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公開番号2025027470
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-27
出願番号2024135318
出願日2024-08-14
発明の名称フルオロポリマー水性分散液の製造方法およびフルオロポリマー水性分散液
出願人ダイキン工業株式会社
代理人弁理士法人とこしえ特許事務所
主分類C08L 27/12 20060101AFI20250219BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】含フッ素界面活性剤の含有量が低減されたフルオロポリマー水性分散液を製造することができる製造方法を提供すること。
【解決手段】含フッ素界面活性剤の含有量が低減されたフルオロポリマー水性分散液の製造方法であって、フルオロポリマー、非イオン性界面活性剤および含フッ素界面活性剤を含有する水性分散液を加熱することにより、相(E1)、相(E2)および相(E3)を含有する水性分散液(E)を調製する工程を少なくとも含むフルオロポリマー水性分散液の製造方法を提供する。
【選択図】 なし
特許請求の範囲【請求項1】
含フッ素界面活性剤の含有量が低減されたフルオロポリマー水性分散液の製造方法であって、
フルオロポリマー、非イオン性界面活性剤および含フッ素界面活性剤を含有する水性分散液を加熱することにより、
前記フルオロポリマーの含有量が、相(E1)の質量に対して、1.00質量%未満であり、前記非イオン性界面活性剤の含有量が、相(E1)の質量に対して、2.00質量%未満である相(E1)、
前記フルオロポリマーの含有量が、相(E2)の質量に対して、1.00質量%未満であり、前記非イオン性界面活性剤の含有量が、相(E2)の質量に対して、2.00質量%以上である相(E2)、および、
前記フルオロポリマーの含有量が、相(E3)の質量に対して、1.00質量%以上であり、前記非イオン性界面活性剤の含有量が、相(E3)の質量に対して、2.00質量%以上である相(E3)、
を含有する水性分散液(E)を調製する工程を少なくとも含む
フルオロポリマー水性分散液の製造方法。
続きを表示(約 3,200 文字)【請求項2】
水性分散液(E)として、
前記フルオロポリマーの含有量が、相(E1)の質量に対して、1.00質量%未満であり、前記非イオン性界面活性剤の含有量が、相(E1)の質量に対して、2.00質量%未満である相(E1)、
前記フルオロポリマーの含有量が、相(E2)の質量に対して、1.00質量%未満であり、前記非イオン性界面活性剤の含有量が、相(E2)の質量に対して、20.00質量%以上である相(E2)、および、
前記フルオロポリマーの含有量が、相(E3)の質量に対して、30.00質量%以上であり、前記非イオン性界面活性剤の含有量が、相(E3)の質量に対して、2.00質量%以上である相(E3)、
を含有する水性分散液を調製する請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
フルオロポリマー、非イオン性界面活性剤および含フッ素界面活性剤を含有する水性分散液(C)を、前記非イオン性界面活性剤の曇点よりも10℃高い温度未満かつ35℃以上の第1の温度範囲まで加熱し、加熱した水性分散液(C)の温度を第1の温度範囲に5分以上維持することにより、
前記フルオロポリマーの含有量が、相(D1)の質量に対して、1.00質量%未満であり、前記非イオン性界面活性剤の含有量が、相(D1)の質量に対して、5.00質量%以上である相(D1)、および、
前記フルオロポリマーの含有量が、相(D2)の質量に対して、1.00質量%以上であり、前記非イオン性界面活性剤の含有量が、相(D2)の質量に対して、5.00質量%未満である相(D2)、
を含有する水性分散液(D)を調製し、
水性分散液(D)を、前記非イオン性界面活性剤の曇点よりも10℃高い温度以上の第2の温度範囲まで加熱し、加熱した水性分散液(D)の温度を第2の温度範囲に5分以上維持することにより、相(E1)~相(E3)を含有する水性分散液(E)を調製し、
相(E1)~相(E3)を含有する水性分散液(E)から相(E3)を回収する
請求項1に記載の製造方法。
【請求項4】
フルオロポリマー、非イオン性界面活性剤および含フッ素界面活性剤を含有する水性分散液(B)と、イオン交換樹脂とを接触させ、水性分散液(C)を回収し、
水性分散液(C)を、前記非イオン性界面活性剤の曇点よりも10℃高い温度未満かつ35℃以上の第1の温度範囲まで加熱し、加熱した水性分散液(C)の温度を第1の温度範囲に5分以上維持することにより、
前記フルオロポリマーの含有量が、相(D1)の質量に対して、1.00質量%未満であり、前記非イオン性界面活性剤の含有量が、相(D1)の質量に対して、5.00質量%以上である相(D1)、および、
