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公開番号2024081543
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-18
出願番号2022195240
出願日2022-12-06
発明の名称培養システム及び培養方法
出願人住友重機械工業株式会社
代理人弁理士法人雄渾
主分類C12M 1/00 20060101AFI20240611BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】本発明の課題は、培養対象物の培養において、培養対象物の機能を損なうことなく、培養対象物をシート状に形成することと併せ、自動化や量産化のような培養の効率化を容易とする培養システム及び培養方法を提供することである。
【解決手段】上記課題を解決するために、第1のシートと、第1のシート上に培養対象物が配置された状態で、第1のシートと重ね合わせられる第2のシートと、第1のシートと第2のシートを重ね合わせた積層体を、培養液中で移動させる移送手段とを備え、第1のシート及び/又は第2のシートは、培養液が透過可能である培養システム及び培養方法を提供する。
本発明によれば、2枚のシート間に培養対象物を配置・固定した状態とし、その状態で培養液中を移動させることで、培養対象物の機能を損なうことなく、品質が均一化されたシート状培養対象物が形成可能となり、培養の効率化を図ることが容易となる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
第1のシートと、
前記第1のシート上に培養対象物が配置された状態で、前記第1のシートと重ね合わせられる第2のシートと、
前記第1のシートと前記第2のシートを重ね合わせた積層体を、培養液中で移動させる移送手段と、を備え、
前記第1のシート及び/又は前記第2のシートは、前記培養液が透過可能であることを特徴とする、培養システム。
続きを表示(約 460 文字)【請求項2】
前記第1のシート及び/又は前記第2のシートの表面に、足場材又は剥離材が設けられることを特徴とする、請求項1に記載の培養システム。
【請求項3】
前記培養対象物を回収する回収手段を設けることを特徴とする、請求項1又は2に記載の培養システム。
【請求項4】
前記第1のシートと前記第2のシート間に配置された状態の前記培養対象物を観察する観察手段を備えることを特徴とする、請求項1又は2に記載の培養システム。
【請求項5】
第1のシートと、第2のシートとを備え、
前記第1のシート上に培養対象物を配置する配置工程と、
前記第1のシート上に前記培養対象物が配置された後、前記第1のシートと前記第2のシートとを重ね合わせる積層工程と、
前記第1のシートと前記第2のシートを重ね合わせた積層体を、培養液中で移動させる移送工程と、を備え、
前記第1のシート及び/又は前記第2のシートは、前記培養液が透過可能であることを特徴とする、培養方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、培養システム及び培養方法に関するものである。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
近年、二酸化炭素の固定やバイオマス燃料としての活用が期待される藻類(特に微細藻類)を増殖するための藻類培養や、薬品開発・再生医療への活用が期待される生体組織(主に動物)から分離した細胞を培地内で培養する細胞培養等、有益な培養対象物を効率的に培養することの重要性が高まっている。
【0003】
従来、培養に係る技術においては、培養液を満たしたタンク内に培養対象物を投入し、撹拌混合によって培養するものや、培養液と培養対象物を容器内で静置して培養するものが知られている。
しかし、タンクを用いた撹拌混合による培養では、撹拌強度を強めると培養対象物へのダメージが生じることがある一方、撹拌強度を弱めると培養対象物の品質を均一にすることが困難となる。また、容器内で静置する培養では、培養液の交換時に遠心操作や吸引操作などの機械的な衝撃が加わることで、培養対象物の機能を損なうおそれや、培養対象物そのものを損失するおそれがある。
【0004】
このため、培養対象物にダメージを与えることなく、培養を行う技術が求められている。例えば、特許文献1には、細胞または細胞塊の培養において、1つの容器内に、細胞または細胞塊を培養するための領域と、培養液を交換するための領域を設け、細胞を透過せず培養液を透過し得る網目状の構造物を設ける培養用容器が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開平8-70847号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載されるように、培養対象物(細胞)の培養において、容器内で培養液の移動を可能にすることで、培養液の交換による細胞へのダメージや細胞損失を抑制することは知られている。
また、培養された培養対象物を活用するに当たり、特に再生医療の分野においては、患部への適用(貼付)が簡便になることや、積層による高次化が容易であること等の観点から、培養対象物をシート状とすることが求められる傾向にある。
しかし、特許文献1に記載のように、シャーレのような容器内に培養液及び培養対象物を静置する培養では、容器1つに対して1枚のシートしか得られないため、シート状培養対象物の形成に係る自動化や量産化といった効率化については課題が残るものとなる。
【0007】
本発明の課題は、培養対象物の培養において、培養対象物の機能を損なうことなく、培養対象物をシート状に形成することと併せ、自動化や量産化のような培養の効率化を容易とする培養システム及び培養方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、上記の課題について鋭意検討した結果、2枚のシート間に培養対象物を配置・固定し、培養液中を移動させることにより、培養対象物に対して過度な外力が加わることなく、培養対象物がシート状に形成されるとともに、連続した培養が可能となることで培養の効率化が容易となることを見出して、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の培養システム及び培養方法である。
【0009】
上記課題を解決するための本発明の培養システムは、第1のシートと、第1のシート上に培養対象物が配置された状態で、第1のシートと重ね合わせられる第2のシートと、第1のシートと第2のシートを重ね合わせた積層体を、培養液中で移動させる移送手段と、を備え、第1のシート及び/又は第2のシートは、培養液が透過可能であるという特徴を有する。
本発明の培養システムは、2枚のシート間に培養対象物を配置・固定した状態とし、その状態で培養液中を移動させることで、培養対象物に対し、必要以上に強い外力をかけることなく、容易にシート状培養対象物を形成することが可能となる。また、シートの移動に伴い培養が進行するため、連続した培養が可能となる。さらに、培養液を透過する2枚のシート間に固定された培養対象物が培養液内を移動するため、撹拌機構を設けることなく、常に新鮮な培養液が培養対象物と接触する条件下で培養を進行させることが可能となる。
したがって、本発明の培養システムにより、培養対象物の機能を損なうことなく、品質が均一化されたシート状培養対象物を形成可能となることと併せ、自動化や量産化のような培養の効率化を図ることが容易となる。
【0010】
また、本発明の培養システムの一実施態様としては、第1のシート及び/又は第2のシートの表面に、足場材又は剥離材が設けられるという特徴を有する。
この特徴によれば、第1のシート及び第2のシート間における培養対象物の増殖又は剥離に係る動作・操作を容易に行うことが可能となる。これにより、得られるシート状培養対象物に係る品質維持・向上が可能となり、量産化による各種用途への有効活用がより一層容易となる。
(【0011】以降は省略されています)

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