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公開番号2024146837
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-15
出願番号2024049048
出願日2024-03-26
発明の名称樹脂シートおよび生地積層体
出願人三井化学ファイン株式会社
代理人個人
主分類C08J 5/18 20060101AFI20241004BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】生地への接着性と耐熱性を両立できる樹脂シートを提供する。
【解決手段】本発明の樹脂シートは、4-メチル-1-ペンテン系重合体(A)と、融点が130~180℃の熱可塑性エラストマー(B)と、を含む樹脂組成物により構成され、前記4-メチル-1-ペンテン系重合体(A)が、4-メチル-1-ペンテン由来の構成単位(a1)と炭素原子数2~3の直鎖状α-オレフィン由来の構成単位(a2)とを含み、周波数1.59Hz、歪量0.1%、昇温速度4℃/分、引張モードの条件で温度範囲-60℃~200℃として動的粘弾性を測定したときの100℃における貯蔵弾性率E’が0.55MPa以上、7.0MPaである。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
4-メチル-1-ペンテン系重合体(A)と、融点が130~180℃の熱可塑性エラストマー(B)と、を含む樹脂組成物により構成された樹脂シートであって、
前記4-メチル-1-ペンテン系重合体(A)が、4-メチル-1-ペンテン由来の構成単位(a1)と炭素原子数2~3の直鎖状α-オレフィン由来の構成単位(a2)とを含み、
周波数1.59Hz、歪量0.1%、昇温速度4℃/分、引張モードの条件で温度範囲-60℃~200℃として動的粘弾性を測定したときの100℃における貯蔵弾性率E’が0.55MPa以上、7.0MPa以下である、樹脂シート。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
4-メチル-1-ペンテン系重合体(A)と、融点が130~180℃の熱可塑性エラストマー(B)と、を含む樹脂組成物により構成された樹脂シートであって、
前記4-メチル-1-ペンテン系重合体(A)が、4-メチル-1-ペンテン由来の構成単位(a1)と炭素原子数2~3の直鎖状α-オレフィン由来の構成単位(a2)とを含み、
以下の手順で測定される接着力が4N/25mm以上、30N/25mm以下となる、樹脂シート。
[手順]
まず、当該樹脂シートと生地x(厚さ;0.28mm、目付;100g/m

、素材;ポリエステル89質量%、ポリウレタン11質量%)を、当該樹脂シートのMD方向と生地xの伸縮性が最も大きい方向が平行になるように重ね合わせ、圧力0.1MPa、時間10秒、温度190℃の条件で接着し、積層体を作製する。前記積層体の当該樹脂シートのMD方向を長さ方向とし、幅25mmとなるように、前記積層体を裁断し、試験片を得る。
つぎに、当該試験片について、恒温槽付きの引張試験機を用いて、試験温度100℃、引張速度300mm/min、剥離角度180°、剥離方向を当該MD方向として、生地xから当該樹脂シートを剥離したときの接着力[N/25mm]を測定する。
【請求項3】
JIS K6253に準拠して23℃で測定される、当該樹脂シートの少なくとも一方の表面の測定直後のショアA硬度をHS0としたとき、HS0が30以上、90以下である、請求項1または2に記載の樹脂シート。
【請求項4】
JIS K6253に準拠して23℃で測定される、当該樹脂シートの少なくとも一方の表面の測定直後のショアA硬度をHS0とし、測定15秒後のショアA硬度をHS1としたとき、(HS0-HS1)で示されるΔHSが3以上、30以下である、請求項1または2に記載の樹脂シート。
【請求項5】
前記樹脂シートの厚さが0.1mm以上、3mm以下である、請求項1または2に記載の樹脂シート。
【請求項6】
前記樹脂シートの密度が0.30g/cm

