TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
10個以上の画像は省略されています。
公開番号2024093878
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-09
出願番号2022210509
出願日2022-12-27
発明の名称電気機器の流動帯電評価診断方法と評価診断装置及び流動帯電抑制方法
出願人中部電力パワーグリッド株式会社,中部電力株式会社,ユカインダストリーズ株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類H01F 41/00 20060101AFI20240702BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】本発明は、絶縁油を収容した変圧器の流動帯電を評価し診断する方法と装置及び流動帯電を抑制する方法の提供を目的とする。
【解決手段】本発明は、固体絶縁物が絶縁油中に浸漬された電気機器の流動帯電評価診断方法であって、稼働中の電気機器から採取した絶縁油による循環流路を構成し、絶縁油に含まれる固体絶縁物から剥離して帯電した固体絶縁物微粒子を循環流路に設置した金属フィルターで捕集するか、あるいは、循環流路に設置した金属メッシュで支持した紙フィルターで捕集するとともに、絶縁油の循環流路内に設けた電界印加用の対向電極に直流電圧もしくは整流された交流電圧を印加し、金属フィルター、あるいは、金属メッシュに生じる帯電度の経時変化を解析することにより、流動帯電に影響を及ぼす絶縁油中化学成分の電気化学的特性を評価することを特徴とする。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
固体絶縁物が絶縁油中に浸漬された電気機器の流動帯電評価診断方法であって、
稼働中の前記電気機器から採取した絶縁油による循環流路を構成し、前記絶縁油に含まれる前記固体絶縁物から剥離した固体絶縁物微粒子を前記循環流路に設置した金属フィルターで捕集するか、あるいは、前記循環流路に設置した金属メッシュで支持した紙フィルターとともに、前記絶縁油の前記循環流路内に設けた電界印加用の対向電極に直流電圧もしくは整流された交流電圧を印加し、前記金属フィルター、あるいは、前記金属メッシュに生じる帯電度の経時変化を解析することにより、流動帯電に影響を及ぼす絶縁油中化学成分の電気化学的特性を評価することを特徴とする流動帯電評価診断方法。
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
前記対向電極に対する電圧未印加時に発生した帯電度の波形と、前記対向電極に対する電圧印加後に発生した帯電度の波形を比較することにより、流動帯電に及ぼす絶縁油の電気化学特性を動的に評価することを特徴とする請求項1に記載の流動帯電評価診断方法。
【請求項3】
前記帯電度に関し、経時変化を解析し、前記対向電極に対する電圧未印加時に発生した帯電度の値が、前記対向電極に対する所定時間の電圧印加後に低下した場合、前記絶縁油は正負イオンの何れかが含まれる絶縁油であり、しかも、前記正負イオンの何れかを前記対向電極に補足できる絶縁油であると評価する請求項1に記載の流動帯電評価診断方法。
【請求項4】
前記正負イオンの何れかを前記対向電極に捕捉できる絶縁油であると評価した場合、前記電気機器に収容されている絶縁油に対し前記対向電極を浸漬し、前記対向電極に直流電圧もしくは整流された交流電圧を印加することを特徴とする請求項3に記載の流動帯電評価診断方法。
【請求項5】
固体絶縁物が絶縁油中に浸漬された電気機器の流動帯電抑制方法であって、
稼働中の前記電気機器から採取した絶縁油による循環流路を構成し、前記絶縁油に含まれる前記固体絶縁物から剥離した固体絶縁物微粒子を前記循環流路に設置した金属フィルターで捕集するか、あるいは、前記循環流路に設置した金属メッシュで支持した紙フィルターとともに、前記絶縁油の前記循環流路内に設けた電界印加用の対向電極に直流電圧もしくは整流された交流電圧を印加し、前記金属フィルター、あるいは、前記金属メッシュに生じる帯電度の経時変化を解析し、
