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公開番号
2025009884
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-20
出願番号
2024089127
出願日
2024-05-31
発明の名称
多環芳香族化合物
出願人
国立大学法人京都大学
,
エスケーマテリアルズジェイエヌシー株式会社
代理人
弁理士法人特許事務所サイクス
主分類
C07F
5/02 20060101AFI20250109BHJP(有機化学)
要約
【課題】有機電界発光素子等の有機デバイス用材料として有用な新規化合物を提供する。
【解決手段】式(1)で表される構造単位の1つまたは2つ以上からなり、Xとして式(X1)で表される基を少なくとも1つ含む構造を有する多環芳香族化合物。
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(A環~D環、F環はアリール環またはヘテロアリール環、Yは>B-、R
bz
はオルト置換フェニルであり、その他のXは式(X2)で表される基または>N-Ar
X
等であり、D環は結合基L
D
を介して式(X1)で表される基が結合する環にさらに結合していてもよく、上記構造におけるアリール環およびヘテロアリール環からなる群より選択される少なくとも1つは、少なくとも1つのシクロアルカンで縮合されていてもよい。)
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
式(1)で表される構造単位の1つまたは2つ以上からなり、
Xとして式(X1)で表される基を少なくとも1つ含む構造を有する、多環芳香族化合物;
TIFF
2025009884000198.tif
42
170
式(1)中、
A環、B環、およびC環はそれぞれ独立して、置換もしくは無置換のアリール環または置換もしくは無置換のヘテロアリール環であり;
Yは、>B-、>P-、>P(=O)-、>P(=S)-、>Al-、>Ga-、>As-、>Si(-R
IY
)-、または>Ge(-R
GY
)-であり、R
IY
およびR
GY
は、それぞれ独立して、置換もしくは無置換のアリール、置換もしくは無置換のヘテロアリール、置換もしくは無置換のアルキル、または置換もしくは無置換のシクロアルキルであり;
式(X1)中、
D環は置換もしくは無置換のアリール環または置換もしくは無置換のヘテロアリール環であり、
R
bz
は、それぞれ独立して、水素、置換もしくは無置換のアリール、置換もしくは無置換のヘテロアリール、置換もしくは無置換のアルキル、または置換もしくは無置換のシクロアルキルであり、
式(X1)で表される基における波線の位置がXのA環およびB環への、またはA環およびC環への結合位置であり、
式(X1)で表される基は、#において、式(X1)で表される基が結合するいずれか一方の環に結合し、前記一方の環における、式(X1)で表される基の一方の波線での結合位置と#での結合位置とは互いに隣接しており、
D環は結合基L
D
を介して式(X1)で表される基が結合する他方の環にさらに結合していてもよく、その結合位置は前記他方の環における、式(X1)で表される基の一方の波線での結合位置と互いに隣接しており、
L
D
は、単結合、>B-R
BL
、>N-R
NL
、>O、>S、>C(-R
CL
)
2
、>Si(-R
IL
)
2
、または>Seであり、R
BL
、R
NL
、R
CL
、およびR
IL
は、それぞれ独立して、水素、置換もしくは無置換のアリール、置換もしくは無置換のヘテロアリール、置換もしくは無置換のアルキル、または置換もしくは無置換のシクロアルキルであり、2つのR
CL
は互いに結合して環を形成していてもよく、2つのR
IL
は互いに結合して環を形成していてもよく、
R
NL
、R
CL
、およびR
IL
は、それぞれ独立して、A環、B環、およびC環の少なくとも1つの環と連結基または単結合を介して結合していてもよく;
式(X1)で表される基以外のその他のXはそれぞれ独立して、式(X2)で表される基、>N-Ar
X
、>N-R
NX
、>O、>C(-R
CX
)
2
、>Si(-R
IX
)
2
、>S、または>Seであり、Ar
X
は置換もしくは無置換のアリールまたは置換もしくは無置換のヘテロアリールであり、R
NX
