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公開番号
2025034800
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-03-13
出願番号
2023141422
出願日
2023-08-31
発明の名称
光励起磁気センサ及び脳磁計
出願人
浜松ホトニクス株式会社
,
国立大学法人京都大学
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
G01R
33/26 20060101AFI20250306BHJP(測定;試験)
要約
【課題】簡易な構成で磁場強度の計測の多チャンネル化を可能とする。
【解決手段】光励起磁気センサ1は、アルカリ金属蒸気が封入されたセル2と、ポンプ光をセル2内の複数の感度領域にy軸方向に沿って入射させるポンプレーザ4及び第1光学系6と、プローブ光を複数の感度領域にz軸方向に沿って入射させるプローブレーザ5及び第2光学系7と、y軸方向に沿うバイアス磁場Byをセル2内に印加し電子スピンの共鳴周波数を決定するバイアス磁場コイル11,15と、電子スピンの回転軸方向を傾ける傾動用コイル14と、複数の感度領域を通過したプローブ光を検出する光センサペア43a,43bと、磁場強度を計測する読出回路10と、を備える。バイアス磁場コイル15は、複数の感度領域のそれぞれに対して、強度が互いに異なる複数のバイアス磁場Byをそれぞれ印加する。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
アルカリ金属蒸気が封入されたセルと、
前記アルカリ金属蒸気を構成するアルカリ金属原子を励起するためのポンプ光を、前記セルの内部の複数の感度領域に第1方向に沿って入射させるポンプ光入射部と、
前記アルカリ金属原子の励起状態における電子スピンの変化を検出するためのプローブ光を、複数の前記感度領域に前記第1方向と交差する方向に沿って入射させるプローブ光入射部と、
前記第1方向に沿うバイアス磁場を前記セルの内部に印加し、前記電子スピンの共鳴周波数を決定するバイアス磁場コイルと、
前記電子スピンの回転軸方向を前記第1方向に対して垂直な方向に傾ける電子スピン傾動部と、
前記感度領域を通過した前記プローブ光を検出する光センサと、
前記光センサの出力を基に、前記感度領域に係る磁場強度を計測する磁場計測部と、を備え、
前記バイアス磁場コイルは、
複数の前記感度領域のそれぞれに対して、強度が互いに異なる複数の前記バイアス磁場をそれぞれ印加する、光励起磁気センサ。
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【請求項2】
複数の前記感度領域は、第1感度領域及び第2感度領域を少なくとも含み、
前記バイアス磁場コイルは、
前記第1感度領域に対応する第1コイルと、
前記第2感度領域に対応する第2コイルと、を含む、請求項1に記載の光励起磁気センサ。
【請求項3】
前記第1コイル及び前記第2コイルが設けられた基板を備え、
前記基板には、前記ポンプ光が通過する通過孔が形成されている、請求項2に記載の光励起磁気センサ。
【請求項4】
前記第1感度領域は、前記セルの端部に存在し、
前記バイアス磁場コイルは、
前記第1方向から見て前記セルから離れて配置され、前記第1コイルに隣接するセル外コイルを含む、請求項2又は3に記載の光励起磁気センサ。
【請求項5】
複数の前記感度領域は、第1感度領域、前記第1感度領域に隣接する第2感度領域、前記第2感度領域に隣接する第3感度領域、及び、前記第3感度領域に隣接する第4感度領域を含み、
前記バイアス磁場コイルは、
前記第1感度領域を前記第1方向に挟むように配置され、第1回転方向に第1巻き数で形成された一対の第1コイルと、
前記第2感度領域を前記第1方向に挟むように配置され、前記第1回転方向に第2巻き数で形成された一対の第2コイルと、
前記第3感度領域を前記第1方向に挟むように配置され、前記第1回転方向とは逆の第2回転方向に前記第2巻き数で形成された一対の第3コイルと、
前記第4感度領域を前記第1方向に挟むように配置され、前記第2回転方向に前記第1巻き数で形成された一対の第4コイルと、を含む、請求項1に記載の光励起磁気センサ。
【請求項6】
複数の前記感度領域は、第1~N感度領域(Nは2以上の整数)を含み、
前記バイアス磁場コイルは、前記第1~N感度領域のそれぞれに対して第1~Nバイアス磁場を印加し、前記第1~N感度領域の前記共鳴周波数を第1~N共鳴周波数とし、
前記磁場計測部は、
前記光センサの出力を基に、前記第1~N共鳴周波数の成分を含む自由誘導減衰の混合波形を取得し、
バンドパスフィルタにより前記混合波形をフィルタリングし、前記第1~N共鳴周波数の各帯域における自由誘導減衰の第1~N波形を取得し、前記第1~N波形の各周波数を導出し、
導出した前記第1~N波形の各周波数に基づいて、前記第1~N感度領域に係る磁場強度を求める、請求項1又は2に記載の光励起磁気センサ。
【請求項7】
前記電子スピン傾動部は、前記共鳴周波数と同一の周波数のRF信号を照射する、請求項1又は2に記載の光励起磁気センサ。
【請求項8】
前記電子スピン傾動部は、パルス状の光を照射する、請求項1又は2に記載の光励起磁気センサ。
【請求項9】
