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公開番号2025135692
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-19
出願番号2024033585
出願日2024-03-06
発明の名称固体電解質型ガスセンサ素子及びその製造方法、並びに固体電解質型ガスセンサ
出願人国立大学法人 熊本大学
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類G01N 27/407 20060101AFI20250911BHJP(測定;試験)
要約【課題】環境負荷が小さく、製造コストを低減し得るゼオライト緻密体を用いた固体電解質型ガスセンサ素子及びその製造方法、並びに固体電解質型ガスセンサを提供する。
【解決手段】本発明の固体電解質型ガスセンサ素子は、第1電極層とガス検知層と固体電解質層と第2電極層と、をその順に有する。前記ガス検知層が金属無機酸塩を含み、前記固体電解質層が下記一般式(1)で表されるゼオライトの緻密体を含み、前記ゼオライトの緻密体のイオン伝導度が、1.0×10-3S・cm-1以上であり、前記ゼオライトの緻密体の嵩密度が、1.7g/cm3以上2.0g/cm3以下である。
(M1/n)x(AlxSiyO2(x+y))・zH2O ・・・(1)
(式(1)中、M=Na、Li、K;0≦x≦y、0≦z≦216、nは価数である。)
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
第1電極層と
測定対象ガスによる起電できるガス検知層と、
イオン伝導性を有する固体電解質層と
第2電極層と、をその順に有する固体電解質型ガスセンサ素子であって、
前記ガス検知層が金属無機酸塩を含み、
前記固体電解質層が下記一般式(1)で表されるゼオライトの緻密体を含み、
前記ゼオライトの緻密体のイオン伝導度が、1.0×10
-3
S・cm
-1
以上であり、
前記ゼオライトの緻密体の嵩密度が、1.6g/cm

以上2.0g/cm

以下である、固体電解質型ガスセンサ素子。
(M
1/n


(Al

Si


2(x+y)
)・zH

O ・・・(1)
(式(1)中、Mは、Na、Li、Kから選択された一種又は二種以上の金属元素であり、0≦x≦y、0≦z≦216、nは価数である。)
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
理論密度と嵩密度により測定された相対密度が、80%以上である、請求項1に記載の固体電解質型ガスセンサ素子。
【請求項3】
嵩密度が、1.6g/cm

以上2.0g/cm

以下である、請求項1又は2に記載の固体電解質型ガスセンサ素子。
【請求項4】
室温以上450℃以下で、イオン伝導度から算出されるlog(σ/S・cm
-1
)が、-3以上である、請求項1又は2に記載の固体電解質型ガスセンサ素子。
【請求項5】
A型又はX型の骨格構造を有する、請求項1又は2に記載の固体電解質型ガスセンサ素子。
【請求項6】
前記ガス検知層が、Li

CO

、Na

CO

、K

CO

、BaCO

、SrCO

、CaCO

、MgCO

、PbCO

、FeCO

、及びZnCO

からなる群から選択される少なくとも一種の金属炭酸塩を含み、
前記固体電解質型ガスセンサ素子が、二酸化炭素ガスセンサである、請求項1又は2に記載の固体電解質型ガスセンサ素子。
【請求項7】
前記ガス検知層が、Na

CO

-BaCO

及びLi

CO

-BaCO

からなる群から選択される少なくとも一種の複合金属炭酸塩を含む、請求項1又は2に記載の固体電解質型ガスセンサ素子。
【請求項8】
前記ガス検知層が、前記固体電解質層と前記ガス検知層とが一括成形される、請求項1又は2に記載の固体電解質型ガスセンサ素子。
【請求項9】
請求項1又は2に記載の固体電解質型ガスセンサ素子と、
前記第1電極層及び前記第2電極層の間の起電力を測定する装置と、
前記ガス検知層に測定対象ガスを導入する装置と、を含む、固体電解質型ガスセンサ。
【請求項10】
請求項1に記載の固体電解質型ガスセンサ素子を製造する方法であって、
前記ガス検知層の前駆体層と、前記固体電解質層の前駆体層と、を含む第1積層体を形成する第1工程と、
前記第1積層体を、加熱及び加圧可能に構成された密閉空間に設置し、水熱ホットプレス法にて、前記ゼオライトの緻密体を含む第2積層体を作製する第2工程と、
を含む固体電解質型ガスセンサ素子の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ゼオライトの緻密体を固体電解質とする固体電解質型ガスセンサ素子及びその製造方法、並びに固体電解質型ガスセンサに関する。
続きを表示(約 3,600 文字)【背景技術】
【0002】
ガスセンサは、様々な分野で雰囲気中の二酸化炭素などの無機ガスの測定が行われ、燃焼制御や環境計測などに利用されてきた。小型、簡便で安価なガスセンサとして、イオン伝導性の固体電解質を利用した固体電解質型ガスセンサが提案されている。例えば、特許文献1には、Li-βアルミナ、Li

