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公開番号2024152612
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-25
出願番号2024027682
出願日2024-02-27
発明の名称多環芳香族化合物
出願人国立大学法人京都大学,エスケーマテリアルズジェイエヌシー株式会社
代理人弁理士法人特許事務所サイクス
主分類C07F 5/02 20060101AFI20241018BHJP(有機化学)
要約【課題】有機電界発光素子等の有機デバイス用材料として有用な化合物の提供。
【解決手段】式(1)で表される構造単位の1つまたは2つ以上からなる構造を有する多環芳香族化合物;
<com:Image com:imageContentCategory="Drawing"> <com:ImageFormatCategory>TIFF</com:ImageFormatCategory> <com:FileName>2024152612000200.tif</com:FileName> <com:HeightMeasure com:measureUnitCode="Mm">83</com:HeightMeasure> <com:WidthMeasure com:measureUnitCode="Mm">170</com:WidthMeasure> </com:Image>
Ra1~Ra3、Rb1~Rb4、およびRc1~Rc4は水素または置換基であり、X1およびX2は>N-RNX(RNXはアリール等)等であり、ただし、X1またはX2の少なくとも1つはRNXが式(G)で表される基であり、Rg1~Rg9は水素、アリール、アルキル等である。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
式(1)で表される構造単位の1つまたは2つ以上からなる構造を有する多環芳香族化合物;
TIFF
2024152612000185.tif
84
170
式(1)中、

a1
~R
a3
、R
b1
~R
b4
、およびR
c1
~R
c4
はそれぞれ独立して、水素または置換基であり、

a1
~R
a3
、R
b1
~R
b4
、およびR
c1
~R
c4
のうち隣接する2つの基は互いに結合して、それらが結合する2つの炭素原子とともに置換もしくは無置換のアリール環または置換もしくは無置換のヘテロアリール環を形成していてもよく、
ただし、R
a1
~R
a3
の少なくとも1つおよびR
c1
~R
c4
の少なくとも1つは、それぞれ独立して、置換もしくは無置換のアリールまたは置換もしくは無置換のヘテロアリールであり、

1
は、B、P、P=O、P=S、Al、Ga、As、Si-R、またはGe-Rであり、前記Si-Rおよび前記Ge-RのRは置換もしくは無置換のアリール、置換もしくは無置換のヘテロアリール、置換もしくは無置換のアルキル、または置換もしくは無置換のシクロアルキルであり;

1
およびX
2
は、それぞれ独立して、>O、>N-R
NX
、>C(-R
CX

2
、>Si(-R
IX

2
、>S、または>Seであり、R
NX
は水素、置換もしくは無置換のアリール、置換もしくは無置換のヘテロアリール、置換もしくは無置換のアルキル、または置換もしくは無置換のシクロアルキルであり、R
CX
はそれぞれ独立して水素、置換もしくは無置換のアリール、置換もしくは無置換のヘテロアリール、置換もしくは無置換のアルキル、または置換もしくは無置換のシクロアルキルであり、2つのR
CX
は互いに結合して環を形成していてもよく、R
IX
はそれぞれ独立して水素、置換もしくは無置換のアリール、置換もしくは無置換のヘテロアリール、置換もしくは無置換のアルキル、または置換もしくは無置換のシクロアルキルであり、2つのR
IX
は互いに結合して環を形成していてもよく、また、R
NX
および/またはR
CX
は連結基または単結合によりR
a3
および/もしくはR
b1
、またはR
a1
および/もしくはR
c4
と結合していてもよく、
ただし、X
1
およびX
2
からなる群より選択される少なくとも1つは、R
NX
が式(G)で表される基である>N-R
NX
であり、
TIFF
2024152612000186.tif
86
170
式(G)中、

g1
続きを表示(約 2,900 文字)【請求項2】

a2
が置換もしくは無置換のアリールまたは置換もしくは無置換のヘテロアリールである請求項1に記載の多環芳香族化合物。
【請求項3】

a2
がメチルもしくはt-ブチルで置換されていてもよいフェニルまたはシクロアルカンで縮合されているフェニルである請求項1に記載の多環芳香族化合物。
【請求項4】

c2
またはR
c3
が置換もしくは無置換のアリールまたは置換もしくは無置換のヘテロアリールである請求項1に記載の多環芳香族化合物。
【請求項5】
式(1)で表される構造単位の1つからなる構造を有し、

