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公開番号2024073461
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-29
出願番号2024025119,2021542067
出願日2024-02-22,2019-09-27
発明の名称マスクされたサイトカインポリペプチド
出願人エクシリオ デベロップメント, インコーポレイテッド
代理人園田・小林弁理士法人
主分類C07K 14/52 20060101AFI20240522BHJP(有機化学)
要約【課題】全身性の免疫活性化に関連する副作用を伴わずに腫瘍を効果的に標的とするサイトカイン治療薬を提供する。
【解決手段】本明細書では、サイトカインまたはその機能的断片であって、一部の実施形態では、該サイトカインまたはその機能的断片の1つまたは複数の受容体結合部位(複数可)がマスキング部分によってマスクされるように操作されている、該サイトカインまたはその機能的断片が提供される。一部の実施形態では、サイトカインは、タンパク分解性に切断可能なリンカーを含めることにより、腫瘍微小環境等において、標的部位にてプロテアーゼによって活性化可能であるように操作されている。一部の実施形態では、タンパク分解性に切断可能なリンカーは、サイトカインをマスキング部分に連結し、サイトカインを半減期延長ドメインに連結し、及び/またはマスキング部分を半減期延長ドメインに連結する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
マスクされたサイトカインであって、
a)マスキング部分と、
b)サイトカインまたはその機能的断片と、を含み、
前記マスキング部分が、第1のリンカーを介して前記サイトカインまたはその機能的断片に連結されている、前記マスクされたサイトカイン。
続きを表示(約 1,900 文字)【請求項2】
マスクされたサイトカインであって、
a)第1のマスキング部分と、
b)サイトカインまたはその機能的断片と、
c)第2のマスキング部分と、を含み、
前記第1のマスキング部分が、第1のリンカーを介して前記サイトカインまたはその機能的断片に連結されており、
前記第2のマスキング部分が、第2のリンカーを介して前記サイトカインまたはその機能的断片に連結されている、前記マスクされたサイトカイン。
【請求項3】
マスクされたサイトカインであって、
a)第1の半減期延長ドメイン及び第2の半減期延長ドメインと、
b)マスキング部分と、
c)サイトカインまたはその機能的断片と、を含み、
前記マスキング部分が、前記第1の半減期延長ドメインに連結されており、
前記サイトカインまたはその機能的断片が、前記第2の半減期延長ドメインに連結されており、
前記第1の半減期延長ドメイン及び前記第2の半減期延長ドメインが、前記第1の半減期延長ドメイン及び前記第2の半減期延長ドメインの会合を促進する修飾を含有する、前記マスクされたサイトカイン。
【請求項4】
マスクされたサイトカインであって、
a)第1の半減期延長ドメイン及び第2の半減期延長ドメインと、
b)第1のマスキング部分及び第2のマスキング部分と、
c)サイトカインまたはその機能的断片と、を含み、
前記第1のマスキング部分が、前記第1の半減期延長ドメインに連結されており、
前記第2のマスキング部分が、前記サイトカインまたはその機能的断片に連結されており、
前記第2のマスキング部分かまたは前記サイトカインもしくはその機能的断片かのどちらかが、前記第2の半減期延長ドメインに連結されており、
前記第1の半減期延長ドメイン及び前記第2の半減期延長ドメインが、前記第1の半減期延長ドメイン及び前記第2の半減期延長ドメインの会合を促進する修飾を含有する、前記マスクされたサイトカイン。
【請求項5】
前記マスキング部分かまたは前記サイトカインもしくはその機能的断片かのどちらかに連結されている半減期延長ドメインをさらに含む、請求項1に記載のマスクされたサイトカイン。
【請求項6】
前記第1のマスキング部分かまたは前記第2のマスキング部分かのどちらかに連結されている半減期延長ドメインをさらに含む、請求項2に記載のマスクされたサイトカイン。
【請求項7】
前記マスキング部分が、第1のリンカーを介して前記第1の半減期延長ドメインに連結されており、及び/または前記サイトカインもしくはその機能的断片が、第2のリンカーを介して前記第2の半減期延長ドメインに連結されている、請求項3に記載のマスクされたサイトカイン。
【請求項8】
a)前記第1のマスキング部分が、第1のリンカーを介して前記第1の半減期延長ドメインに連結されており、及び/または
b)前記第2のマスキング部分かまたは前記サイトカインもしくはその機能的断片かのどちらかが、第2のリンカーを介して前記第2の半減期延長ドメインに連結されている、請求項4に記載のマスクされたサイトカイン。
【請求項9】
前記サイトカインまたはその機能的断片が、IL-2ポリペプチドまたはその機能的断片である、請求項1~8のいずれか1項に記載のマスクされたサイトカイン。
【請求項10】
前記IL-2ポリペプチドまたはその機能的断片が、
a)配列番号1~8、160、230、243~251、260、775~792、及び813~822からなる群から選択されるアミノ酸配列、または
b)配列番号1~8、160、243~251、260、775~792、及び813~822のうちのいずれか1つに以下のアミノ酸置換、すなわち、H16I、L18C、D20A、D20L、D20F、N29L、R38A、F42A、F42K、F42E、F43A、Y45A、Y45N、Y45R、E62A、E62R、E62S、L72G、L80F、R81D、L85V、I86V、I92F、及びC125Sのうちの1つもしくは複数を導入することによってもたらされる、アミノ酸配列、を含む、請求項9に記載のマスクされたサイトカイン。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年9月27日に出願された米国仮出願第62/737,803号、2019年8月16日に出願された米国仮出願第62/888,276号、及び2019年8月23日に出願された米国仮出願第62/891,199号に対する優先権を主張する。上記に列挙された出願の内容は、この参照によりそれらの全体が全目的で本明細書に援用される。