前記磁場計測部は、隣接する2つの前記感度領域に対応した前記光センサの出力の差分を基に、前記磁場強度を計測する、請求項1又は2に記載の光励起磁気センサ。
【請求項10】
被検体の頭部の周りに配置可能に設けられ、前記被検体より発せられる磁場の強度を計測する請求項1又は2に記載の光励起磁気センサを備える、脳磁計。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
実施形態の一側面は、光励起磁気センサ及びそれを含む脳磁計に関する。
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【背景技術】
【0002】
微弱な外部磁場を計測可能な光励起磁気センサが知られている(例えば特許文献1及び特許文献2参照)。光励起磁気センサにおいては、セルの内部のアルカリ金属原子をポンプ光によって励起し、ポンプ光に交わるようにセルに向けて照射したプローブ光を光センサによって計測し、光センサの出力を基に外部磁場の強度を検出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
米国特許公開2022/0091200号公報
米国特許第10,782,368号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したような光励起磁気センサでは、磁場強度の計測の多チャンネル化が望まれる場合がある。しかしこの場合、光学系の構成が煩雑になりやすい。そこで、実施形態の一側面は、簡易な構成で磁場強度の計測の多チャンネル化が可能な光励起磁気センサ及び脳磁計を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の第一の側面に係る光励起磁気センサは、[1]「アルカリ金属蒸気が封入されたセルと、前記アルカリ金属蒸気を構成するアルカリ金属原子を励起するためのポンプ光を、前記セルの内部の複数の感度領域に第1方向に沿って入射させるポンプ光入射部と、前記アルカリ金属原子の励起状態における電子スピンの変化を検出するためのプローブ光を、複数の前記感度領域に前記第1方向と交差する方向に沿って入射させるプローブ光入射部と、前記第1方向に沿うバイアス磁場を前記セルの内部に印加し、前記電子スピンの共鳴周波数を決定するバイアス磁場コイルと、前記電子スピンの回転軸方向を前記第1方向に対して垂直な方向に傾ける電子スピン傾動部と、前記感度領域を通過した前記プローブ光を検出する光センサと、前記光センサの出力を基に、前記感度領域に係る磁場強度を計測する磁場計測部と、を備え、前記バイアス磁場コイルは、複数の前記感度領域のそれぞれに対して、強度が互いに異なる複数の前記バイアス磁場をそれぞれ印加する、光励起磁気センサ。」である。
【0006】
この光励起磁気センサでは、複数の感度領域ごとにバイアス磁場の強度を変え、一つのプローブ光を用いて複数の感度領域に係る磁場強度を求めることができる。すなわち、簡易な構成で磁場強度の計測の多チャンネル化が可能となる。
【0007】
実施形態の光励起磁気センサは、[2]「複数の前記感度領域は、第1感度領域及び第2感度領域を少なくとも含み、前記バイアス磁場コイルは、前記第1感度領域に対応する第1コイルと、前記第2感度領域に対応する第2コイルと、を含む、上記[1]に記載の光励起磁気センサ。」であってもよい。この場合、複数の感度領域ごとにバイアス磁場の強度を変えることを具体的に実現可能となる。
【0008】
実施形態の光励起磁気センサは、[3]「前記第1コイル及び前記第2コイルが設けられた基板を備え、前記基板には、前記ポンプ光が通過する通過孔が形成されている、上記[2]に記載の光励起磁気センサ。」であってもよい。この場合、ポンプ光のセルへの入射を妨げずに、バイアス磁場コイルを具体的に実装することが可能となる。
【0009】
実施形態の光励起磁気センサは、[4]「前記第1感度領域は、前記セルの端部に存在し、前記バイアス磁場コイルは、前記第1方向から見て前記セルから離れて配置され、前記第1コイルに隣接するセル外コイルを含む、上記[2]又は[3]に記載の光励起磁気センサ。」であってもよい。この場合、第1感度領域に印加されるバイアス磁場におけるセルの端部側の強度を、セル外コイルにより適切に保つことができる。
【0010】
実施形態の光励起磁気センサは、[5]「複数の前記感度領域は、第1感度領域、前記第1感度領域に隣接する第2感度領域、第2感度領域に隣接する第3感度領域、及び、前記第3感度領域に隣接する第4感度領域を含み、前記バイアス磁場コイルは、前記第1感度領域を前記第1方向に挟むように配置され、第1回転方向に第1巻き数で形成された一対の第1コイルと、前記第2感度領域を前記第1方向に挟むように配置され、前記第1回転方向に第2巻き数で形成された一対の第2コイルと、前記第3感度領域を前記第1方向に挟むように配置され、前記第1回転方向とは逆の第2回転方向に前記第2巻き数で形成された一対の第3コイルと、前記第4感度領域を前記第1方向に挟むように配置され、前記第2回転方向に前記第1巻き数で形成された一対の第4コイルと、を含む、上記[1]に記載の光励起磁気センサ。」であってもよい。この場合、複数の感度領域ごとにバイアス磁場の強度を変えることを具体的に実現可能となる。
(【0011】以降は省略されています)
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