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公開番号2025022681
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-14
出願番号2023210982
出願日2023-12-14
発明の名称二酸化炭素還元光触媒粒子及びその製造方法
出願人住友金属鉱山株式会社,国立大学法人京都大学
代理人個人,個人
主分類B01J 35/39 20240101AFI20250206BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】CO選択率を高いレベルに維持しながら大きいCOガス生成速度を示す二酸化炭素還元光触媒粒子及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】母材粒子と前記母材粒子の表面に担持された金属銀(Ag)粒子とを含み、
前記母材粒子は、酸化タンタル(Ta2O5)、タンタル酸ナトリウム(NaTaO3)、及びタンタル酸亜鉛(ZnTa2O6)からなる群から選択される1種以上を含み、
拡散反射スペクトルにおいて、200nm以上300nm以下の波長域に位置するピークAと480nm以上530nm以下の波長域に位置するピークBを示し、前記ピークAの強度(IA)に対する前記ピークBの強度(IB)の比(IB/IA)が50%以下である、二酸化炭素還元光触媒粒子。
【選択図】図8

特許請求の範囲【請求項1】
母材粒子と前記母材粒子の表面に担持された金属銀(Ag)粒子とを含み、
前記母材粒子は、酸化タンタル(Ta



)、タンタル酸ナトリウム(NaTaO

)、及びタンタル酸亜鉛(ZnTa



)からなる群から選択される1種以上を含み、
拡散反射スペクトルにおいて、200nm以上300nm以下の波長域に位置するピークAと480nm以上530nm以下の波長域に位置するピークBを示し、前記ピークAの強度(I

)に対する前記ピークBの強度(I

)の比(I

/I

)が50%以下である、二酸化炭素還元光触媒粒子。
続きを表示(約 600 文字)【請求項2】
前記金属銀(Ag)粒子の担持量が前記母材粒子に対して0質量%超1.0質量%未満である、請求項1に記載の二酸化炭素還元光触媒粒子。
【請求項3】
前記金属銀(Ag)粒子の粒径が0.1nm以上5nmである請求項1又は2に記載の二酸化炭素還元光触媒粒子。
【請求項4】
CO

還元光還元触媒性能評価試験において、CO選択率が50%以上である、請求項1又は2に記載の二酸化炭素還元光触媒粒子。
【請求項5】
母材粒子と前記母材粒子の表面に担持された金属銀(Ag)粒子とを含む二酸化炭素還元光触媒粒子の製造方法であって、
母材粒子と銀(Ag)供給源とを還元液に加えて反応液を作製する工程、及び
前記反応液に超音波を照射して、金属銀(Ag)粒子を担持した母材粒子を作製する工程、を含み、
前記母材粒子は、酸化タンタル(Ta



)、タンタル酸ナトリウム(NaTaO

)、及びタンタル酸亜鉛(ZnTa



)からなる群から選択される1種以上を含む、方法。
【請求項6】
前記金属銀(Ag)粒子の担持量が前記母材粒子に対して0質量%超1.0質量%未満である、請求項5に記載の方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、二酸化炭素還元光触媒粒子及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
半導体光触媒粒子を用いた水分解及び二酸化炭素還元技術は、エネルギー問題や環境問題を解決できる技術として注目を集めている。この光触媒粒子に助触媒として銀(Ag)などからなる粒子を担持させることで、光励起によって生成した電子をトラップして電荷分離を促進する効果や二酸化炭素還元生成物を選択する効果が期待できる。例えば通常の光触媒では光照射により水が水素(H

)と酸素(O

)とに分解する。これに対して銀(Ag)粒子を担持した光触媒では、二酸化炭素(CO

)の還元により一酸化炭素(CO)が水素(H

)とともに生成する。
【0003】
一酸化炭素(CO)は化学工業や産業における重要な出発物質であり、これを水素と反応させて様々な燃料や化学物質を合成することが可能である。したがって、二酸化炭素還元光触媒では、一酸化炭素の生成割合、すなわちCO選択率の高いことが望ましい。ここでCO選択率とは、下記(1)式に表されるように、還元反応により生じる水素(H