前記フルオロポリマーの含有量が、相(D2)の質量に対して、1.00質量%以上であり、前記非イオン性界面活性剤の含有量が、相(D2)の質量に対して、5.00質量%未満である相(D2)、
を含有する水性分散液(D)を調製し、
水性分散液(D)を、前記非イオン性界面活性剤の曇点よりも10℃高い温度以上の第2の温度範囲まで加熱し、加熱した水性分散液(D)の温度を第2の温度範囲に5分以上維持することにより、相(E1)~相(E3)を含有する水性分散液(E)を調製し、
相(E1)~相(E3)を含有する水性分散液(E)から相(E3)を回収する
請求項1に記載の製造方法。
【請求項5】
フルオロポリマー、非イオン性界面活性剤および含フッ素界面活性剤を含有する水性分散液(C)を、前記非イオン性界面活性剤の曇点よりも10℃高い温度以上の第3の温度範囲まで加熱し、加熱した水性分散液(C)の温度を第3の温度範囲に5分以上維持することにより、相(E1)~相(E3)を含有する水性分散液(E)を調製し、
次に、各相の境界が消失するまで水性分散液(E)を撹拌することにより、水性分散液(F)を調製し、
前記非イオン性界面活性剤の曇点よりも10℃高い温度未満かつ35℃以上の第4の温度範囲に、水性分散液(F)の温度を調整し、水性分散液(F)の温度を第4の温度範囲に5分以上維持することにより、
前記フルオロポリマーの含有量が、相(G1)の質量に対して、1.00質量%未満であり、前記非イオン性界面活性剤の含有量が、相(G1)の質量に対して、5.00質量%以上である相(G1)、
前記フルオロポリマーの含有量が、相(G2)の質量に対して、1.00質量%以上であり、前記非イオン性界面活性剤の含有量が、相(G2)の質量に対して、5.00質量%未満である相(G2)、
を含有する水性分散液(G)を調製し、
相(G1)~相(G2)を含有する水性分散液(G)から相(G2)を回収する
請求項1に記載の製造方法。
【請求項6】
フルオロポリマー、非イオン性界面活性剤および含フッ素界面活性剤を含有する水性分散液(B)と、イオン交換樹脂とを接触させ、水性分散液(C)を回収し、
水性分散液(C)を、前記非イオン性界面活性剤の曇点よりも10℃高い温度以上の第3の温度範囲まで加熱し、加熱した水性分散液(C)の温度を第3の温度範囲に5分以上維持することにより、相(E1)~相(E3)を含有する水性分散液(E)を調製し、
次に、各相の境界が消失するまで水性分散液(E)を撹拌することにより、水性分散液(F)を調製し、
前記非イオン性界面活性剤の曇点よりも10℃高い温度未満かつ35℃以上の第4の温度範囲に、水性分散液(F)の温度を調整し、水性分散液(F)の温度を第4の温度範囲に5分以上維持することにより、
前記フルオロポリマーの含有量が、相(G1)の質量に対して、1.00質量%未満であり、前記非イオン性界面活性剤の含有量が、相(G1)の質量に対して、5.00質量%以上である相(G1)、
前記フルオロポリマーの含有量が、相(G2)の質量に対して、1.00質量%以上であり、前記非イオン性界面活性剤の含有量が、相(G2)の質量に対して、5.00質量%未満である相(G2)、
を含有する水性分散液(G)を調製し、
相(G1)~相(G2)を含有する水性分散液(G)から相(G2)を回収する
請求項1に記載の製造方法。
【請求項7】
水性分散液(C)を回収し、水性分散液(C)に非イオン性界面活性剤を添加した後に、水性分散液(C)を加熱する請求項4または6に記載の製造方法。
【請求項8】
含フッ素界面活性剤、重合開始剤および水性媒体の存在下に、フルオロモノマーを重合することにより、フルオロポリマーを含有する水性分散液(A)を調製し、
水性分散液(A)に、非イオン性界面活性剤を添加することにより、フルオロポリマー、非イオン性界面活性剤および含フッ素界面活性剤を含有する水性分散液(B)を調製する
請求項4または6に記載の製造方法。
【請求項9】
相(E3)中、または、相(G2)中の前記含フッ素界面活性剤の含有量が、水性分散液(A)中に含まれる前記含フッ素界面活性剤の含有量の0.001質量%に相当する量以下まで低減される請求項8に記載の製造方法。
【請求項10】
相(E3)または相(G2)を回収した後、回収した相に対して非イオン性界面活性剤を添加する請求項3~6のいずれかに記載の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、フルオロポリマー水性分散液の製造方法およびフルオロポリマー水性分散液に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
フルオロポリマーの製造方法として、フルオロモノマーを乳化重合する方法が知られている。乳化重合により得られるフルオロポリマーの水性分散液には、乳化重合に用いる界面活性剤などのフルオロポリマー以外の成分が含まれる。このようなフルオロポリマー以外の成分を低減または除去する方法について、様々な検討がなされている。
【0003】
特許文献1には、フッ素ポリマー水性分散液のフルオロエーテルカルボン酸または塩含量を低減する方法であって、該フルオロエーテルカルボン酸または塩が、式:
[R

