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公開番号2024059082
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-30
出願番号2023156679
出願日2023-09-22
発明の名称二軸配向ポリエステルフィルム、二軸配向ポリエステルフィルムロールおよび、二軸配向ポリエステルフィルムの製造方法
出願人東レ株式会社
代理人
主分類C08J 5/18 20060101AFI20240422BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】光沢度の幅方向変動率を高くし、厚み斑のロール巻き外観への影響を緩和可能なポリエステルフィルム、およびポリエステルフィルムの製造方法を提供すること。
【解決手段】フィルムの総質量を100質量%として、カーボンブラックを0.1質量%以上5.0質量%以下含有する二軸配向ポリエステルフィルムにおいて、両表面の60°光沢度がいずれも70以上150以下であり、一方の表面(A面)の60°光沢度の幅方向変動率が2.0%/m以上10.0%/m以下であり、フィルムの厚み斑(R)が1.5%以上10.0%以下である、二軸配向ポリエステルフィルム。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
フィルムの総質量を100質量%として、カーボンブラックを0.1質量%以上5.0質量%以下含有する二軸配向ポリエステルフィルムにおいて、両表面の60°光沢度がいずれも70以上150以下であり、一方の表面(A面)の60°光沢度の幅方向変動率が2.0%/m以上10.0%/m以下であり、フィルムの厚み斑(R)が1.5%以上10.0%以下である、二軸配向ポリエステルフィルム。
続きを表示(約 790 文字)【請求項2】
前記A面とは反対の表面(B面)の、60°光沢度の幅方向変動率が0.0%/m以上1.5%/m以下である、請求項1に記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
【請求項3】
前記フィルムは、実質的に単層構成である、請求項1に記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
【請求項4】
前記フィルムの光学濃度が6.0以上である、請求項1に記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
【請求項5】
前記請求項1に記載の二軸配向ポリエステルフィルムを巻取ってなる、二軸配向ポリエステルフィルムロールであって、フィルムロールの幅長さが500mm以上8,000mm以下であり、巻き取り長のフィルムの長さが1,000m以上である二軸配向ポリエステルフィルムロール。
【請求項6】
複数種のポリエステル樹脂を未溶融状態で混合しながら搬送する工程と、前記未溶融状態のポリエステル樹脂を溶融押出し未延伸シートを得る工程と、前記未延伸シートを二軸延伸する工程を有する、請求項1に記載の二軸配向ポリエステルフィルムの製造方法であって、前記複数種のポリエステル樹脂は、カーボンブラックを含有するポリエステルフィルムを粉砕したフレーク状のポリエステル樹脂(α)と、ポリエステルをペレタイズしたチップ状のポリエステル樹脂(β)と、前記ポリエステル樹脂(α)を押し固めたペレット状のポリエステル樹脂(γ)である、二軸配向ポリエステルフィルムの製造方法。
【請求項7】
前記未延伸シートを二軸延伸する工程の後に、さらに、前記フィルムのA面に相当する面のフィルム温度と、前記フィルムのB面に相当する面のフィルム温度の差が、5℃以上20℃以下となるように熱処理する工程を有する、請求項6に記載の二軸配向ポリエステルフィルムの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、カーボンブラックを含有する二軸配向ポリエステルフィルム、二軸配向ポリエステルフィルムロールおよび、二軸配向ポリエステルフィルムの製造方法に関するものである。
続きを表示(約 3,100 文字)【背景技術】
【0002】
ポリエステル(特にポリエチレンテレフタレートや、ポリエチレン2,6-ナフタレンジカルボキシレートなど)樹脂は機械特性、熱特性、耐薬品性、電気特性、成形性に優れ、様々な用途に用いられている。そのポリエステルをフィルム化したポリエステルフィルム、中でも二軸配向ポリエステルフィルムは、その機械的特性、電気的特性、光学特性などから、液晶ディスプレイ用の光学フィルム保護材料、工程支持材料、離型材料、太陽電池バックシート用材料、給湯器モーター用電気絶縁材料、ハイブリッド車などに使用されるカーエアコン用モーターや駆動モーター用などの電気絶縁材料、テープ材料やコンデンサ用材料、包装材料、建築材料、写真用途、グラフィック用途、感熱転写用途などの各種用途に使用されている。
【0003】
これらの用途の中で、デジタルカメラやレーザービームプリンター、スマートフォン、スマートウォッチ等の電子機器内部に使用されるテープ部材には、デバイス内部における光学的な外乱を抑制するため遮光性が要求されており、黒色ポリエステルフィルムが利用されている。
【0004】
黒色ポリエステルフィルムとしては、安価で機械特性に優れるポリエステルなどの樹脂に、カーボンブラックをはじめとした黒色顔料を練りこんだものが挙げられ、隠蔽性、耐久性に優れたフィルムとして提案されている(特許文献1、2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2014-192180公報
