TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2024172985
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-12
出願番号2023091082
出願日2023-06-01
発明の名称ガス吸着材成形体およびその製造方法
出願人国立大学法人京都大学
代理人個人,個人,個人
主分類B01J 20/22 20060101AFI20241205BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】ガス吸着量の低下が十分に抑制されたガス吸着材成形体を提供する。
【解決手段】複数の構造柔軟性MOF粒子と、前記複数の構造柔軟性MOF粒子を連結する水溶性高分子化合物とを含み、下記式(1)を満たすガス吸着材成形体。
ε≧(1-π√2/6/(1+x))×100 ・・・(1)
【選択図】図7A
特許請求の範囲【請求項1】
複数の構造柔軟性MOF粒子と、前記複数の構造柔軟性MOF粒子を連結する水溶性高分子化合物とを含み、下記式(1)を満たすガス吸着材成形体。
ε≧(1-π√2/6/(1+x))×100 ・・・(1)
式(1)において、εは前記ガス吸着材成形体の空隙率(体積%)であり、xは、前記構造柔軟性MOF粒子の構造転移による体積膨張率である。
続きを表示(約 420 文字)【請求項2】
前記水溶性高分子化合物の重量平均分子量は、10000以上である、請求項1に記載のガス吸着材成形体。
【請求項3】
前記水溶性高分子化合物は繊維状の部分を含む、請求項1または2に記載のガス吸着材成形体。
【請求項4】
球状である請求項1または2に記載のガス吸着材成形体。
【請求項5】
複数の構造柔軟性MOF粒子が分散された水溶性高分子化合物水溶液を、凍結乾燥させることを含む、ガス吸着材成形体の製造方法。
【請求項6】
前記複数の構造柔軟性MOF粒子が分散された水溶性高分子化合物水溶液の合計重量に対する水の含有量は40重量%以上である、請求項5に記載のガス吸着材成形体の製造方法。
【請求項7】
前記水溶性高分子化合物水溶液は、重量平均分子量が10000以上である水溶性高分子化合物を含む、請求項5または6に記載のガス吸着材成形体の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示はガス吸着材成形体およびその製造方法に関する。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
ガス分離装置などにおいて、ゼオライトおよび活性炭などの、いわゆる多孔体と呼ばれるガス吸着材が広く利用されている(特許文献1等)。
【0003】
一般に、ゼオライトおよび活性炭などの既存の多孔体は、いわゆるIUPACの吸着等温線の6分類で分類可能である。すなわち、既存の多孔体は、圧力上昇に応じてガス吸着力が増加する特性を有している。一方で、IUPACの6分類では分類できない、特殊な吸着等温線を示す材料が発表されている。これらは、金属イオン、配位子から形成される金属有機構造体(MOF:Metal Organic Frameworks)の一種で、構造柔軟性MOFなどと呼ばれ、これらが示す特殊なガス吸着挙動は、ゲート現象、またはゲート吸着などと呼ばれている。
【0004】
ゲート現象とは、主として、構造柔軟性MOFの構造が変化することで、ガスの吸着量が急激に変化する現象である。ガス圧が一定値未満の場合は、構造柔軟性MOFはガスをほとんど吸着しないが、ガス圧が一定値(この圧がゲート圧と呼ばれる)に達すると、構造柔軟性MOFの構造が変化(例えば、積層がずれる、層間が広がる等)し、ガス分子が取り込まれる。このため、ゲート圧を境にガス吸着量は急激に増加する。これは、ゲート圧未満では、構造柔軟性MOFとガス分子が別々に存在している方がエネルギー的に安定であるが、ゲート圧以上では、構造柔軟性MOFとガス分子が別々に存在しているよりも、ガス分子が構造柔軟性MOFの内部に取り込まれる方が、より安定な包摂体を形成し、エネルギー的に有利になるためと考えられている。
