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公開番号
2025093700
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-06-24
出願番号
2023209510
出願日
2023-12-12
発明の名称
多孔性金属錯体含有膜及びその製造方法
出願人
大陽日酸株式会社
,
国立大学法人 熊本大学
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
B01J
20/22 20060101AFI20250617BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約
【課題】不純物の含有量の少ない多孔性金属錯体含有膜及びその製造方法を提供する。
【解決手段】多孔性金属錯体含有膜は、内部に空隙を有し、光透過性及びガス透過性を有するフィルタと、空隙に固定化された多孔性金属錯体と、を含み、多孔性金属錯体は、金属イオン及び金属イオンと配位結合する有機配位子を含み、不純物の含有量が200wtppm以下である。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
内部に空隙を有し、光透過性及びガス透過性を有するフィルタと、
前記空隙に固定化された多孔性金属錯体と、を含み、
前記多孔性金属錯体は、金属イオン及び前記金属イオンと配位結合する有機配位子を含み、
不純物の含有量が200wtppm以下である多孔性金属錯体含有膜。
続きを表示(約 740 文字)
【請求項2】
前記金属イオンが、銅イオンであり、
前記有機配位子が、ベンゼン-1,3,5-トリカルボン酸である請求項1に記載の多孔性金属錯体含有膜。
【請求項3】
前記フィルタが、セルロース繊維、ガラス繊維又はポリテトラフルオロエチレン繊維である請求項1に記載の多孔性金属錯体含有膜。
【請求項4】
前記多孔性金属錯体の体積基準におけるメジアン径が0.1μm以上3μm以下である、請求項1に記載の多孔性金属錯体含有膜。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の多孔性金属錯体含有膜の製造方法であって、
第一極性溶媒と、前記有機配位子と、金属塩とを混合して前記多孔性金属錯体の前駆体溶液を調製する溶液調製工程と、
前記フィルタに前記前駆体溶液を含浸させて前駆体含浸膜を得る含浸工程と、
前記前駆体含浸膜を加熱処理する加熱工程と、
第二極性溶媒で前記加熱工程後の前記前駆体含浸膜を洗浄して洗浄後膜を得る洗浄工程と、
前記洗浄後膜に水分を吸着及び脱離させる吸脱着工程と、を含む多孔性金属錯体含有膜の製造方法。
【請求項6】
前記第一極性溶媒が、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール又は2-ブタノールである請求項5に記載の多孔性金属錯体含有膜の製造方法。
【請求項7】
前記金属塩が硝酸銅である請求項5に記載の多孔性金属錯体含有膜の製造方法。
【請求項8】
前記吸脱着工程は、前記洗浄後膜に水分を吸着及び脱離させるサイクルを2回以上行う請求項5に記載の多孔性金属錯体含有膜の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、多孔性金属錯体含有膜及び多孔性金属錯体含有膜の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)
【背景技術】
【0002】
多孔性金属錯体(多孔質有機金属骨格材料、金属有機構造体、Metal Organic Frameworkなどともいう。以下、以下MOFと称する場合がある。)とは金属イオンを有機配位子が架橋することによって得られる高分子状の金属錯体である。
【0003】
特許文献1には、多孔質有機金属骨格材料(MOF)を含む多孔質膜、この膜を調製するための組成物及びその使用方法が開示されている。この多孔質膜は、この膜の総質量に基づいて、51質量%~99.9質量%の少なくとも1種の多孔質有機金属骨格材料であり、少なくとも1個の金属イオンに配位された、少なくとも1種の少なくとも二座の有機化合物を含む材料、この膜の総質量に基づいて、0.1質量%~49質量%の少なくとも1種のフィブリル化フッ素ポリマー及びこの膜の総質量に基づいて、0質量%~48.9質量%の添加剤成分を含む。この膜の使用方法としては、センサ、伝導性膜、貯蔵若しくは分離装置としての使用が開示されている。この膜は、例えば市販の多孔性金属錯体とフッ素ポリマー粉末とを混合して粉末混合物を得て、次いで該粉末混合物に含まれるフッ素ポリマーをフィブリル化するためにペステルに掛け、得られたパテ状の塊をカレンダー加工により薄膜化して製造される。