AlO

、Na-βアルミナ、Na

Zr

Si

P0
12
等の固体電解質を用いるガスセンサが報告されている。Na

Zr

Si

P0
12
は、NASICONと呼ばれるNa
1+x
Zr

Si


3-x

12
固体電解質の1種である。また、非特許文献1には、NASICON固体電解質を用いるガスセンサが報告されている。
【0003】
ゼオライトは、極めて安価で、環境に優しい物質であるため、一般に、石油改質や、内燃機関から生じる排気ガスの浄化、或いは炭化水素の合成等を目的として、触媒や吸着体などによく利用されている。触媒や吸着体では、ゼオライトは粉体の形態で応用されることが多い。ゼオライトが非焼結性のため、バルク体としての利用が少ない。
一方、水熱ホットプレス法という水熱反応プロセスと加圧プロセスを同時に施す手法でゼオライトの緻密化に成功することが報告されている(特許文献2)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開公報第1985/05681号
特開2021-107317号公報
【非特許文献】
【0005】
Sheng Yao, Youichi Shimizu, Norio Miura, Noboru Yamazoe: Solid Electrolyte CO2 Sensor Using Binary Carbonate Electrode, Chemistry Letters, Volume 19, Issue 11, November 1990, Pages 2033-2036.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1と非特許文献1では、これらの固体電解質は通常高温熱処理によって緻密化させた後に利用される。そのため、ガスセンサの製造においては、あらかじめ作製された固体電解質の緻密体に、ガス検知層などの電極部材の焼付けが実施される。競争の激しいセンサの開発では製造プロセスの低コスト化に課題がある。
一方、上記特許文献2では、ゼオライトの緻密化に成功したが、緻密化したゼオライトを固体電解質型ガスセンサへの適用に関する報告がなく、従来の固体電解質と同レベルの性能を達成する可能性、ゼオライトを固体電解質とする場合、ガス検知層の付け方等に課題がある。
【0007】
本発明の目的は、従来の固体電解質を用いた固体電解質型ガスセンサの性能を維持しながら、環境負荷が小さく、製造コストを低減し得るゼオライトの緻密体を用いた固体電解質型ガスセンサ素子及びその製造方法、並びに固体電解質型ガスセンサを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の要旨構成は以下の通りである。
[1] 第1電極層と
測定対象ガスによる起電できるガス検知層と、
イオン伝導性を有する固体電解質層と
第2電極層と、をその順に有する固体電解質型ガスセンサ素子であって、
前記ガス検知層が金属無機酸塩を含み、
前記固体電解質層が下記一般式(1)で表されるゼオライトの緻密体を含み、
前記ゼオライトの緻密体のイオン伝導度が、1.0×10
-3
S・cm
-1
以上であり、
前記ゼオライトの緻密体の嵩密度が、1.6g/cm

以上2.0g/cm

以下である、固体電解質型ガスセンサ素子。
(M
1/n


(Al

Si


2(x+y)
)・zH

O ・・・(1)
(式(1)中、Mは、Na、Li、Kから選択された一種又は二種以上の金属元素であり、0≦x≦y、0≦z≦216、nは価数である。)
[2] 理論密度と嵩密度により測定された相対密度が、80%以上である、[1]に記載の固体電解質型ガスセンサ素子。
[3] 嵩密度が、1.6g/cm

以上2.0g/cm

以下である、[1]又は[2]に記載の固体電解質型ガスセンサ素子。
[4] 室温以上450℃以下で、イオン伝導度から算出されるlog(σ/S・cm
-1
)が、-3以上である、[1]~[3]のいずれか1項に記載の固体電解質型ガスセンサ素子。
[5] A型又はX型の骨格構造を有する、[1]~[4]のいずれか1項に記載の固体電解質型ガスセンサ素子。
[6] 前記ガス検知層が、Li

CO

、Na

CO

、K

CO

、BaCO

、SrCO

、CaCO

、MgCO

、PbCO

、FeCO

、及びZnCO

からなる群から選択される少なくとも一種の金属炭酸塩を含み、
前記固体電解質型ガスセンサ素子が、二酸化炭素ガスセンサである、[1]~[5]のいずれか1項に記載の固体電解質型ガスセンサ素子。
[7] 前記ガス検知層が、Na

CO

-BaCO

及びLi

CO

-BaCO

からなる群から選択される少なくとも一種の複合金属炭酸塩を含む、[1]~[6]のいずれか1項に記載の固体電解質型ガスセンサ素子。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、従来の固体電解質を用いた固体電解質型ガスセンサの性能を維持しながら、環境負荷が小さく、製造コストを低減し得るゼオライトの緻密体を用いた固体電解質型ガスセンサ素子及びその製造方法、並びに固体電解質型ガスセンサを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の一実施形態の固体電解質型ガスセンサ素子の層構造を示す模式図である。
図2(a)~図2(c)は、本実施形態に係る固体電解質型ガスセンサ素子の製造方法の一例を説明する模式図である。
図3は、実施例1で得られた固体電解質型ガスセンサ素子100のガス検知層40と固体電解質層60の界面を示す走査電子顕微鏡(SEM)画像である。
図4は、実施例1で得られた固体電解質型ガスセンサ素子のガス検知層40と固体電解質層60の界面を示す走査型電子顕微鏡エネルギー分散型X線分光法(SEM-EDX)画像である。
図5は、実施例1~5で得られた固体電解質型ガスセンサ素子100の固体電解質層60の各温度におけるイオン伝導度を算出した結果を示す図である。
図6は、実施例1で得られた固体電解質型ガスセンサ素子100において、各CO

濃度に対するセンサ応答回復曲線を示す図である。
図7は、実施例1で得られた固体電解質型ガスセンサ素子100において、各CO

濃度に応じてセンサ起電力の変化を示す図である。
図8は、実施例1で得られた固体電解質型ガスセンサ素子100において、サイクル実験の結果を示す図である。
図9は、実施例13で得られた固体電解質型ガスセンサ素子において、10000ppmCO

に対するセンサ応答回復曲線を示す図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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