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公開番号
2025083626
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-06-02
出願番号
2023197099
出願日
2023-11-21
発明の名称
Staple核酸の新規用途
出願人
国立大学法人 熊本大学
,
株式会社StapleBio
代理人
個人
,
個人
主分類
C12N
15/113 20100101AFI20250526BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】
本発明は、Staple核酸の様々な用途を開発することを課題とする。
【解決手段】
本発明の発明者らは、これまでに開発したStaple核酸が標的DNA上のグアニン繰り返し配列を含む合計4か所のグアニン繰り返し配列により標的DNA上にグアニン四重鎖構造を形成させ、標的DNAの構造を変化させることができることを示すとともに、そのような作用の結果として、Staple核酸の新規な用途(DNAからRNAへの転写調節等)を開発することにより、上記課題を解決した。
【選択図】 なし
特許請求の範囲
【請求項1】
標的DNA上の1か所~4か所のグアニン繰り返し配列を含むヌクレオチド配列部分に対し、前記グアニン繰り返し配列の近傍のヌクレオチド配列にハイブリダイズする第1ヌクレオチド配列および第2ヌクレオチド配列、および標的DNA上のグアニン繰り返し配列の数に応じて3か所~0か所のグアニン繰り返し配列、を含むオリゴヌクレオチドであって、
当該オリゴヌクレオチドが、第1ヌクレオチド配列と第2ヌクレオチド配列の標的DNAへのハイブリダイズにより標的DNAの立体構造を変化させ、前記標的DNA上のグアニン繰り返し配列と前記オリゴヌクレオチド上のグアニン繰り返し配列との合わせて4か所のグアニン繰り返し配列の空間的距離が短くなり、それら4か所のグアニン繰り返し配列によるグアニン四重鎖構造を形成させることにより、標的DNAの一部にループ部分を形成させて、標的DNAの構造を変化させる方法。
続きを表示(約 2,300 文字)
【請求項2】
前記オリゴヌクレオチドの第1ヌクレオチド配列と第2ヌクレオチド配列が、標的DNA上のグアニン繰り返し配列の近傍の
・3'末端側のグアニン繰り返し配列の5'側または3'側のヌクレオチド配列部分、
・5'末端側のグアニン繰り返し配列の5'側または3'側のヌクレオチド配列部分
にハイブリダイズする、請求項1に記載の標的DNAの構造を変化させる方法。
【請求項3】
前記オリゴヌクレオチドが、DNA、RNA、修飾核酸、またはこれらの組み合わせで構成される、請求項1または2に記載の標的DNAの構造を変化させる方法。
【請求項4】
標的DNA上の1か所~4か所のグアニン繰り返し配列を含むヌクレオチド配列部分に対し、前記グアニン繰り返し配列の近傍のヌクレオチド配列にハイブリダイズする第1ヌクレオチド配列および第2ヌクレオチド配列、および標的DNA上のグアニン繰り返し配列の数に応じて3か所~0か所のグアニン繰り返し配列、を含むオリゴヌクレオチドであって、
当該オリゴヌクレオチドが、第1ヌクレオチド配列と第2ヌクレオチド配列の標的DNAへのハイブリダイズにより標的DNAの立体構造を変化させ、前記標的DNA上のグアニン繰り返し配列と前記オリゴヌクレオチド上のグアニン繰り返し配列との合わせて4か所のグアニン繰り返し配列の空間的距離が短くなり、それら4か所のグアニン繰り返し配列によるグアニン四重鎖構造を形成させることにより、標的DNAの一部にループ部分が形成されて、標的DNAに対するRNAポリメラーゼの結合を阻害またはRNAポリメラーゼの機能を阻害することによる、標的DNAからのRNAの転写を調節する方法。
【請求項5】
前記オリゴヌクレオチドの第1ヌクレオチド配列と第2ヌクレオチド配列が、標的DNA上のグアニン繰り返し配列の近傍の
・3'末端側のグアニン繰り返し配列の5'側または3'側のヌクレオチド配列部分、
・5'末端側のグアニン繰り返し配列の5'側または3'側のヌクレオチド配列部分
にハイブリダイズする、請求項4に記載の標的DNAからのRNAの転写を調節する方法。
【請求項6】
前記オリゴヌクレオチドが、DNA、RNA、修飾核酸、またはこれらの組み合わせで構成される、請求項4または5に記載の標的DNAからのRNAの転写を調節する方法。
【請求項7】
標的DNA上の1か所~4か所のグアニン繰り返し配列を含むヌクレオチド配列部分に対し、前記グアニン繰り返し配列の近傍のヌクレオチド配列にハイブリダイズする第1ヌクレオチド配列および第2ヌクレオチド配列、および標的DNA上のグアニン繰り返し配列の数に応じて3か所~0か所のグアニン繰り返し配列、を含むオリゴヌクレオチドであって、
当該オリゴヌクレオチドが、第1ヌクレオチド配列と第2ヌクレオチド配列の標的DNAへのハイブリダイズにより標的DNAの立体構造を変化させ、前記標的DNA上のグアニン繰り返し配列と前記オリゴヌクレオチド上のグアニン繰り返し配列との合わせて4か所のグアニン繰り返し配列の空間的距離が短くなり、それら4か所のグアニン繰り返し配列によるグアニン四重鎖構造を形成させることにより、標的DNAの一部にループ部分が形成されて、標的DNAに対するRNAポリメラーゼの結合を阻害またはRNAポリメラーゼの機能を阻害し、標的DNAからのRNAの転写を調節することによる、標的DNAからのタンパク質発現を調節する方法。
