1には、電子部品の誘電体セラミックの主成分が、一般式ABO
3
(ただし、AはBa、Sr、CaおよびMgのうちの少なくとも一種、BはTi、ZrおよびHfのうちの少なくとも一種)で表される組成物である旨が開示されている。
【0003】
特許文献1にも示す従来の電子部品は、回路基板などに「リフローはんだ」や「フローはんだ」などの方法で実装される。「フローはんだ」は「リフローはんだ」に比べてコストがかからないというメリットがあるものの、「フローはんだ」により基板に実装される場合には、熱衝撃などのために、電子部品の誘電体組成物(誘電体セラミック)にクラックが生じることがある。そのため、熱衝撃などでのクラックを有効に防止することができる誘電体組成物の開発が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2001-6966号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、熱衝撃などによるクラックを抑制することができる誘電体組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る誘電体組成物は、
主相粒子と、偏析粒子と、を含む誘電体組成物であって、
前記偏析粒子の少なくとも一部は、RE元素、Mg、TiおよびOを含むRE-Mg-Ti-O偏析粒子であり、
前記RE元素は希土類元素であり、
前記RE-Mg-Ti-O偏析粒子に含まれる金属元素の合計を100モル部としたとき、前記RE-Mg-Ti-O偏析粒子に含まれるRE元素、MgおよびTiの合計が70モル部以上であり、
前記RE-Mg-Ti-O偏析粒子におけるRE元素およびMgの合計に対するMgの比率が0.1~0.3である。
【0007】
本発明者らは、熱衝撃などによるクラックを抑制することができる誘電体組成物について鋭意検討した結果、RE-Mg-Ti-O偏析粒子を有する誘電体組成物が、クラック抑制に優れた効果を有することを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0008】
RE-Mg-Ti-O偏析粒子により、熱衝撃などによるクラックを抑制することができる理由は必ずしも明らかではないが、たとえば、RE-Mg-Ti-O偏析粒子が主相粒子の過度な粒成長を抑制するためではないかと考えられる。
【0009】
また、仮に誘電体組成物にクラックが発生したとしても、クラックがRE-Mg-Ti-O偏析粒子に到達することにより、クラックの進行が止められるのではないかと考えられる。
【0010】
前記RE-Mg-Ti-O偏析粒子は前記主相粒子の粒界に存在していてもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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