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公開番号
2024089063
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-07-03
出願番号
2022204186
出願日
2022-12-21
発明の名称
減圧乾燥装置
出願人
株式会社SCREENホールディングス
代理人
個人
,
個人
主分類
F26B
5/04 20060101AFI20240626BHJP(乾燥)
要約
【課題】生産性の低下を避けつつ、冷却部の冷却面に液状の溶媒が過度に蓄積されることに起因しての悪影響を避ける技術を提供する。
【解決手段】基板9の上面に塗布された塗布膜90を乾燥させるための減圧乾燥装置1は、基板9を収容するチャンバ10と、チャンバ10内において、基板9を支持する支持部20と、チャンバ10から気体を吸引して、チャンバ10内の圧力を低下させる減圧機構30と、支持部20によって支持された基板9の上面に対面し基板9より大きい冷却面40aを冷却する冷却部40と、を備える。冷却部40の冷却面40aは、基板9の塗布膜90が形成され得る領域ACに基板9の厚み方向において対向する対向領域RCと、対向領域RCの外側の外側領域ROと、を有している。冷却部40は、対向領域RCの温度よりも外側領域ROの温度が高くなるように構成されている。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
基板の上面に塗布された塗布膜を乾燥させる減圧乾燥装置であって、
前記基板を収容するチャンバと、
前記チャンバ内において、前記基板を支持する支持部と、
前記チャンバから気体を吸引して、前記チャンバ内の圧力を低下させる減圧機構と、
前記支持部によって支持された前記基板の前記上面に対面し前記基板より大きい冷却面を冷却する冷却部と、
を備え、
前記冷却部の前記冷却面は、前記基板の前記塗布膜が形成され得る領域に前記基板の厚み方向において対向する対向領域と、前記対向領域の外側の外側領域と、を有しており、
前記冷却部は、前記対向領域の温度よりも前記外側領域の温度が高くなるように構成されている、減圧乾燥装置。
続きを表示(約 430 文字)
【請求項2】
前記冷却部は、前記冷却面を冷却するために冷媒が流れる経路と、前記経路へ前記冷媒が導入される入口と、前記経路から前記冷媒が導出される出口と、を有しており、
平面視で、前記冷却部の前記経路は前記対向領域と前記外側領域とにまたがっており、前記冷却部の前記入口は前記対向領域に位置しており、前記冷却部の前記出口は前記外側領域に位置している、請求項1に記載の減圧乾燥装置。
【請求項3】
前記冷却部の前記経路は、平面視で渦巻き状に延びている、請求項2に記載の減圧乾燥装置。
【請求項4】
前記冷却部は、平面視で前記外側領域に位置する断熱部材を有しており、前記断熱部材は前記経路と前記冷却面とを隔てるように位置している、請求項2または3に記載の減圧乾燥装置。
【請求項5】
前記冷却部は、平面視で前記外側領域に位置するヒータを有している、請求項1から3のいずれか1項に記載の減圧乾燥装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は減圧乾燥装置に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)
【背景技術】
【0002】
従来から、各種の基板に塗布されたフォトレジスト等の塗布膜を減圧乾燥する減圧乾燥装置が知られている。各種の基板には、例えば、各種のデバイスを形成するためのガラス基板、セラミック基板、半導体ウエハ、電子デバイス基板または印刷用の印刷版等の種々の基板が適用される。各種のデバイスには、例えば、半導体装置、表示パネル、太陽電池パネル、磁気ディスク、または光ディスク等が適用される。表示パネルには、例えば、液晶表示パネル、有機エレクトロルミネッセンス(EL)表示パネル、プラズマ表示パネル、または電界放出ディスプレイ等が適用される。
【0003】
