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公開番号2024178229
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-24
出願番号2024157491,2022535337
出願日2024-09-11,2021-07-06
発明の名称合金、合金ナノ粒子の集合体および触媒
出願人国立大学法人京都大学
代理人弁理士法人特許事務所サイクス
主分類C22C 30/00 20060101AFI20241217BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】
3種以上の元素から構成され、固溶の均一性が高い新規な合金を提供すること。
【解決手段】
3種以上の元素から構成される合金であって、合金を構成する各元素の合金内における分布の標準偏差がいずれも15原子%以下である、合金は、固溶の均一性が高い新規な合金を提供する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
3種以上の元素から構成される合金であって、
前記合金を構成する各元素の前記合金内における分布の標準偏差がいずれも15原子%以下である、合金。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記合金を構成する2つの元素の分布の相関係数がいずれも±0.50以内である、請求項1に記載の合金。
【請求項3】
前記合金を構成する元素が、相平衡状態図では固溶しない元素の組み合わせを含む、請求項1または2に記載の合金。
【請求項4】
前記合金を構成する元素が、白金族(Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt)、Ag、Au、Cd、Hg、In、Tl、Sn、Pb、Sb、Bi、Mo、W、Tc、Re、3d金属(Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn)、Ga、Ge、As、H、B、Al、C、Si、N、P、Y、Zr、Nb、ランタノイド、HfおよびTaからなる群のうち少なくとも3種類を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の合金。
【請求項5】
前記合金を構成する元素が、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、Ag、Au、Niからなる群のうち少なくとも1種類を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の合金。
【請求項6】
mを3以上の整数として前記合金を構成する元素がm種であって、
iを1以上m以下の整数として前記合金を構成する各i元素について前記合金内における平均組成がC

原子%である場合、
各元素の合金内における分布の標準偏差がいずれも、下記式1で表されるs

を用いて、2.5×s

×100原子%以下である、請求項1~5のいずれか一項に記載の合金。
JPEG
2024178229000025.jpg
30
170
(式1中、s

は計測する微小体積1nm

における組成分布の各元素iに対する標準偏差を表し、Nは計測する微小体積1nm

あたりの原子数を表す。)
【請求項7】
前記合金を構成する各元素の前記合金内における分布の標準偏差が、前記合金内における当該元素の組成割合の40%以下である、請求項1~6のいずれか1項に記載の合金。
【請求項8】
平均粒径0.5~30nmのナノ粒子である、請求項1~7のいずれか1項に記載の合金。
【請求項9】
前記ナノ粒子の集合体である、請求項8に記載の合金。
【請求項10】
前記ナノ粒子が担体に担持されている、請求項8に記載の合金。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、合金、合金ナノ粒子の集合体および触媒に関する。特に、3種以上の元素から構成され、固溶の均一性が高い新規な合金または合金ナノ粒子の集合体、およびこれらの合金または合金ナノ粒子の集合体を含む触媒に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
原子レベルで混ざることができない組み合わせの金属元素を固溶させた合金や、ハイエントロピー合金ナノ粒子が知られている(特許文献1および非特許文献1~4参照)。
【0003】
特許文献1には、PdRuに第3元素M(M=Rh,Ir,Au,Ag,Ptの少なくとも1種)を加えた多元系固溶体合金微粒子とすることで、高温で長時間使用しても触媒性能が維持されることが記載されている。特許文献1には、合金の固溶(または混合)の均一さについて規定されていなかった。
【0004】
非特許文献1には、5種類以上の金属塩をカーボン素材(カーボンナノファイバー)に担持し、そこに大電流を印加し、2000K以上の高温に急速加熱後、急速冷却するハイエントロピー合金ナノ粒子の製造方法が記載されている。非特許文献1の3ページ右カラムには、5種混合のPtPdCoNiFeでは元素組成のばらつきは10%程度であり、ばらつきが50%を超えるリソグラフィー法と比較して小さいと記載されている。
【0005】
非特許文献2には、グラフェン担体と金属を機械的に粉化して、グラフェン担体上にハイエントロピー合金ナノ粒子を形成する製造方法が記載されている。Fig.9に示されたFeCrCoCuNiナノ粒子の元素組成は均一な混合を示していなかった。
【0006】
非特許文献3には、3d遷移金属(第4周期)のバルクのハイエントロピー合金のターゲットに対してレーザーを当ててナノ粒子を得る製造方法が記載されている。Table 2にはCoCrFeMnNiナノ粒子の組成が記載されているが、混合の均一さは示されていなかった。
【0007】
非特許文献4には、白金族元素の有機金属塩を使用して、200℃程度の溶媒熱合成でナノ粒子を得る製造方法が記載されている。Fig. 5にはPtRhRuや、PtPdIrRhRu粒子の走査透過型電子顕微鏡(STEM)-エネルギー分散型X線分析(EDS。EDXともいう)画像が記載されているが、画像から原子レベルでの混合の均一さは読み取れなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
WO2017/150596
【非特許文献】
【0009】
Science (2018) 359, 1489-1494
SCIENTIFIC REPORTS (2018) 8:8737
RSC Adv. (2019) 9, 18547-18558
Adv.Funct.Mater. (2019) 1905933
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
非特許文献4の6ページ目の左下の部分には、得られたナノ粒子は700K(427℃)まで安定と記載されている。特に、800Kからhcpに該当するXRDパターンが出現しており、これはhcpであるRuリッチな相が出てきていることを示唆する。一方、fccの各ピーク位置はほぼ変化がないと記載されている。もし、最初に均一な合金ができていて主にRuが析出する場合、Table S1のとおりRuは原子半径が他に比べ小さいので、その格子定数はベガーズ則に従って膨張する。また、Fig.S16に融点と結晶子サイズの関係性が示されており、Ruは単金属で2nm以下とある。これらより、最初に結晶子の大きなfccの合金と、Ruリッチな小さな粒子が不均一に析出しているが、その結晶の小ささからXRDでは均一なfccの合金ができたと非特許文献4では扱われている。ナノ粒子を加熱していくと小さなhcpの粒子が粗大化していきXRDで顕著にピークが現れるが、fccはピーク位置が変わらないのでその金属組成比にほとんど変化はない(Ruが合金から析出せず、別の粒子として存在)と考えられる。すなわち、非特許文献4で得られたナノ粒子は、混合が均一ではないと考えられる。
なお、溶媒熱合成の場合、密閉したバイアルを徐々に加熱していくため、分解・還元しやすい金属から徐々に反応してしまい、各金属によって還元速度が異なるため、均一な合金ができにくいと考えられる。
(【0011】以降は省略されています)

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