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公開番号2024060490
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-02
出願番号2022167893
出願日2022-10-19
発明の名称微多孔膜捲回体、微多孔膜捲回体の製造方法、および二次電池用セパレータ
出願人東レ株式会社,東レバッテリーセパレータフィルム韓国有限会社
代理人弁理士法人栄光事務所
主分類C08J 9/00 20060101AFI20240424BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】微多孔膜の捲回体がシワや巻きずれなく良好な巻き姿であり、長期保管後でも繰り出した微多孔膜が良好な平面性を有する微多孔膜捲回体とその製造方法を提供する。
【解決手段】微多孔膜が、円筒状の巻き芯に捲回された微多孔膜捲回体であって、前記巻き芯の重量が3.5kg以下であり、前記微多孔膜捲回体から巻き出された微多孔膜の、55℃1時間の熱処理後に測定される長手方向収縮率、幅方向収縮率が、下記の(a)および(b)の要件を満たす微多孔膜捲回体。
(a)長手方向収縮率が0.25%以上1.00%以下であること。
(b)1/2長手方向収縮率と幅方向収縮率との和が0.10%以下であること。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
微多孔膜が、円筒状の巻き芯に捲回された微多孔膜捲回体であって、
前記巻き芯の重量が3.5kg以下であり、
前記微多孔膜捲回体から巻き出された微多孔膜の、55℃1時間の熱処理後に測定される長手方向収縮率、幅方向収縮率が、下記の(a)および(b)の要件を満たす微多孔膜捲回体。
(a)長手方向収縮率が0.25%以上1.00%以下であること。
(b)1/2長手方向収縮率と幅方向収縮率との和が0.10%以下であること。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記微多孔膜捲回体から巻き出された微多孔膜の、55℃1時間の熱処理後に測定される幅方向収縮率が-0.55%以上0.05%以下である、請求項1に記載の微多孔膜捲回体。
【請求項3】
前記巻き芯の外径が100mm以上400mm以下である、請求項1または2に記載の微多孔膜捲回体。
【請求項4】
前記微多孔膜の膜厚が2μm以上10μm以下であり、透気抵抗度が20sec/100cm

以上300sec/100cm

以下であり、引張破断強度における幅方向強度が100MPa以上400MPa以下である、請求項1または2に記載の微多孔膜捲回体。
【請求項5】
前記微多孔膜捲回体から巻き出された微多孔膜の105℃1時間の熱処理後に測定される幅方向収縮率が0%以上10%以下である、請求項1または2に記載の微多孔膜捲回体。
【請求項6】
前記微多孔膜のゲル浸透クロマトグラフィー法(GPC)により測定される重量平均分子量が30×10

以上200×10

以下である、請求項1または2に記載の微多孔膜捲回体。
【請求項7】
請求項1または2に記載の微多孔膜捲回体を有する二次電池用セパレータ。
【請求項8】
請求項7に記載の二次電池用セパレータを有する二次電池。
【請求項9】
以下の工程(1)~(5)を含む、請求項1または2に記載の微多孔膜捲回体を製造する方法。
(1)微多孔膜用樹脂組成物と成膜用溶剤とを溶融混練し、樹脂溶液を調製する工程。
(2)前記工程(1)で得られた樹脂溶液を押出し、冷却してゲル状シートを形成する工程。
(3)前記工程(2)で得られたゲル状シートを湿式延伸および乾式延伸する工程。ここで、湿式延伸の長手方向延伸倍率と乾式延伸の長手方向延伸倍率との積αが4.0~7.0倍であり、湿式延伸の幅方向延伸倍率と乾式延伸の幅方向延伸倍率との積βが、前記積αより大きい延伸倍率である。
(4)前記工程(3)で得られた延伸後のシートを、幅方向緩和率8%以上で熱緩和処理して微多孔膜を形成し微多孔膜中間製品捲回体を得る工程。
(5)前記工程(4)で得られた微多孔膜中間製品捲回体をスリット工程にて裁断し、裁断した後にタッチロールを用いて接圧20N/m以上140N/m以下および巻取張力10N/m以上30N/m以下で微多孔膜を円筒状の巻き芯に巻き取り、微多孔膜捲回体を得る工程。
【請求項10】
前記微多孔膜の幅が200mm以上800mm以下である、請求項9に記載の微多孔膜捲回体を製造する方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、微多孔膜捲回体、微多孔膜捲回体の製造方法、および二次電池用セパレータ等に関する。
続きを表示(約 1,200 文字)【背景技術】
【0002】
微多孔膜は、ろ過膜、透析膜などのフィルター、電池用や電解コンデンサー用のセパレータなどの種々の分野に用いられる。これらの中でも、ポリオレフィンを主成分とするポリオレフィン微多孔膜は、耐薬品性、絶縁性、機械的強度などに優れ、シャットダウン特性を有するため、近年、二次電池用セパレータとして広く用いられている。
【0003】
一方、二次電池、例えばリチウムイオン二次電池は、エネルギー密度が高いため、パーソナルコンピュータ、携帯電話などに用いる電池として広く使用されている。また、リチウムイオン二次電池は、電気自動車やハイブリッド自動車のモータ駆動用電源としても期待されている。
【0004】
リチウムイオン電池用のセパレータとしては、オーブン試験などにおいて優れた結果を示すなど、異常発熱時の安全性が強く要求されるため、近年、ポリエチレン微多孔膜による安全機能とさらなる耐熱性を付与するため、ポリオレフィン微多孔膜を基材として耐熱層を塗布したセパレータが用いられている。
【0005】
耐熱層の塗布はポリオレフィン微多孔膜の捲回体を一度作成した後にシワや平面性の検査を得て合格品のみが保管され、塗布を行う工程へ出荷される。
【0006】
しかし、近年ポリオレフィン微多孔膜の薄膜化等による強度不足から塗布工程が困難化しており、たとえば長期保管後の捲回体では微小な寸法変化や巻き締まり等で微多孔膜の平面性や加工性が悪化し塗工時に不良が発生することが懸念される。したがって、長期保管後でも微多孔膜の平面性や加工性が良好なポリオレフィン微多孔膜の捲回体が求められている。
【0007】
特許文献1~3には微多孔膜の平面性の改善や保管時の低温域での熱収縮特性の改善に関する技術が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2022-013879号公報
国際公開第2013/099539号
国際公開第2015/190487号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1~3に示されているのは、巻き芯に捲回される前の微多孔膜の熱収縮率の改善についてのみであり、捲回体の状態から巻き出した後の微多孔膜の均一な平面性や長期寸法安定性を改善する技術は十分に開示されていない。微多孔膜捲回体は、通常、微多孔膜中間体からスリット工程を得て得られるが、スリット工程で不均一な伸びを受けた捲回体は残留応力が時間とともに蓄積し、巻き返したときに微多孔膜の平面性が悪化し、塗工時の不良となる可能性がある。
【0010】
そのため、スリット工程では微多孔膜を変形させないよう低張力で捲回体を得る必要があるが、エア噛み起因でシワや巻きずれが発生しやすくなる問題がある。
(【0011】以降は省略されています)

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