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公開番号
2024091451
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-07-04
出願番号
2023192763
出願日
2023-11-13
発明の名称
多環芳香族化合物
出願人
国立大学法人京都大学
,
エスケーマテリアルズジェイエヌシー株式会社
代理人
弁理士法人特許事務所サイクス
主分類
C07F
5/02 20060101AFI20240627BHJP(有機化学)
要約
【課題】有機電界発光素子等の有機デバイス用材料として有用な新規化合物を提供する。
【解決手段】式(1)で表される構造単位の1つまたは2つ以上からなり、Xとして式(X)で表される基を少なくとも1つ含む構造を有する多環芳香族化合物;
<com:Image com:imageContentCategory="Drawing"> <com:ImageFormatCategory>TIFF</com:ImageFormatCategory> <com:FileName>2024091451000153.tif</com:FileName> <com:HeightMeasure com:measureUnitCode="Mm">43</com:HeightMeasure> <com:WidthMeasure com:measureUnitCode="Mm">170</com:WidthMeasure> </com:Image> A環~D環は置換もしくは無置換のアリール環または置換もしくは無置換のヘテロアリール環であり、その他のXは>N-R
NX
(R
NX
はアリール等)、>O、または>Sであり、式(X)で表される基は一方の波線の位置および*でA~C環のいずれかの環、他方の波線の位置で別のいずれかの環に結合し、上記構造におけるアリール環およびヘテロアリール環からなる群より選択される少なくとも1つはシクロアルカンで縮合されていてもよく、上記構造における少なくとも1つの水素は重水素で置き換えられていてもよい。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
式(1)で表される構造単位の1つまたは2つ以上からなり、Xとして式(X)で表される基を少なくとも1つ含む構造を有する、多環芳香族化合物;
TIFF
2024091451000146.tif
42
170
式(1)中、
A環、B環、およびC環はそれぞれ独立して、置換もしくは無置換のアリール環または置換もしくは無置換のヘテロアリール環であり、
式(X)で表される基以外のその他のXはそれぞれ独立して、>N-R
NX
、>O、>C(-R
CX
)
2
、>Si(-R
IX
)
2
、>S、または>Seであり、R
NX
は水素、置換もしくは無置換のアリール、置換もしくは無置換のヘテロアリール、置換もしくは無置換のアルキル、または置換もしくは無置換のシクロアルキルであり、R
CX
およびR
IX
はそれぞれ独立して水素、置換もしくは無置換のアリール、置換もしくは無置換のヘテロアリール、置換もしくは無置換のアルキル、または置換もしくは無置換のシクロアルキルであり、2つのR
CX
は互いに結合して環を形成していてもよく、2つのR
IX
は互いに結合して環を形成していてもよく、R
NX
、R
CX
およびR
IX
は、それぞれ連結基または単結合により、当該R
NX
、R
CX
、またはR
IX
を含むXが結合する環の1つまたは2つと結合していてもよく、
式(X)中、D環は置換もしくは無置換のアリール環または置換もしくは無置換のヘテロアリール環であり、
式(X)で表される基における波線の位置がXのA環およびB環への、またはA環およびC環への結合位置であり、式(X)で表される基は、さらに*において、式(X)で表される基が結合するいずれか一方の環に結合し、前記一方の環における、式(X)で表される基の一方の波線での結合位置と*での結合位置とは互いに隣接しており、
D環は式(X)で表される基が結合する他方の環に連結基または単結合を介してさらに結合していてもよく、
前記構造におけるアリール環およびヘテロアリール環からなる群より選択される少なくとも1つは、少なくとも1つのシクロアルカンで縮合されていてもよく、当該シクロアルカンは少なくとも1つの置換基で置換されていてもよく、当該シクロアルカンにおける少なくとも1つの-CH
2
-は-O-で置き換えられていてもよく、
前記構造において、少なくとも1つの水素は重水素で置き換えられていてもよく、少なくとも1つの窒素は窒素-15(
15
N)で置き換えられていてもよく、少なくとも1つの硫黄は硫黄-33(
33
S)、硫黄-34(
34
S)または硫黄-36(
36
S)で置き換えられていてもよく、少なくとも1つの酸素は酸素-17(
17
O)または酸素-18(
18
O)で置き換えられていてもよく、少なくとも1つの炭素は炭素-13(
