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公開番号2024077683
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-10
出願番号2022189767
出願日2022-11-29
発明の名称トナー
出願人キヤノン株式会社
代理人個人,個人
主分類G03G 9/087 20060101AFI20240603BHJP(写真;映画;光波以外の波を使用する類似技術;電子写真;ホログラフイ)
要約【課題】低温定着性に優れ、耐ホットオフセット性及び耐折り曲げ性が良好なトナーの提供。
【解決手段】結晶性樹脂Aと非晶性樹脂Bと離型剤とを含有するトナーであって、結晶性樹脂Aは、(i)特定のユニット(a)を30.0質量%以上含有し、(ii)トナーを基準として、20.0~80.0質量%含有されており、非晶性樹脂Bは、5.0~80.0質量%含有されており、結晶性樹脂Aと前記非晶性樹脂Bとの合計の含有量が、50.0質量%以上であり、トナーをテトラヒドロフランと、さらにノルマルヘキサンに溶解して可溶分をGPCにより分子量5000以下を分取して得られる成分を成分Wとし、成分Wの含有量が、0.5~20.0質量%であり、成分Wの最大吸熱ピークのピーク温度をTmW(℃)、成分W由来のトナーの吸熱ピークの温度をTmT(℃)としたとき、50.0≦TmW≦85.0、-2.0≦TmW-TmT≦4.5を満足する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
結晶性樹脂Aと非晶性樹脂Bと離型剤とを含有するトナー粒子を有するトナーであって、
前記結晶性樹脂Aは、
(i)下記式(1)で表されるユニット(a)を30.0質量%以上含有し、
(ii)トナーの質量を基準として、20.0質量%以上80.0質量%以下含有されており、
前記非晶性樹脂Bは、トナーの質量を基準として、5.0質量%以上80.0質量%以下含有されており、
前記結晶性樹脂Aと前記非晶性樹脂Bとの合計の含有量が、トナーの質量を基準として、50.0質量%以上であり、
トナーをテトラヒドロフランに溶解して、テトラヒドロフラン可溶分を得て、得られた前記テトラヒドロフラン可溶分をノルマルヘキサンに溶解してノルマルヘキサン可溶分を得て、得られた前記ノルマルヘキサン可溶分をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により分子量5000以下を分取して得られる成分を成分Wとしたとき、
成分Wの含有量が、トナーの質量を基準として、0.5質量%以上20.0質量%以下であり、
成分Wの最大吸熱ピークのピーク温度をTmW(℃)、成分W由来のトナーの吸熱ピークの温度をTmT(℃)としたとき、
前記TmWと前記TmTとが、
50.0≦TmW≦85.0
-2.0≦TmW-TmT≦4.5
を満足することを特徴とするトナー。
TIFF
2024077683000014.tif
41
68
[式(1)中、R
1
は水素原子またはメチル基を表し、L
1
は、単結合、エステル結合、またはアミド結合を表し、mは15以上30以下の整数を表す。]
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記成分Wのピーク分子量Mpが1000以上3000以下である請求項1に記載のトナー。
【請求項3】
前記結晶性樹脂Aが、前記式(1)で示すユニット(a)を50.0質量%以上90.0質量%以下含有する請求項1または2に記載のトナー。
【請求項4】
前記結晶性樹脂Aが、トナーの質量を基準として、25.0質量%以上60.0質量%以下含有されている請求項1または2に記載のトナー。
【請求項5】
前記非晶性樹脂Bが、トナーの質量を基準として、30.0質量%以上80.0質量%以下含有されている請求項1または2に記載のトナー。
【請求項6】
前記結晶性樹脂AのSP値が18.4(J/cm
3

0.5
以上20.5(J/cm
3

0.5
以下である請求項1または2に記載のトナー。
【請求項7】
前記非晶性樹脂BのSP値が18.9(J/cm
3

0.5
以上21.4(J/cm
3

0.5
以下である請求項1または2に記載のトナー。
【請求項8】
前記非晶性樹脂Bが、スチレンと、アクリル酸アルキルまたはメタクリル酸アルキルの両方を含むモノマーの共重合体である請求項1または2に記載のトナー。
【請求項9】
前記成分WのSP値が16.5(J/cm
3

0.5
以上17.6(J/cm
3

0.5
以下である請求項1または2に記載のトナー。
【請求項10】
前記成分Wが、下記式(2)で示されるユニットを有する請求項1または2に記載のトナー。
TIFF
2024077683000015.tif
27
68
[式(2)中、

