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公開番号
2025102329
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-07-08
出願番号
2023219689
出願日
2023-12-26
発明の名称
樹脂酸含有組成物、抗菌剤、および樹脂酸含有組成物の製造方法
出願人
国立大学法人京都大学
代理人
個人
,
個人
主分類
A01N
37/08 20060101AFI20250701BHJP(農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業)
要約
【課題】本発明は、水に溶出させたときに、樹脂酸を高い溶出率で溶出させ、かつ、不溶物を抑制することが可能な樹脂酸含有組成物、抗菌剤、および樹脂酸含有組成物の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の樹脂酸含有組成物10は、水溶性有機マトリクス11と、樹脂酸12と、を含み、水溶性有機マトリクス11中に、樹脂酸12が分散している。本発明の1つの側面では、水溶性有機マトリクス11は、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、およびカルボキシメチルセルロースからなる群より選択される少なくとも1つを含む。本発明の別の側面では、樹脂酸含有組成物10を蒸留水に浸漬させた樹脂酸浸漬水に対して、37.0±0.5℃の温度での30分間の振とうによって、樹脂酸12の少なくとも一部を蒸留水に溶出させた樹脂酸溶出液を調製した直後に、遠心分離によって、樹脂酸溶出液から分離した上澄み液を用いて測定して得た、樹脂酸12の蒸留水への溶出率が、20.0重量%以上である。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
水溶性有機マトリクスと、
樹脂酸と、
を含む、樹脂酸含有組成物であって、
前記水溶性有機マトリクス中に、前記樹脂酸が分散しており、
前記水溶性有機マトリクスは、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、およびカルボキシメチルセルロースからなる群より選択される少なくとも1つを含む、樹脂酸含有組成物。
続きを表示(約 1,100 文字)
【請求項2】
前記水溶性有機マトリクスは、メチルセルロースを含む、
請求項1に記載の樹脂酸含有組成物。
【請求項3】
前記樹脂酸は、アビエチン酸を含む、
請求項1に記載の樹脂酸含有組成物。
【請求項4】
固形物である、
請求項1に記載の樹脂酸含有組成物。
【請求項5】
水溶性有機マトリクスと、
樹脂酸と、
を含む、樹脂酸含有組成物であって、
前記水溶性有機マトリクス中に、前記樹脂酸が分散しており、
前記樹脂酸含有組成物を蒸留水に浸漬させた樹脂酸浸漬水に対して、37.0±0.5℃の温度での30分間の振とうによって、前記樹脂酸の少なくとも一部を前記蒸留水に溶出させた樹脂酸溶出液を調製した直後に、遠心分離によって、前記樹脂酸溶出液から分離した上澄み液を用いて測定して得た、前記樹脂酸の前記蒸留水への溶出率が、20.0重量%以上である、樹脂酸含有組成物。
【請求項6】
前記樹脂酸含有組成物を蒸留水に浸漬させた樹脂酸浸漬水に対して、37.0±0.5℃の温度での30分間の振とうによって、前記樹脂酸の少なくとも一部を前記蒸留水に溶出させた樹脂酸溶出液を調製した直後に、遠心分離によって、前記樹脂酸溶出液から分離した上澄み液を用いて測定して得た、前記樹脂酸の前記蒸留水への溶出率が、40.0重量%以上である、
請求項5に記載の樹脂酸含有組成物。
【請求項7】
前記樹脂酸含有組成物を蒸留水に浸漬させた樹脂酸浸漬水に対して、37.0±0.5℃の温度での28日間の振とうによって、前記樹脂酸の少なくとも一部を前記蒸留水に溶出させた樹脂酸溶出液を調製した直後に、遠心分離によって、前記樹脂酸溶出液から分離した上澄み液を用いて測定して得た、前記樹脂酸の前記蒸留水への溶出率が、20.0重量%以上である、
請求項5に記載の樹脂酸含有組成物。
【請求項8】
前記水溶性有機マトリクスは、水溶性セルロース誘導体を含む、
請求項5に記載の樹脂酸含有組成物。
【請求項9】
前記水溶性有機マトリクスに対する前記樹脂酸の重量比が、1/99以上50/50以下であるか、
または、
前記樹脂酸含有組成物が、非水溶性マトリクスをさらに含み、
前記水溶性有機マトリクスおよび前記非水溶性マトリクスに対する前記樹脂酸の重量比が、1/99以上50/50以下である、
請求項5に記載の樹脂酸含有組成物。
【請求項10】
フィルム状である、
