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公開番号2024089121
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-03
出願番号2022204297
出願日2022-12-21
発明の名称反射型マスクブランク
出願人信越化学工業株式会社
代理人弁理士法人英明国際特許事務所
主分類G03F 1/24 20120101AFI20240626BHJP(写真;映画;光波以外の波を使用する類似技術;電子写真;ホログラフイ)
要約【解決手段】EUV光を露光光とするEUVリソグラフィで用いられる反射型マスクの素材であり、基板と、基板の一の主表面上に形成され、露光光に対する屈折率が相対的に低い層と、露光光に対する屈折率が相対的に高い層とが交互に積層された周期積層構造を有し、露光光を反射する反射多層膜と、反射多層膜に接して形成された保護膜と、保護膜に接して形成され、露光光を吸収する吸収体膜とを有する反射型マスクブランクであって、吸収体膜の膜応力が、吸収体膜を基板に直接形成したときの吸収体膜の膜応力以下である反射型マスクブランク。
【効果】吸収体膜に必要な特性が確保され、かつ膜応力が低減された反射型マスクブランクを提供することができる。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
EUV光を露光光とするEUVリソグラフィで用いられる反射型マスクの素材であり、
基板と、該基板の一の主表面上に形成され、露光光に対する屈折率が相対的に低い層と、露光光に対する屈折率が相対的に高い層とが交互に積層された周期積層構造を有し、露光光を反射する反射多層膜と、該反射多層膜に接して形成された保護膜と、該保護膜に接して形成され、露光光を吸収する吸収体膜とを有する反射型マスクブランクであって、
前記吸収体膜の膜応力が、前記吸収体膜を前記基板に直接形成したときの吸収体膜の膜応力以下であることを特徴とする反射型マスクブランク。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記保護膜が、ルテニウム(Ru)、ニオブ(Nb)及び酸素(O)からなり、
前記反射多層膜に近接する側の組成が、ルテニウム(Ru)を含み、酸素(O)を含まず、
前記吸収体膜に接する側の組成が、ルテニウム(Ru)、ニオブ(Nb)及び酸素(O)、又はニオブ(Nb)及び酸素(O)からなる
ことを特徴とする請求項1に記載の反射型マスクブランク。
【請求項3】
前記保護膜において、前記反射多層膜に近接する側の組成が、ルテニウム(Ru)、又はルテニウム(Ru)及びニオブ(Nb)からなることを特徴とする請求項2に記載の反射型マスクブランク。
【請求項4】
前記保護膜の前記反射多層膜に近接する側の組成において、ニオブ(Nb)の含有率が60原子%以下であることを特徴とする請求項3に記載の反射型マスクブランク。
【請求項5】
前記保護膜において、厚さ方向に、前記反射多層膜に近接する側から前記吸収体膜に接する側に向かって、ニオブ(Nb)の含有率が、段階的及び/又は連続的に増加することを特徴とする請求項3に記載の反射型マスクブランク。
【請求項6】
前記保護膜の前記吸収体膜に接する側の組成において、ニオブ(Nb)及び酸素(O)の合計の含有率が60原子%以上であることを特徴とする請求項2に記載の反射型マスクブランク。
【請求項7】
前記保護膜において、厚さ方向に、前記反射多層膜に近接する側から前記吸収体膜に接する側に向かって、酸素(O)の含有率が、段階的及び/又は連続的に増加することを特徴とする請求項2に記載の反射型マスクブランク。
【請求項8】
前記保護膜が、前記吸収体膜に接して形成された応力緩和層を含むことを特徴とする請求項1に記載の反射型マスクブランク。
【請求項9】
前記保護膜が、
(A)ルテニウム(Ru)を含み、酸素(O)を含まない組成を有し、前記反射多層膜に近接する層と、
(B)ルテニウム(Ru)、ニオブ(Nb)及び酸素(O)、又はニオブ(Nb)及び酸素(O)からなる組成を有し、前記吸収体膜に接する層
との2層からなることを特徴とする請求項8に記載の反射型マスクブランク。
【請求項10】
前記(A)層が、ルテニウム(Ru)、又はルテニウム(Ru)及びニオブ(Nb)からなることを特徴とする請求項9に記載の反射型マスクブランク。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、LSIなどの半導体デバイスの製造などに使用される反射型マスクの素材である反射型マスクブランクに関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
半導体デバイス(半導体装置)の製造工程では、転写用マスクに露光光を照射し、マスクに形成されている回路パターンを、縮小投影光学系を介して半導体基板(半導体ウェハ)上に転写するフォトリソグラフィ技術が繰り返し用いられる。従来、露光光の波長は、フッ化アルゴン(ArF)エキシマレーザ光を用いた193nmが主流となっており、露光プロセスや加工プロセスを複数回組み合わせるマルチパターニングというプロセスを採用することにより、最終的には露光波長より小さい寸法のパターンを形成してきた。
【0003】
