TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
10個以上の画像は省略されています。
公開番号2024089597
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-03
出願番号2023064683
出願日2023-04-12
発明の名称トナー
出願人キヤノン株式会社
代理人個人,個人
主分類G03G 9/087 20060101AFI20240626BHJP(写真;映画;光波以外の波を使用する類似技術;電子写真;ホログラフイ)
要約【課題】優れた耐擦過性と帯電維持性、低温定着性を示すトナーの提供。
【解決手段】結着樹脂を含有するトナーであって、結着樹脂が、非晶性と結晶性のポリエステルを含有し、トナーのDSC測定においてプロセス速度10℃/分、20℃-180℃の範囲で昇温する第一プロセス、降温する第二プロセス、再び昇温する第三プロセスを経たとき、(i)第一プロセスで吸熱ピークAのピーク温度が80℃~100℃で、(ii)第二プロセスで、発熱ピークBのピーク温度が40℃~80℃、発熱量が0.5J/g以上で、(iii)第三プロセスで発熱ピークCと吸熱ピークDがあり、発熱ピークCのピーク温度が40℃~80℃、発熱量が1.5J/g以上で、吸熱ピークDのピーク温度が80℃~100℃であり、(iv)吸熱ピークAの最大ピーク温度をT1(℃)、吸熱ピークDの最大ピーク温度をT2としたとき、式(1)-1.0≦T2-T1・・・(1)を満たす。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
結着樹脂を含有するトナー粒子を有するトナーであって、
該結着樹脂が、非晶性ポリエステルと結晶性ポリエステルを含有し、
該トナーを試料とする示差走査熱量測定(DSC)において、
〔I〕昇温速度10℃/minで20℃から180℃まで昇温する第一プロセス、
〔II〕第一プロセスに続いて、降温速度10℃/minで180℃から20℃まで降温する第二プロセス、および
〔III〕第二プロセスに続いて、昇温速度10℃/minで20℃から180℃まで昇温する第三プロセス
を経たとき、
(i)該第一プロセスで得られる第一DSCカーブにおいて、該結晶性ポリエステルに由来する吸熱ピークAが存在し、該吸熱ピークAのピークトップ温度が80℃以上100℃以下であり、
(ii)該第二プロセスで得られる第二DSCカーブにおいて、該結晶性ポリエステルに由来する発熱ピークBが存在し、該発熱ピークBのピークトップ温度が40℃以上80℃以下であり、該発熱ピークBの発熱量が0.5J/g以上であり、
(iii)該第三プロセスで得られる第三DSCカーブにおいて、該結晶性ポリエステルに由来する発熱ピークC、及び、該結晶性ポリエステルに由来する吸熱ピークDが存在し、該発熱ピークCのピークトップ温度が40℃以上80℃以下であり、該発熱ピークCの発熱量が1.5J/g以上であり、該吸熱ピークDのピークトップ温度が80℃以上100℃以下であり、
(iv)該吸熱ピークAの最大ピークトップの温度をT1(℃)とし、該吸熱ピークDの最大ピークトップの温度をT2(℃)としたとき、下記式(1)を満たすことを特徴とするトナー。
-1.0≦T2-T1・・・(1)
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
該吸熱ピークDの吸熱量が3.0J/g以上である請求項1に記載のトナー。
【請求項3】
前記結晶性ポリエステルは、炭素数2以上6以下の直鎖脂肪族多価アルコールc1由来の構造と、直鎖脂肪族多価カルボン酸c2由来の構造とを、主鎖を形成する単位として有し、
該直鎖脂肪族多価アルコールc1と該直鎖脂肪族多価カルボン酸c2との炭素数差が6以上である請求項1又は2に記載のトナー。
【請求項4】
前記結晶性ポリエステルは、主鎖末端のヒドロキシ基が炭素数16以上31以下の脂肪族モノカルボン酸で末端修飾された構造を有する変性結晶性ポリエステル、或いは、主鎖末端のカルボキシ基が炭素数15以上30以下の脂肪族モノアルコールで末端修飾された構造を有する変性結晶性ポリエステルを含有し、
結晶性ポリエステル中の全分子の主鎖末端における該末端修飾された構造の割合が、80.0%以上である請求項1又は2に記載のトナー。
【請求項5】
前記結晶性ポリエステルの融点をTcとしたとき、該Tcが下記式(2)を満たす請求項1又は2に記載のトナー。
85.0≦Tc≦93.0・・・(2)
【請求項6】
前記結晶性ポリエステル樹脂のSP値[(J/cm
3

0.5
]をSP
C
とし、前記非晶性ポリエステルのSP値[(J/cm
3

0.5
]をSP
A
としたとき、該SP
A
と該SP
C
が下記式(3)を満たす請求項1又は2に記載のトナー。
2.0≦SP
A
-SP
C
≦4.5・・・(3)
【請求項7】
フローテスターにより測定される前記非晶性ポリエステルの軟化点をT
A
(℃)とし、前記非晶性ポリエステル及び前記結晶性ポリエステルを、前記トナー中の非晶性ポリエステル及び結晶性ポリエステルの質量比で混合した溶融混合物の軟化点をT
