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公開番号
2024178904
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-12-25
出願番号
2024077761
出願日
2024-05-13
発明の名称
多環芳香族化合物
出願人
国立大学法人京都大学
,
エスケーマテリアルズジェイエヌシー株式会社
代理人
弁理士法人特許事務所サイクス
主分類
C07F
7/10 20060101AFI20241218BHJP(有機化学)
要約
【課題】有機EL素子用材料として有用な新規化合物を提供する。
【解決手段】式(1)で表され、式(X-a-1)、式(X-b-1)で表される部分構造を含む多環芳香族化合物である。
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【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
式(1)で表され、式(X-a-1)で表される部分構造の少なくとも1つおよび式(X-b-1)で表される部分構造の少なくとも1つを含む、多環芳香族化合物;
TIFF
2024178904000138.tif
58
170
式(1)中、
A環、B環、およびC環はそれぞれ独立して、置換もしくは無置換のアリール環または置換もしくは無置換のヘテロアリール環であり、
式(X-a-1)中、
X
a
はC、Si、Ge、またはSnであり、
AR1環、AR2環、AR3環、およびAR4環はそれぞれ独立して置換もしくは無置換のアリール環または置換もしくは無置換のヘテロアリール環であり、AR1環、AR2環、AR3環、およびAR4環はそれぞれ他のAR1環、AR2環、AR3環、およびAR4環のいずれかと単結合または連結基で連結していてもよく、
AR1環、AR2環、AR3環、およびAR4環からなる群より選択される1つまたは2つは、
単結合を介してA環、B環、もしくはC環中のアリール環もしくはヘテロアリール環の環構成原子に結合しているか、
A環、B環、もしくはC環に結合しているか、もしくはA環、B環、もしくはC環といずれかの環を共有している式(X-b-1)におけるD環、E環、もしくはAR5環のアリール環もしくはヘテロアリール環の環構成原子に単結合を介して結合しているか、
A環、B環、もしくはC環と環を共有しているか、または
A環、B環、もしくはC環に結合しているか、もしくはA環、B環、もしくはC環といずれかの環を共有している式(X-b-1)中のD環、E環、もしくはAR5環と環を共有しており、
式(X-b-1)中、
D環およびE環はそれぞれ独立して、置換もしくは無置換のアリール環または置換もしくは無置換のヘテロアリール環であり、
X
b
は式(Xb-R5)で表される2価の基、>O、または>Sであり、
TIFF
2024178904000139.tif
32
170
式(Xb-R5)中、
2つの#はそれぞれD環およびE環との結合位置であり、
AR5環は置換もしくは無置換のアリール環または置換もしくは無置換のヘテロアリール環であり、AR5環はD環または/およびE環と単結合または連結基によって連結されていてもよく、
D環、E環、およびAR5環からなる群より選択される1つまたは2つは、
単結合を介してA環、B環、もしくはC環中のアリール環もしくはヘテロアリール環の環構成原子に結合しているか、
A環、B環、もしくはC環に結合しているか、もしくはA環、B環、もしくはC環といずれかの環を共有している式(X-a-1)におけるAR1環、AR2環、AR3環、もしくはAR4環中のアリール環もしくはヘテロアリール環の環構成原子に単結合を介して結合しているか、
A環、B環、もしくはC環と環を共有しているか、または
A環、B環、もしくはC環に結合しているか、もしくはA環、B環、もしくはC環といずれかの環を共有している式(X-a-1)中のAR1環、AR2環、AR3環、もしくはAR4環と環を共有しており、
式(1)において、少なくとも1つの水素は重水素で置き換えられていてもよく、少なくとも1つの窒素は窒素-15(
15
N)で置き換えられていてもよく、少なくとも1つの硫黄は硫黄-33(
33
S)、硫黄-34(
34
S)または硫黄-36(
36
S)で置き換えられていてもよく、少なくとも1つの酸素は酸素-17(
17
O)または酸素-18(
18
O)で置き換えられていてもよく、少なくとも1つの炭素は炭素-13(
13
C)で置き換えられていてもよく、少なくとも1つのホウ素はホウ素-11(
11
B)で置き換えられていてもよい。
続きを表示(約 3,000 文字)
【請求項2】
少なくとも、AR1環、AR2環、AR3環、およびAR4環からなる群より選択される1つが、A環、B環、もしくはC環またはA環、B環、もしくはC環に結合している式(X-b-1)中のD環、E環、もしくはAR5環と環を共有している、請求項1に記載の多環芳香族化合物。
