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公開番号2024161579
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-19
出願番号2024140929,2022175477
出願日2024-08-22,2019-10-28
発明の名称抗HIV抗体及びその製造方法
出願人株式会社 免疫生物研究所,国立大学法人 熊本大学,株式会社CURED,国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所
代理人個人,個人
主分類C07K 16/10 20060101AFI20241112BHJP(有機化学)
要約【課題】単回又は数回の単独投与による長期間のHIVウイルス制御を投与群に高確率でもたらす抗体を提供する。
【解決手段】本発明者らは,単回又は数回の単独投与による長期間のHIVウイルス制御を投与群に高確率でもたらす抗体について鋭意検討した結果,驚くべきことに,1C10として報告された抗体遺伝子をカイコで生産させることにより得られたSW-1C10抗体の小数回単独投与により,投与された全ての個体において,早期に血中ウイルスが検出限界以下に抑えられたのみならず,12週という長期に渡って血中ウイルスRNAが検出限界以下で維持されることを見出した。更に,これまで,カイコによる抗体の生産量は繭1個あたり数百μg,繭1mgあたり数μg程度であり,これ以上の生産性を高める検討は行われてこなかった。本発明者らは,多数の抗HIV抗体の中から,絹糸虫における生産量がより高い抗体を見出すべく検討を重ねた結果,抗HIV抗体である1C10抗体及び1D9抗体が絹糸虫の絹糸中に従来の生産量よりも優れた量で生産されることを見出した。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
IgG抗体であって,
配列番号7に記載のアミノ酸配列において、数個のアミノ酸が置換,欠失,付加,挿入されたアミノ酸配列を含む重鎖,及び,配列番号9に記載のアミノ酸配列において、数個のアミノ酸が置換,欠失,付加,挿入されたアミノ酸配列を含む軽鎖を有し;
HIVへの結合能を有し;かつ,
当該抗体に結合する糖鎖がフコースを含まない抗体。
続きを表示(約 980 文字)【請求項2】
HIVへの結合能を有するIgG抗体を含む組成物であって,
該IgG抗体の80%以上が請求項1に記載の抗体である,組成物。
【請求項3】
絹糸腺特異的遺伝子プロモーターの下流に機能的に結合した,以下の(i)、(iii)及び(v)から選択されるいずれか1つのポリヌクレオチドを含有する発現カセット:
(i)配列番号6に記載の塩基配列及び/又は配列番号8に記載の塩基配列を有するポリ
ヌクレオチド;
(iii)配列番号7に記載のアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチド,及び/又は,配列番号9に記載のアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチド;
(v)配列番号7に記載のアミノ酸配列において,数個のアミノ酸が置換,欠失,付加,挿入されたアミノ酸配列を含む重鎖をコードするポリヌクレオチド,及び/又は,配列番号9に記載のアミノ酸配列において,数個のアミノ酸が置換,欠失,付加,挿入されたアミノ酸配列を含む軽鎖をコードするポリヌクレオチドであって、前記重鎖及び前記軽鎖を有するIgG抗体はHIVへの結合能を有するポリヌクレオチド。
【請求項4】
前記プロモーター領域が,セリシン1プロモーター,セリシン2プロモーター,又はセリシン3プロモーターである,請求項3に記載の発現カセット。
【請求項5】
請求項3又は請求項4に記載の発現カセットを含有する,プラスミドベクター。
【請求項6】
請求項5に記載のプラスミドベクターを絹糸虫の卵に挿入することを含む,トランスジェニック絹糸虫の製造方法。
【請求項7】
請求項4に記載の発現カセットが染色体に組み込まれた,トランスジェニック絹糸虫。
【請求項8】
抗体の製造方法であって,請求項7に記載のトランスジェニック絹糸虫が産生した絹糸から当該抗体を抽出することを含む方法。
【請求項9】
請求項5に記載の抗体,あるいは請求項2に記載の組成物を有効成分として含有する,HIV治療用薬又は予防用の医薬組成物。
【請求項10】
HIV感染後,1~5回投与されるための,請求項9に記載の医薬組成物。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【関連出願の相互参照】
【0001】
