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公開番号2024081868
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-19
出願番号2022195390
出願日2022-12-07
発明の名称2重シールドティグ溶接方法
出願人株式会社ダイヘン
代理人
主分類B23K 9/16 20060101AFI20240612BHJP(工作機械;他に分類されない金属加工)
要約【課題】2重シールドティグ溶接方法において、アークスタート性を良好にすること。
【解決手段】インナーガス7を噴出させるインナーノズル4及びアウターガス9を噴出させるアウターノズル5を備えた溶接トーチWTを使用し、インナーガス7にはアウターガス9よりも電位傾度の大きなガスを使用し、アウターガス9にはインナーガス7よりも電位傾度の小さなガスを使用し、溶接開始に際してインナーガス7及びアウターガス9のプリフローを行った後にアーク3を発生させ溶接電流Iwを通電させて溶接する2重シールドティグ溶接方法において、インナーガス7は、アークが発生するまでの所定期間中はアウターガス9と同じガスを噴出させる。電位傾度の小さいガスはアルゴンであり、電位傾度の大きいガスはヘリウム、アルゴンとヘリウムとの混合ガス又はアルゴンと水素の混合ガスである。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
インナーガスを噴出させるインナーノズル及びアウターガスを噴出させるアウターノズルを備えた溶接トーチを使用し、
前記インナーガスには前記アウターガスよりも電位傾度の大きなガスを使用し、前記アウターガスには前記インナーガスよりも電位傾度の小さなガスを使用し、
溶接開始に際して前記インナーガス及び前記アウターガスのプリフローを行った後にアークを発生させ溶接電流を通電させて溶接する2重シールドティグ溶接方法において、
前記インナーガスは、前記アークが発生するまでの所定期間中は前記アウターガスと同じガスを噴出させる、
ことを特徴とする2重シールドティグ溶接方法。
続きを表示(約 430 文字)【請求項2】
前記所定期間中は、前記アウターガス用の前記電位傾度の小さなガスを分流させることによって前記インナーガスを噴出させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の2重シールドティグ溶接方法。
【請求項3】
前記電位傾度の小さいガスはアルゴンであり、前記電位傾度の大きいガスはヘリウム、アルゴンとヘリウムとの混合ガス又はアルゴンと水素の混合ガスとの混合ガスである、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の2重シールドティグ溶接方法。
【請求項4】
前記電位傾度の小さなガスの総流量を、前記所定期間中はそれ以後よりも大きい値に設定する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の2重シールドティグ溶接方法。
【請求項5】
前記プリフローは前記アウターガスを噴出させた後に前記インナーガスを噴出させる、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の2重シールドティグ溶接方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、2重シールドティグ溶接方法に関するものである。
続きを表示(約 1,400 文字)【背景技術】
【0002】
インナーガスを噴出させるインナーノズル及びアウターガスを噴出させるアウターノズルを備えた溶接トーチを使用して溶接する2重シールドティグ溶接方法が慣用されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
2重シールドティグ溶接方法は、インナーガスによってアークの集中性が強くなるために、深い溶け込みを得ることができる。通常、インナーガス及びアウターガスにはアルゴンが使用される。さらに、溶け込みを深くするために、インナーガスにヘリウム、アルゴンとヘリウムとの混合ガス又はアルゴンと水素の混合ガスを使用する場合がある。これは、インナーガスにアウターガスよりも電位傾度の大きいガスを使用することによってアーク電圧が大きくなり、この結果溶け込みをより深くすることができるためである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2020-15048号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
2重シールドティグ溶接方法において、インナーガスにアウターガスよりも電位傾度の大きなガスを使用する場合には、アークの発生性及びアーク発生時の安定性が悪いという問題がある。すなわち、アークがなかなか発生しなかったり、アークの発生後にふらついて安定性が悪かったりする現象が発生する。
【0006】
そこで、本発明では、インナーガスにアウターガスよりも電位傾度の大きなガスを使用する場合において、アーク発生時の安定性を良好にすることができる2重シールドティグ溶接方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するために、請求項1の発明は、
インナーガスを噴出させるインナーノズル及びアウターガスを噴出させるアウターノズルを備えた溶接トーチを使用し、
前記インナーガスには前記アウターガスよりも電位傾度の大きなガスを使用し、前記アウターガスには前記インナーガスよりも電位傾度の小さなガスを使用し、
溶接開始に際して前記インナーガス及び前記アウターガスのプリフローを行った後にアークを発生させ溶接電流を通電させて溶接する2重シールドティグ溶接方法において、
前記インナーガスは、前記アークが発生するまでの所定期間中は前記アウターガスと同じガスを噴出させる、
ことを特徴とする2重シールドティグ溶接方法である。
【0008】
請求項2の発明は、
前記所定期間中は、前記アウターガス用の前記電位傾度の小さなガスを分流させることによって前記インナーガスを噴出させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の2重シールドティグ溶接方法である。
【0009】
請求項3の発明は、
前記電位傾度の小さいガスはアルゴンであり、前記電位傾度の大きいガスはヘリウム、アルゴンとヘリウムとの混合ガス又はアルゴンと水素の混合ガスである、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の2重シールドティグ溶接方法である。
【0010】
請求項4の発明は、
前記電位傾度の小さなガスの総流量を、前記所定期間中はそれ以後よりも大きい値に設定する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の2重シールドティグ溶接方法である。
(【0011】以降は省略されています)

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