【請求項3】
式(1a)、式(1b)、または式(1c)で表され、式(X-a-2)で表される部分構造の少なくとも1つおよび式(X-b-2)で表される部分構造の少なくとも1つを含む、請求項1に記載の多環芳香族化合物;
TIFF
2024178904000140.tif
150
170
式(1a)、式(1b)、式(1c)、式(X-a-2)、および式(X-b-2)中、
Ar
1
環、Ar
2
環、Ar
3
環、およびAr
4
環からなる群より選択される1つまたは2つは、
単結合を介してa環、b環、もしくはc環中のZに結合しているか、
a環、b環、もしくはc環中のZに結合している式(X-b-2)で表される部分構造におけるd環、e環、もしくはAR5環と結合しているか、
a環、b環、もしくはc環と環を共有しているか、または
a環、b環、もしくはc環に結合しているか、もしくはa環、b環、もしくはc環といずれかの環を共有している式(X-b-2)中のd環、e環、もしくはAR5環と環を共有しており、
d環、e環、およびAR5環からなる群より選択される1つまたは2つは、
単結合を介してa環、b環、もしくはc環中のZに結合しているか、
a環、b環、もしくはc環中のZに結合している式(X-a-2)で表される部分構造におけるAr
1
環、Ar
2
環、Ar
3
環、もしくはAr
4
環中のZに結合しているか、
a環、b環、もしくはc環と環を共有しているか、または
a環、b環、もしくはc環に結合しているか、もしくはa環、b環、もしくはc環といずれかの環を共有している式(X-a-2)中のAr
1
環、Ar
2
環、Ar
3
環、もしくはAr
4
環と環を共有しており、
Ar
1
環、Ar
2
環、Ar
3
環、およびAr
4
環はそれぞれ他のAr
1
環、Ar
2
環、Ar
3
環、およびAr
4
環のいずれかと単結合または連結基で連結していてもよく、
Y
1
およびY
2
はそれぞれ独立して>N-R
NY
、>C(-R
CY
)
2
、>O、>Si(-R
IY
)
2
、>S、または>Seであり、R
NY
、R
CY
、およびR
IY
はそれぞれ独立して水素、置換もしくは無置換のアリール、置換もしくは無置換のヘテロアリール、置換もしくは無置換のアルキル、または置換もしくは無置換のシクロアルキルであり、2つのR
CY
は互いに結合して環を形成していてもよく、2つのR
IY
は互いに結合して環を形成していてもよく、
Zは、他の環との結合手を有する炭素原子であるか、または-C(-R
Z
)=もしくは-N=であり、R
Z
は水素または置換基であり、ただし、式(X-b-2)中のe環を構成するZのうち、隣接する2つは式(X-b-2-e)の2つの*にそれぞれ結合している炭素原子であってもよく、式(X-b-2-e)中、X
b
は式(Xb-R5)で表される2価の基、>O、>C(-R
【請求項4】
式(1b)または式(1c)で表される、請求項3に記載の多環芳香族化合物。
【請求項5】
式(X-a-2)中、X
a
がC、Ge、またはSnであり、Ar
1
環、Ar
2
環、Ar
3
環、およびAr
4
環のいずれの2つも互いに連結していない、請求項3に記載の多環芳香族化合物。
【請求項6】
式(X-a-2)中、X
a
がSiであり、Zの少なくとも1つが-N=である、請求項3に記載の多環芳香族化合物。
【請求項7】
式(X-a-2)中、X
a
がSiであり、Ar
1
環、Ar
2
環、Ar
3
環、およびAr
4
環の少なくとも2つが互いに連結している、請求項3に記載の多環芳香族化合物。
【請求項8】
式(X-b-2)中、Zの少なくとも1つが-N=である、請求項3に記載の多環芳香族化合物。
【請求項9】
下記いずれかの式で表される請求項3に記載の多環芳香族化合物。
TIFF
2024178904000141.tif
209
170
TIFF
2024178904000142.tif
143
170
【請求項10】
下記いずれかの式で表される請求項3に記載の多環芳香族化合物。
TIFF
2024178904000143.tif
211
170
TIFF
2024178904000144.tif
212
170
TIFF
2024178904000145.tif
234
170
TIFF
2024178904000146.tif
236
170
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2024178904000147.tif
224
170
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2024178904000148.tif
206
170
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2024178904000149.tif
208
170
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2024178904000150.tif
