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公開番号
2025041886
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-03-26
出願番号
2024229098,2021553753
出願日
2024-12-25,2020-10-30
発明の名称
ステント及びその製造方法
出願人
国立大学法人 熊本大学
,
国立大学法人京都大学
,
株式会社 京都医療設計
,
東邦金属株式会社
,
福田金属箔粉工業株式会社
代理人
個人
主分類
A61B
17/00 20060101AFI20250318BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約
【課題】 生体に吸収される材料で形成された脳動脈瘤用のステントを提供する。
【解決手段】本発明の一態様は、自己拡張性を有することで、血管壁に圧着させて脳動脈瘤をまたぐように留置されるステント10であって、生体吸収性を有し、Mgを90原子%以上含有するマグネシウム合金又は純マグネシウムからなるステントである。
【選択図】 図1
特許請求の範囲
【請求項1】
自己拡張性を有することで、血管壁に圧着させて脳動脈瘤をまたぐように留置されるステントの製造方法であって、
線材を用いて打ち数8本以上で編み込む工程(a)を有し、
前記線材は、Mgを90原子%以上含有するマグネシウム合金又は純マグネシウムからなり、300MPa以上の降伏応力(0.2%耐力)及び50GPa以下のヤング率(縦弾性係数)を有し、
前記線材の径は100μm以下であることを特徴とするステントの製造方法。
続きを表示(約 810 文字)
【請求項2】
請求項1において、
前記ステントがフローダイバーター用ステントであり、
前記打ち数が24本以上であり、
前記線材の径が50μm以下であることを特徴とするステントの製造方法。
【請求項3】
請求項1又は2において、
前記工程(a)の前に、前記線材に表面処理又はコーティングを施す工程(b)を有すること、若しくは、前記工程(a)の後に、前記ステントに表面処理又はコーティングを施す工程(c)を有することを特徴とするステントの製造方法。
【請求項4】
請求項3において、
前記工程(b)は、前記線材の表面に高分子結合又は高分子コーティングを行うこと、若しくは、前記線材の表面にふっ酸処理、陽極酸化処理又はDLC成膜処理を行うことであり、
前記工程(c)は、前記ステントにふっ酸処理、陽極酸化処理又はDLC成膜処理を行うことであることを特徴とするステントの製造方法。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一項において、
前記工程(a)の前に、前記線材を製造する工程(d)を有し、
前記工程(d)は、Mgを90原子%以上含有するマグネシウム合金又は純マグネシウムの溶湯を急冷凝固させて複数の急冷凝固物を作製する工程(e)と、前記複数の急冷凝固物を銅製の缶に充填して封入することでビレットを作製し、前記ビレットを押出成形することで固化成形物を作製する工程(f)と、前記固化成形物を押出加工することでマグネシウム合金母材ワイヤを作製する工程(g)と、前記マグネシウム合金母材ワイヤに複数回の引き抜き加工を施すことにより、α-Mg相又は長周期積層構造相を有するマグネシウム合金の線材を製造する工程(h)と、を具備し、
前記缶の内面にはクロムコート処理が施されていることを特徴とするステントの製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体吸収性を有する脳動脈瘤用のステント及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 4,400 文字)
【背景技術】
【0002】
脳動脈瘤は脳の動脈の一部がコブのように膨らんだものである。コブは通常、脳に分布する大きな血管の枝分かれする部分が脳血流により押されて徐々に膨らんで形成される。脳動脈瘤が破裂するとくも膜下出血となるため、非常に恐ろしい病気である。
くも膜下出血の予防のためには破裂前に脳動脈瘤の治療をする必要がある。治療法としては、頭蓋を開ける頭開クリッピング手術か、脳動脈瘤用ステントを用いる血管内治療のいずれかの外科治療になる。
【0003】
