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公開番号2024065077
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-14
出願番号2023184188
出願日2023-10-26
発明の名称米粉パン用品質改良剤、米粉パンの調製方法及び米粉パンの品質改善方法
出願人三栄源エフ・エフ・アイ株式会社
代理人弁理士法人三枝国際特許事務所
主分類A21D 2/18 20060101AFI20240507BHJP(ベイキング;生地製造または加工の機械あるいは設備;ベイキングの生地)
要約【課題】米粉パン用品質改良剤、米粉パンの調製方法及び米粉パンの品質改良方法 に関し、焼成前の整形性と最終発酵及び焼成時の膨張性を向上する方法を提供する。
【解決手段】メチルセルロース及びサイリウムシードガムを含有する米粉パン用品質改良剤を使用して米粉パンを調製する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
メチルセルロース及びサイリウムシードガムを含有することを特徴とする、米粉パン用品質改良剤であって、当該米粉パンにおける米粉100質量部に対するメチルセルロースの含有量が0.05~2質量部、サイリウムシードガムの含有量が1~4質量部の範囲である米粉パン用品質改良剤。
続きを表示(約 400 文字)【請求項2】
メチルセルロースとサイリウムシードガムとの配合比が、メチルセルロース1質量部に対し、サイリウムシードガム0.5~80質量部である、請求項1に記載の米粉パン用品質改良剤。
【請求項3】
メチルセルロース及びサイリウムシードガムを添加することを特徴とする、米粉パンの調製方法であって、米粉100質量部に対するメチルセルロースの添加量が0.05~2質量部、サイリウムシードガムの添加量が1~4質量部の範囲である、米粉パンの調製方法。
【請求項4】
メチルセルロース及びサイリウムシードガムを添加することを特徴とする、米粉パンの生地の整形性及び/又は膨張性の改善方法。
【請求項5】
メチルセルロースとサイリウムシードガムとの配合比が、メチルセルロース1質量部に対し、サイリウムシードガム0.5~80質量部である、請求項3又は4に記載の方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本願発明は、米粉パン用品質改良剤、米粉パンの調製方法及び米粉パンの品質改善方法に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
近年、小麦粉に含まれているグルテンによる食物アレルギー対策として、原料に米粉を利用した米粉パンが知られてきている。
【0003】
グルテンはパンに弾性や柔軟性を付与する働きがあり、また、パンの膨張を助ける働きをすることが知られている。したがって、アレルギー対策にグルテンフリー食品として提供される米粉パンでは、グルテンを含まないこと及び澱粉含量が多いこと等に由来して、パンが膨らみにくい、弾力がなく表面が固くなりやすいという課題があった。
【0004】
グルテンフリーの米粉パンにおけるこれらの課題を解決するために、様々な検討が行われている。
特許文献1では、グルテンを含まないためにくちどけが悪く食感が重いことを改善するためにサイリウムシードガム、イヌリン等の可溶性食物繊維を含む特定の製造方法が提案され、特許文献2では膨らみ、製パン性及び食感が悪いとの指摘を改善するためにパン生地に増粘多糖類としてアルギン酸エステル及びHPMC(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)を添加することが提案されている。特許文献3では特定量のヒドロキシプロピルメチルセルロースを用いることでボリューム、保形性、ソフトな食感が得られる旨、提案されており、特許文献4では特定量のサイリウムシードガム及び大豆粉を添加することで、グルテンを含まない米粉パン用ミックス粉による膨らみ及び食感の改善が提案されている。また特許文献5では作業時の成形性を改善するために、米粉、セルロースエーテル(HPMC、MC、CMC)、ガム類(キサンタンガム、グァーガム、カラギナン、アルギン酸、ローカストビーンガム、アルギン酸プロピレングリコール及び寒天)及び油剤を含む米ドウ組成物が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第7127225号公報
特開2021-177701号公報
特許第6942643号公報
特許第6304673号公報
特表2015-536151号公報
【非特許文献】
【0006】
愛媛県産業技術研究所研究報告No.50 2112「油脂および澱粉が米粉パンの製パン性に及ぼす影響」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
グルテンフリーの米粉パンを製造する際の課題を解決するため、上記従来技術で提示されたような様々な検討がなされているが、いずれも十分な解決には至っていないのが現状である。
本発明の目的は、生地の整形性及び膨張性が向上した米粉パンを提供することである。さらに詳細には、生地を混合混錬する際に、適度な粘度を有していることから生地がダレることなく一定の形状を維持したまま発酵工程に進めることができ、さらに最終発酵時にパンの厚み(高さ)が優位に増え、焼成後もその膨らみが維持される米粉パンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願発明者らは、これらの課題を解決するために鋭意検討を重ね、米粉パンの原料としてメチルセルロース及びサイリウムシードガムを利用することにより、本願発明の目的である米粉パンの生地の整形性及び膨張性に優れた米粉パンを得ることができるとの知見を得るに至った。
【0009】
本願発明の構成は、次の通りである;
項1 メチルセルロース及びサイリウムシードガムを含有することを特徴とする、米粉パン用品質改良剤であって、当該米粉パンにおける米粉100質量部に対するメチルセルロースの含有量が0.05~2質量部、サイリウムシードガムの含有量が1~4質量部の範囲である米粉パン用品質改良剤。
項2 メチルセルロースとサイリウムシードガムとの配合比が、メチルセルロース1質量部に対し、サイリウムシードガム0.5~80質量部である、項1に記載の米粉パン用品質改良剤。
項3 メチルセルロース及びサイリウムシードガムを添加することを特徴とする、米粉パンの調製方法であって、米粉100質量部に対するメチルセルロースの添加量が0.05~2質量部、サイリウムシードガムの添加量が1~4質量部の範囲である、米粉パンの調製方法。
項4 メチルセルロース及びサイリウムシードガムを添加することを特徴とする、米粉パンの生地の整形性及び/又は膨張性の改善方法。
項5 メチルセルロースとサイリウムシードガムとの配合比が、メチルセルロース1質量部に対し、サイリウムシードガム0.5~80質量部である、項3又は4に記載の方法。
【発明の効果】
【0010】
本願発明により、グルテンフリーの米粉パンの製造時における整形性を改善し製造効率の改善に寄与し、さらにはパンを調製する段階における膨張性を改善することができる。
これにより、製造時の整形性や保形性を改善して、ふっくらとした膨らみの良い米粉パンを提供できる。
さらには、本発明の好ましい実施形態によれば、グルテンフリーのみならず、アレルゲンとして知られている卵及び卵由来成分、乳及び乳由来成分を含まない、米粉パンを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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