M
(℃)としたとき、該T
A
と該T
M
の差(T
A
-T
M
)が、7℃以上17℃以下である請求項1又は2に記載のトナー。
【請求項8】
前記結着樹脂中、結晶性ポリエステルが5質量%以上15質量%以下含有されている請求項1又は2に記載のトナー。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式、静電記録方式、及び、静電印刷方式などに用いられるトナーに関する。
続きを表示(約 3,400 文字)【背景技術】
【0002】
近年、電子写真方式のフルカラー複写機が広く普及するに従い、更なる高速化、高画質化はもちろんのこと、省エネルギー性能、スリープ状態からの復旧時間短縮、多種多様なメディアへの対応など、付加的な性能の向上も要求されている。
具体的には、省エネルギー化に対応したトナーとして、定着工程での消費電力を低下させるために、より低い温度で定着できる、低温定着性に優れたトナーが求められている。そこで、低温定着性に優れたトナーとして、トナーの結着樹脂に結晶性ポリエステルを使用したトナーが提案されている(特許文献1)。
また、スリープ状態からの復旧時間短縮の観点から、長時間のスリープ状態を通して帯電量の変化が少ない、帯電維持性に優れたトナーが求められている。そこで、帯電維持性に優れたトナーとして、結晶性ポリエステルと疎水性の高い結晶性ポリビニル樹脂を用いたトナーが提案されている(特許文献2)。
さらに、多種多様なメディアの一つである厚紙コート紙は、白色度を高めるために炭酸カルシウム等の無機微粒子が多く含まれているため、紙同士の摺擦による摩擦係数が大きくなり、定着画像においてトナーが紙から剥離されやすくなる。そのため、紙同士の摺擦に対するトナー剥離の抑制のため、耐擦過性に優れたトナーが求められている。そこで、耐擦過性に優れたトナーとして、炭酸塩含有フィラーを用いたトナーが提案されている(特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2004-046095号公報
特開2018-156074号公報
特開2013-200559号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のトナーは、結晶性ポリエステルを使用している。結晶性ポリエステルは非晶性ポリエステルに比較してシャープメルトな特性を有するとともに、非晶性ポリエステルに対して可塑剤としてもはたらくため、トナーの低温定着化に対して有効な材料である。しかし、結晶性ポリエステルが結着樹脂と過度に相溶していると、結晶性ポリエステル樹脂の電気抵抗が低いため、例えば高温高湿下においては、トナーの帯電量が低下しやすい傾向にあり、帯電維持性が劣る場合があることがわかった。
一方、特許文献2に記載のトナーは、結晶性ポリエステルと疎水性の高い結晶性ポリビニル樹脂を用いることで、シャープメルト性を有し、優れた低温定着性及び帯電維持性を発揮する。しかしながら、結晶性ポリビニル樹脂は、ワックスとの親和性が高いことから、ワックスの染み出しが抑制され、定着画像表面のワックス層が形成されにくい。よって、紙同士の摺擦による摩擦係数が小さくならず、定着画像のトナーが紙から剥離される場合があることがわかった。
また、特許文献3に記載のトナーは、結晶性樹脂を含有する結着樹脂を用い、さらにフィラーを用いることで優れた耐擦過性を発揮する。しかしながら、結晶化には効果があるが、フィラー効果の影響が大きく、低温定着性が劣る場合があることがわかった。
以上のことから、低温定着性、帯電維持性、及び耐擦過性のすべてを満足することは困難であった。そこで、優れた帯電維持性、耐擦過性を示した上で、トナーを、より低い温度で定着できる、低温定着性を示すトナーの開発が急務となっている。
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、本発明は、優れた帯電維持性と耐擦過性を示した上で、トナーを、より低い温度で定着できる、低温定着性を示すトナーを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、結着樹脂を含有するトナー粒子を有するトナーであって、
該結着樹脂が、非晶性ポリエステルと結晶性ポリエステルを含有し、
該トナーを試料とする示差走査熱量測定(DSC)において、
〔I〕昇温速度10℃/minで20℃から180℃まで昇温する第一プロセス、
〔II〕第一プロセスに続いて、降温速度10℃/minで180℃から20℃まで降温する第二プロセス、および
〔III〕第二プロセスに続いて、昇温速度10℃/minで20℃から180℃まで昇温する第三プロセス
を経たとき、
(i)該第一プロセスで得られる第一DSCカーブにおいて、該結晶性ポリエステルに由来する吸熱ピークAが存在し、該吸熱ピークAのピークトップ温度が80℃以上100℃以下であり、
(ii)該第二プロセスで得られる第二DSCカーブにおいて、該結晶性ポリエステルに由来する発熱ピークBが存在し、該発熱ピークBのピークトップ温度が40℃以上80℃以下であり、該発熱ピークBの発熱量が0.5J/g以上であり、