脳動脈瘤用ステントを用いる治療法は次のとおりである。医師が脚のつけ根の動脈から管を入れ、脳動脈瘤まで誘導し、カテーテルからフローダイバーター用ステントが脳動脈瘤をまたぐように展開され、そのフローダイバーター用ステントを血管に留置する。これにより、脳動脈瘤への血流がゆるやかになり、脳動脈瘤が徐々に血栓化する。その後、血栓の吸収とともに徐々に脳動脈瘤も小さくなっていき、やがて脳動脈瘤が完治する。
特許文献1には、上記の脳動脈瘤用ステントとしてNiTi合金からなるフローダイバーターステントが開示されている。
【0004】
上記のフローダイバーターステントは、NiTi合金からなるため、脳動脈瘤が完治した後も、生体に吸収されない。そのため、脳の血管内にステントが残ってしまい、その後の患者の負担が大きいという課題がある。つまり、脳の血管内にステントが残っていると、それによる副作用が起こらないようにするために、患者はその後も薬を飲み続けなければならず、患者の負担は極めて大きいものとなる。
【0005】
そこで、脳動脈瘤用ステントが脳の動脈内に留置され、脳動脈瘤の治療が終了した後には生体に吸収される材料でステントが作製されていれば、その後の患者の負担を小さくすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2013-135794号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の一態様は、生体に吸収される材料で形成された脳動脈瘤用のステントを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の種々の態様は以下のとおりである。
[1]自己拡張性を有することで、血管壁に圧着させて脳動脈瘤をまたぐように留置されるステントであって、
生体吸収性を有し、
Mgを90原子%以上含有するマグネシウム合金又は純マグネシウムからなることを特徴とするステント。
[2]上記[1]において、
前記ステントは、前記マグネシウム合金又は前記純マグネシウムからなる線材で編み込まれた筒状の編組体で構成されること、若しくは、前記線材でクロスコイリング、パラレルコイリング又はコイリングされて構成されることを特徴とするステント。
[3]上記[1]において、
前記ステントは、Mgを90原子%以上含有するマグネシウム合金又は純マグネシウムからなる線材と、前記マグネシウム合金又は前記純マグネシウムとは異なる組成からなり、且つMgを90原子%以上含有するマグネシウム合金からなる線材を含む2種類以上の線材で編み込まれた筒状の編組体で構成されること、若しくは、前記2種類以上の線材でクロスコイリング、パラレルコイリング又はコイリングされて構成されることを特徴とするステント。
[4]上記[1]において、
前記ステントは、Mgを90原子%以上含有するマグネシウム合金又は純マグネシウムからなる線材と、前記マグネシウム合金又は前記純マグネシウムとは異なる素材からなる線材を含む2種類以上の線材で編み込まれた筒状の編組体で構成されること、若しくは、前記2種類以上の線材でクロスコイリング、パラレルコイリング又はコイリングされて構成されることを特徴とするステント。
[5]上記[4]において、
前記素材は、生体吸収性ポリマー、W、Ta、Pt及びAuの群から選択される一の素材であることを特徴とするステント。
[6]上記[2]乃至[5]のいずれか一項において、
前記線材の断面形状は、丸型、楕円型又は角型であり、前記楕円型又は角型の線材のアスペクト比は1以上5以下であることを特徴とするステント。
[7]上記[2]乃至[6]のいずれか一項において、
前記ステントは、フローダイバーター用ステント又はコイル塞栓用ステントであることを特徴とするステント。
[8]上記[7]において、
前記フローダイバーター用ステントは、その表面被覆率が30%以上(好ましくは35%以上)であり、その穴の数密度が14個/mm
2
以上(好ましくは15個/mm
2
以上)であり、
前記コイル塞栓用ステントは、その表面被覆率が5%以上(好ましくは10%以上)であり、その穴の数密度が0.2個/mm
2
以上(好ましくは0.4個/mm
2
以上)であり、
前記編組体における線材と線材で作られる角度は、10°以上70°以下であることを特徴とするステント。
[9]上記[7]又は[8]において、
前記フローダイバーター用ステントの生体吸収速度は12ヶ月以上36ヶ月以下であり、
前記コイル塞栓用ステントの生体吸収速度は1ヶ月以上3ヶ月以下であることを特徴とするステント。
[10]上記[9]において、