しかし、継続的なデバイスパターンの微細化により、更なる微細パターンの形成が必要とされてきていることから、露光光としてArFエキシマレーザ光より更に波長の短い極端紫外(Extreme Ultraviolet:以下「EUV」と称す。)光を用いたEUVリソグラフィ技術が用いられるようになってきた。EUV光とは、波長が0.2~100nm程度の光であり、より具体的には、波長が13.5nm付近の光である。EUV光は、物質に対する透過性が極めて低く、従来の透過型の投影光学系やマスクが使えないことから、反射型の光学素子が用いられる。そのため、パターン転写用のマスクも反射型マスクが提案されている。
【0004】
反射型マスクは、一般的には、ガラス製の低熱膨張基板の一方の主表面の上に、EUV光を反射する反射多層膜が形成され、更に、反射多層膜の上に、EUV光を吸収する吸収体膜がパターン状に形成されたものである。一方、吸収体膜にパターニングする前の状態のもの(レジスト膜が形成された状態のものを含む。)は、反射型マスクブランクと呼ばれ、これが反射型マスクの素材として用いられる。反射型マスクブランクは、ガラス製の低熱膨張基板の一方の主表面の上に、EUV光を反射する反射多層膜が形成され、更に、反射多層膜の上に、EUV光を吸収する吸収体膜が形成されたものであり、反射多層膜と吸収体膜とを含む基本構造を有する。
【0005】
反射多層膜としては、通常、モリブデン(Mo)層とシリコン(Si)層とを交互に積層することでEUV光の反射率を確保するMo/Si反射多層膜が用いられる。また、吸収体膜の材料としては、EUV光に対して消衰係数の値が比較的大きいタンタル(Ta)を主成分とする材料などが用いられる(特開2002-246299号公報(特許文献1))。一方、基板の他方の主表面の上には、反射型マスクを露光装置に保持する際の静電チャッキングのために、金属膜などの裏面導電膜が形成される。裏面導電膜としては、主に、クロム(Cr)、タンタル(Ta)を含有する膜が用いられる。
【0006】
また、反射多層膜と吸収体膜との間には、通常、反射多層膜を保護するための保護膜が形成される。保護膜は、吸収体膜にマスクパターンを形成するために実施されるエッチングにおいてエッチングガスに曝される際や、マスクパターン形成後の洗浄において洗浄液に曝される際に反射多層膜を保護するために、更には、マスクパターン形成後に欠陥が検出された際のパターン修正加工などにおいて、反射多層膜がダメージを受けることがないように設けられる。保護膜の材料としては、例えば、ルテニウム(Ru)が用いられる(特開2002-122981号公報(特許文献2))。保護膜に、更に、EUV光で露光した際の反射多層膜の反射率の低下を抑える機能が求められる場合には、ルテニウム(Ru)に、ニオブ(Nb)、ロジウム(Rh)、ジルコニウム(Zr)などを添加した材料を用いることが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2002-246299号公報
特開2002-122981号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
反射型マスクブランクの製造工程においては、反射多層膜の形成後に欠陥座標位置の基準となるマークを形成した状態で、位相欠陥とよばれる欠陥を検出するためEUV光を用いたABI検査(Actinic Blank Inspection)が実施される。反射型マスク加工時には、ABI検査時の欠陥座標情報を元に、反射型マスクのパターン描画の工程において、欠陥が転写しないように、所謂ミチゲーション(ディフェクトミチゲーション)が行われ、最終的には吸収体膜に所望のパターンを形成する。ミチゲーション時の位置ずれや、パターニング後の基板形状の変化を防止する観点から、吸収体膜の膜応力はなるべく低く抑える必要がある。
【0009】
反射型マスクブランクの吸収体膜は、パターンを形成するために膜の一部を除去するため、膜応力が大きいとパターンの形成によって、基板のそり量が変化する。そのため、パターンの位置精度を維持するためには、膜応力が小さい方が好ましい。しかし、吸収体膜には、膜応力以外にも、所定の厚さで反射率が十分に低いこと、パターンのLER(Line Edge Roughness)を低く抑えるために、微結晶構造、かつ低表面粗さの膜質であること、加工性を確保するため、エッチングレートが高いこと、EB(Electron Beam)描画の際に基板が帯電しないように、シート抵抗が10
7
Ω/□以下に抑えられていることなどが求められる。吸収体膜の膜応力は、成膜条件で、ある程度は調整可能であるが、成膜条件を変えると、膜応力だけでなく、膜質などの膜応力以外の特性も大きく変わってしまう。特に、窒化度の高い膜では、成膜条件を変えるだけでは、膜応力の調整ができず、膜応力を低減することは難しい。
【0010】
本発明は、前記課題を解決するためになされたものであり、膜応力が低い吸収体膜、特に、吸収体膜に必要な特性が確保され、かつ膜応力が低い吸収体膜を有する反射型マスクブランクを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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