前記対向電極に対する電圧未印加時に発生した帯電度の値が、前記対向電極に対する所定時間の電圧印加後に低下する絶縁油である場合、
前記電気機器に収容されている絶縁油に対し対向電極を浸漬し、前記対向電極に直流電圧もしくは整流された交流電圧を印加することを特徴とする流動帯電抑制方法。
【請求項6】
前記対向電極に電圧を印加することにより、前記絶縁油に含まれる正負イオンのいずれかを前記対向電極に補足し、前記絶縁油に含まれるイオンバランスを調整することにより前記電気機器における流動帯電を抑制することを特徴とする請求項5に記載の流動帯電抑制方法。
【請求項7】
固体絶縁物が絶縁油中に浸漬された電気機器の流動帯電評価診断装置であって、
前記電気機器から採取した絶縁油を貯留する容器と、この容器に接続された前記絶縁油の循環流路と、前記容器内の絶縁油を前記循環流路に送り前記容器に戻して循環させる循環ポンプと、前記循環流路の途中に設けられた電界印加用の対向電極と、前記循環流路の途中に設けられた金属フィルターあるいは紙フィルターを設置した金属メッシュと、前記金属フィルターあるいは前記金属メッシュに接続されて前記金属フィルターあるいは前記金属メッシュを介し発生電荷密度を測定する電流計を具備したことを特徴とする電気機器の流動帯電評価診断装置。
【請求項8】
主電極と、対電極により前記対向電極が構成され、前記主電極と前記対電極の間に絶縁油の流路が形成されたことを特徴とする請求項7に記載の流動帯電評価診断装置。
【請求項9】
前記循環ポンプは、前記容器内の絶縁油を前記流路を介し前記循環流路に送る機能を有することを特徴とする請求項8に記載の流動帯電評価診断装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は電気機器に充填され、流動帯電に影響を及ぼす絶縁油の成分の電気化学的特性を動的に評価する評価診断方法と評価診断装置及び流動帯電の発生を抑制する方法に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
変圧器における流動帯電とは、変圧器内部で絶縁油が流動することにより固体絶縁物の界面において電荷の分離が発生し、巻線内部や油道周辺の絶縁物に電荷が蓄積される現象である。絶縁油入りの変圧器において、絶縁油の流れを良くするために絶縁油の流路が設けられている。これを油道と称する。電荷の蓄積した部分は、直流電位が上昇して静電気放電を発生することがあり、条件によっては絶縁破壊に至るおそれがある。
このように絶縁油を使用した電気機器では、絶縁油と固体絶縁物の間で流動帯電現象が発生し、電気機器の絶縁性を脅かす場合がある。
このため、従来から、実電気機器に対し流動帯電の程度を評価する方法として、非特許文献1に記載のミニ静電テスター法と非特許文献2に記載の蓄積電荷密度法が検討されている。
【0003】
ミニ静電テスター法は、現地変圧器から採集した絶縁油と紙フィルター(変圧器の固体絶縁物の模擬構造体)で帯電させ、紙フィルターを設置している金属メッシュを通して電流を測定し、評価する方法である。
しかしながら、ミニ静電テスター法は絶縁油と紙フィルターとの間で生じた電荷の大小を評価する試験法であり、絶縁油の高帯電度化に及ぼす成分の電気化学的特性に関しては評価できない。
【0004】
一方、蓄積電荷密度法は、絶縁油と固体絶縁物との間で発生する電荷と固体絶縁物からの電荷の緩和の程度から、実電気機器における流動帯電の程度を評価する方法である。ところが、蓄積電荷密度法は、ミニ静電テスター法と同様、絶縁油の高帯電度化に及ぼす成分の電気化学的特性に関する情報は得られない。
また、以下の特許文献1には、固体絶縁物から剥離した微粒子を含む絶縁油を変圧器から採取し、固体微粒子を捕集した金属フィルターに発生する電荷密度を測定することにより流動帯電を評価する方法(発生電荷密度法)について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第6643940号公報
【非特許文献】
【0006】
電気協同研究 第54巻 第5号(その1)「油入変圧器の保守管理」電力用変圧器保守管理専門委員会著、社団法人電気協同研究会 平成11年2月発行、P172~P180