1
がBであり、

a1
、R
a3
、R
b1
、R
b4
、R
c1
、およびR
c4
がそれぞれ水素であり、

a2
はアルキルで置換されていてもよいアリール、またはアルキルで置換されていてもよいヘテロアリールあり、

b2
およびR
b3
が、それぞれ独立して、水素、無置換のアルキル、メチルで置換されていてもよいシクロアルキル、アルキルもしくはシクロアルキル(メチルで置換されていてもよい)で置換されていてもよいアリール、アルキルもしくはシクロアルキル(メチルで置換されていてもよい)で置換されていてもよいヘテロアリール、アルキルもしくはシクロアルキル(メチルで置換されていてもよい)で置換されていてもよいジアリールアミノ、アルキルもしくはシクロアルキル(メチルで置換されていてもよい)で置換されていてもよいアリールヘテロアリールアミノ、または、アルキルもしくはシクロアルキル(メチルで置換されていてもよい)で置換されていてもよいカルバゾリルであり、

c2
およびR
c3
のいずれか一方がアルキルで置換されていてもよいアリールであり、他方が水素またはアルキルで置換されていてもよいアリールであり、

1
およびX
2
がそれぞれ独立して>N-R
NX
であり、ただし少なくとも1つのR
NX
は、式(G)で表される基であり、
式(G)表される基以外のR
NX
が存在するとき、そのR
NX
は、アルキルもしくはシクロアルキル(アルキルで置換されていてもよい)で置換されていてもよいアリール(式(G)表される基を除く)またはアルキルもしくはシクロアルキル(アルキルで置換されていてもよい)で置換されていてもよいヘテロアリールであり、
式(G)中、

g1
~R
g9
はそれぞれ独立して、水素、アルキル、メチルで置換されていてもよいシクロアルキル、またはアルキルもしくはシクロアルキル(メチルで置換されていてもよい)で置換されていてもよいアリールであり、*は窒素原子との結合位置を示し、
前記構造におけるアリール環またはヘテロアリール環の少なくとも1つは、式(B-1)または式(B-2)で表される基を置換基として有していてもよく、
TIFF
2024152612000187.tif
49
170
式(B-1)および式(B-2)の各式において*は隣接する環構成原子にそれぞれ結合する位置を表し、Meはメチルであり、
前記構造における少なくとも1つの水素は、重水素で置き換えられていてもよい、請求項1に記載の多環芳香族化合物。
【請求項6】

g3
またはR
g4
が置換もしくは無置換のアリール、置換もしくは無置換のアルキル、または置換もしくは無置換のシクロアルキルであるか、またはg1環もしくはg2環がシクロアルカンで縮合されている請求項1に記載の多環芳香族化合物。
【請求項7】
下記式のいずれか1つで表される、請求項1に記載の多環芳香族化合物;
TIFF
2024152612000188.tif
226
170
TIFF
2024152612000189.tif
233
170
TIFF
2024152612000190.tif
221
170
TIFF
2024152612000191.tif
231
170
TIFF
2024152612000192.tif
236
170
TIFF
2024152612000193.tif
237
170
TIFF
2024152612000194.tif
230
170
TIFF
2024152612000195.tif
170
170
TIFF
2024152612000196.tif
223
170
TIFF
2024152612000197.tif
180
170
TIFF
2024152612000198.tif
220
170
TIFF
2024152612000199.tif
195
170
式中、Meはメチル、tBuはt-ブチル、tAmはt-アミル、Dは重水素である。
【請求項8】
式(1-1)、式(1-5)、式(1-6)、式(1-15)、式(1-21)、式(1-23)、式(1-27)、式(1-31)、式(1-34)、式(1-41)、式(1-48)、式(1-50)、式(1-56)、式(1-64)、式(1-68)、式(1-71)、式(1-76)、式(1-82)、式(1-85)、式(1-90)、式(1-82)、式(1-85)、式(1-86)、式(1-88)、式(1-89)、式(1-90)、式(1-94)、式(1-97)、式(1-98)、式(1-99)、式(1-100)、式(1-101)、式(1-102)、および式(1-103)~式(1-116)のいずれかで表される、請求項7に記載の多環芳香族化合物。
【請求項9】
陽極および陰極からなる一対の電極と、該一対の電極間に配置された発光層とを含み、前記発光層が請求項1~8のいずれか一項に記載の多環芳香族化合物を含有する、有機電界発光素子。
【請求項10】
前記発光層が、ホストと、ドーパントとしての前記多環芳香族化合物とを含む、請求項9に記載の有機電界発光素子。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、多環芳香族化合物に関する。本発明は特に、窒素とホウ素を含む多環芳香族化合物に関する。本発明はまた、上記多環芳香族化合物を含む有機デバイス用材料、有機電界発光素子、並びに、表示装置および照明装置に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
従来、電界発光する発光素子を用いた表示装置は、省電力化や薄型化が可能なことから、種々研究され、さらに、有機材料から成る有機電界発光素子は、軽量化や大型化が容易なことから活発に検討されてきた。特に、光の三原色の1つである青色などの発光特性を有する有機材料の開発、および正孔、電子などの電荷輸送能(半導体や超電導体となる可能性を有する)を備えた有機材料の開発については、高分子化合物、低分子化合物を問わず、これまで活発に研究されてきた。
【0003】
有機電界発光素子は、陽極および陰極からなる一対の電極と、当該一対の電極間に配置され、有機化合物を含む一層または複数の層とからなる構造を有する。有機化合物を含む層には、発光層や、正孔、電子などの電荷を輸送または注入する電荷輸送/注入層などがあるが、これらの層に適当な種々の有機材料が開発されている。
【0004】
その中で、特許文献1~3では、ホウ素を含有する多環芳香族化合物が、有機電界発光素子等の材料として有用であることが開示されている。この多環芳香族化合物を含有する有機電界発光素子は、良好な外部量子効率を有することが報告されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
国際公開第2015/102118号
国際公開第2021/107743号
米国特許出願公開第2022/0310924号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述のように、有機EL素子に用いられる材料としては種々の材料が開発されているが、有機EL素子用材料の選択肢を増やすために、新規化合物からなる材料の開発が望まれている。
本発明は有機EL素子等の有機デバイス用材料として有用な新規化合物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討し、特許文献1~3に記載の化合物と類似の構造を有する多環芳香族化合物において、より発光特性に優れる新規多環芳香族化合物の製造に成功した。また、この多環芳香族化合物を含有する層を一対の電極間に配置して有機EL素子を構成することにより、優れた有機EL素子が得られることを見出し、本発明を完成させた。すなわち本発明は、以下のような多環芳香族化合物、さらには以下のような多環芳香族化合物を含む有機デバイス用材料等を提供する。
本発明は、具体的には以下の構成を有する。
【0008】
<1>式(1)で表される構造単位の1つまたは2つ以上からなる構造を有する多環芳香族化合物;
TIFF
2024152612000002.tif
84
170
【0009】
式(1)中、