(iii)該第三プロセスで得られる第三DSCカーブにおいて、該結晶性ポリエステルに由来する発熱ピークC、及び、該結晶性ポリエステルに由来する吸熱ピークDが存在し、該発熱ピークCのピークトップ温度が40℃以上80℃以下であり、該発熱ピークCの発熱量が1.5J/g以上であり、該吸熱ピークDのピークトップ温度が80℃以上100℃以下であり、
(iv)該吸熱ピークAの最大ピークトップの温度をT1(℃)とし、該吸熱ピークDの最大ピークトップの温度をT2(℃)としたとき、下記式(1)を満たすことを特徴とするトナーに関する。
-1.0≦T2-T1・・・(1)
【発明の効果】
【0006】
本発明は、優れた耐擦過性と帯電維持性を示した上で、トナーを、より低い温度で定着できる、低温定着性を示すトナーを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明において、数値範囲を表す「○○以上××以下」や「○○~××」の記載は、特に断りのない限り、端点である下限及び上限を含む数値範囲を意味する。
【0008】
また、モノマーユニットとは、ポリマー中のモノマー物質の反応した形態をいう。
【0009】
さらに、結晶性樹脂とは、示差走査熱量測定(DSC)において吸熱ピークが観測される樹脂である。
【0010】
本発明は、結着樹脂を含有するトナー粒子を有するトナーであって、
該結着樹脂が、非晶性ポリエステルと結晶性ポリエステルを含有し、
該トナーを試料とする示差走査熱量測定(DSC)において、
〔I〕昇温速度10℃/minで20℃から180℃まで昇温する第一プロセス、
〔II〕第一プロセスに続いて、降温速度10℃/minで180℃から20℃まで降温する第二プロセス、および
〔III〕第二プロセスに続いて、昇温速度10℃/minで20℃から180℃まで昇温する第三プロセス
を経たとき、
(i)該第一プロセスで得られる第一DSCカーブにおいて、該結晶性ポリエステルに由来する吸熱ピークAが存在し、該吸熱ピークAのピークトップ温度が80℃以上100℃以下であり、
(ii)該第二プロセスで得られる第二DSCカーブにおいて、該結晶性ポリエステルに由来する発熱ピークBが存在し、該発熱ピークBのピークトップ温度が40℃以上80℃以下であり、該発熱ピークBの発熱量が0.5J/g以上であり、
(iii)該第三プロセスで得られる第三DSCカーブにおいて、該結晶性ポリエステルに由来する発熱ピークC、及び、該結晶性ポリエステルに由来する吸熱ピークDが存在し、該発熱ピークCのピークトップ温度が40℃以上80℃以下であり、該発熱ピークCの発熱量が1.5J/g以上であり、該吸熱ピークDのピークトップ温度が80℃以上100℃以下であり、
(iv)該吸熱ピークAの最大ピークトップの温度をT1(℃)とし、該吸熱ピークDの最大ピークトップの温度をT2(℃)としたとき、下記式(1)を満たすことを特徴とする。
-1.0≦T2-T1・・・(1)
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

キヤノン株式会社
トナー
2日前
キヤノン株式会社
トナー
2日前
キヤノン株式会社
トナー
2日前
キヤノン株式会社
定着装置
1日前
キヤノン株式会社
発光素子
1日前
キヤノン株式会社
操作機器
1日前
キヤノン株式会社
レンズ装置
2日前
キヤノン株式会社
光電変換装置
1日前
キヤノン株式会社
画像形成装置
1日前
キヤノン株式会社
画像形成装置
1日前
キヤノン株式会社
画像形成装置
1日前
キヤノン株式会社
画像形成装置
1日前
キヤノン株式会社
画像形成装置
2日前
キヤノン株式会社
現像剤補給容器
1日前
キヤノン株式会社
液体吐出ヘッド
1日前
キヤノン株式会社
画像形成システム
1日前
キヤノン株式会社
撮像装置及び撮像方法
2日前
キヤノン株式会社
光学装置及び撮像装置
1日前
キヤノン株式会社
素子基板及び記録装置
1日前
キヤノン株式会社
走査装置および画像形成装置
1日前
キヤノン株式会社
ズームレンズおよび撮像装置
1日前
キヤノン株式会社
ポリマー電解質及び二次電池
1日前
キヤノン株式会社
光電変換装置及び信号処理装置
1日前
キヤノン株式会社
基板処理装置及び物品の製造方法
1日前
キヤノン株式会社
表示装置、車両および表示制御方法
2日前
キヤノン株式会社
基板処理装置、及び物品の製造方法
1日前
キヤノン株式会社
液体吐出ヘッドおよび液体吐出装置
1日前
キヤノン株式会社
プログラム、方法、及び管理サーバ
1日前
キヤノン株式会社
磁性キャリア、及び二成分系現像剤
1日前
キヤノン株式会社
液体吐出ヘッドおよび液体吐出装置
1日前
キヤノン株式会社
記録装置、制御方法およびプログラム
1日前
キヤノン株式会社
情報処理装置、方法およびプログラム
1日前
キヤノン株式会社
情報処理装置、制御方法及びプログラム
2日前
キヤノン株式会社
ファイル転送装置およびファイル転送方法
2日前
キヤノン株式会社
撮像装置及びその制御方法及びプログラム
2日前
キヤノン株式会社
温度検出装置、定着装置及び画像形成装置
2日前
続きを見る