13
C)で置き換えられていてもよく、少なくとも1つのホウ素はホウ素-11(
11
B)で置き換えられていてもよい。
続きを表示(約 1,700 文字)
【請求項2】
式(1XA)または式(1XB)で表される請求項1に記載の多環芳香族化合物;
TIFF
2024091451000147.tif
42
170
式(1XA)および式(1XB)中、
A環、B環、C環、およびD環はそれぞれ式(1)中のA環、B環、C環、およびD環と同義であり、X
1
は>N-R
NX
、>O、または>Sであり、
R
NX
は、A環およびB環のいずれとも直接結合していない。
【請求項3】
下記いずれかの式で表される請求項2に記載の多環芳香族化合物;
TIFF
2024091451000148.tif
50
170
式中、tBuはt-ブチルである。
【請求項4】
式(1M2-1)、式(1M2-2)、式(1M2-3)、または式(1M2-4)で表され、Xとして式(X)で表される基を少なくとも1つ含む構造を有する、請求項1に記載の多環芳香族化合物;
TIFF
2024091451000149.tif
130
170
式(1M2-1)、式(1M2-2)、式(1M2-3)、および式(1M2-4)中、
A環、B環、C環、およびXは、式(1)中のA環、B環、C環、およびXとそれぞれ同義であり、A’環、およびB’環はそれぞれ独立して、置換もしくは無置換のアリール環または置換もしくは無置換のヘテロアリール環であり、
前記構造におけるアリール環およびヘテロアリール環からなる群より選択される少なくとも1つは、少なくとも1つのシクロアルカンで縮合されていてもよく、当該シクロアルカンは少なくとも1つの置換基で置換されていてもよく、当該シクロアルカンにおける少なくとも1つの-CH
2
-は-O-で置き換えられていてもよく、
前記構造において、少なくとも1つの水素は重水素で置き換えられていてもよく、少なくとも1つの窒素は窒素-15(
15
N)で置き換えられていてもよく、少なくとも1つの硫黄は硫黄-33(
33
S)、硫黄-34(
34
S)または硫黄-36(
36
S)で置き換えられていてもよく、少なくとも1つの酸素は酸素-17(
17
O)または酸素-18(
18
O)で置き換えられていてもよく、少なくとも1つの炭素は炭素-13(
13
C)で置き換えられていてもよく、少なくとも1つのホウ素はホウ素-11(
11
B)で置き換えられていてもよい。
【請求項5】
式(1-3)で表される請求項4に記載の多環芳香族化合物。
TIFF
2024091451000150.tif
54
170
【請求項6】
請求項1に記載の多環芳香族化合物に反応性置換基が置換した反応性化合物をモノマーとして高分子化させた数平均分子量2000~1.0×10
8
の高分子化合物。
【請求項7】
請求項1~5のいずれか一項に記載の多環芳香族化合物または請求項6に記載の高分子化合物を含有する、有機デバイス用材料。
【請求項8】
前記有機デバイス用材料が、有機電界発光素子用材料、有機電界効果トランジスタ用材料、有機薄膜太陽電池用材料、または波長変換フィルタ用材料である、請求項7に記載の有機デバイス用材料。
【請求項9】
陽極および陰極からなる一対の電極と該一対の電極間に配置される有機層とを有し、前記有機層が請求項1~5のいずれか一項に記載の多環芳香族化合物または請求項6に記載の高分子化合物を含有する、有機電界発光素子。
【請求項10】
前記有機層が発光層である、請求項9に記載の有機電界発光素子。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、多環芳香族化合物に関する。本発明はまた、上記多環芳香族化合物を用いた有機電界発光素子、有機電界効果トランジスタおよび有機薄膜太陽電池などの有機デバイス、並びに、表示装置および照明装置に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)
【背景技術】
【0002】
従来、電界発光する発光素子を用いた表示装置は、省電力化や薄型化が可能なことから、種々研究され、さらに、有機材料から成る有機電界発光素子は、軽量化や大型化が容易なことから活発に検討されてきた。特に、光の三原色の1つである青色などの発光特性を有する有機材料の開発、および正孔、電子などの電荷輸送能(半導体や超電導体となる可能性を有する)を備えた有機材料の開発については、高分子化合物、低分子化合物を問わずこれまで活発に研究されてきた。
【0003】
有機電界発光素子は、陽極および陰極からなる一対の電極と、当該一対の電極間に配置され、有機化合物を含む一層または複数の層とからなる構造を有する。有機化合物を含む層には、発光層や、正孔、電子などの電荷を輸送または注入する電荷輸送/注入層などがあるが、これらの層に適当な種々の有機材料が開発されている。
【0004】