114
170
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2024178904000151.tif
202
170
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2024178904000152.tif
198
170
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2024178904000153.tif
196
170
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2024178904000154.tif
162
170
TIFF
2024178904000155.tif
152
170
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、多環芳香族化合物、これを用いた有機電界発光素子、有機電界効果トランジスタおよび有機薄膜太陽電池などの有機デバイス、並びに、表示装置および照明装置に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)
【背景技術】
【0002】
従来、電界発光する発光素子を用いた表示装置は、省電力化や薄型化が可能なことから、種々研究され、さらに、有機材料から成る有機電界発光素子は、軽量化や大型化が容易なことから活発に検討されてきた。特に、光の三原色の1つである青色や緑色などの発光特性を有する有機材料の開発、および正孔、電子などの電荷輸送能(半導体や超電導体となる可能性を有する)を備えた有機材料の開発については、高分子化合物、低分子化合物を問わずこれまで活発に研究されてきた。
【0003】
有機EL素子は、陽極および陰極からなる一対の電極と、当該一対の電極間に配置され、有機化合物を含む一層または複数の層とからなる構造を有する。有機化合物を含む層には、発光層や、正孔、電子などの電荷を輸送または注入する電荷輸送/注入層などがあるが、これらの層に適当な種々の有機材料が開発されている。
【0004】
発光層用の発光材料としては、現在、蛍光材料、燐光材料、熱活性型遅延蛍光(TADF)材料の3種類が利用されている。例えば、蛍光材料ではアザボリン誘導体を改良した材料などが報告されており(特許文献1および2)、燐光材料では多座配位子を有する貴金属錯体などが開発されており(特許文献3)、熱活性型遅延蛍光(TADF)材料ではカルバゾニトリル化合物などが開発されている(非特許文献1)。
【0005】
いずれの材料を用いた素子も、効率の低下につながる発光層または周辺層からのエネルギーの漏れを防ぐため高い最低励起一重項エネルギーまたは最低励起三重項エネルギーを持つ材料が発光層の隣接層またはホストに用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
国際公開第2015/102118号
国際公開第2018/212169号
特開2014-239225号公報
【非特許文献】
【0007】
Nature Vol.492 13 December 2012
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述するように、有機EL素子に用いられる材料としては種々のものが開発されているが、有機EL素子用材料の選択肢を増やすために、従来のものとは異なる化合物からなる材料の開発が望まれている。また、特許文献1および2では、ホウ素を含む多環芳香族化合物とそれを用いた有機EL素子が報告されているが、更に素子特性を向上させるべく、発光効率および素子寿命を向上させることができる発光層用材料および周辺層用材料が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、新規な多環芳香族化合物の製造に成功し、さらに高い一重項エネルギーと三重項エネルギーを有する材料としてこの化合物が有効であることを見出した。そして、例えばこのような多環芳香族化合物をホスト材料または発光層に隣接する層の材料とし、それよりも小さな三重項エネルギーを有する化合物をドーパント材料とした発光層を一対の電極間に配置して有機EL素子を構成することにより、優れた有機EL素子が得られることを見出し、本発明を完成させた。すなわち本発明は、以下のような多環芳香族化合物、さらには以下のような多環芳香族化合物を含む有機デバイス用材料等を提供する。
【0010】
<1> 式(1)で表され、式(X-a-1)で表される部分構造の少なくとも1つおよび式(X-b-1)で表される部分構造の少なくとも1つを含む、多環芳香族化合物;
TIFF
2024178904000001.tif
58
170
(【0011】以降は省略されています)
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