以上、1.5g/cm

以下である、請求項1または2に記載の樹脂シート。
【請求項7】
前記熱可塑性エラストマー(B)のショアA硬度が30以上、90以下である、請求項1または2に記載の樹脂シート。
【請求項8】
前記熱可塑性エラストマー(B)が、酸素、硫黄、窒素、およびハロゲンからなる群から選ばれる原子を1つまたは2つ以上含む官能基を有する熱可塑性エラストマー(b1)を含む、請求項1または2に記載の樹脂シート。
【請求項9】
前記熱可塑性エラストマー(B)が、熱可塑性ポリアミド系エラストマー、熱可塑性ポリウレタン系エラストマー、および熱可塑性ポリエステル系エラストマーの中から選ばれる1種または2種以上の熱可塑性エラストマー(b2)を含む、請求項1または2に記載の樹脂シート。
【請求項10】
前記樹脂組成物が相容化材(C)をさらに含む、請求項8に記載の樹脂シート。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂シートに関する。より詳細には、樹脂シート、樹脂シートを用いた生地積層体および衣料品、ならびに生地積層体の製造方法に関する。
続きを表示(約 3,800 文字)【背景技術】
【0002】
4-メチル-1-ペンテンを主たる構成モノマーとする4-メチル-1-ペンテン系重合体を用いた樹脂シートは、優れた柔軟性や伸縮性を有し、良好な肌触りが得られること等から、衛生材料、衣料用材料、医療用材料等、各種用途に広く使用されることが期待されている。
【0003】
例えば、特許文献1(国際公開第2018/143411号)には、4-メチル-1-ペンテン系重合体を発泡させたシートをそのまま着圧サポーターに用いる例が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開第2018/143411号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明者は、4-メチル-1-ペンテン系重合体を用いた樹脂シートの新たな用途として、樹脂シートと生地とを直接積層した新素材の衣料品に着目した。しかしながら、特許文献1に開示されるような従来の樹脂シートを熱圧着により生地と接着させようとしても、樹脂シートと生地素材とが馴染まず、良好な接着性を得る点で改善の余地があることが判明した。また、高温で接着すると接着性は向上できるものの生地の風合いを阻害してしまう問題が生じた。さらに、樹脂シートを自動車などのモビリティ用椅子向けの背面や座面として使用する場合、夏場の高温環境が想定される車室内での耐熱性を求められたり、樹脂シートを衣料品として使用する場合には、洗濯乾燥やアイロンがけに対する耐熱性も求められた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、4-メチル-1-ペンテン系重合体を用いた樹脂シート特有の柔軟性、伸縮性、良好な肌触りを保持しつつも、生地に対する接着性と耐熱性の改善に着目し検討を進めたところ、4-メチル-1-ペンテン系重合体を含む樹脂シートであっても、良好な接着性および耐熱性が得られるものとそうではないものとがあることを判明した。そして、両者を区別すべく鋭意検討を行った結果、接着力に関する新たな指標を考案しこれを制御すること、および所定の条件における貯蔵弾性率を制御することが有効であることを見出し、本発明を完成させた。
【0007】
すなわち、本発明によれば、以下に示す樹脂シートおよびこれに関する技術が提供される。
【0008】
[1] 4-メチル-1-ペンテン系重合体(A)と、融点が130~180℃の熱可塑性エラストマー(B)と、を含む樹脂組成物により構成された樹脂シートであって、
前記4-メチル-1-ペンテン系重合体(A)が、4-メチル-1-ペンテン由来の構成単位(a1)と炭素原子数2~3の直鎖状α-オレフィン由来の構成単位(a2)とを含み、
周波数1.59Hz、歪量0.1%、昇温速度4℃/分、引張モードの条件で温度範囲-60℃~200℃として動的粘弾性を測定したときの100℃における貯蔵弾性率E’が0.55MPa以上、7.0MPa以下である、樹脂シート。
[2] 4-メチル-1-ペンテン系重合体(A)と、融点が130~180℃の熱可塑性エラストマー(B)と、を含む樹脂組成物により構成された樹脂シートであって、
前記4-メチル-1-ペンテン系重合体(A)が、4-メチル-1-ペンテン由来の構成単位(a1)と炭素原子数2~3の直鎖状α-オレフィン由来の構成単位(a2)とを含み、
以下の手順で測定される接着力が4N/25mm以上、30N/25mm以下となる、樹脂シート。
[手順]
まず、当該樹脂シートと生地x(厚さ;0.28mm、目付;100g/m

