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公開番号2024081137
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-17
出願番号2023202131
出願日2023-11-29
発明の名称樹脂組成物、プリプレグ、樹脂付き金属基材、及び配線板
出願人AGC株式会社,AGCエスアイテック株式会社
代理人弁理士法人太陽国際特許事務所
主分類C08L 101/00 20060101AFI20240610BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】低比誘電率である、プリプレグ及び硬化物を作製可能な樹脂組成物等の提供。
【解決手段】本開示の樹脂組成物は、樹脂及び中空シリカ粒子を含み、水銀圧入法により測定される中空シリカ粒子の20%破壊圧力が、120MPa以上である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
樹脂及び中空シリカ粒子を含む樹脂組成物であって、水銀圧入法により測定される前記中空シリカ粒子の20%破壊圧力が、120MPa以上である、樹脂組成物。
続きを表示(約 700 文字)【請求項2】
前記中空シリカ粒子の密度が、0.35~2.00g/cm

である、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項3】
前記中空シリカ粒子のBET比表面積が、1.0~100.0m

/gである、請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
【請求項4】
前記中空シリカ粒子のメジアン径(d50)が0.1~10.0μmである、請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
【請求項5】
前記中空シリカ粒子が、シリカを含むシェル層を備え、前記中空シリカ粒子の一次粒子の直径を1としたとき、前記シェル層の厚みが、0.01~0.3である、請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
【請求項6】
前記樹脂が、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ジビニルベンゼン骨格を含む樹脂、及びピリミジン骨格を含む樹脂からなる群より選択される少なくとも1つを含む、請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
【請求項7】
樹脂組成物の総体積に対する前記中空シリカ粒子の含有量が10~70体積%である、請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
【請求項8】
請求項1又は2に記載の樹脂組成物又はその半硬化物と、繊維質基材と、を含むプリプレグ。
【請求項9】
前記繊維質基材が、ガラス成分を含む、請求項8に記載のプリプレグ。
【請求項10】
請求項1若しくは2に記載の樹脂組成物又はその半硬化物と、金属基材層と、を含む樹脂付き金属基材。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、樹脂組成物、プリプレグ、樹脂付き金属基材、及び配線板に関する。
続きを表示(約 3,700 文字)【背景技術】
【0002】
プリント配線板が備える電気絶縁層には、低誘電率、低誘電正接、低線膨張率等の特性が要求される。近年、熱硬化性樹脂及びシリカ粒子を含む樹脂組成物は、プリント配線板に加工可能な金属張積層体が備える電気絶縁層の製造に使用されている(特許文献1及び2参照)。具体的には、金属基材層の表面に、上記樹脂組成物の半硬化物を電気絶縁層として積層した金属張積層体が使用されている。他の例としては、樹脂組成物を含浸させたガラスクロス等を電気絶縁層として、金属基材層の表面に積層した金属張積層体が使用されている。ここで、フィラー(充填材)は、熱硬化性樹脂を用いたプリプレグの材料として用いられるが、フィラー自体は、通常、得られるプリプレグの比誘電率を高くする傾向にある。その中でも、中空フィラーを用いた金属張積層体は、中実フィラーを用いた場合と比べて比誘電率を低下させることができるため、特許文献3~5に記載されているように、検討されている。
【0003】
従来より、中空フィラーとして、ガラスバルーン等が使用されている。しかしながら、ガラスバルーンの種類によっては、樹脂組成物を用いたプリプレグ又は硬化物の作製時において、割れが発生してしまい、比誘電率の低下が十分とならないことがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2013-212956号公報
特開2015-36357号公報
特開2008-31409号公報
特表2017-522580号公報
国際公開第2019-230661号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示の一実施形態が解決しようとする課題は、低比誘電率である、プリプレグ及び硬化物を作製可能な樹脂組成物を提供することである。また、本開示の他の実施形態が解決しようとする課題は、上記樹脂組成物を用いたプリプレグ、樹脂付き金属基材、及び配線板を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための手段は、以下の態様を含む。
<1> 樹脂及び中空シリカ粒子を含む樹脂組成物であって、水銀圧入法により測定される上記中空シリカ粒子の20%破壊圧力が、120MPa以上である、樹脂組成物。
<2> 上記中空シリカ粒子の密度が、0.35~2.00g/cm

