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公開番号2024074487
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-31
出願番号2022185666
出願日2022-11-21
発明の名称ころ軸受
出願人NTN株式会社
代理人個人,個人
主分類F16C 33/50 20060101AFI20240524BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】ポケットでの潤滑性と保持器の強度とを両立したころ軸受を提供する。
【解決手段】 保持器17は、複数の樹脂製のセグメント20を軸受周方向に並べることで形成される。セグメント20は、軸受周方向に延びる第一弧状部21と、第一弧状部からころ軸方向に離間すると共に、軸受周方向に延びる第二弧状部22と、第一弧状部21と第二弧状部22の間に介在する複数の柱部23とを一体に備える。ポケット16を形成する柱部23の外径側に、ころと接触して当該ころの外径側への移動を規制する爪部24が設けられる。セグメント20の複数の柱部23のうち、周方向両端に位置する2つの柱部を第一柱部231とし、2つの第一柱部の間に位置する柱部を第二柱部232として、第二柱部232の内径面に凹部40を設ける。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
軌道面を有する内輪と、軌道面を有する外輪と、前記内輪の軌道面と前記外輪の軌道面との間に介在する複数のころと、前記ころを収容する複数のポケットを備えた保持器とを有し、
前記保持器は、複数の樹脂製のセグメントを軸受周方向に並べることで形成され、前記セグメントは、軸受周方向に延びる第一弧状部と、前記第一弧状部からころ軸方向に離間すると共に、軸受周方向に延びる第二弧状部と、第一弧状部と第二弧状部の間に介在する複数の柱部とを一体に備え、前記第一弧状部、第二弧状部、および隣り合う2つの柱部で囲まれた空間を前記ポケットとし、前記ポケットを形成する柱部の外径側に、前記ころと接触して当該ころの外径側への移動を規制する爪部が設けられたころ軸受において、
前記セグメントの複数の柱部のうち、周方向両端に位置する2つの柱部を第一柱部とし、前記2つの第一柱部の間に位置する柱部を第二柱部として、前記第二柱部の内径面に凹部が設けられていることを特徴とするころ軸受。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記第一弧状部のうち、軸受周方向両端の柱部と対向する2つの領域を第一領域、前記2つの第一領域の間に位置する領域を第二領域として、前記第二領域に、前記第一領域よりも半径方向肉厚を小さくした薄肉部が設けられている請求項1に記載のころ軸受。
【請求項3】
前記第二弧状部のうち、軸受周方向両端の柱部と対向する2つの領域を第三領域、前記2つの第三領域の間に位置する領域を第四領域として、前記第四領域に、前記第三領域よりも半径方向肉厚を小さくした薄肉部が設けられている請求項1に記載のころ軸受。
【請求項4】
前記第一弧状部のうち、軸受周方向両端の柱部と対向する2つの領域を第一領域、前記2つの第一領域の間に位置する領域を第二領域として、前記第二領域に、前記第一領域よりも半径方向肉厚を小さくした薄肉部が設けられ、
前記第二弧状部のうち、軸受周方向両端の柱部と対向する2つの領域を第三領域、前記2つの第三領域の間に位置する領域を第四領域として、前記第四領域に、前記第三領域よりも半径方向肉厚を小さくした薄肉部が設けられている請求項1に記載のころ軸受。
【請求項5】
前記セグメントを形成する樹脂が、炭素繊維を配合したポリエーテルエーテルケトンまたはガラス繊維を配合したポリエーテルエーテルケトンである請求項1に記載のころ軸受。
【請求項6】
前記ころを円すいころとし、前記第一弧状部を小径側弧状部とし、前記第二弧状部を前記小径側弧状部よりも曲率半径を大きくした大径側弧状部とし、
軸受周方向に延びる可撓性の連結部材と係合可能な係合部を前記セグメントに設けた請求項1に記載のころ軸受。
【請求項7】
前記係合部を各セグメントの大径側弧状部の大径側側面に設けた請求項6に記載のころ軸受。
【請求項8】
前記セグメントの大径側弧状部の大径側側面の両端側に、前記係合部を有する突出部を設けた請求項7に記載のころ軸受。
【請求項9】
前記小径側弧状部の小径側側面に、小径側に突き出すウィング部を設けた請求項6に記載のころ軸受。
【請求項10】
前記内輪の大端面を下にして内輪の軌道面に円すいころを配置した状態で、円すいころの大径側の端面と接触する内輪の大鍔部が内輪の中心軸に対して直交する直線に対する角度をI、前記大鍔部の先端の面取り幅をH、前記内輪の中心軸から円すいころの重心までの距離をy1、前記大鍔部の径をJとしたときに、次の条件を満たす請求項6に記載のころ軸受。
(J/2)-H cos I>y1
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ころ軸受に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