電気協同研究 第65巻 第1号「電力用変圧器改修ガイドライン」電力用変圧器改修ガイドライン専門委員会著、社団法人電気協同研究会 平成21年9月発行、P198~P204
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前述の背景から、従来知られているミニ静電テスター法と蓄積電荷密度法、発生電荷密度法のいずれにおいても、絶縁油の高帯電度化に及ぼす成分の電気化学的特性に関する情報を得ることはできない。
【0008】
従って、本発明の課題は、変圧器などの電気機器に充填された絶縁油の高帯電度化に及ぼす成分の電気化学的特性を評価する手法と装置の提供を目的とする。
また、本発明の課題は、電界印加用電極への電圧印加により流動帯電が減少すると判断された変圧器に対し、変圧器内部に設置した電界印加用電極に電圧を印加することで、実変圧器の流動帯電の発生を抑制する手段の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)本発明に係る流動帯電評価診断方法は、固体絶縁物が絶縁油中に浸漬された電気機器の流動帯電評価診断方法であって、稼働中の前記電気機器から採取した絶縁油による循環流路を構成し、前記絶縁油に含まれる前記固体絶縁物から剥離した固体絶縁物微粒子を前記循環流路に設置した金属フィルターで捕集するか、あるいは、前記循環流路に設置した金属メッシュで支持した紙フィルターとともに、前記絶縁油の前記循環流路内に設けた電界印加用の対向電極に直流電圧もしくは整流された交流電圧を印加し、前記金属フィルター、あるいは、前記金属メッシュに生じる帯電度の経時変化を解析することにより、流動帯電に影響を及ぼす前記絶縁油中化学成分の電気化学的特性を評価することを特徴とする。
【0010】
(2)本発明に係る流動帯電評価診断方法において、前記対向電極に対する電圧未印加時に発生した帯電度の波形と、前記対向電極に対する電圧印加後に発生した帯電度の波形を比較することにより、流動帯電に及ぼす絶縁油の電気化学特性を動的に評価することができる。
(3)本発明に係る流動帯電評価診断方法において、前記帯電度に関し、経時変化を解析し、前記対向電極に対する電圧未印加時に発生した帯電度の値が、前記対向電極に対する所定時間の電圧印加後に低下した場合、前記絶縁油は正負イオンの何れかが含まれる絶縁油であり、しかも、前記正負イオンの何れかを前記対向電極に補足できる絶縁油であると評価することができる。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

個人
八木アンテナ
25日前
東ソー株式会社
絶縁電線
24日前
サンケン電気株式会社
半導体装置
10日前
日本精機株式会社
回路基板収容箱
29日前
エイブリック株式会社
半導体装置
10日前
睦月電機株式会社
金属樹脂複合体
1か月前
株式会社GSユアサ
蓄電素子
23日前
東京パーツ工業株式会社
コイル装置
17日前
オリオン機械株式会社
電源装置
19日前
トヨタ自動車株式会社
二次電池
17日前
ローム株式会社
半導体装置
9日前
住友電気工業株式会社
半導体装置
23日前
株式会社東京精密
シート剥離装置
15日前
株式会社東京精密
シート剥離装置
5日前
株式会社ドクター中松創研
V3D半導体
4日前
光森科技有限公司
光源モジュール
11日前
東京応化工業株式会社
基板支持体
5日前
TDK株式会社
コイル部品
2日前
住友電装株式会社
コネクタ
17日前
日本無線株式会社
導波管接続構造
23日前
株式会社CTK
アンテナ取付装置
2日前
ニチコン株式会社
コンデンサ
25日前
三菱電機株式会社
半導体装置
1か月前
富士電機株式会社
半導体装置
25日前
トヨタ自動車株式会社
電池拘束治具
1か月前
三菱電機株式会社
半導体装置
17日前
株式会社半導体エネルギー研究所
二次電池
1日前
株式会社アイドゥス企画
エアレスシリンダ
1か月前
マクセル株式会社
扁平形電池
9日前
矢崎総業株式会社
端子
5日前
AIメカテック株式会社
光照射装置
1日前
日機装株式会社
発光装置の製造方法
1か月前
株式会社ミクニ
電磁アクチュエータ
2日前
株式会社ディスコ
ウェーハの加工方法
4日前
日本無線株式会社
平面アレーアンテナ
29日前
グンゼ株式会社
導電性フィルム
22日前
続きを見る