続きを表示(約 2,300 文字)【0002】
配列表の参照による援用
本出願は、配列表とともに電子形式で出願されている。配列表は、2019年9月26日に作成された、1,024.111KBのサイズである737762000940SeqListと題されるファイルとして提供される。この配列表の電子形式の情報は、参照によりその全体が本明細書に援用される。
【0003】
本発明は、マスクされたサイトカインならびにその使用及び製造に関連する方法に関する。
【背景技術】
【0004】
がんは、米国において2番目に多い死因であり、それに次ぐ5つの主因(慢性呼吸器疾患、脳卒中、事故、アルツハイマー病、及び糖尿病)よりも多くの死亡数を占めている。とりわけ標的療法により、大きな進歩が遂げられてきたが、この分野において多くの課題が未だ残っている。免疫療法及びこの分野の一部門であるがん免疫療法は、悪性腫瘍の治療に対する実行可能で期待が持てる治療選択肢を創出している。具体的に述べると、がんの1つの顕著な特徴は免疫回避であることが今では認識されており、著しい努力により標的が特定され、免疫系を再活性化してがんを認識及び治療するようにこれらの標的に対する療法が開発されてきた。
【0005】
サイトカイン療法は、免疫系を刺激して抗腫瘍細胞傷害作用を誘発するために有効な戦略である。例えば、インターロイキン-2(IL-2)の組換え形態であるアルデスロイキンは、転移性腎細胞癌及び黒色腫の治療に対してFDAによって承認されている。残念ながら、患者に投与されるサイトカインは概して非常に短い半減期を有し、そのため、頻繁な投薬が必要とされる。例えば、Proleukinの商標名で販売されているアルデスロイキンの製品ラベルは、この薬物が、5分間の静脈内(IV)注入を受けた患者において85分間の半減期を有することが示されたと述べている。加えて、高用量のサイトカインの投与は、全身性の免疫活性化により、血管漏出等の健康に対する有害な結果を引き起こす可能性がある。これらの知見は、全身性の免疫活性化に関連する副作用を伴わずに腫瘍を効果的に標的とするサイトカイン治療薬を開発する必要性を例示する。本明細書では、この必要性に対処するための、マスクされたサイトカイン、その組成物、及びその使用方法が提供される。
【0006】
特許出願、特許公報、及び科学文献を含む、本明細書で引用される全ての参考文献は、あたかも個々の参考文献の各々が参照により具体的かつ個々に援用されることが示されているかのように、参照によりそれらの全体が本明細書に援用される。
【発明の概要】
【0007】
開示される本発明は、サイトカインまたはその機能的断片であって、一部の実施形態では、該サイトカインまたはその機能的断片の1つまたは複数の受容体結合部位(複数可)がマスキング部分によってマスクされるように操作されている、該マスクされたサイトカインまたはその機能的断片の操作及び使用に関する。一部の実施形態では、サイトカインは、タンパク分解性に切断可能なリンカーを含めることにより、腫瘍微小環境等において、標的部位にてプロテアーゼによって活性化可能であるように操作されている。一部の実施形態では、タンパク分解性に切断可能なリンカーは、サイトカインをマスキング部分に連結し、サイトカインを半減期延長ドメインに連結し、及び/またはマスキング部分を半減期延長ドメインに連結する。マスキング部分は、サイトカインの活性またはサイトカインによるその同系の受容体もしくはタンパク質への結合を遮断するか、閉塞するか、阻害するか(例えば、減少させる)、または他の様態で阻止する(例えば、マスクする)。切断可能なリンカーが標的部位にてタンパク分解性に切断されると、サイトカインは活性化され、それにより該サイトカインは、増加した親和性でその同系の受容体またはタンパク質に結合できるようになる。
【0008】
一実施形態は、マスキング部分と、サイトカインまたはその機能的断片とを含む、マスクされたサイトカインを含み、該マスキング部分は、リンカーを介して該サイトカインまたはその機能的断片に連結されている。一態様では、該マスクされたサイトカインは、該マスキング部分かまたは該サイトカインもしくはその機能的断片かのどちらかに連結されている半減期延長ドメインをさらに含む。
【0009】
一実施形態では、該マスクされたサイトカインは、N末端からC末端またはC末端からN末端方向に、a)マスキング部分、b)第1のリンカー、c)サイトカインまたはその機能的断片、及びd)半減期延長ドメインを含む。別の実施形態では、該マスクされたサイトカインは、N末端からC末端またはC末端からN末端方向に、a)マスキング部分、b)第1のリンカー、c)サイトカインまたはその機能的断片、d)第2のリンカー、及びe)半減期延長ドメインを含む。別の実施形態では、該マスクされたサイトカインは、N末端からC末端またはC末端からN末端方向に、a)サイトカインまたはその機能的断片、b)第1のリンカー、c)マスキング部分、及びd)半減期延長ドメインを含む。
【0010】
別の実施形態では、該マスクされたサイトカインは、N末端からC末端またはC末端からN末端方向に、a)サイトカインまたはその機能的断片、b)第1のリンカー、c)マスキング部分、d)第2のリンカー、及びe)半減期延長ドメインを含む。
(【0011】以降は省略されています)

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