である、上記<1>に記載の樹脂組成物。
<3> 上記中空シリカ粒子のBET比表面積が、1.0~100.0m

/gである、上記<1>又は<2>に記載の樹脂組成物。
<4> 上記中空シリカ粒子のメジアン径(d50)が0.1~10.0μmである、上記<1>~<3>のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
<5> 上記中空シリカ粒子が、シリカを含むシェル層を備え、上記中空シリカ粒子の一次粒子の直径を1としたとき、上記シェル層の厚みが、0.01~0.3である、上記<1>~<4>のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
<6> 上記樹脂が、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ジビニルベンゼン骨格を含む樹脂、及びピリミジン骨格を含む樹脂からなる群より選択される少なくとも1つを含む、上記<1>~<5>のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
<7> 樹脂組成物の総体積に対する上記中空シリカ粒子の含有量が10~70体積%である、上記<1>~<6>のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
<8> 上記<1>~<7>のいずれか1つに記載の樹脂組成物又はその半硬化物と、繊維質基材と、を含むプリプレグ。
<9> 上記繊維質基材が、ガラス成分を含む、上記<8>に記載のプリプレグ。
<10> 上記<1>~<7>のいずれか1つに記載の樹脂組成物若しくはその半硬化物、又は上記<8>若しくは<9>に記載のプリプレグと、金属基材層と、を含む樹脂付き金属基材。
<11> 上記金属基材層が、銅箔である、上記<10>に記載の樹脂付き金属基材。
<12> 上記<1>~<7>のいずれか1つに記載の樹脂組成物の硬化物と、金属配線と、を含む配線板。
【発明の効果】
【0007】
本開示の一実施形態によれば、低比誘電率である、プリプレグ及び硬化物を作製可能な樹脂組成物を提供できる。また、本開示の他の実施形態によれば、上記樹脂組成物を用いたプリプレグ、樹脂付き金属基材、及び配線板を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本開示の実施形態を実施するための形態について詳細に説明する。但し、本開示の実施形態は以下の実施形態に限定されるものではない。以下の実施形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合を除き、必須ではない。数値及びその範囲についても同様であり、本開示の実施形態を制限するものではない。
【0009】
本開示において「~」を用いて示された数値範囲には、「~」の前後に記載される数値がそれぞれ最小値及び最大値として含まれる。本開示中に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。
本開示において各成分は該当する物質を複数種含んでいてもよい。組成物中に各成分に該当する物質が複数種存在する場合、各成分の含有率又は含有量は、特に記載しない限り、組成物中に存在する当該複数種の物質の合計の含有率又は含有量を意味する。
本開示において各成分に該当する粒子は複数種含まれていてもよい。組成物中に各成分に該当する粒子が複数種存在する場合、各成分の粒子径は、特に記載しない限り、組成物中に存在する当該複数種の粒子の混合物についての値を意味する。
本開示において「積層」との語は、層を積み重ねることを示し、二以上の層が結合されていてもよく、二以上の層が着脱可能であってもよい。
本開示において、「中空シリカ粒子」とは、特に断りがない限り、複数の中空シリカ粒子の群を指す。
本開示において、「BET比表面積」は、比表面積・細孔分布測定装置(例えば、マイクロメリティック社製「トライスターII」等)を用いた窒素吸着法に基づくBET法により求める。
本開示において、「真球度」は、走査型電子顕微鏡(SEM)により写真撮影して得られる写真投影図における任意の100個の粒子について、それぞれの最大径(DL)と、これと直交する短径(DS)とを測定し、最大径(DL)に対する最小径(DS)の比(DS/DL)を算出した平均値で表す。
本開示において、「誘電正接」及び「比誘電率」は、専用の装置(例えば、キーコム株式会社製「ベクトルネットワークアナライザ E5063A」)を用い、摂動方式共振器法にて測定する。
本開示において、「半硬化物」とは、樹脂組成物の硬化物を示査走査熱分析測定した際に、熱硬化性樹脂の硬化に伴う発熱ピークが現れる状態にある硬化物を意味する。すなわち、半硬化物とは、未硬化の熱硬化性樹脂が残存している状態の硬化物を意味する。
本開示において、「硬化物」とは、樹脂組成物の硬化物を示査走査熱分析測定した際に、熱硬化性樹脂の硬化に伴う発熱ピークが現れない状態にある硬化物を意味する。すなわち、硬化物とは、未硬化の熱硬化性樹脂が残存していない状態の硬化物を意味する。
本開示において、「最大高さ粗さRz」は、JIS B 0601(2013)に準拠して測定する。
本開示において、「重量平均分子量」は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて、ポリスチレン換算により求める。
本開示において、「20%破壊圧力」とは、水銀圧入法によって測定される破壊圧力のことで、水銀圧入法で0~400MPaまで圧力をかけていった際、積算容量の最大値から20%減少した容量を示す最小の圧力のことである。
中空シリカ粒子の水銀圧入法による20%破壊圧力は、ASTM D 3102-78に準拠して、水銀圧入ポロシメーター(例えば、MICROMERITICS INSTRUMENT社製のAutoPore IV 9500)を用いて測定する。
【0010】
本開示の樹脂組成物(以下、「本組成物」とも記す。)は、樹脂及び中空シリカ粒子を含み、水銀圧入法により測定される中空シリカ粒子の20%破壊圧力が、120MPa以上である。
(【0011】以降は省略されています)

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