【0005】
ガス放出では逆の現象が生じる。すなわち、ガス圧がゲート圧未満になると、構造柔軟性MOFに取り込まれていたガス分子が放出され、元の構造柔軟性MOFの構造に戻ろうとする為、ガスの放出が急激に生じる。すなわち、このようなゲート現象は、構造柔軟性MOFの柔軟性に基づいており、当該柔軟性を有していない既存多孔体であるゼオライトおよび活性炭では生じ得ない、構造柔軟性MOF特有の現象である。
【0006】
特許文献2は、ゲート型多孔性高分子錯体をガス吸着材として利用したガス分離装置を開示している。しかしながら、特許文献2は、ゲート型多孔性高分子錯体を主に粉末(すなわち複数の粒子)として利用しており、ガス分離装置に用いると圧力損失が生じる、飛散しやすいなどの弊害がある。そのためゲート型多孔性高分子錯体は、成形体(すなわち、複数の粒子の集合体)にして利用することが好ましい。
【0007】
特許文献3は、柔軟性多孔性高分子金属錯体と、バインダーとしてパルプ繊維とを含む成形体を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2000-061244号公報
特開2017-87101号公報
特開2018-153740号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明者らの検討の結果、構造柔軟性MOFの粉末を成形体にすると、構造柔軟性MOFの重量当たりのガス吸着量が顕著に低下するという問題が生じることがわかった。また、特許文献3に開示されるような成形体においても、更なる改善の余地があった。
【0010】
本開示はこのような状況に鑑みてなされたものであり、その目的の1つは、ガス吸着量の低下が十分に抑制されたガス吸着材成形体、およびその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

東ソー株式会社
捕捉剤
26日前
株式会社近畿理研
吸引・収集装置
11日前
日本バイリーン株式会社
円筒型フィルター
11日前
株式会社Tornada
気泡発生装置
10日前
個人
循環槽用フィルタ及び浄化システム
12日前
株式会社クレハ
流体処理装置
5日前
株式会社トクヤマ
有機スズ化合物を低減する方法
20日前
ユニチカ株式会社
フィルター材の製造方法
19日前
トヨタ自動車株式会社
混合ガスの均一化方法
10日前
アクアインテック株式会社
攪拌槽
5日前
東レ株式会社
除害装置、除害方法及び半導体製造方法
12日前
株式会社放電精密加工研究所
混合溶融装置
17日前
東レ株式会社
親水性多孔質フィルムおよび、その製造方法
18日前
花王株式会社
分散液の製造方法
1か月前
DIC株式会社
二酸化炭素吸収材
6日前
パナソニックIPマネジメント株式会社
除湿装置
6日前
リンナイ株式会社
混合装置
18日前
日亜化学工業株式会社
流体処理装置
6日前
オルガノ株式会社
液体処理ユニットとその運転方法
17日前
住友重機械エンバイロメント株式会社
沈殿装置
24日前
アクアインテック株式会社
固液分離システム
10日前
いすゞ自動車株式会社
吸収装置
27日前
日本バイリーン株式会社
フィルタエレメント、およびその製造方法
4日前
大坪環境エンジニアリング株式会社
二酸化炭素吸着分離装置
11日前
住友重機械プロセス機器株式会社
撹拌装置、撹拌方法
27日前
国立大学法人信州大学
流体デバイス
24日前
日揮触媒化成株式会社
窒素酸化物の還元触媒の製造方法
3日前
ウシオ電機株式会社
光照射装置
24日前
株式会社大気社
二酸化炭素回収装置
27日前
個人
金属管コイルを用いた高効率マイクロ波照射用の精密温度制御装置
3日前
東洋計器株式会社
二酸化炭素処理装置および給湯器システム
11日前
トヨタ自動車株式会社
二酸化炭素回収装置及び二酸化炭素回収方法
11日前
トヨタ自動車株式会社
二酸化炭素吸着材
1か月前
トヨタ自動車株式会社
CO2の回収方法
13日前
DMG森精機株式会社
クーラント供給装置
5日前
株式会社アイシン
二酸化炭素回収装置
24日前
続きを見る