【0004】
特許文献2には、金属有機構造体(MOF)、蛍光体膜、および分子検出装置が開示されている。このMOFは、蛍光を発するとともに対象分子との相互作用により変形する金属有機構造体であって、ピラードレイヤー構造を有し、金属イオンと、金属イオンに結合された四座配位子と、金属イオンに結合された二座配位子と、を含む。ピラードレイヤー構造とは、金属イオンと、カルボキシル基を有する第一の配位子から形成される二次元の層状構造体を複数有しており、ピリジル基、イミダゾール基、またはアミノ基を有する第二の配位子により層状構造体間が架橋され、三次元構造となったものである。このMOFは、光源からの光で励起されて蛍光を発するとともに、ゲスト分子である対象分子との相互作用により変形する。MOFらの蛍光の発光スペクトルは、上記変形に応じて変化する。特許文献2には、上記現象を利用することにより、例えばVOCセンサや爆薬センサ等の分子検出装置を構成することができることが開示されている。また、ピラードレイヤー構造により、高感度での対象分子の検出が可能であるとされている。
【0005】
特許文献3には、金属有機構造体(MOF)層を有する選択性ガス透過膜およびその作製方法が開示されている。この選択性ガス透過膜は、ガス選択性を有する金属有機構造体(MOF)粒子層の両側にガス透過膜が密着して配置されている。特許文献3では、CH
4
/CO
2
混合ガスからのCO
2
を選択的に分離回収できるMOFとして、Cu(bim)
2
が例示されている。Cu(bim)
2
粒子の合成方法として、テレフタル酸30mgと硝酸銅(II)三水和物30mgとを、4mlのジメチルホルムアミドと4mlのアセトニトリルの混合液に攪拌しながら加えた後、恒温槽に入れて40℃で24h静置し、その後遠心分離を行って、平均粒子径約100nmのCu(bim)
2
粒子50mgを得る場合が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特表2017-512891号公報
特開2019-163228号公報
特開2020-32325号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
多孔性金属錯体含有膜を水分センサとして用いる場合、不純物が多く含まれると、水分センサとして十分な機能を発揮できない場合がある。しかし、上記特許文献に開示されるような多孔性金属錯体含有膜の製造方法にあっては、多孔性金属錯体含有膜中の不純物を制御、具体的には不純物の減少について更なる工夫の余地があった。
【0008】
本発明は、かかる実状に鑑みて為されたものであって、その目的は、不純物の含有量の少ない多孔性金属錯体含有膜及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するための本発明に係る多孔性金属錯体含有膜は、
内部に空隙を有し、光透過性及びガス透過性を有するフィルタと、
前記空隙に固定化された多孔性金属錯体と、を含み、
前記多孔性金属錯体は、金属イオン及び前記金属イオンと配位結合する有機配位子を含み、
不純物の含有量が200wtppm以下である。
【0010】
上記目的を達成するための本発明に係る多孔性金属錯体含有膜の製造方法は、
上記に記載の多孔性金属錯体含有膜の製造方法であって、
第一極性溶媒と、前記有機配位子と、金属塩とを混合して前記多孔性金属錯体の前駆体溶液を調製する溶液調製工程と、
前記フィルタに前記前駆体溶液を含浸させて前駆体含浸膜を得る含浸工程と、
前記前駆体含浸膜を加熱処理する加熱工程と、
第二極性溶媒で前記加熱工程後の前記前駆体含浸膜を洗浄して洗浄後膜を得る洗浄工程と、
前記洗浄後膜に水分を吸着及び脱離させる吸脱着工程と、を含む。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
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