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公開番号2024081835
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-19
出願番号2022195299
出願日2022-12-07
発明の名称糖リン脂質の製造方法、及び糖リン脂質
出願人国立大学法人群馬大学
代理人弁理士法人秀和特許事務所
主分類C07H 11/04 20060101AFI20240612BHJP(有機化学)
要約【課題】水溶液中で、一段階の反応で簡便に糖リン脂質を合成する方法を提供し、さらにはこの方法によって新規の糖リン脂質を提供する
【解決手段】糖と、リン脂質とを、下記一般式(2)で表される縮合剤の存在下で縮合させる縮合工程を含む、糖リン脂質の製造方法。
<com:Image com:imageContentCategory="Drawing"> <com:ImageFormatCategory>JPEG</com:ImageFormatCategory> <com:FileName>2024081835000024.jpg</com:FileName> <com:HeightMeasure com:measureUnitCode="Mm">45</com:HeightMeasure> <com:WidthMeasure com:measureUnitCode="Mm">170</com:WidthMeasure> </com:Image>
(一般式(2)中、R21、R22、R23及びR24は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、互いに独立に、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基及び置換基を有してもよいアリール基からなる群から選択され、Xはハロゲン原子であり、Y-は陰イオンである)
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
下記一般式(1)で表される糖と、
JPEG
2024081835000019.jpg
40
170
(一般式(1)中、R
11
はヒドロキシ基又はアセトアミド基であり、

12
、R
13
及びR
14
は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、互いに独立に、水素原子、フッ素原子、ヒドロキシ基、ヒドロキシメチル基、カルボキシメチル基、カルボアルコキシメチル基、アミノ基、アセトアミド基、アシルアミノ基、カルボキシ基、アミド基、PO

2-
、SO


、アルキル基、アシル基、アルコキシ基、アシロキシ基、アジド基、単糖の糖残基、オリゴ糖の糖残基、及び多糖の糖残基からなる群から選択される)
リン脂質とを、
下記一般式(2)で表される縮合剤の存在下で縮合させる縮合工程を含む、糖リン脂質の製造方法。
JPEG
2024081835000020.jpg
45
170
(一般式(2)中、R
21
、R
22
、R
23
及びR
24
は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、互いに独立に、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基及び置換基を有してもよいアリール基からなる群から選択され、Xはハロゲン原子であり、Y

は陰イオンである)
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
前記縮合工程で使用される溶媒が、下記一般式(3)で表されるニトリル系化合物と、水とを含む、請求項1に記載の製造方法。
JPEG
2024081835000021.jpg
10
170
(一般式(3)中、R
31
は炭素数が2以上であるアルキル基、アラルキル基及びアリール基からなる群から選択される)
【請求項3】
前記ニトリル系化合物に対する、水の比率[水/ニトリル系化合物(v/v)]が、1/9以上9/1である、請求項2に記載の製造方法。
【請求項4】
前記リン脂質が、下記一般式(4)で表されるグリセロリン脂質である、請求項1又は2に記載の製造方法。
JPEG
2024081835000022.jpg
50
170
(一般式(4)中、R
41
及びR
42
は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、互いに独立に、置換基を有してもよいアルキル基又は置換基を有してもよいアルケニル基から選択され、A

は水素イオン、アルカリ金属イオン又はトリエチルアンモニウムイオンである)
【請求項5】
下記一般式(A)で表される糖リン脂質であって、
JPEG
2024081835000023.jpg
65
170
(一般式(A)中、R
a1
はヒドロキシ基又はアセトアミド基であり、

a2
、R
a3
及びR
a4
は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、互いに独立に、水素原子、フッ素原子、ヒドロキシ基、ヒドロキシメチル基、カルボキシメチル基、カルボアルコキシメチル基、アミノ基、アセトアミド基、アシルアミノ基、カルボキシ基、アミド基、PO

2-
、SO


、アルキル基、アシル基、アルコキシ基、アシロキシ基、アジド基、単糖の糖残基、オリゴ糖の糖残基、及び多糖の糖残基からなる群から選択され、

a5
及びR
a6
は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、互いに独立に、置換基を有してもよいアルキル基又は置換基を有してもよいアルケニル基から選択され、


