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公開番号2024171916
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-12
出願番号2023089274
出願日2023-05-30
発明の名称非アルコール性脂肪性肝疾患治療薬
出願人国立大学法人 熊本大学
代理人個人
主分類A61K 31/198 20060101AFI20241205BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】NAFLDの予防ないし治療のための組成物の提供。
【解決手段】D-システイン若しくはこれの誘導体又はこれらの塩を有効成分として含有することを特徴とする脂肪性肝疾患の予防ないし治療のための組成物。本発明の組成物は,有効成分そのもの若しくは有効成分の生体内代謝物が,肝臓におけるD-amino acid oxidaseの代謝を受け硫化水素を発生することにより,脂肪性肝疾患の予防ないし治療効果を発揮することをメカニズムとするものである。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
D-システイン若しくはこれの誘導体又はこれらの塩を有効成分として含有することを特徴とする脂肪性肝疾患の予防ないし治療のための組成物。
続きを表示(約 440 文字)【請求項2】
D-システインの誘導体が,N-アセチル-D-システイン,D-ホモシステイン,S-アセチル-D-ホモシステイン,D-シスチン,S-カルボキシメチル-D-システイン,S-(2-カルボキシエチル)-D-システイン,S-アリル-D-システインのいずれかから選択される請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
有効成分が,肝臓におけるD-amino acid oxidaseの代謝を受け,硫化水素を発生することにより,脂肪性肝疾患の予防ないし治療効果を発揮することをメカニズムとする,請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
医薬品,サプリメント,機能性食品,機能性飲料,これらいずれかとして構成される請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
経口投与又は経口摂取される組成物として構成される請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
脂肪性肝疾患が,非アルコール性脂肪性肝疾患である請求項5に記載の組成物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は,非アルコール性脂肪性肝疾患の予防又は治療のための組成物に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)は,アルコールの消費量に関わらず,肝臓に脂質が蓄積する肝疾患である。
NAFLD患者は,成人人口において約25%の高い罹患率と推定されている。また,NAFLD患者の10~20%は,肝硬変・肝癌のリスクが高い非アルコール性肝炎に移行するため,NAFLDの治療が必要である。
【0003】
NAFLD患者の治療について,体重の管理,適度な運動,バランスの取れた食事など,生活習慣の改善が原則として行われる。また,NAFLDの原因となっている肥満,糖尿病,脂質異常症,高血圧などに対する薬物治療などが行われる。
しかしながら,NAFLDに対する根治的な治療というのは,確立していないのが現状であり,予防ないし治療薬の開発が進んでいる(特許文献1,2)。
【0004】
ところで,近年,内在性に微量に産生される硫化水素が,NAFLDに対して保護的な作用を示すことが明らかとなってきた。また,硫化水素は,D体アミノ酸の一種であるD-システインが生体内においてD-amino acid oxidase(DAO)という酵素で代謝されることにより産生されることが知られている(図1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2023-24728号
特開2023-22236号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
DAOは,小脳・肝臓・腎臓に選択的に発現しており,D-システインは,これら臓器選択的な硫化水素ドナーとして作用することが知られている。また,発明者らは,D-システインから生合成された硫化水素が,脊髄小脳失調症に対して保護的に働くことを報告している。
これらの知見をもとに発明者らは,肝臓において,D-システインがDAOの代謝を受け硫化水素を産生することにより,NAFLDに対する治療ないし予防効果を発揮するのではないかと考え,研究を開始したものである。
【0007】
上記事情を背景として,本発明では,NAFLDの予防ないし治療のための組成物の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
発明者らは,鋭意研究の結果,D-システインがインビトロにおいてDAOによる代謝を受け硫化水素を生合成することで脂肪由来の活性酸素種を抑制すること,ならびにインビボにおいて肝臓障害を抑制することを見出し,発明を完成させたものである。
【0009】
本発明は,以下の構成からなる。
[1]D-システイン若しくはこれの誘導体又はこれらの塩を有効成分として含有することを特徴とする脂肪性肝疾患の予防ないし治療のための組成物。
[2]D-システインの誘導体が,N-アセチル-D-システイン,D-ホモシステイン,S-アセチル-D-ホモシステイン,D-シスチン,S-カルボキシメチル-D-システイン,S-(2-カルボキシエチル)-D-システイン,S-アリル-D-システインのいずれかから選択される[1]に記載の組成物。
[3]有効成分が,肝臓におけるD-amino acid oxidaseの代謝を受け,硫化水素を発生することにより,脂肪性肝疾患の予防ないし治療効果を発揮することをメカニズムとする,[1]又は[2]に記載の組成物。
[4]医薬品,サプリメント,機能性食品,機能性飲料,これらいずれかとして構成される[3]に記載の組成物。
[5]経口投与又は経口摂取される組成物として構成される[4]に記載の組成物。
[6]脂肪性肝疾患が,非アルコール性脂肪性肝疾患である[5]に記載の組成物。
【発明の効果】
【0010】
本発明により,NAFLDの予防ないし治療のための組成物の提供が可能となった。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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