図24の断面図に示すように、円すいころ軸受100は、内輪101と、その外周に同芯状に配置された外輪102と、これら内輪101及び外輪102との間に配設される円すいころ103と、円すいころ103を周方向に一定間隔で保持する保持器104とによって構成される。円すいころ軸受100は、内輪101、円すいころ103、および保持器104を一体に組み込んで内輪アッシーと呼ばれるものを組み立てた後、内輪アッシーに外輪102を組み込むことで組み立てられる。
【0003】
円すいころ軸受100の保持器104は、一般的に鋼板製である。鋼板製の保持器104は、風力発電装置に使用されるような大型の円すいころ軸受100の場合、円すいころ103も大型で使用本数も多いため、自重や保持した円すいころ103の重量により変形することがある。また、鋼板製の保持器104は、通常プレス加工によって製作されるが、外径寸法が1mを超えるような大型のものになると、設備上の問題によって加工が困難になる。また、鋼板製の保持器104は、その板厚を大きくすることで強度を確保することができるものの、一般に、大型の部品は製造設備上の問題によりプレス加工が難しく、加工上の制約からプレス加工することができる板厚には限界がある。一方、保持器104を削り出しにより製造すると、プレス品と比較して大幅なコストアップとなり、材料の無駄も多くなる。
【0004】
これらの問題を解決するために、保持器104を図25に示すような複数のセグメント104Aに分割し、セグメント104Aを環状に組合せたセグメント保持器がある(特許文献1)。セグメント104Aとしては樹脂製のものが主流になっている。セグメント104Aを組合せた従来のセグメント保持器は、転動体案内方式であり、円すいころ103と外径側で接触する外径側の案内爪105を有するポケットと、円すいころ103と内径側で接触する内径側の案内爪106を有するポケットとを、周方向に交互に設けた構成になっており、円すいころ103は、セグメント104Aのポケットに内径側と外径側から挿入されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第5010353号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
セグメント保持器では、その強度確保のために必要とされる剛性を確保しようとすると、軸受内の保持器の占有スペースが大きくなる。これにより、ころと保持器のポケット内面との間でのグリースの流動性が低下し、良好な潤滑状態を維持することが難しくなる。また、保持器の重量が増加し、軸受運転中に保持器に負荷される衝撃力、慣性力が増加するため、異音や振動の発生要因となる。高強度化のため、セグメント保持器の材料としてPEEK材などを使用するのが好ましいが、PEEK材は高価であるため、製造コスト低減のために使用する重量を抑える必要がある。
【0007】
このようにセグメント保持器を使用した円すいころ軸受では、ポケットでの潤滑性と保持器の強度はトレードオフの関係にある。同様の課題は、転動体として、円筒形のころを使用する円筒ころ軸受でも生じる。
【0008】
そこで、本発明は、ポケットでの潤滑性と保持器の強度とを両立したころ軸受を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以上の目的を達成するため、本発明は、軌道面を有する内輪と、軌道面を有する外輪と、前記内輪の軌道面と前記外輪の軌道面との間に介在する複数のころと、前記ころを収容する複数のポケットを備えた保持器とを有し、前記保持器は、複数の樹脂製のセグメントを軸受周方向に並べることで形成され、前記セグメントは、軸受周方向に延びる第一弧状部と、前記第一弧状部からころ軸方向に離間すると共に、軸受周方向に延びる第二弧状部と、第一弧状部と第二弧状部の間に介在する複数の柱部とを一体に備え、前記第一弧状部、第二弧状部、および隣り合う2つの柱部で囲まれた空間を前記ポケットとし、前記ポケットを形成する柱部の外径側に、前記ころと接触して当該ころの外径側への移動を規制する爪部が設けられたころ軸受において、前記セグメントの複数の柱部のうち、周方向両端に位置する2つの柱部を第一柱部とし、前記2つの第一柱部の間に位置する柱部を第二柱部として、前記第二柱部の内径面に凹部が設けられていることを特徴とする。
【0010】
セグメントの強度に対する第二柱部の寄与度は小さい。従って、第二柱部の内径面に凹部を設けることで第二柱部を減肉したとしても、セグメントに求められる強度を確保することができる。その一方で、凹部を設けることにより、グリースの流通性(特に軸受周方向の流通性)が増すため、ポケット内面ところとの間の潤滑性を高めることができる。従って、ポケットでの潤滑性と保持器の強度とを両立することができる。また、セグメントの軽量化を図ることもできるので、軸受運転中に保持器に負荷される衝撃力、慣性力が低下し、異音や振動の発生頻度を低減することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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