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公開番号
2024120245
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-09-05
出願番号
2023026912
出願日
2023-02-24
発明の名称
電磁アクチュエータ
出願人
株式会社ミクニ
代理人
個人
主分類
H01F
7/06 20060101AFI20240829BHJP(基本的電気素子)
要約
【課題】構造の簡素化、低コスト化、衝撃音の低減、背圧逃がしによる動作特性の向上を図り、所望される推力を得ることのできる電磁アクチュエータを提供する。
【解決手段】ハウジング10、励磁用のコイル20、コイルを外周に巻回すると共に所定の軸線Sを中心とする貫通孔31を画定するべく筒状に形成された樹脂製のボビン30、コイルの通電により作動位置に移動しコイルの非通電により休止位置に戻るべく貫通孔内において軸線の方向に往復動する可動子60、コイルの通電により可動子を吸引するべくボビンに挿入されて磁路を形成する固定子40、可動子を休止位置に向けて付勢する付勢バネ70を備え、ボビン30は、作動位置において可動子が当接するべく貫通孔の内壁面から内側に突出する環状ストッパ35と、軸線に向かって開口するべく環状ストッパを部分的に内向きに切り欠いた切欠き部36を含む。
【選択図】図4
特許請求の範囲
【請求項1】
ハウジングと、励磁用のコイルと、前記コイルを外周に巻回すると共に所定の軸線を中心とする貫通孔を画定するべく筒状に形成された樹脂製のボビンと、前記コイルの通電により作動位置に移動し前記コイルの非通電により休止位置に戻るべく前記貫通孔内において前記軸線の方向に往復動する可動子と、前記コイルの通電により前記可動子を吸引するべく前記ボビンに挿入されて磁路を形成する固定子と、前記可動子を前記休止位置に向けて付勢する付勢バネを備え、
前記ボビンは、前記作動位置において前記可動子が当接するべく前記貫通孔の内壁面から内側に突出する環状ストッパと、前記軸線に向かって開口するべく前記環状ストッパを部分的に内向きに切り欠いた切欠き部を含む、
ことを特徴とする電磁アクチュエータ。
続きを表示(約 1,100 文字)
【請求項2】
前記切欠き部は、前記ボビンに前記コイルを巻回する自動巻線機の回転ロッドの回転力が伝達されるべく、前記回転ロッドの一部と係合する係合部を兼ねる、
ことを特徴とする請求項1に記載の電磁アクチュエータ。
【請求項3】
前記切欠き部は、前記軸線を中心として放射状に配置された切欠き溝として形成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の電磁アクチュエータ。
【請求項4】
前記切欠き部は、前記ボビンに前記コイルを巻回する自動巻線機の回転ロッドが前記貫通孔の全域に亘って嵌合されるべく、前記回転ロッドを通すように形成されている、
ことを特徴とする請求項3に記載の電磁アクチュエータ。
【請求項5】
前記切欠き部は、前記ボビンに前記コイルを巻回する自動巻線機の回転ロッドの回転力が伝達されるべく、前記回転ロッドの一部と係合する係合部を兼ねる、
ことを特徴とする請求項4に記載の電磁アクチュエータ。
【請求項6】
前記可動子は、前記環状ストッパに当接する環状端面及び前記軸線を中心とする内周面を画定するべく、前記環状ストッパに向けて開口する有底円筒状に形成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の電磁アクチュエータ。
【請求項7】
前記固定子は、前記環状ストッパに対して前記可動子と反対側から当接する環状当接部と、前記環状ストッパの内側に隙間をおいて挿入されて前記可動子の内部空間に入り得るべく前記軸線の方向に伸長する小径部を含み、
前記切欠き部は、前記可動子が前記環状ストッパに当接した状態において、前記可動子の内部空間に連通する、
ことを特徴とする請求項6に記載の電磁アクチュエータ。
【請求項8】
前記可動子は、前記休止位置において、前記環状端面が前記小径部の先端外周縁と近接し、前記作動位置に移動するに連れて前記内周面が前記小径部の外周面に近接するように形成されている、
ことを特長とする請求項7に記載の電磁アクチュエータ。
【請求項9】
前記付勢バネは、前記可動子の底壁と前記固定子の小径部の間に配置されている、
ことを特徴とする請求項7に記載の電磁アクチュエータ。
【請求項10】
前記可動子の内周面は、前記小径部及び前記付勢バネを非接触にて受け入れる大径内周面と、前記付勢バネを受け入れる小径内周面を含む、
ことを特長とする請求項9に記載の電磁アクチュエータ。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ソレノイドの電磁力を駆動力とする電磁アクチュエータに関し、特に、直線的に往復動すると共に通電時に内向きに移動する可動子(プランジャ)を備えた電磁アクチュエータに関する。