【請求項8】
前記オリゴヌクレオチドの第1ヌクレオチド配列と第2ヌクレオチド配列が、標的DNA上のグアニン繰り返し配列の近傍の
・3'末端側のグアニン繰り返し配列の5'側または3'側のヌクレオチド配列部分、
・5'末端側のグアニン繰り返し配列の5'側または3'側のヌクレオチド配列部分
にハイブリダイズする、請求項7に記載の標的DNAからのタンパク質発現を調節する方法。
【請求項9】
前記オリゴヌクレオチドが、DNA、RNA、修飾核酸、またはこれらの組み合わせである、請求項7または8に記載の標的DNAからのタンパク質発現を調節する方法。
【請求項10】
標的DNA上の1か所~4か所のグアニン繰り返し配列を含むヌクレオチド配列部分に対し、前記グアニン繰り返し配列の近傍のヌクレオチド配列にハイブリダイズする第1ヌクレオチド配列および第2ヌクレオチド配列、および標的DNA上のグアニン繰り返し配列の数に応じて3か所~0か所のグアニン繰り返し配列、を含むオリゴヌクレオチドであって、
当該オリゴヌクレオチドが、第1ヌクレオチド配列と第2ヌクレオチド配列の標的DNAへのハイブリダイズにより標的DNAの立体構造を変化させ、前記標的DNA上のグアニン繰り返し配列と前記オリゴヌクレオチド上のグアニン繰り返し配列との合わせて4か所のグアニン繰り返し配列の空間的距離が短くなり、それら4か所のグアニン繰り返し配列によるグアニン四重鎖構造を形成させることにより、標的DNAの一部にループ部分が形成されて、標的DNAに対するDNAポリメラーゼの結合を阻害またはDNAポリメラーゼの機能を阻害することによる、標的DNAの複製を抑制する方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、Staple核酸の新規な用途に関する内容である。
続きを表示(約 1,600 文字)
【背景技術】
【0002】
遺伝子発現抑制技術として、マイクロRNAやsiRNAなど様々なツールが知られている(非特許文献1、非特許文献2)。標的遺伝子の配列情報が知られていれば、比較的簡単にsiRNAを設計することができ、標的遺伝子についての既存の報告を参考にすることにより、一つの標的mRNAに対して複数の標的配列を選定することで、強力に遺伝子発現を抑制することができる。
【0003】
いずれの技術に関してもmRNAに結合するという単純な機構で遺伝子発現抑制機能を発揮するため、予期せぬ効果(オフ・ターゲット効果)が避けられないことが問題となっており(非特許文献3)、ヒトの体内において使用するためには解決しなければならない課題を内包している。
【0004】
現在のバイオインフォマティクスの技術向上により、目的外遺伝子の発現抑制(オフ・ターゲット効果)も最小限に止めることができるようになっている。しかしながら、医薬品化という観点からは、siRNA開発は決して順調に進んでいるとは言えない。その理由は核酸医薬には、修飾核酸を利用する必要があることにある。修飾核酸を利用する場合、マイクロRNA効果やsiRNA活性が著しく低下し、期待するタンパク質翻訳抑制効果が得られない問題も生じることが知られている(非特許文献4)。
【0005】
これらの課題を解決すべく、様々な人工修飾核酸が合成されているが、医薬品としての汎用性の高い人工修飾核酸の開発は未だ継続して進められている現状にある。人工修飾核酸の開発を困難にしている最大の原因は、siRNAが、標的mRNAの切断活性をもつ酵素反応との連動を必要とすること、すなわち、核酸に化学修飾を施すことでヌクレアーゼ耐性を獲得する一方で、酵素反応の基質としての被認識能を失うことにある。
【0006】
これらのような問題を解決するため、本発明の発明者らは、これまでに、配列特異的に標的mRNA配列に結合し、標的mRNA上に存在するグアニン繰り返し配列を利用してグアニン四重鎖構造の形成を誘発する機能を有するStaple核酸を開発し、そのStaple核酸により誘発されたグアニン四重鎖構造に基づいて、Staple核酸がタンパク質の発現を抑制することを明らかにした(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
WO2020/085510
【非特許文献】
【0008】
Fire, A., et al., Nature 1998, 391, 806.
Ambros, V. Nature 2004, 431, 350.
Jackson, A.L. and Linsley, P.S. Nature reviews. Drug discovery 2010, 9, 57.
Jackson, A.L., et al., Rna 2006, 12, 1197.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、Staple核酸の様々な用途を開発することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の発明者らは、これまでに開発したStaple核酸が、標的DNA上のグアニン繰り返し配列を含む合計4か所のグアニン繰り返し配列により標的DNA上にグアニン四重鎖構造を形成させ、標的DNAの構造を変化させることができることを示すとともに、そのような作用の結果として、Staple核酸の新規な用途(DNAからRNAへの転写調節等)を開発することにより、上記課題を解決した。
(【0011】以降は省略されています)
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