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公開番号2025009871
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-20
出願番号2024086334
出願日2024-05-28
発明の名称多環芳香族化合物
出願人国立大学法人京都大学,エスケーマテリアルズジェイエヌシー株式会社
代理人弁理士法人特許事務所サイクス
主分類C07F 5/02 20060101AFI20250109BHJP(有機化学)
要約【課題】有機電界発光素子等の有機デバイス用材料として有用な化合物の提供。
【解決手段】式(1)で表される構造単位の1つまたは2つ以上からなる構造を有する、多環芳香族化合物;
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Xは>O又は>S、R¹～R¹¹はHまたは置換基、Ar¹およびAr²の少なくとも1つは式(Ar)で表される1価の基であり、その他はアリール等である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項１】
式（１）で表される構造単位の１つまたは２つ以上からなる構造を有する、多環芳香族化合物；
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2025009871000293.tif
63
170
式（１）中、
Ｘは、＞Ｏ、＞Ｎ－Ｒ
NX
、＞Ｃ（－Ｒ
CX
）
2
、＞Ｓｉ（－Ｒ
IX
）
2
、＞Ｓ、または＞Ｓｅであり、Ｒ
NX
、Ｒ
CX
、およびＲ
IX
はそれぞれ独立して水素、置換もしくは無置換のアリール、置換もしくは無置換のヘテロアリール、置換もしくは無置換のアルキル、または置換もしくは無置換のシクロアルキルであり、２つのＲ
CX
は互いに結合して環を形成していてもよく、２つのＲ
IX
は互いに結合して環を形成していてもよく、
Ｒ
1
、Ｒ
3
～Ｒ
11
はそれぞれ独立して、水素または置換基であり、
Ｒ
2
は、水素、置換もしくは無置換のアルキル、置換もしくは無置換のシクロアルキル、置換もしくは無置換のアリール、置換もしくは無置換のヘテロアリール、置換もしくは無置換のジヘテロアリールアミノ（２つのヘテロアリールは互いに連結基を介して結合していてもよい）、置換もしくは無置換のアリールヘテロアリールアミノ（アリールとヘテロアリールは互いに連結基を介して結合していてもよい）、置換もしくは無置換のジアリールアミノ（２つのアリールは互いに連結基を介して結合していてもよい）、置換もしくは無置換のジアリールボリル（２つのアリールは互いに連結基を介して結合していてもよい）、置換もしくは無置換のアルコキシ、置換もしくは無置換のアリールオキシ、置換もしくは無置換のアリールチオ、置換もしくは無置換のアルケニル、シアノまたはハロゲンであり、
Ｒ
1
～Ｒ
11
のうち、１つのベンゼン環上で隣接する２つは互いに結合して、当該ベンゼン環とともに置換もしくは無置換のアリール環または置換もしくは無置換のヘテロアリール環を形成していてもよく
Ａｒ
1
およびＡｒ
2
は、それぞれ独立して、水素、置換もしくは無置換のアリール、置換もしくは無置換のヘテロアリール、置換もしくは無置換のアルキル、または置換もしくは無置換のシクロアルキルであり、ただし、Ａｒ
1
およびＡｒ
2
の少なくとも１つは、式（Ａｒ）で表される１価の基であり、
式（Ａｒ）中、
＊は式（１）の窒素原子との結合位置であり、
Ａは式（ｔＲ）で表される１価の基であり、
Ｒ
g1
およびＲ
g2
は、それぞれ独立して、水素または置換基であり、
Ｂ
1
およびＢ
2
は、それぞれ独立して水素または置換基であり、ただし、Ｂ
1
およびＢ
2
の少なくとも１つは式（ｔＲ）で表される１価の基であり、
TIFF
2025009871000294.tif
23
170
式（ｔＲ）中、
Ｒ
a
、Ｒ
b
、およびＲ
c
は、それぞれ独立して、炭素数１～２４のアルキルであり、
＊はｇ環との結合位置であり、
前記構造における、アリール環またはヘテロアリール環の少なくとも１つは、少なくとも１つのシクロアルカンで縮合されていてもよく、当該シクロアルカンは少なくとも１つの置換基を有していてもよく、当該シクロアルカンにおける少なくとも１つの－ＣＨ
2
－は－Ｏ－で置き換えられていてもよく、
前記構造において、少なくとも１つの水素は重水素で置き換えられていてもよく、少なくとも１つの窒素は窒素－１５（
15
Ｎ）で置き換えられていてもよく、少なくとも１つの硫黄は硫黄－３３（
33
Ｓ）、硫黄－３４（
続きを表示（約 2,400 文字）【請求項２】
Ｂ
1
が式（ｔＲ）で表されるターシャリ－アルキルであり、Ｂ
2
が水素またはメチルである請求項１に記載の多環芳香族化合物。
【請求項３】
Ｘが＞Ｏ、＞Ｓ、または＞Ｃ（－Ｒ
CX
）
2
である、請求項２に記載の多環芳香族化合物。
【請求項４】
Ａｒ
1
およびＡｒ
2
の少なくとも１つが式（ＡｒＧ－１）～式（ＡｒＧ－７１）のいずれかで表される１価の基である、請求項２に記載の多環芳香族化合物；
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2025009871000295.tif
226
170
TIFF
2025009871000296.tif
212
170
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2025009871000297.tif