続きを表示(約 2,100 文字)
【背景技術】
【0002】
従来の電磁アクチュエータとしては、ハウジングと、ハウジング内に配置され励磁用のコイルが巻回された非磁性材のボビンと、ボビンの貫通孔の一方側に嵌合されたコアと、ボビンの貫通孔の他方側に往復動自在に収容されたプランジャと、プランジャとコアの間に介在するように配置された有底筒状の収納部材と、プランジャと収納部材の底壁の間に配置されたコイルスプリングと、プランジャの端部に固着されたシールゴムを備え、コイルへの通電時に、プランジャがコアに吸引されて移動することでシールゴムが通路を開放すると共にプランジャが収納部材の底壁に当接して停止するソレノイドバルブが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
また、ケースと、ケースの内側に配置され電磁コイルを巻回するボビンと、ボビンの中心部に挿入されたコアと、電磁コイルの通電によりコアの方向に吸引されるプランジャと、プランジャを吸引方向と反対方向に付勢するリターンスプリングと、コアとプランジャの間においてコアに固定された非磁性材料からなるブッシュとを備え、プランジャがコアに吸引されて移動しブッシュに当接して停止する電磁弁が知られている(例えば、特許文献2を参照)。
【0004】
上記従来のソレノイドバルブ及び電磁弁においては、プランジャを停止させるストッパとして、収納部材及びブッシュ等の専用部品を採用しているため、部品点数が増加し、構造の複雑化及び高コスト化を招く。
【0005】
さらに、他の電磁アクチュエータとしては、外輪郭を画定するサイドヨーク及びトップヨークと、サイドヨークの内側に配置されて励磁コイルを巻回する樹脂製のボビンと、ボビンの一端側に挿入された固定ヨークと、ボビンの貫通孔内に往復動自在に配置されて励磁コイルの通電により固定ヨークに吸引されるプランジャと、ボビンの貫通孔において内側に突出する環状突起を設け、プランジャが固定ヨークに吸引されて移動し環状突起に当接して停止するものが知られている(例えば、特許文献3を参照)。
【0006】
この電磁アクチュエータにおいては、プランジャが中実をなす二段円柱状に形成されており、プランジャの小径部と大径部の境に形成された環状段差面がボビンの環状突起と全域において当接すると共に、プランジャの小径部が環状突起を通過して固定ヨークの凹部に入り込む構成となっている。
このように、プランジャは中実形状をなす重量物であるため、プランジャが環状突起に衝突する際の衝撃力及び衝撃音が懸念される。また、プランジャと固定ヨークとの間に樹脂製の環状突起が介在すると共に非通電時においてプランジャと固定ヨークの間に隔たりがあり、励磁コイルへの通電時の初期動作が鈍く又磁力線の流れが中央に絞られることで所望する推力(電磁力)が得られず、プランジャが迅速に移動しない虞がある。
さらに、ボビンに励磁コイルを自動巻線機で巻回する際に、環状突起が障害となって、ボビンの貫通孔の全域に亘って自動巻線機の回転ロッドを挿入することができず、巻線作業の際にボビンのビビリ振動を生じて乱巻きを誘発する虞がある。また、巻線作業の際に、回転ロッドの回転力をボビンに伝達するための構造の簡素化も望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開平6-272783号公報
特開平8-75030号公報
特開平7-211544号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記の事情に鑑みて成されたものであり、その目的とするところは、構造の簡素化、低コスト化、衝撃力及び衝撃音の低減、背圧逃がしによる動作特性の向上を図り、所望される推力を得ることのできる電磁アクチュエータを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の電磁アクチュエータは、ハウジングと、励磁用のコイルと、コイルを外周に巻回すると共に所定の軸線を中心とする貫通孔を画定するべく筒状に形成された樹脂製のボビンと、コイルの通電により作動位置に移動しコイルの非通電により休止位置に戻るべく貫通孔内において軸線の方向に往復動する可動子と、コイルの通電により可動子を吸引するべくボビンに挿入されて磁路を形成する固定子と、可動子を休止位置に向けて付勢する付勢バネを備え、ボビンは、作動位置において可動子が当接するべく貫通孔の内壁面から内側に突出する環状ストッパと、軸線に向かって開口するべく環状ストッパを部分的に内向きに切り欠いた切欠き部を含む、構成となっている。
【0010】
上記電磁アクチュエータにおいて、切欠き部は、ボビンにコイルを巻回する自動巻線機の回転ロッドの回転力が伝達されるべく、回転ロッドの一部と係合する係合部を兼ねる、構成を採用してもよい。
(【0011】以降は省略されています)
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