減圧乾燥装置を用いて塗布膜を乾燥する際には、例えば、チャンバ内において複数のピンが基板を支持している状態で、チャンバの底部の排気口を介して真空ポンプでチャンバ内から排気を行う。該排気により、チャンバ内の圧力が低下する。チャンバ内の圧力が低下すると、塗布膜の溶媒が蒸発するので、塗布膜を乾燥させることができる。そして、例えば、真空度が所定値に到達するとチャンバ内からの排気を停止し、チャンバ内に気体を供給することでチャンバ内を大気圧に戻す。気体には、例えば、窒素気体等の不活性気体または空気等が適用される。
【0004】
ところで、減圧乾燥装置では、減圧初期においてチャンバ内の圧力を急激に低下させると、基板上の塗布膜に突沸が生じる可能性がある。突沸が発生すると、例えば、塗布膜の膜厚がばらつき得る。
【0005】
特許文献1に記載された減圧乾燥装置は、このような突沸の発生を抑制することができる。特許文献1に記載の減圧乾燥装置では、基板を支持する支持ピンを昇降させる昇降部が設けられている。昇降部は減圧初期において支持ピンを上昇させることにより、基板とチャンバの天井面との間隔を狭くする。これにより、基板と天井面との間の圧力の低下速度が小さくなり、突沸の発生を抑制することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2022-086766号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、基板と天井面との間隔が狭くなると、基板上の塗布膜からの溶媒蒸気が基板と天井面との間の空間に滞留してしまう。特に、塗布膜の中央付近からの溶媒蒸気は滞留しやすい。つまり、塗布膜の周縁付近からの溶媒蒸気は、濃度拡散により、水平方向で外側に流れ得るものの、塗布膜の中央付近では濃度勾配が小さいのでそのまま滞留してしまう。このため、塗布膜の溶媒は、その中央部分よりも周縁部分において蒸発しやすくなる。つまり、塗布膜の乾燥ムラを招いてしまう。乾燥ムラは、例えば、乾燥した塗布膜の膜厚のばらつきを生じさせる、という問題がある。
【0008】
上記問題を解決するために、本発明者は、上記天井面を冷却することによって冷却面とする技術について検討している。この技術によれば、冷却面に凝集された液状の溶媒の作用によって、上記乾燥ムラを抑制することができる。一方で、本発明者は、天井面を単純に冷却面にしただけでは、冷却面に液状の溶媒が過度に蓄積されることがあるという新たな問題を見出している。特に、溶媒を気化させにくい箇所にこの蓄積が生じると、それを気化させることによって除去するのに長時間を要してしまい、その結果、生産性が低下してしまう。一方で、それを適宜除去しないと、蓄積された液状の溶媒が減圧乾燥の実施において悪影響を及ぼすことがあり、例えば、基板上に落下すると、当該基板を用いた製品の品質が損なわれてしまう。特に、工業用途では、長いインターバルを空けることなく減圧乾燥装置を繰り返し動作させる必要があるのが通常であり、その結果、1回の動作では蓄積量が少なくとも、動作が繰り返されるにつれて、冷却面に液状の溶媒が過度に蓄積されやすい。
【0009】
本開示は、上記課題に鑑みてなされたものであり、生産性の低下を避けつつ、冷却部の冷却面に液状の溶媒が過度に蓄積されることに起因しての悪影響を避ける技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1の態様は、基板の上面に塗布された塗布膜を乾燥させる減圧乾燥装置であって、前記基板を収容するチャンバと、前記チャンバ内において、前記基板を支持する支持部と、前記チャンバから気体を吸引して、前記チャンバ内の圧力を低下させる減圧機構と、前記支持部によって支持された前記基板の前記上面に対面し前記基板より大きい冷却面を冷却する冷却部と、を備え、前記冷却部の前記冷却面は、前記基板の前記塗布膜が形成され得る領域に前記基板の厚み方向において対向する対向領域と、前記対向領域の外側の外側領域と、を有しており、前記冷却部は、前記対向領域の温度よりも前記外側領域の温度が高くなるように構成されている。
(【0011】以降は省略されています)
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