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公開番号
2025036025
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-03-14
出願番号
2024031295
出願日
2024-03-01
発明の名称
フォトン・アップコンバージョン多孔質体およびその製造方法、光照射方法、光照射用流路
出願人
国立大学法人九州大学
,
国立大学法人京都大学
代理人
弁理士法人特許事務所サイクス
主分類
C09K
11/06 20060101AFI20250306BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約
【課題】フロー系にも利用可能であって応用範囲が広いフォトン・アップコンバージョン材料を提供すること。
【解決手段】本発明のフォトン・アップコンバージョン多孔質体は、ドナーおよびアクセプターを含む骨格部と、貫通孔を有する。孔径は、例えば0.1~100μmである。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
ドナーおよびアクセプターを含む骨格部と貫通孔を有するフォトン・アップコンバージョン多孔質体。
続きを表示(約 610 文字)
【請求項2】
前記多孔質体の貫通孔径が0.1~100μmである、請求項1に記載のフォトン・アップコンバージョン多孔質体。
【請求項3】
前記ドナーが前記アクセプター中に分散している、請求項1に記載のフォトン・アップコンバージョン多孔質体。
【請求項4】
前記ドナーが前記骨格部の表面に存在する、請求項1に記載のフォトン・アップコンバージョン多孔質体。
【請求項5】
前記骨格部にマトリクス樹脂をさらに含む、請求項1に記載のフォトン・アップコンバージョン多孔質体。
【請求項6】
前記マトリクス樹脂中に前記アクセプターが分散している、請求項5に記載のフォトン・アップコンバージョン多孔質体。
【請求項7】
前記マトリクス樹脂中にさらに前記ドナーが分散している、請求項6に記載のフォトン・アップコンバージョン多孔質体。
【請求項8】
前記骨格部がモノリス状である、請求項1に記載のフォトン・アップコンバージョン多孔質体。
【請求項9】
可視光を吸収して紫外光を放射する、請求項1に記載のフォトン・アップコンバージョン多孔質体。
【請求項10】
波長280~320nmの紫外光を放射する、請求項9に記載のフォトン・アップコンバージョン多孔質体。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、紫外光の創生源として有用なフォトン・アップコンバージョン多孔質体およびその製造方法、並びに、フォトン・アップコンバージョン多孔質体を用いた光照射方法および光照射用流路に関する。
続きを表示(約 3,900 文字)
【背景技術】
【0002】
フォトン・アップコンバージョン(UC)は低いエネルギーの光を高いエネルギーの光に変換する技術であり、太陽電池や有機光反応、人工光合成をはじめとする、太陽光利用デバイスの効率を向上させうるエネルギー創生技術として注目を集めている。フォトン・アップコンバージョンが駆動する材料系としては、三重項増感剤として機能するドナーと、発光体として機能するアクセプターを組み合わせたフォトン・アップコンバージョン組成物が知られている。この組成物では、励起光の照射によりドナーが励起一重項状態に励起されると、励起三重項状態へ項間交差し、その三重項エネルギーがアクセプターに移動する。エネルギーを受けて励起三重項状態になったアクセプターでは、その2分子間の三重項が出会って三重項-三重項消滅(TTA)が起こるとともに、そのうちの1分子が励起三重項状態よりもエネルギーが高い励起一重項状態に遷移して発光(フォトン・アップコンバージョン発光)する。この組成物では、このような三重項-三重項消滅によるフォトン・アップコンバージョン(TTA-UC)により、照射光をよりエネルギーが高い光(より短波長の光)に変換することができる。
こうしたフォトン・アップコンバージョン組成物については、アップコンバージョン効率をより高くできる形態の開発が進められており、その中には、多孔質状のフォトン・アップコンバージョン材料に関する研究も見受けられる。
【0003】
例えば、非特許文献1および特許文献1には、Pd-テトラフェニルテトラアントラポルフィリン(増感成分)とルブレン(発光成分)のトルエン溶液と、ポリビニルアルコール水溶液とのO/W型エマルションを基板上に塗布して乾燥させた後、剥離することで気泡を生じさせたフォトン・アップコンバージョン多孔質フィルムが提案されている。この多孔質フィルムでは、ポリマー骨格(マトリックス)と空隙との界面に増感成分と発光成分が存在しており、これら成分のアップコンバージョン機構によりアップコンバージョン光が発生するとされている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
ACS Macro Lett. 2023, 12, 523-529
【特許文献】
【0005】
国際公開2023/074040号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のように、非特許文献1および特許文献1には、フォトン・アップコンバージョン多孔質フィルムが記載されている。このフォトン・アップコンバージョン多孔質フィルムは、乾燥塗膜中で圧縮されたエマルション粒子が、剥離工程で加わる外力により擬似発泡して気泡(空隙)が生じたものであり、その空隙は、独立した気泡で形成されているか、複数の気泡が合体して形成されたものである。こうした気泡を有する多孔質フィルムは流動体の透過性が低いため、流路中に多孔質体を設置して流動体を透過させるフロー系に適用することができず、応用範囲が制限されるという課題がある。