、素材;ポリエステル89質量%、ポリウレタン11質量%)を、当該樹脂シートのMD方向と生地xの伸縮性が最も大きい方向が平行になるように重ね合わせ、圧力0.1MPa、時間10秒、温度190℃の条件で接着し、積層体を作製する。前記積層体の当該樹脂シートのMD方向を長さ方向とし、幅25mmとなるように、前記積層体を裁断し、試験片を得る。
つぎに、当該試験片について、恒温槽付きの引張試験機を用いて、試験温度100℃、引張速度300mm/min、剥離角度180°、剥離方向を当該MD方向として、生地xから当該樹脂シートを剥離したときの接着力[N/25mm]を測定する。
[3] JIS K6253に準拠して23℃で測定される、当該樹脂シートの少なくとも一方の表面の測定直後のショアA硬度をHS0としたとき、HS0が30以上、90以下である、[1]または[2]に記載の樹脂シート。
[4] JIS K6253に準拠して23℃で測定される、当該樹脂シートの少なくとも一方の表面の測定直後のショアA硬度をHS0とし、測定15秒後のショアA硬度をHS1としたとき、(HS0-HS1)で示されるΔHSが3以上、30以下である、[1]乃至[3]いずれか一つに記載の樹脂シート。
[5] 前記樹脂シートの厚さが0.1mm以上、3mm以下である、[1]乃至[4]いずれか一つに記載の樹脂シート。
[6] 前記樹脂シートの密度が0.30g/cm

以上、1.5g/cm

以下である、[1]乃至[5]いずれか一つに記載の樹脂シート。
[7] 前記熱可塑性エラストマー(B)のショアA硬度が30以上、90以下である、[1]乃至[6]いずれか一つに記載の樹脂シート。
[8] 前記熱可塑性エラストマー(B)が、酸素、硫黄、窒素、およびハロゲンからなる群から選ばれる原子を1つまたは2つ以上含む官能基を有する熱可塑性エラストマー(b1)を含む、[1]乃至[7]いずれか一つに記載の樹脂シート。
[9] 前記熱可塑性エラストマー(B)が、熱可塑性ポリアミド系エラストマー、熱可塑性ポリウレタン系エラストマー、および熱可塑性ポリエステル系エラストマーの中から選ばれる1種または2種以上の熱可塑性エラストマー(b2)を含む、[1]乃至[8]いずれか一つに記載の樹脂シート。
[10] 前記樹脂組成物が相容化材(C)をさらに含む、[1]乃至[9]いずれか一つに記載の樹脂シート。
[11] 前記相容化材(C)がスチレン系熱可塑性エラストマーの変性物またはポリオレフィン系熱可塑性エラストマーの変性物を含む、[10]に記載の樹脂シート。
[12] 前記4-メチル-1-ペンテン系重合体(A)の含有量が、前記樹脂組成物全量に対し、20~60質量%であり、
前記熱可塑性エラストマー(B)の含有量が、前記樹脂組成物全量に対し20~80質量%であり、
前記相容化材(C)の含有量が、前記樹脂組成物全量に対し5~20質量%である、[10]または[11]に記載の樹脂シート。
[13] 前記熱可塑性エラストマー(B)がプロピレン単位と炭素数2または4~20のα-オレフィン単位とを含むプロピレン・α-オレフィン共重合からなる熱可塑性エラストマー(b3)を含む、[1]乃至[12]いずれか一つに記載の樹脂シート。
[14] 前記熱可塑性エラストマー(B)が、熱可塑性オレフィン系エラストマー、熱可塑性スチレン系エラストマー、及びこれらのコンパウンドの中から選ばれる1または2以上からなる熱可塑性エラストマー(b4)を含む、[1]乃至[13]いずれか一つに記載の樹脂シート。
[15] 衣料品の素材として用いられる、[1]乃至[14]いずれか一つに記載の樹脂シート。
[16] [1]乃至[15]いずれか一つに記載の樹脂シートの少なくとも一方の面に生地が貼り合わされた、生地積層体。
[17] 前記生地の目付が75g/m

~300g/m

である、[16]に記載の生地積層体。
[18] 前記生地積層体の少なくとも一部が曲面を有し、当該曲面の曲率半径が50mm~150mmの範囲である、[16]または[17]に記載の生地積層体。
[19] [16]乃至[18]いずれか一つに記載の生地積層体を用いた衣料品。
[20] 前記樹脂シート側の面がヒトに接する面となるように構成された、[19]に記載の衣料品。
[21] [1]乃至[15]いずれか一つに記載の樹脂シートの少なくとも一方の面上に生地を重ね、140℃~190℃、0.1MPa~2.0MPaの条件でヒートシールして生地積層体を得る工程を含む、生地積層体の製造方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、生地に対する接着性と耐熱性を両立できる樹脂シート、およびこれに関する技術を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書中、数値範囲の説明における「a~b」との表記は、特に断らない限り、a以上b以下のことを表す。例えば、「1~5質量%」とは「1質量%以上5質量%以下」を意味する。
(【0011】以降は省略されています)

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