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公開番号2024153749
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-29
出願番号2024119368,2023190542
出願日2024-07-25,2023-11-08
発明の名称撥剤
出願人ダイキン工業株式会社,国立大学法人京都大学
代理人個人,個人
主分類C08F 8/32 20060101AFI20241022BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】新規な撥剤又は撥剤用途に用い得る新規な重合体の提供。
【解決手段】下記に定義する重合体(I)~(III)から選択される重合体を含む撥剤。(I)下記式:-[CH2C(-Q1)C(=O)R1]-[式中、各記号は明細書中の記載と同意義である。]で表される繰り返し単位(1)、及び下記式:-[CH2C(-Q2)C(=O)NHR2OH]-[式中、各記号は明細書中の記載と同意義である。]で表される繰り返し単位(2)を有する重合体。(II)前記繰り返し単位(1)と前記繰り返し単位(2)とからなる交互配列(A)を有する重合体。(III)下記式:-[CH2C(-Q3)C(=O)OH]-[式中、各記号は明細書中の記載と同意義である。]で表される繰り返し単位(3)と下記式:-[CH2C(-Q4)C(=O)OR41OC(=O)NHR42]-[式中、各記号は明細書中の記載と同意義である。]で表される繰り返し単位(4)とからなる交互配列(E)を有する重合体。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
下記に定義する重合体(III)である重合体。
(III)下記式:
-[CH

C(-Q

)C(=O)OH]-
[式中、


は水素原子、一価の有機基又はハロゲン原子である。]
で表される繰り返し単位(3)と
下記式:
-[CH

C(-Q

)C(=O)OR
41
OC(=O)NHR
42
]-
[式中、


は水素原子、一価の有機基又はハロゲン原子であり、

41
は炭素数1以上10以下のアルキレン基であり、

42
は炭素数4以上40以下の炭化水素基を有する一価の有機基である。]
で表される繰り返し単位(4)と
からなる交互配列(E)を有する重合体。
続きを表示(約 1,700 文字)【請求項2】
前記交互配列(E)の量が、前記重合体において30重量%以上である、請求項1に記載の重合体。
【請求項3】
下記に定義する重合体(III)である重合体を含む、撥剤。
(III)下記式:
-[CH

C(-Q

)C(=O)OH]-
[式中、


は水素原子、一価の有機基又はハロゲン原子である。]
で表される繰り返し単位(3)と
下記式:
-[CH

C(-Q

)C(=O)OR
41
OC(=O)NHR
42
]-
[式中、


は水素原子、一価の有機基又はハロゲン原子であり、

41
は炭素数1以上10以下のアルキレン基であり、

42
は炭素数4以上40以下の炭化水素基を有する一価の有機基である。]
で表される繰り返し単位(4)と
からなる交互配列(E)を有する重合体。
【請求項4】
前記交互配列(E)の量が、前記重合体において30重量%以上である、請求項3に記載の撥剤。
【請求項5】
水、有機溶媒、又は水と有機溶媒の混合物である液状媒体を含む、請求項3に記載の撥剤。
【請求項6】
繊維用又は紙用である、請求項3に記載の撥剤。
【請求項7】
請求項3~6のいずれか一項に記載の撥剤中の前記重合体が付着した基材。
【請求項8】
請求項3~6のいずれか一項に記載の撥剤を基材に適用することを含む、処理された基材の製造方法。
【請求項9】
重合体(III)の製造方法であって、
下記式:
CH

=C(-Q

)C(=O)O-X

-O-R
41
-OC(=O)C(-Q

)=CH

[式中、


は水素原子、一価の有機基又はハロゲン原子であり、


は酸分解により除去可能な基であり、


は水素原子、一価の有機基又はハロゲン原子であり、

41
は炭素数1以上10以下のアルキレン基である。]
で表されるジビニルモノマー(E)を環化重合して前駆体(E1)を得る工程;
前記前駆体(E1)を酸分解することにより前駆体(E1)からX

を除去して前駆体(E2)を得る工程;及び
前記前駆体(E2)と
下記式:

42
-NCO
[式中、R
42
は炭素数4以上40以下の炭化水素基を有する一価の有機基である。]
で表されるイソシアネート化合物と、を反応させる工程を含み、
前記重合体(III)が
下記式:
-[CH