a1
~R
a3
、R
b1
~R
b4
、およびR
c1
~R
c4
はそれぞれ独立して、水素または置換基であり、

a1
~R
a3
、R
b1
~R
b4
、およびR
c1
~R
c4
のうち隣接する2つの基は互いに結合して、それらが結合する2つの炭素原子とともに置換もしくは無置換のアリール環または置換もしくは無置換のヘテロアリール環を形成していてもよく、
ただし、R
a1
~R
a3
の少なくとも1つおよびR
c1
~R
c4
の少なくとも1つは、それぞれ独立して、置換もしくは無置換のアリールまたは置換もしくは無置換のヘテロアリールであり、

1
は、B、P、P=O、P=S、Al、Ga、As、Si-R、またはGe-Rであり、前記Si-Rおよび前記Ge-RのRは置換もしくは無置換のアリール、置換もしくは無置換のヘテロアリール、置換もしくは無置換のアルキル、または置換もしくは無置換のシクロアルキルであり;

1
およびX
2
は、それぞれ独立して、>O、>N-R
NX
、>C(-R
CX

2
、>Si(-R
IX

2
、>S、または>Seであり、R
NX
は水素、置換もしくは無置換のアリール、置換もしくは無置換のヘテロアリール、置換もしくは無置換のアルキル、または置換もしくは無置換のシクロアルキルであり、R
CX
はそれぞれ独立して水素、置換もしくは無置換のアリール、置換もしくは無置換のヘテロアリール、置換もしくは無置換のアルキル、または置換もしくは無置換のシクロアルキルであり、2つのR
CX
は互いに結合して環を形成していてもよく、R
IX
はそれぞれ独立して水素、置換もしくは無置換のアリール、置換もしくは無置換のヘテロアリール、置換もしくは無置換のアルキル、または置換もしくは無置換のシクロアルキルであり、2つのR
IX
は互いに結合して環を形成していてもよく、また、R
NX
および/またはR
CX
は連結基または単結合によりR
a3
および/もしくはR
b1
、またはR
a1
および/もしくはR
c4
と結合していてもよく、
ただし、X
1
およびX
2
からなる群より選択される少なくとも1つは、R
NX
が式(G)で表される基である>N-R
NX
であり、
【0010】
TIFF
2024152612000003.tif
86
170
(【0011】以降は省略されています)

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