)ガスの発生速度(発生量)と一酸化炭素(CO)ガスの発生速度の合計に対するCOガスの発生速度の割合である。
【0004】
TIFF
2025022681000002.tif
17
134
【0005】
ところで、銀(Ag)などの金属粒子を担持させる方法として、化学還元法、含浸法、及び光電析法(光電着法)などの手法が従来から知られている。例えば、特許文献1には二酸化炭素の還元方法に関して、CO

とH

Oと光触媒とに光を照射してCO

を還元する反応によりCOを生成させる旨、光電着法又は含浸法で銀を酸化ガリウムに担持した触媒を用いる旨、光電着法では硝酸銀など銀前駆体を含むアルコール水溶液に酸化ガリウム粉末を入れて混合後、光照射を行って銀前駆体を還元処理する旨、含浸法では銀前駆体水溶液に酸化ガリウムを加えて攪拌し、水を除去した後に加熱乾燥し、更に空気中で焼成する旨が記載されている(特許文献1の請求項1、2及び[0015])。
【0006】
また二酸化炭素還元触媒に関するものではないが、特許文献2には超音波を照射して溶媒中に1種類以上の貴金属酸化物を分散させて貴金属酸化物分散液を得る工程と、前記貴金属酸化物分散液を加熱する工程とを含むことを特徴とする貴金属ナノ材料の製造方法が開示されている(特許文献2の請求項1)。また、溶媒に貴金属担持用の担体を更に含有させる旨、担体の表面上に高度な分散性を持って担持された状態の貴金属ナノ材料を得ることが可能であるため、これを燃料電池用触媒、材料合成用触媒等に好適に利用することが可能となる旨が記載されている(特許文献2の請求項6及び[0014])。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2012-192302号公報
特開2008-024968号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、本発明者らが調べたところ、特許文献1で提案される含浸法や光電析法で作製された光触媒には、一定の効果があるものの改良の余地があることが分かった。すなわち、助触媒である銀(Ag)の効果を十分に発揮させるためには、その担持量をある程度に多くすることが望ましい。またAgの粒径を小さく、数十nmオーダー程度以下にすることが望まれる。粒径が大きすぎると触媒活性が失われてしまうためである。しかしながら含浸法や光電析法で作製した光触媒粒子では、助触媒担持量(Ag濃度)を多くすると、Ag粒子が凝集して粒径が大きくなってしまう問題がある。そのため粒径の小さいAg粒子を高担持量で担持させることは困難である。
【0009】
特許文献2は貴金属ナノ材料を二酸化炭素還元光触媒に用いることを意図しておらず、ましてやナノ材料の粒径を数十nmオーダー程度以下に小さくすることを目的としていない。実際、特許文献2では実施例において貴金属(Pt)ナノ微粒子担持球状カーボンや貴金属(Pt)ナノチューブを作製する旨、燃料電池用触媒、材料合成用触媒、医療や食品添加剤、導電性ペーストに好適である旨を教示するに過ぎない(特許文献2の[0043]~[0062])。
【0010】
一方で金属粒子を合成する際に、原料濃度を低くするとともに多量の有機保護剤を用いて均一且つ微細な粒子を合成する手法が知られている。しかしながらこのような手法で光触媒粒子を作製すると、光触媒粒子の収率が低いとともに有機保護剤が粒子表面に付着するという問題がある。付着した有機保護剤は触媒活性を低下させてしまうため、これを分解除去するために触媒粒子を高温焼成する必要がある。このような焼成を経た触媒粒子では、金属粒子の粒径が大きくなってしまう。そのため、従来の手法では微細なAg粒子を高分散且つ高担持量で担持させることは困難であり、触媒性能、特にCO選択率に優れた光触媒粒子を効率的に製造する上で限界があった。
(【0011】以降は省略されています)

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