-O-L-COO

]Y

(式中、


は、エーテル結合を含んでいてもよい一部または全部がフッ素化された直鎖状、分枝状、または環状脂肪族基であり、
Lは、エーテル結合を含んでいてもよい一部または全部がフッ素化された分枝状アルキレン基であり、


は、水素、アンモニウムまたはアルカリ金属の、陽イオンである)
を有するフルオロエーテルカルボン酸または塩を含み、
上記フッ素ポリマー水性分散液に安定剤を加えて、安定化されたフッ素ポリマー水性分散液を形成させることと、
該安定化されたフッ素ポリマー水性分散液を加熱し、上記フルオロエーテルカルボン酸または塩を脱炭酸して、フルオロエーテル副生成物を生成させることと、
該フルオロエーテル副生成物の少なくとも一部を除去することと、
を含む、上記方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2014-237842号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示では、含フッ素界面活性剤の含有量が低減されたフルオロポリマー水性分散液を製造することができる製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示によれば、含フッ素界面活性剤の含有量が低減されたフルオロポリマー水性分散液の製造方法であって、フルオロポリマー、非イオン性界面活性剤および含フッ素界面活性剤を含有する水性分散液を加熱することにより、
前記フルオロポリマーの含有量が、相(E1)の質量に対して、1.00質量%未満であり、前記非イオン性界面活性剤の含有量が、相(E1)の質量に対して、2.00質量%未満である相(E1)、
前記フルオロポリマーの含有量が、相(E2)の質量に対して、1.00質量%未満であり、前記非イオン性界面活性剤の含有量が、相(E2)の質量に対して、1.00質量%以上2.00質量%以上である相(E2)、および、
前記フルオロポリマーの含有量が、相(E3)の質量に対して、1.00質量%以上であり、前記非イオン性界面活性剤の含有量が、相(E3)の質量に対して、1.00質量%以上2.00質量%以上である相(E3)、
を含有する水性分散液(E)を調製する工程を少なくとも含むフルオロポリマー水性分散液の製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、含フッ素界面活性剤の含有量が低減されたフルオロポリマー水性分散液を製造することができる製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示を具体的に説明する前に、本開示で使用するいくつかの用語を定義または説明する。
【0009】
本開示において、フッ素樹脂とは、部分結晶性フルオロポリマーであり、フルオロプラスチックスである。フッ素樹脂は、融点を有し、熱可塑性を有するが、溶融加工性であっても、非溶融加工性であってもよい。
【0010】
本開示において、溶融加工性とは、押出機及び射出成形機等の従来の加工機器を用いて、ポリマーを溶融して加工することが可能であることを意味する。従って、溶融加工性のフッ素樹脂は、後述する測定方法により測定されるメルトフローレートが0.01~500g/10分であることが通常である。
(【0011】以降は省略されています)

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