5
は水素原子またはメチル基を表し、

6
は炭素数14以上34以下の直鎖アルキル基を表し、

1
及びY
1
が、以下の(i)または(ii)のいずれかの組合せである。
(i)X
1
が酸素原子を表し、Y
1
がケイ素原子を表す。
(ii)X
1
がメチレン基を表し、Y
1
が炭素原子を表す。]
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、電子写真法、静電記録法に用いられるトナーに関するものである。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
従来、電子写真装置においても省エネルギー化が大きな技術的課題として考えられ、定着装置にかかる熱量の大幅な削減が検討されている。特に、トナーにおいては、より低エネルギーでの定着が可能な、いわゆる「低温定着性」のニーズが高まっている。
低温での定着を可能にするための手法として、結着樹脂に結晶性樹脂を使用する方法が検討されている。トナー用の結着樹脂として一般的に用いられる非晶性の樹脂は、示差走査熱量計(DSC)測定において明確な吸熱ピークを示さないが、結晶性樹脂成分を含有する場合には、DSC測定における吸熱ピークが現れる。
結晶性樹脂は、分子内の側鎖が規則的に配列することにより、吸熱ピーク温度まではほとんど軟化しないといった性質を有する。また、吸熱ピーク温度を境に結晶が急激に融解し、それに伴った急激な粘度の低下が起こる。このため、シャープメルト性に優れ、低温定着性を示す材料として注目されている。
結晶性樹脂として、長鎖アルキル基を分子内の側鎖に有する結晶性のビニル樹脂を使用したトナーが挙げられる。通常、結晶性のビニル樹脂は、主鎖骨格に長鎖アルキル基を側鎖として有し、側鎖の長鎖アルキル基同士が結晶化することで、結晶性樹脂となる。特許文献1では、結晶性のビニル樹脂を主成分とする海部と非晶性樹脂を主成分とする島部とで構成される海島構造が見られるトナーが提案されている。特許文献2では、α-オレフィンモノマーユニットを含有する離型剤を結晶性のビニル樹脂に添加したトナーが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2014-142632号公報
特開2022-96213号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1及び2に記載のトナーは低温定着性を満足しているものの、耐ホットオフセット性及び、定着後のベタ画像(印字比率が非常に高い画像)の耐折り曲げ性が十分ではないことが分かった。この耐折り曲げ性は、フルカラーの広い普及に伴い、より重要な特性の一つとなっている。
特許文献1に記載のトナーは、結晶成分である長鎖アルキル基を有するビニル樹脂となじみの良い離型剤を使用している。定着時に離型剤が内部に残存することにより、高温定着時に離型剤による離型効果が低下するため、ホットオフセットが発生しやすくなっていると考えられる。また、定着後のベタ画像を折り曲げた際に、トナー内部の離型剤が起因となって割れや剥がれが発生し、耐折り曲げ性が低下すると考えられる。
特許文献2に記載のトナーは、結着樹脂中の結晶成分が多く、高温定着時に粘度が低下しすぎるため、耐ホットオフセット性が不十分となる。また、結晶性樹脂の結晶の方向に沿った割れ(劈開)が起こることにより、定着後のベタ画像を折り曲げた際に、割れや剥がれが発生し、耐折り曲げ性が低下すると考えられる。以上のことから、低温定着性に優れ、耐ホットオフセット性と定着後のベタ画像の耐折り曲げ性に優れたトナーの実現にはさらなる改善が求められている。
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、低温定着性に優れ、耐ホットオフセット性と定着後のベタ画像の耐折り曲げ性に優れたトナーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、結晶性樹脂Aと非晶性樹脂Bと離型剤とを含有するトナー粒子を有するトナーであって、
前記結晶性樹脂Aは、
(i)下記式(1)で表されるユニット(a)を30.0質量%以上含有し、
(ii)トナーの質量を基準として、20.0質量%以上80.0質量%以下含有されており、
前記非晶性樹脂Bは、トナーの質量を基準として、5.0質量%以上80.0質量%以下含有されており、
前記結晶性樹脂Aと前記非晶性樹脂Bとの合計の含有量が、トナーの質量を基準として、50.0質量%以上であり、
トナーをテトラヒドロフランに溶解して、テトラヒドロフラン可溶分を得て、得られた前記テトラヒドロフラン可溶分をノルマルヘキサンに溶解してノルマルヘキサン可溶分を得て、得られた前記ノルマルヘキサン可溶分をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により分子量5000以下を分取して得られる成分を成分Wとしたとき、
成分Wの含有量が、トナーの質量を基準として、0.5質量%以上20.0質量%以下であり、
成分Wの最大吸熱ピークのピーク温度をTmW(℃)、成分W由来のトナーの吸熱ピークの温度をTmT(℃)としたとき、
前記TmWと前記TmTとが、
50.0≦TmW≦85.0
-2.0≦TmW-TmT≦4.5
を満足することを特徴とするトナーに関する。
TIFF
2024077683000001.tif
41
68
[式(1)中、R
1
は水素原子またはメチル基を表し、L
1
は、単結合、エステル結合、またはアミド結合を表し、mは15以上30以下の整数を表す。]
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、低温定着性に優れ、耐ホットオフセット性と定着後のベタ画像の耐折り曲げ性に優れたトナーを提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明において、数値範囲を表す「XX以上YY以下」や「XX~YY」の記載は、特に断りのない限り、端点である下限及び上限を含む数値範囲を意味する。
【0008】
(メタ)アクリル酸エステルとは、アクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステルを意味する。
【0009】
数値範囲が段階的に記載されている場合、各数値範囲の上限及び下限は任意に組み合わせることができる。
【0010】
「モノマーユニット」とは、ポリマー中のモノマー物質の反応した形態をいう。例えば、ポリマー中の重合性単量体が重合した主鎖中の、炭素-炭素結合1区間を1ユニットとする。重合性単量体とは下記式(C)で表すことができる。
(【0011】以降は省略されています)

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