152
170
上記各式中、＃は窒素への結合位置であり、Ｍｅはメチルであり、ｔＢｕはｔ－ブチルであり、ｔＡｍはｔ－アミルである。
【請求項５】
Ｒ
10
が、置換もしくは無置換のジアリールアミノ、置換もしくは無置換のジヘテロアリールアミノ、または置換もしくは無置換のアリールヘテロアリールアミノである、請求項２に記載の多環芳香族化合物。
【請求項６】
Ｒ
10
が、式（Ｍ－１）～式（Ｍ－１５）のいずれかで表される１価の基である、請求項５に記載の多環芳香族化合物。
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2025009871000298.tif
210
170
上記各式中、＃はＲ
10
のベンゼン環への結合位置であり、Ｍｅはメチルであり、ｔＢｕはｔ－ブチルであり、ｍはそれぞれ独立して０～５の整数であり、ｎはそれぞれ独立して０～４の整数であり、ｐはそれぞれ独立して０～７の整数であり、ｑはそれぞれ独立して０～３の整数であり、ｒはそれぞれ独立して０～７の整数である。
【請求項７】
Ｒ
2
が水素または無置換のアルキルである、請求項２に記載の多環芳香族化合物。
【請求項８】
Ｒ
2
がアルキルで置換されていてもよいアリールである、請求項２に記載の多環芳香族化合物。
【請求項９】
以下のいずれかの式で表される、請求項１に記載の多環芳香族化合物；
TIFF
2025009871000299.tif
222
170
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2025009871000300.tif
217
170
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2025009871000301.tif
206
170
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2025009871000302.tif
205
170
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2025009871000303.tif
221
170
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2025009871000304.tif
203
170
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2025009871000305.tif
225
170
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218
170
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222
170
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2025009871000310.tif
216
170
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2025009871000311.tif
224
170
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2025009871000312.tif
208
170
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170
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207
170
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2025009871000315.tif
221
170
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2025009871000316.tif
182
170
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225
170
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2025009871000318.tif
232
170
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2025009871000319.tif
217
170
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2025009871000320.tif
225
170
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2025009871000321.tif
225
170
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2025009871000322.tif
126
170
式中、Ｍｅはメチル、ｔＢｕはｔ－ブチル、ｔＡｍはｔ－アミルである。
【請求項１０】
陽極および陰極からなる一対の電極と、該一対の電極間に配置された発光層とを含み、前記発光層が請求項１～９のいずれか一項に記載の多環芳香族化合物を含有する、有機電界発光素子。
（【請求項１１】以降は省略されています）
