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公開番号2025157982
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-16
出願番号2024060387
出願日2024-04-03
発明の名称可聴域音波を用いた脂肪細胞に刺激を与えるための器具
出願人国立大学法人京都大学
代理人弁理士法人池内アンドパートナーズ
主分類A61N 7/00 20060101AFI20251008BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】生体内における脂肪細胞(脂肪組織)の分化及び/又は蓄積を非侵襲的に制御可能な新たな方法を提供する。
【解決手段】対象である生体内の脂肪細胞に非侵襲的な刺激を与えるための器具であって、前記刺激が、可聴域音波の発振により生じる振動刺激であり、前記可聴域音波を発生するための可聴域音波発生手段を備える器具に関する。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
対象である生体内の脂肪細胞に非侵襲的な刺激を与えるための器具であって、
前記刺激が、可聴域音波の発振により生じる振動刺激であり、
可聴域音波を発生するための可聴域音波発生手段を備える、器具。
続きを表示(約 680 文字)【請求項2】
前記可聴域音波の発振により生じる振動刺激により前記脂肪細胞の分化及び/又は蓄積を抑制するための、請求項1記載の器具。
【請求項3】
前記対象に当接して、前記振動刺激を前記対象に与えることが可能な伝達手段をさらに備える、請求項1記載の器具。
【請求項4】
前記発生手段を水性液体に浸漬した状態で、前記可聴域音波を発振させて、前記水性液体を介して前記対象に前記振動刺激を与えるための、請求項1記載の器具。
【請求項5】
前記可聴域音波の周波数は、20Hz以上20kHz未満である、請求項1記載の器具。
【請求項6】
前記可聴域音波は、単一の周波数である、請求項1記載の器具。
【請求項7】
さらに、脂肪細胞の分化及び/又は蓄積が抑制されるように可聴域音波発生手段から発生される可聴域音波の周波数を制御する制御部を備える、請求項1から6のいずれかに記載の器具。
【請求項8】
生体における脂肪細胞の分化及び/又は蓄積を抑制するための音波刺激システムであって、
前記刺激が、可聴域音波の発振により生じる振動刺激であり、
ヒト又は非ヒト動物を収容可能な水槽内の水面及び水中の少なくとも一方に、可聴域音波を発生するための可聴域音波発生手段を備える、音波刺激システム。
【請求項9】
可聴域音波の発振により生じる振動刺激を対象である生体に与えることにより、前記対象における脂肪細胞の分化及び/又は蓄積を抑制する方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、可聴域音波を用いた器具に関する。より具体的には、生体内の脂肪細胞に非侵襲的な刺激を与えるための器具、生体における脂肪細胞の分化及び/又は蓄積を抑制するための音波刺激システム、及び可聴域音波刺激を用いた脂肪細胞の分化及び/又は蓄積を抑制する方法に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
現在世界では10億人以上が肥満であり、対処医療のコストは年間590兆円にも上る。2035年までには世界人口の半数超が肥満になると試算され、肥満が引き起こす生活習慣病などの様々な弊害も飛躍的に増大するため、肥満への効果的な対策なくしては現在の社会構造が維持できなくなると懸念される。
【0003】
肥満に対する処置としてまず重要なのは、摂食コントロールや運動により改善が見込まれる初期の単純性肥満において、脂肪組織の形成を抑制して肥満サイクルに入り込まないことであるが、日常生活の中で適切な摂食や運動を長期的に実施していくことは難しいケースも多い。また、慢性化した後期肥満や、遺伝やホルモン異常が原因である症候性肥満は、適切な医療処置が必須である。後期・慢性的肥満の対処医療として効果的なものは、ほぼ脂肪組織の切除手術しかなく、アメリカ食品医薬品局(FDA)が過去に承認してきた5種類の肥満治療薬も、そのコストの高さと効果の低さから広く用いられるに至らなかった。近年、脂肪蓄積の細胞メカニズムに着目した新たな発想の抗肥満薬が開発され、日本でも初の肥満治療薬として、2024年2月にGLP-1受容体作動薬で食欲抑制や胃腸運動抑制効果をもたらす「ウゴービ」が、2024年4月に脂肪分解酵素阻害薬で脂肪成分の吸収を抑制する「アライ」が販売されている。これらの薬剤の肥満医療における効果は今後明らかになってくると思われるが、前者は胃腸障害や低血糖、後者は消化器系不全や脂溶性ビタミンの摂取不全による不調などの副作用が想定されており、服用対象も患者の既往歴や医療処置の必要性を見極めて判断されるなど、限定的になる見込みである。このように、初期肥満の抑制にとっても後期・慢性的肥満の医療処置にとっても、肥満組織のコントロールは容易でなく、簡易で非侵襲的で効果的な脂肪組織のコントロール法の開発が望まれる。
【0004】
非侵襲的に脂肪を減少する方法としては、例えば、超音波によって脂肪を減少させる方法等が提案されている(特許文献1及び2等)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2001-286484号公報
特表2012-513837号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年、世界的に肥満は増加傾向にある。肥満、特に体脂肪が増えすぎた肥満は、糖尿病や高血圧等の生活習慣病を悪化させ、さらには動脈硬化、心筋梗塞及び脳卒中を引き起こす場合がある。肥満治療として一般的である切除手術は、外科的手術という身体的・精神的負担とリスクが伴い、また執刀と術後経過ケアに多大な医療リソースを消費する。抗肥満薬による治療は、実質的な効果や副作用に懸念があり、また併用薬剤との兼ね合いによる安全性の問題や、広く利用できる手段であるかどうか、その汎用性も今後の問題点となることが予想される。このため、生体内における脂肪細胞(脂肪組織)の分化及び/又は蓄積を非侵襲的に制御可能で、上記のこれまでの対処医療の代替あるいは補完となる新たな技術の開発が求められている。
【0007】
そこで、本開示は、一態様において、生体内における脂肪細胞(脂肪組織)の分化及び/又は蓄積を非侵襲的に制御可能な新たな方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示は、一態様において、対象である生体内の脂肪細胞に非侵襲的な刺激を与えるための器具であって、前記刺激が、可聴域音波の発振により生じる振動刺激であり、可聴域音波を発生するための可聴域音波発生手段を備える器具に関する。
【0009】
本開示は、その他の態様において、生体における脂肪細胞の分化及び/又は蓄積を抑制するための音波刺激システムであって、前記刺激が、可聴域音波の発振により生じる振動刺激であり、ヒト又は非ヒト動物を収容可能な水槽内の水面及び水中の少なくとも一方に、可聴域音波を発生するための発生手段を備える、音波刺激システムに関する。
【0010】
本開示は、その他の態様において、可聴域音波の発振による振動刺激を対象である生体に与えることにより、前記対象における脂肪細胞の分化及び/又は蓄積を抑制する方法に関する。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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