は水素、置換もしくは無置換のアルキル、または置換もしくは無置換のシクロアルキルであり、R
CX
およびR
IX
はそれぞれ独立して水素、置換もしくは無置換のアリール、置換もしくは無置換のヘテロアリール、置換もしくは無置換のアルキル、または置換もしくは無置換のシクロアルキルであり、2つのR
CX
は互いに結合して環を形成していてもよく、2つのR
IX
は互いに結合して環を形成していてもよく、R
NX
、R
CX
およびR
続きを表示(約 1,100 文字)
【請求項2】
式(X2)で表される基をXとして少なくとも1つ含む、請求項1に記載の多環芳香族化合物。
【請求項3】
L
F
またはL
F2
として単結合を少なくとも1つ含む、請求項2に記載の多環芳香族化合物。
【請求項4】
式(X1)で表される基をXとして少なくとも2つ含む、請求項1に記載の多環芳香族化合物。
【請求項5】
L
D
を介して他方の環にさらに結合している式(X1)で表される基をXとして少なくとも1つ含む、請求項1に記載の多環芳香族化合物。
【請求項6】
L
D
が単結合である、請求項5に記載の多環芳香族化合物。
【請求項7】
L
D
を介して他方の環にさらに結合している式(X1)で表される基および式(X2)で表される基からなる群より選択される基をXとして少なくとも2つ含み、L
D
、L
F
、またはL
F2
として単結合を少なくとも2つ含む、請求項1に記載の多環芳香族化合物。
【請求項8】
少なくとも2つのオルト位に置換基を有するフェニルであって、前記2つの置換基がそれぞれ独立して置換もしくは無置換のアリールまたは置換もしくは無置換のヘテロアリールである前記フェニルを、R
bz
として少なくとも1つ含む、請求項1に記載の多環芳香族化合物。
【請求項9】
以下のいずれかの式で表される請求項1に記載の多環芳香族化合物;
TIFF
2025009884000200.tif
214
170
TIFF
2025009884000201.tif
197
170
TIFF
2025009884000202.tif
220
170
TIFF
2025009884000203.tif
198
170
TIFF
2025009884000204.tif
214
170
式中、Meはメチル、tBuはt-ブチル、Adは1-アダマンチルである。
【請求項10】
請求項1に記載の多環芳香族化合物に反応性置換基が置換した反応性化合物をモノマーとして高分子化させた数平均分子量2000~1.0×10
8
の高分子化合物。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、多環芳香族化合物に関する。本発明はまた、上記多環芳香族化合物を用いた有機電界発光素子、有機電界効果トランジスタおよび有機薄膜太陽電池などの有機デバイス、並びに、表示装置および照明装置に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)
【背景技術】
【0002】
従来、電界発光する発光素子を用いた表示装置は、省電力化や薄型化が可能なことから、種々研究され、さらに、有機材料から成る有機電界発光素子は、軽量化や大型化が容易なことから活発に検討されてきた。特に、光の三原色の一つである青色などの発光特性を有する有機材料の開発、および正孔、電子などの電荷輸送能(半導体や超電導体となる可能性を有する)を備えた有機材料の開発については、高分子化合物、低分子化合物を問わずこれまで活発に研究されてきた。
【0003】
有機電界発光素子は、陽極および陰極からなる一対の電極と、当該一対の電極間に配置され、有機化合物を含む一層または複数の層とからなる構造を有する。有機化合物を含む層には、発光層や、正孔、電子などの電荷を輸送または注入する電荷輸送/注入層などがあるが、これらの層に適当な種々の有機材料が開発されている。
【0004】
その中で、特許文献1、2では、ホウ素を含有する多環芳香族化合物が、有機電界発光素子等の材料として有用であることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
国際公開第2015/102118号
国際公開第2018/212169号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述のように、有機EL素子に用いられる材料としては種々の材料が開発されているが、有機EL素子用材料の選択肢を増やすために、従来とは異なる化合物からなる材料の開発が望まれている。