特開2014-145046公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1、2に記載のカーボンブラックを含有した黒色ポリエステルフィルムでは、遮光性には優れるものの、こういった遮光性を有する黒色ポリエステルフィルムは、外光が黒色ポリエステルフィルムの表面に鮮明に映り込むことから、フィルムとしては厚み斑が認識しにくいものの、巻取ってフィルムロールとすると、透明なフィルムを巻取ったフィルムロールより、黒色フィルムを巻取ったフィルムロールの方が、ロールとして厚み斑に起因する外観の凹凸が目立ちやすく、外観の意匠性が悪いという問題があった。
【0007】
そこで、本発明は、隠蔽性に優れ、フィルムをフィルムロールとして巻取った際のフィルムロールの外観意匠性に優れた二軸配向ポリエステルフィルム、二軸配向ポリエステルフィルムロール、およびその二軸配向ポリエステルフィルムの製造方法を提供すること、を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる課題を解決するための本発明の好ましい一態様は以下のとおりである。
[1]フィルムの総質量を100質量%として、カーボンブラックを0.1質量%以上5.0質量%以下含有する二軸配向ポリエステルフィルムにおいて、両表面の60°光沢度がいずれも70以上150以下であり、一方の表面(A面)の60°光沢度の幅方向変動率が2.0%/m以上10.0%/m以下であり、フィルムの厚み斑(R)が1.5%以上10.0%以下である、二軸配向ポリエステルフィルム。
[2]前記B面の、60°光沢度の幅方向変動率が0.0%/m以上1.5%/m以下のB面を有する、[1]に記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
[3]前記フィルムは、実質的に単層構成である、[1]または[2]に記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
[4]前記フィルムの光学濃度が6.0以上である、[1]~[3]のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
[5]前記[1]~[4]のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルムを巻取ってなる二軸配向ポリエステルフィルムロールであって、フィルムロールの幅長さが500mm以上8,000mm以下であり、巻取り長のフィルムの長さが1,000m以上である、二軸配向ポリエステルフィルムロール。
[6]複数種のポリエステル樹脂を未溶融状態で搬送する工程と、前記未溶融状態のポリエステル樹脂を溶融押出し未延伸シートを得る工程と、前記未延伸シートを二軸延伸する工程を有する、[1]~[5]のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルムの製造方法であって、前記複数種のポリエステル樹脂は、カーボンブラックを含有するポリエステルフィルムを粉砕したフレーク状のポリエステル樹脂(α)と、ポリエステルをペレタイズしたチップ状のポリエステル樹脂(β)と、前記ポリエステル樹脂(α)を押し固めたペレット状のポリエステル樹脂(γ)である、二軸配向ポリエステルフィルムの製造方法。
[7]前記未延伸シートを二軸延伸する工程の後に、さらに、前記フィルムのA面に相当する面のフィルム温度と、前記フィルムのB面に相当する面のフィルム温度の差が5℃以上20℃以下となるように熱処理する工程を有する、[6]に記載の二軸配向ポリエステルフィルムの製造方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、隠蔽性に優れ、フィルムロールとした際のフィルムロールの外観意匠性に優れた二軸配向ポリエステルフィルム、およびその製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の二軸配向ポリエステルフィルム(以下、単にポリエステルフィルムということがある)は、ポリエステル樹脂を主成分とする樹脂から構成されるポリエステルフィルムである。また、二軸配向とは、直交する二方向に樹脂の分子鎖が配向していることをいい、通常、直交する二方向に延伸することで実現できる。ここで、ポリエステル樹脂を主成分とする、とは、ポリエステルフィルムを構成する樹脂組成物全体に対してポリエステル樹脂が90質量%を超えて含有されていることを指す。また、ポリエステル樹脂とは、カルボン酸構成成分とジオール構成成分とを反応せしめて得られる、主鎖の主要な結合鎖としてエステル結合を有する高分子である。ポリエステルフィルムを構成するポリエステル樹脂としては、たとえばカルボン酸構成成分として、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカジオン酸、アゼライン酸などの脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸を用い、ジオール構成成分として、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコールなどの脂肪族グリコール、シクロヘキサンジメタノールなどの芳香族グリコールを用いたものが挙げられ、具体的には、安価で機械特性に優れることから、ポリエチレンテレフタレート、ポリチレン2,6-ナフタレートが好ましい。これらのポリエステル樹脂は、単独で用いてもよく、他の成分と共重合したものであってもよい。共重合樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン-2、6-ナフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸等のホモ重合体、およびこれらの共重合体が挙げられ、本発明のフィルムを構成するポリエステル樹脂は前記のホモ重合体および共重合体の中から1種類を選択して用いてもよく、ホモ重合体同士、またはホモ重合体と共重合体をブレンドして用いてもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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