前記ステントは、表面処理又はコーティングが施されていることを特徴とするステント。
[11]上記[7]乃至[10]のいずれか一項において、
前記ステントの径は2~6mmであり、前記ステントの長さは10~50mmであることを特徴とするステント。
[12]上記[1]乃至[11]のいずれか一項において、
前記自己拡張性を有することとは、大気中において前記ステントの拡張前の外径に対する拡張後の外径が4倍以上12倍以下であることを特徴とするステント。
[13]上記[1]乃至[12]のいずれか一項において、
前記マグネシウム合金はα-Mg相又は長周期積層構造相を有する結晶組織を備えた合金であることを特徴とするステント。
[14]自己拡張性を有することで、血管壁に圧着させて脳動脈瘤をまたぐように留置されるステントの製造方法であって、
線材を用いて打ち数8本以上(好ましくは16本以上)で編み込む工程(a)を有し、
前記線材は、Mgを90原子%以上含有するマグネシウム合金又は純マグネシウムからなり、300MPa以上(好ましくは500MPa以上)の降伏応力(0.2%耐力)及び50GPa以下のヤング率(縦弾性係数)を有し、
前記線材の径は100μm以下(好ましくは80μm以下)であることを特徴とするステントの製造方法。
[15]上記[14]において、
前記ステントがフローダイバーター用ステントであり、
前記打ち数が24本以上(好ましくは48本以上)であり、
前記線材の径が50μm以下(好ましくは30μm以下)であることを特徴とするステントの製造方法。
[16]上記[14]又は[15]において、
前記工程(a)の前に、前記線材に表面処理又はコーティングを施す工程(b)を有すること、若しくは、前記工程(a)の後に、前記ステントに表面処理又はコーティングを施す工程(c)を有することを特徴とするステントの製造方法。
[17]上記[16]において、
前記工程(b)は、前記線材の表面に高分子結合又は高分子コーティングを行うこと、若しくは、前記線材の表面にふっ酸処理、陽極酸化処理又はDLC成膜処理を行うことであり、
前記工程(c)は、前記ステントにふっ酸処理、陽極酸化処理又はDLC成膜処理を行うことであることを特徴とするステントの製造方法。
[18]上記[14]乃至[17]のいずれか一項において、
前記工程(a)の前に、前記線材を製造する工程(d)を有し、
【0009】
本発明の一態様を適用することで、生体に吸収される材料で形成された脳動脈瘤用のステントを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の一態様に係る線材を編み込まれた筒状の編組体で構成された脳動脈瘤用のステントを示す図である。
本発明の一態様に係る線材をコイリングすることで構成された脳動脈瘤用のステントを示す図である。
本発明の一態様に係る線材をパラレルコイリングすることで構成された脳動脈瘤用のステントを示す図である。
本発明の一態様に係るフローダイバーター用ステントを示す図である。
図4に示すフローダイバーター用ステント20が脳動脈瘤21をまたぐように血管22に留置された状態を模式的に示す図である。
本発明の一態様に係るコイル塞栓用ステントを示す図である。
図6に示すコイル塞栓用ステント30が脳動脈瘤31をまたぐように血管32に留置された状態を模式的に示す図である。
本発明の一態様に係るマグネシウム合金のワイヤの製造方法を説明するために模式的に示す図である。
実施例1によるサンプル1、サンプル2、サンプル3、サンプル4及びサンプル5それぞれの線材(ワイヤ)の外観写真(SEM写真)である。
図9に示すサンプル1~5それぞれの線材の降伏応力(0.2%耐力)を測定した結果を示す図である。
図9に示すサンプル1~5それぞれの線材のヤング率(縦弾性係数)を測定した結果を示す図である。
実施例2による脳動脈瘤用のステントを示す外観写真である。
(A)は比較例のサンプル1及び2それぞれの擬似体液中での腐食速度の浸漬時間依存性を示す図、(B)は実施例3のサンプル及び比較例のサンプル1それぞれの擬似体液中での腐食速度の浸漬時間依存性を示す図である。
本発明の一態様に係る線材をクロスコイリングすることで構成された脳動脈瘤用のステントを示す図である。
実施例3による脳動脈瘤用のステントを示す外観写真である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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