請求項5に記載の樹脂酸含有組成物。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂酸含有組成物、抗菌剤、および樹脂酸含有組成物の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、ロジンおよびロジンに含有される樹脂酸(以下、「ロジンおよび樹脂酸」を単に「ロジン等」と呼ぶ)は、天然素材由来の素材として注目を集めている。特に、ロジン等に関して、その抗菌性、抗ウィルス性、殺菌剤などの生理活性機能に注目した研究例が散見されている。ロジン等を固体の状態ではなく、液体の状態で使用できれば、散布、塗布、滴下などの多様な形態で、ロジン等を供給し得るので、ロジン等の生理活性機能を活用しやすくなると考えられる。しかし、ロジン等は、難水溶性化合物であるため、これらを水に溶出させても、白濁した水分散液しか作製できない。そのため、ロジン等の生理活性物質としての機能を十分に活用できていなかった。
【0003】
このような問題を解決するために、非特許文献1では、樹脂酸の水への溶出方法が検討されている。非特許文献1は、セルロースナノファイバーから構成されるマトリクス中に、樹脂酸としてアビエチン酸を分散させた樹脂酸含有組成物を開示している。非特許文献1に開示の樹脂酸含有組成物を水に浸漬させて振とうさせると、マトリクス中に分散したアビエチン酸は、水への高い溶出率を示すことが確認されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
Satoshi Aruga, Yoshikuni Teramoto, Toshimitsu Hata, Toshiyuki Takano. “Dissolution behavior of abietic acid in water from the matrices of cellulose nanofibers.” Cellulose, 2023, 30, 9283-9293. Published online: 19 August, 2023. https://doi.org/10.1007/s10570-023-05448-6
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
非特許文献1に開示の樹脂酸含有組成物では、アビエチン酸は、水への高い溶出率を示すが、マトリクスは、水に全く溶出しないか、または、その原形を留める程度にしか水に溶出しない。このような不溶物が存在すると、樹脂酸含有組成物を水に溶出させた樹脂酸溶出液を使用する際に、不溶物を除去する必要が生じると考えられる。不溶物の除去には、濾過、遠心分離などの追加の作業が必要となるので、樹脂酸溶出液の利便性が悪くなる。
【0006】
そこで、本発明は、水に溶出させたときに、樹脂酸を高い溶出率で溶出させ、かつ、不溶物を抑制することが可能な樹脂酸含有組成物、抗菌剤、および樹脂酸含有組成物の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、鋭意検討した結果、水溶性有機マトリクス中に樹脂酸を分散させた樹脂酸含有組成物では、樹脂酸含有組成物を浸漬させて振とうさせたときに、樹脂酸が、高い溶出率を示し、かつ、マトリクスの不溶物が殆ど存在しなくなることを新たに見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
本発明は、その1つの側面から見て、
水溶性有機マトリクスと、樹脂酸と、を含む、樹脂酸含有組成物であって、
前記水溶性有機マトリクス中に、前記樹脂酸が分散しており、
前記水溶性有機マトリクスは、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、およびカルボキシメチルセルロースからなる群より選択される少なくとも1つを含む、
樹脂酸含有組成物、を提供する。
【0009】
本発明は、その別の側面から見て、
水溶性有機マトリクスと、樹脂酸と、を含む、樹脂酸含有組成物であって、
前記水溶性有機マトリクス中に、前記樹脂酸が分散しており、
前記樹脂酸含有組成物を蒸留水に浸漬させた樹脂酸浸漬水に対して、37.0±0.5℃の温度での30分間の振とうによって、前記樹脂酸の少なくとも一部を前記蒸留水に溶出させた樹脂酸溶出液を調製した直後に、遠心分離によって、前記樹脂酸溶出液から分離した上澄み液を用いて測定して得た、前記樹脂酸の前記蒸留水への溶出率が、20.0重量%以上である、樹脂酸含有組成物を提供する。
【0010】
本発明は、その別の側面から見て、
上記樹脂酸含有組成物のいずれか1つを含む、抗菌剤、を提供する。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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