は水素イオン、アルカリ金属イオン又はトリエチルアンモニウムイオンである)
以下の(a)~(d)のうち少なくとも1つの要件を満たす、糖リン脂質。
(a)R
a1
がアセトアミド基である。
(b)R
a2
、R
a3
及びR
a4
のうち少なくとも1つが、単糖の糖残基、オリゴ糖の糖残基、及び多糖の糖残基からなる群から選択される。
(c)R
a2
、R
a3
及びR
a4
のうち少なくとも1つが、フッ素原子又はアジド基である。
(d)R
a5
及びR
a6
のうち少なくとも1つが、蛍光基を有する。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、糖リン脂質の製造方法、及び糖リン脂質に関する。
続きを表示(約 3,100 文字)【背景技術】
【0002】
分子内に糖、リン酸エステル、脂肪酸を有する糖リン脂質は、生体内に含まれる微量糖脂質であり、近年その生理活性が注目されている。例えば、ホスファチジルグルコシド(PtdGlc)は胚の発生過程で中枢神経系に発現する糖リン脂質であり、痛風の治療薬としても知られている。
【0003】
非特許文献1では、ヒドロキシ基の保護・脱保護を含む糖リン脂質の合成方法が報告されている。非特許文献2では、酵素による糖リン脂質の合成方法が報告されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
P. Greimel, Y. Ito, Tetrahedron Lett. 2008, 49, 3562-3566.
A. Inoue, M. Adachi, J. Damnjanovic, H. Nakano, Y. Iwasaki, ChemistrySelect 2016, 1, 4121-4125.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、非特許文献1で報告されている糖リン脂質の合成方法では、ヒドロキシ基の保護・脱保護を含む煩雑な合成工程や、各段階での有機溶媒による精製が必要となることから、効率性や環境適応性において課題があった。非特許文献2で報告されている酵素による合成方法では、目的物を単一で得られないことに加え、化学的な処理方法で精製を行うため、酵素法のメリットを活かしきれていないのが現状である。
【0006】
本発明は上記問題を解決するものであり、水溶液中で、一段階の反応で簡便に糖リン脂質を合成する方法を提供し、さらにはこの方法によって新規の糖リン脂質を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決すべく検討した結果、糖と、リン脂質とを、特定の式で表される縮合剤の存在下で縮合させる縮合工程を含む、糖リン脂質の製造方法により、上記課題を解決できることを見出し、本発明を成功させた。
【0008】
すなわち、本発明は以下の[1]-[5]に関する。
[1]下記一般式(1)で表される糖と、
JPEG
2024081835000002.jpg
40
170
(一般式(1)中、R
11
はヒドロキシ基又はアセトアミド基であり、

12
、R
13
及びR
14
は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、互いに独立に、水素原子、フッ素原子、ヒドロキシ基、ヒドロキシメチル基、カルボキシメチル基、カルボアルコキシメチル基、アミノ基、アセトアミド基、アシルアミノ基、カルボキシ基、アミド基、PO

2-
、SO


、アルキル基、アシル基、アルコキシ基、アシロキシ基、アジド基、単糖の糖残基、オリゴ糖の糖残基、及び多糖の糖残基からなる群から選択される)
リン脂質とを、
下記一般式(2)で表される縮合剤の存在下で縮合させる縮合工程を含む、糖リン脂質の製造方法。
JPEG
2024081835000003.jpg
45
170
(一般式(2)中、R
21
、R
22
、R
23
及びR
24
は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、互いに独立に、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基及び置換基を有してもよいアリール基からなる群から選択され、Xはハロゲン原子であり、Y

は陰イオンである)
[2]前記縮合工程で使用される溶媒が、下記一般式(3)で表されるニトリル系化合物と、水とを含む、[1]に記載の製造方法。
JPEG
2024081835000004.jpg
10
170
(一般式(3)中、R
31
は炭素数が2以上であるアルキル基、アラルキル基及びアリール基からなる群から選択される)
[3]前記ニトリル系化合物に対する、水の比率[水/ニトリル系化合物(v/v)]が、1/9以上9/1である、[2]に記載の製造方法。
[4]前記リン脂質が、下記一般式(4)で表されるグリセロリン脂質である、[1]~[3]のいずれかに記載の製造方法。
JPEG
2024081835000005.jpg
50
170
(一般式(4)中、R
41
及びR
42
は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、互いに
独立に、置換基を有してもよいアルキル基又は置換基を有してもよいアルケニル基から選択され、A

は水素イオン、アルカリ金属イオン又はトリエチルアンモニウムイオンである)
[5]下記一般式(A)で表される糖リン脂質であって、
JPEG
2024081835000006.jpg
65
170
(一般式(A)中、R
a1
はヒドロキシ基又はアセトアミド基であり、

a2
、R
a3
及びR
a4
は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、互いに独立に、水素原子、フッ素原子、ヒドロキシ基、ヒドロキシメチル基、カルボキシメチル基、カルボアルコキシメチル基、アミノ基、アセトアミド基、アシルアミノ基、カルボキシ基、アミド基、PO

2-
、SO


、アルキル基、アシル基、アルコキシ基、アシロキシ基、アジド基、単糖の糖残基、オリゴ糖の糖残基、及び多糖の糖残基からなる群から選択され、

a5
及びR
a6
は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、互いに独立に、置換基を有してもよいアルキル基又は置換基を有してもよいアルケニル基から選択され、


は水素イオン、アルカリ金属イオン又はトリエチルアンモニウムイオンである)
以下の(a)~(d)のうち少なくとも1つの要件を満たす、糖リン脂質。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、水溶液中で、一段階の反応で簡便に糖リン脂質を合成する方法を提供できる。さらに、新規の糖リン脂質を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
実施例1で得られた糖リン脂質の

H-NMR分析結果である。
(A)プロファイルスキャンモード及び(B)SIMモードによる、実施例1で得られた糖リン脂質のLCMS分析結果である。
実施例6で得られた糖リン脂質の各段階における収率である。
参考例3及び4で得られた糖リン脂質の、SIMモードによるLCMS分析結果である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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