その中で、特許文献1、2では、ホウ素を含有する多環芳香族化合物が、有機電界発光素子等の材料として有用であることが開示されている。特許文献2には、多環構造中に>NHを有する多環芳香族化合物が開示されており、この多環芳香族化合物を様々なアリールやヘテロアリールを有する化合物を製造するための合成中間体として使用することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
国際公開第2015/102118号
特開2021-095341号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述のように、有機EL素子に用いられる材料としては種々の材料が開発されているが、有機EL素子用材料の選択肢を増やすために、従来とは異なる化合物からなる材料の開発が望まれている。
本発明は有機EL素子等の有機デバイス用材料として有用な新規化合物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討し、特許文献1、2に記載の化合物と同様にホウ素を含有する多環芳香族化合物において、特定の部分構造を導入することにより、高効率で色純度の高い有機EL素子の製造が可能であることを見出した。そしてこの知見に基づき、さらに検討を重ねて、本発明を完成させた。すなわち本発明は、以下のような多環芳香族化合物、さらには以下のような多環芳香族化合物を含む有機デバイス用材料等を提供する。
【0008】
<1> 式(1)で表される構造単位の1つまたは2つ以上からなり、Xとして式(X)で表される基を少なくとも1つ含む構造を有する、多環芳香族化合物;
TIFF
2024091451000001.tif
44
170
【0009】
式(1)中、
A環、B環、およびC環はそれぞれ独立して、置換もしくは無置換のアリール環または置換もしくは無置換のヘテロアリール環であり、
式(X)で表される基以外のその他のXはそれぞれ独立して、>N-R
NX
、>O、>C(-R
CX
)
2
、>Si(-R
IX
)
2
、>S、または>Seであり、R
NX
は水素、置換もしくは無置換のアリール、置換もしくは無置換のヘテロアリール、置換もしくは無置換のアルキル、または置換もしくは無置換のシクロアルキルであり、R
CX
およびR
IX
はそれぞれ独立して水素、置換もしくは無置換のアリール、置換もしくは無置換のヘテロアリール、置換もしくは無置換のアルキル、または置換もしくは無置換のシクロアルキルであり、2つのR
CX
は互いに結合して環を形成していてもよく、2つのR
IX
は互いに結合して環を形成していてもよく、R
NX
、R
CX
およびR
IX
は、それぞれ連結基または単結合により、当該R
NX
、R
CX
、またはR
IX
を含むXが結合する環の1つまたは2つと結合していてもよく、
式(X)中、D環は置換もしくは無置換のアリール環または置換もしくは無置換のヘテロアリール環であり、
式(X)で表される基における波線の位置がXのA環およびB環への、またはA環およびC環への結合位置であり、式(X)で表される基は、さらに*において、式(X)で表される基が結合するいずれか一方の環に結合し、前記一方の環における、式(X)で表される基の一方の波線での結合位置と*での結合位置とは互いに隣接しており、
D環は式(X)で表される基が結合する他方の環に連結基または単結合を介してさらに結合していてもよく、
前記構造におけるアリール環およびヘテロアリール環からなる群より選択される少なくとも1つは、少なくとも1つのシクロアルカンで縮合されていてもよく、当該シクロアルカンは少なくとも1つの置換基で置換されていてもよく、当該シクロアルカンにおける少なくとも1つの-CH
2
-は-O-で置き換えられていてもよく、
前記構造において、少なくとも1つの水素は重水素で置き換えられていてもよく、少なくとも1つの窒素は窒素-15(
15
N)で置き換えられていてもよく、少なくとも1つの硫黄は硫黄-33(
33
S)、硫黄-34(
34
S)または硫黄-36(
36
S)で置き換えられていてもよく、少なくとも1つの酸素は酸素-17(
17
O)または酸素-18(
18
O)で置き換えられていてもよく、少なくとも1つの炭素は炭素-13(
13
C)で置き換えられていてもよく、少なくとも1つのホウ素はホウ素-11(
11
B)で置き換えられていてもよい。
【0010】
<2> 式(1XA)または式(1XB)で表される<1>に記載の多環芳香族化合物;
TIFF
2024091451000002.tif
42
170
式(1XA)および式(1XB)中、
A環、B環、C環、およびD環はそれぞれ式(1)中のA環、B環、C環、およびD環と同義であり、X
1
は>N-R
NX
、>O、または>Sであり、
R
NX
は、A環およびB環のいずれとも直接結合していない。
(【0011】以降は省略されています)
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