発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、多環芳香族化合物に関する。本発明は特に、窒素とホウ素を含む多環芳香族化合物に関する。本発明はまた、上記多環芳香族化合物を含む有機デバイス用材料、有機電界発光素子、並びに、表示装置および照明装置に関する。
続きを表示（約 2,500 文字）【背景技術】
【０００２】
従来、電界発光する発光素子を用いた表示装置は、省電力化や薄型化が可能なことから、種々研究され、さらに、有機材料から成る有機電界発光素子は、軽量化や大型化が容易なことから活発に検討されてきた。特に、光の三原色の１つである青色などの発光特性を有する有機材料の開発、および正孔、電子などの電荷輸送能（半導体や超電導体となる可能性を有する）を備えた有機材料の開発については、高分子化合物、低分子化合物を問わず、これまで活発に研究されてきた。
【０００３】
有機電界発光素子は、陽極および陰極からなる一対の電極と、当該一対の電極間に配置され、有機化合物を含む一層または複数の層とからなる構造を有する。有機化合物を含む層には、発光層や、正孔、電子などの電荷を輸送または注入する電荷輸送／注入層などがあるが、これらの層に適当な種々の有機材料が開発されている。
【０００４】
その中で、特許文献１～３では、ホウ素を含有する多環芳香族化合物が、有機電界発光素子等の材料として有用であることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００５】
国際公開第２０１５／１０２１１８号
国際公開第２０２０／２５１０４９号
米国特許出願公開第２０２３／００７５０１７号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
上述のように、有機ＥＬ素子に用いられる材料としては種々の材料が開発されているが、有機ＥＬ素子用材料の選択肢を増やすために、新規化合物からなる材料の開発が望まれている。本発明は有機ＥＬ素子等の有機デバイス用材料として有用な新規化合物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討し、特許文献１～３に記載の化合物と類似の構造を有する多環芳香族化合物において、より発光特性に優れる新規多環芳香族化合物の製造に成功した。また、この多環芳香族化合物を含有する層を一対の電極間に配置して有機ＥＬ素子を構成することにより、優れた有機ＥＬ素子が得られることを見出し、本発明を完成させた。すなわち本発明は、以下のような多環芳香族化合物、さらには以下のような多環芳香族化合物を含む有機デバイス用材料等を提供する。
本発明は、具体的には以下の構成を有する。
【０００８】
＜１＞式（１）で表される構造単位の１つまたは２つ以上からなる構造を有する、多環芳香族化合物；
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2025009871000001.tif
63
170
【０００９】
式（１）中、
Ｘは、＞Ｏ、＞Ｎ－Ｒ
NX
、＞Ｃ（－Ｒ
CX
）
2
、＞Ｓｉ（－Ｒ
IX
）
2
、＞Ｓ、または＞Ｓｅであり、Ｒ
NX
、Ｒ
CX
、およびＲ
IX
はそれぞれ独立して水素、置換もしくは無置換のアリール、置換もしくは無置換のヘテロアリール、置換もしくは無置換のアルキル、または置換もしくは無置換のシクロアルキルであり、２つのＲ
CX
は互いに結合して環を形成していてもよく、２つのＲ
IX
は互いに結合して環を形成していてもよく、
Ｒ
1
、Ｒ
3
～Ｒ
11
はそれぞれ独立して、水素または置換基であり、
Ｒ
2
は、水素、置換もしくは無置換のアルキル、置換もしくは無置換のシクロアルキル、置換もしくは無置換のアリール、置換もしくは無置換のヘテロアリール、置換もしくは無置換のジヘテロアリールアミノ（２つのヘテロアリールは互いに連結基を介して結合していてもよい）、置換もしくは無置換のアリールヘテロアリールアミノ（アリールとヘテロアリールは互いに連結基を介して結合していてもよい）、置換もしくは無置換のジアリールアミノ（２つのアリールは互いに連結基を介して結合していてもよい）、置換もしくは無置換のジアリールボリル（２つのアリールは互いに連結基を介して結合していてもよい）、置換もしくは無置換のアルコキシ、置換もしくは無置換のアリールオキシ、置換もしくは無置換のアリールチオ、置換もしくは無置換のアルケニル、シアノまたはハロゲンであり、
Ｒ
1
～Ｒ
11
のうち、１つのベンゼン環上で隣接する２つは互いに結合して、当該ベンゼン環とともに置換もしくは無置換のアリール環または置換もしくは無置換のヘテロアリール環を形成していてもよく
Ａｒ
1
およびＡｒ
2
は、それぞれ独立して、水素、置換もしくは無置換のアリール、置換もしくは無置換のヘテロアリール、置換もしくは無置換のアルキル、または置換もしくは無置換のシクロアルキルであり、ただし、Ａｒ
1
およびＡｒ
2
の少なくとも１つは、式（Ａｒ）で表される１価の基であり、
式（Ａｒ）中、
＊は式（１）の窒素原子との結合位置であり、
Ａは式（ｔＲ）で表される１価の基であり、
Ｒ
g1
およびＲ
g2
は、それぞれ独立して、水素または置換基であり、
Ｂ
1
およびＢ
2
は、それぞれ独立して水素または置換基であり、ただし、Ｂ
1
およびＢ
2
の少なくとも１つは式（ｔＲ）で表される１価の基であり、
【００１０】
TIFF
2025009871000002.tif
23
170
（【００１１】以降は省略されています）

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