C(-Q

)C(=O)OH]-
[式中、


は水素原子、一価の有機基又はハロゲン原子である。]
で表される繰り返し単位(3)と
下記式:
-[CH

C(-Q

)C(=O)OR
41
OC(=O)NHR
42
]-
[式中、


は水素原子、一価の有機基又はハロゲン原子であり、

41
は炭素数1以上10以下のアルキレン基であり、

42
は炭素数4以上40以下の炭化水素基を有する一価の有機基である。]
で表される繰り返し単位(4)と

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は撥剤に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
非特許文献1は、ジビニルモノマーを用いることで、一種類のモノマーからアクリルアミド単位のみからなる交互共重合体を合成する手法を開示している。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
Kametani, Yuki, et al. Angewandte Chemie International Edition 59.13 (2020): 5193-5201.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
非特許文献1は、重合体の撥剤用途への応用について記載も示唆もない。また、非特許文献1はアクリルアミド単位のみからなる交互共重合体を開示するのみでアクリレート単位を有する重合体について記載も示唆もしていない。本開示の目的は、新規な撥剤又は撥剤用途に用い得る新規な重合体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は以下の態様を含む:
[項1]
下記に定義する重合体(I)~(III)から選択される重合体を含む、撥剤。
(I)下記式:
-[CH

C(-Q

)C(=O)R

]-
[式中、


は水素原子、一価の有機基又はハロゲン原子であり、


は-NH(R
11
)又は-N(R
11


であり、ここで、R
11
は、各出現において独立して、炭素数4以上40以下の炭化水素基を有する一価の有機基である。]
で表される繰り返し単位(1)、及び
下記式:
-[CH

C(-Q

)C(=O)NHR

OH]-
[式中、


は水素原子、一価の有機基又はハロゲン原子であり、


は炭素数1以上10以下のアルキレン基である。]
で表される繰り返し単位(2)を有する重合体。
(II)前記繰り返し単位(1)と前記繰り返し単位(2)とからなる交互配列(A)を有する重合体。
(III)下記式:
-[CH

C(-Q

)C(=O)OH]-
[式中、


は水素原子、一価の有機基又はハロゲン原子である。]
で表される繰り返し単位(3)と
下記式:
-[CH

C(-Q

)C(=O)OR
41
OC(=O)NHR
42
]-
[式中、


は水素原子、一価の有機基又はハロゲン原子であり、

41
は炭素数1以上10以下のアルキレン基であり、

42
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、新規な撥剤又は撥剤用途に用い得る新規な重合体が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0007】
<用語の定義>
本明細書において用いられる場合、「n価の基」とは、n個の結合手を有する基、すなわちn個の結合を形成する基を意味する。また、「n価の有機基」とは、炭素を含有するn価の基を意味する。かかる有機基としては、特に限定されないが、炭化水素基又はその誘導体であり得る。炭化水素基の誘導体とは、炭化水素基の末端又は分子鎖中に、1つ又はそれ以上のN、O、S、Si、アミド、スルホニル、シロキサン、カルボニル、カルボニルオキシ等を有している基を意味する。
【0008】
本明細書において用いられる場合、「炭化水素基」とは、炭素及び水素を含む基であって、炭化水素から水素原子を脱離させた基を意味する。かかる炭化水素基としては、特に限定されるものではないが、C
1-20
炭化水素基、例えば、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基等が挙げられる。上記「脂肪族炭化水素基」は、直鎖状、分枝鎖状又は環状のいずれであってもよく、飽和又は不飽和のいずれであってもよい。また、炭化水素基は、1つ又はそれ以上の環構造を含んでいてもよい。炭化水素基は、1つ又はそれ以上の置換基により置換されていてもよい。
【0009】
本明細書において、「各出現において独立して」、「互いにそれぞれ独立して」、「それぞれ独立して」又はこれと同様の表現が明示的に記載されているか否かに関わらず、例外である旨の記載がある場合を除き、化学構造中に複数出現し得る用語(記号)が定義される場合、各出現毎に独立して当該定義が適用される。
【0010】
<撥剤>
本開示における撥剤は基材(例えば繊維基材、紙基材等)に撥液性を付与するものであり、撥水剤、撥油剤、耐油剤、及び耐水剤からなる群から選択される少なくとも一として機能し得る。撥剤中の重合体において、アミド基等の水素結合部位と炭化水素基とが共存することで、撥液性が向上され得る。本開示における重合体において、アミド基等の水素結合部位が交互配列することで、ランダム配列よりも相分離構造を形成しやすくなり、交互共重合体の撥液性が向上し得る。さらに、本開示における重合体において、アミド基等の水素結合部位が交互配列することで、分子運動が抑制され、温度による撥液性の低下が抑制され得る。
(【0011】以降は省略されています)

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