本国際出願は、2018年10月29日に日本国特許庁に出願された日本国特許出願第2018-203114号及び2019年9月12日に日本国特許庁に出願された日本国特許出願第2019-166040号に基づく優先権を主張するものであり、日本国特許出願第2018-203114号及び日本国特許出願第2019-166040号の全内容を本国際出願に参照により援用する。
続きを表示(約 1,900 文字)【技術分野】
【0002】
本発明は効率的な抗HIV抗体の製造方法に関するものである。より具体的には,本発明は,カイコを利用した高効率で抗HIV抗体を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
カイコのセリシンプロモーターの下流に抗体遺伝子を配置して,抗体分子を繭に発現させることにより,治療用抗体をカイコで製造する試みが行われている(非特許文献1及び2など)。特に,カイコの繭に発現させた抗体は,糖鎖にコアフコースが含まれないことから,優れたADCC活性を示すことが知られている(特許文献1及び2)。
【0004】
また,HIV治療戦略において,単回又は数回の抗体投与により,その後長期間にわたってHIVをコントロール可能な抗体が期待されている。例えば,非特許文献3においては,PGT121を単回投与した4匹のアカゲザルのうち,1匹においてウイルスRNAが約70日間にわたって検出限界以下に抑えられたことを報告している。
【0005】
また,HIVのエンベロープタンパク質であるgp120のV3ループを認識するヒト化抗体であるKD247が開発され,臨床試験も実施されている。KD247を3回投与した患者において,ウイルスの抑制が確認されたものの,長期間検出限界以下にまでウイルスを抑えるには至らなかった。このように,単剤で単回から数回投与することで,高い確率で長期間ウイルスを検出限界以下にまで抑制できる抗体は,未だ開発されていない。
【0006】
そこで,KD247と同じ抗原認識部位を有するヒト抗体である1C10抗体の開発が進められている。1C10抗体は,幅広いHIV株に対して中和可能な抗体を体内に持ち,25年以上という長期間未治療でも症状を抑制している患者から単離された抗体であり,抗体医薬品としてHIV感染患者に投与することで高い治療効果を発揮することが期待されている(特許文献2及び非特許文献4)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2014-12024号
国際公開WO2009/066702号
【非特許文献】
【0008】
Masashi Iizuka,et al.,FEBS Journal;276:5806-5820(2009)
Minoru Toda,et al.,mABs;7(6):1138-1150(2015)
Dan H。Barouch,et al.,Nature;503(7475):224-228(2013)
Kristel Paola Ramirez Valdez,et al.,Virology;475:187-203(2015)
【発明の概要】
【0009】
本発明者らは,単回又は数回の単独投与による長期間のHIVウイルス制御を投与群に高確率でもたらす抗体について鋭意検討した結果,驚くべきことに,1C10として報告された抗体遺伝子をカイコで生産させることにより得られたSW-1C10抗体の小数回単独投与により,投与された全ての個体において,早期に血中ウイルスが検出限界以下に抑えられたのみならず,12週という長期に渡って血中ウイルスRNAが検出限界以下で維持されることを見出した。更に,カイコで生産された抗体とCHO細胞で生産した抗体とを比較し,その構造的な違いが糖鎖構造にあることを確認した。このことから,本発明者らは,フコースを欠落させることが1C10抗体に投与全例における長期間ウイルス抑制という極めて優れた効果をもたらすことを見出すに至った。このような,投与全例における長期間のウイルス増殖制御が可能であることは過去に報告が無く,本発明者らは初めて少数回の単独投与により投与対象に対して広く安定的にウイルス抑制をもたらす抗体を見出すことに成功した。
【0010】
更に,これまで,カイコによる抗体の生産量は繭1個あたり数百μg,繭1mgあたり数μg程度であり,これ以上の生産性を高める検討は行われてこなかった。本発明者らは,多数の抗HIV抗体の中から,絹糸虫における生産量がより高い抗体を見出すべく検討を重ねた結果,抗HIV抗体である1C10抗体及び1D9抗体が絹糸虫の絹糸中に従来の生産量よりも優れた量で生産されることを見出し,本発明を完成させた。
(【0011】以降は省略されています)

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