このような状況において、本発明者らは、フロー系にも利用可能であって応用範囲が広いフォトン・アップコンバージョン材料を提供することを目的として鋭意検討を進めた。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために鋭意検討を行った結果、本発明者らは、フォトン・アップコンバージョン材料を、貫通孔を有する形状に成形することにより、フロー系にも利用可能であって応用範囲が広いフォトン・アップコンバージョン多孔質体が実現することを見い出した。本発明はこうした知見に基づいて提案されたものであり、具体的に以下の構成を有する。
【0008】
[1] ドナーおよびアクセプターを含む骨格部と貫通孔を有するフォトン・アップコンバージョン多孔質体。
[2] 前記多孔質体の貫通孔径が0.1~100μmである、[1]に記載のフォトン・アップコンバージョン多孔質体。
[3] 前記ドナーが前記アクセプター中に分散している、[1]または[2]に記載のフォトン・アップコンバージョン多孔質体。
[4] 前記ドナーが前記骨格部の表面に存在する、[1]または[2]に記載のフォトン・アップコンバージョン多孔質体。
[5] 前記骨格部にマトリクス樹脂をさらに含む、[1]または[2]に記載のフォトン・アップコンバージョン多孔質体。
[6] 前記マトリクス樹脂中に前記アクセプターが分散している、[5]に記載のフォトン・アップコンバージョン多孔質体。
[7] 前記マトリクス樹脂中にさらに前記ドナーが分散している、[6]に記載のフォトン・アップコンバージョン多孔質体。
[8] 前記骨格部がモノリス状である、[1]~[7]のいずれか1項に記載のフォトン・アップコンバージョン多孔質体。
[9] 可視光を吸収して紫外光を放射する、[1]~[8]のいずれか1項に記載のフォトン・アップコンバージョン多孔質体。
[10] 波長280~320nmの紫外光を放射する、[9]に記載のフォトン・アップコンバージョン多孔質体。
[11] [1]~[10]のいずれか1項に記載のフォトン・アップコンバージョン多孔質体に光を照射し、それにより生じたフォトン・アップコンバージョン光を前記貫通孔内に存在する物質に照射する、光照射方法。
[12] 前記物質は、前記フォトン・アップコンバージョン多孔質体の外部から前記貫通孔内に供給されたものである、[11]に記載の光照射方法。
[13] 前記物質を含む流動体を、前記フォトン・アップコンバージョン多孔質体内に透過させながら、前記フォトン・アップコンバージョン多孔質体に光を照射する、[11]または[12]に記載の光照射方法。
[14] 物質を含有する流動体がフローするための流路中に、[1]~[10]のいずれか1項に記載のフォトン・アップコンバージョン多孔質体を設置した、光照射用流路。
[15] ドナーおよびアクセプターを含む骨格部と貫通孔を有するフォトン・アップコンバージョン多孔質体の製造方法であって、貫通孔を有する多孔質鋳型内に前記ドナーおよび前記アクセプターを含む流動体を充填し、前記流動体を固化した後に前記多孔質鋳型を溶解して除去することにより前記骨格部を形成する工程を含むことを特徴とする、前記製造方法。
[16] 前記流動体がモノマーをさらに含み、前記固化を前記モノマーを重合することにより行う、[15]に記載の製造方法。
[17] ドナーおよびアクセプターを含む骨格部と貫通孔を有するフォトン・アップコンバージョン多孔質体の製造方法であって、貫通孔を有する多孔質鋳型内に前記アクセプターを含む流動体を充填し、前記流動体を固化した後に前記多孔質鋳型を溶解して除去し、得られた多孔質体の表面に前記ドナーを付着させることにより前記骨格部を形成する工程を含むことを特徴とする、前記製造方法。
[18] ドナーおよびアクセプターを含む骨格部と貫通孔を有するフォトン・アップコンバージョン多孔質体の製造方法であって、
前記ドナー、前記アクセプター、モノマーおよび重合開始剤が2種以上の溶媒に溶解した溶液を調製し、前記モノマーを重合させることにより前記骨格部を有する固体相と液相に相分離させ、前記液相を除去することを特徴とする、前記製造方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明のフォトン・アップコンバージョン多孔質体は、フロー系にも適用することができる。そのため、本発明のフォトン・アップコンバージョン多孔質体によれば、光化学反応のようなUC光を利用する各種分野において、フロー系でのUC光照射が可能になる。本発明の光照射方法によれば、フォトン・アップコンバージョン多孔質体が放射するUC光を効率よく物質に照射することができる。本発明の光照射用流路によれば、フロー系にて、フォトン・アップコンバージョン多孔質体が放射するUC光を効率よく物質に照射することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明のフォトン・アップコンバージョン多孔質体のUC発光メカニズムを説明するための図である。
実施例で作製した多孔質シリカモノリスのSEM写真である。
実施例1の製造工程を示す斜視図である。
実施例1で作製したUC多孔質体1のSEM写真である。
UC多孔質体1について、励起光強度を変えて測定したUC発光スペクトルである。
実施例2の製造工程を示す斜視図である。
実施例2で作製した化合物A2の多孔質体のSEM写真である。
実施例2で作製したUC多孔質体2のSEM写真である。
UC多孔質体2について、励起光強度を変えて測定したUC発光スペクトルである。
実施例3の製造工程を示す斜視図である。
実施例3で作製した多孔質体のSEM写真である。
UC多孔質体3について、励起光強度を変えて測定したUC発光スペクトルである。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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