本発明は有機EL素子等の有機デバイス用材料として有用な新規化合物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討し、特許文献1、2に記載の化合物と同様にホウ素を含有する多環芳香族化合物において、特定の部分構造を導入することにより、高効率で色純度の高い有機EL素子の製造が可能であることを見出した。そしてこの知見に基づき、さらに検討を重ねて、本発明を完成させた。すなわち本発明は、以下のような多環芳香族化合物、さらには以下のような多環芳香族化合物を含む有機デバイス用材料等を提供する。
【0008】
<1> 式(1)で表される構造単位の1つまたは2つ以上からなり、
Xとして式(X1)で表される基を少なくとも1つ含む構造を有する、多環芳香族化合物;
TIFF
2025009884000001.tif
43
170
【0009】
式(1)中、
A環、B環、およびC環はそれぞれ独立して、置換もしくは無置換のアリール環または置換もしくは無置換のヘテロアリール環であり;
Yは、>B-、>P-、>P(=O)-、>P(=S)-、>Al-、>Ga-、>As-、>Si(-R
IY
)-、または>Ge(-R
GY
)-であり、R
IY
およびR
GY
は、それぞれ独立して、置換もしくは無置換のアリール、置換もしくは無置換のヘテロアリール、置換もしくは無置換のアルキル、または置換もしくは無置換のシクロアルキルであり;
式(X1)中、
D環は置換もしくは無置換のアリール環または置換もしくは無置換のヘテロアリール環であり、
R
bz
は、それぞれ独立して、水素、置換もしくは無置換のアリール、置換もしくは無置換のヘテロアリール、置換もしくは無置換のアルキル、または置換もしくは無置換のシクロアルキルであり、
式(X1)で表される基における波線の位置がXのA環およびB環への、またはA環およびC環への結合位置であり、
式(X1)で表される基は、#において、式(X1)で表される基が結合するいずれか一方の環に結合し、前記一方の環における、式(X1)で表される基の一方の波線での結合位置と#での結合位置とは互いに隣接しており、
D環は結合基L
D
を介して式(X1)で表される基が結合する他方の環にさらに結合していてもよく、その結合位置は前記他方の環における、式(X1)で表される基の一方の波線での結合位置と互いに隣接しており、
L
D
は、単結合、>B-R
BL
、>N-R
NL
、>O、>S、>C(-R
CL
)
2
、>Si(-R
IL
)
2
、または>Seであり、R
BL
、R
NL
、R
CL
、およびR
IL
は、それぞれ独立して、水素、置換もしくは無置換のアリール、置換もしくは無置換のヘテロアリール、置換もしくは無置換のアルキル、または置換もしくは無置換のシクロアルキルであり、2つのR
CL
は互いに結合して環を形成していてもよく、2つのR
IL
は互いに結合して環を形成していてもよく、
R
NL
、R
CL
、およびR
IL
は、それぞれ独立して、A環、B環、およびC環の少なくとも1つの環と連結基または単結合を介して結合していてもよく;
式(X1)で表される基以外のその他のXはそれぞれ独立して、式(X2)で表される基、>N-Ar
X
、>N-R
NX
、>O、>C(-R
CX
)
2
、>Si(-R
IX
)
2
、>S、または>Seであり、Ar
X
は置換もしくは無置換のアリールまたは置換もしくは無置換のヘテロアリールであり、R
NX
は水素、置換もしくは無置換のアルキル、または置換もしくは無置換のシクロアルキルであり、R
CX
およびR
IX
はそれぞれ独立して水素、置換もしくは無置換のアリール、置換もしくは無置換のヘテロアリール、置換もしくは無置換のアルキル、または置換もしくは無置換のシクロアルキルであり、2つのR
CX
は互いに結合して環を形成していてもよく、2つのR
IX
は互いに結合して環を形成していてもよく、R
NX
、R
CX
およびR
IX
は、それぞれ連結基または単結合により、当該R
NX
、R
CX
【0010】
TIFF
2025009884000002.tif
43
170
(【0011】以降は省略されています)
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