TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
10個以上の画像は省略されています。
公開番号2024058711
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-30
出願番号2022165966
出願日2022-10-17
発明の名称積層体及びその製造方法
出願人artience株式会社
代理人
主分類B32B 15/085 20060101AFI20240422BHJP(積層体)
要約【課題】混色滲みや色ムラがなく鮮明性及び視認性に優れ、層間剥離及び凝集破壊が起こらず、ガスバリア性も良好である積層体であって、折り曲げ、ねじり、伸縮等の所作を加えた後や、長期保管後であっても、上記層間剥離及び凝集破壊が起こらず、かつ、ガスバリア性が良好なまま維持される積層体を提供する。また更に、リサイクル性にも優れる積層体を提供する。
【解決手段】非浸透性基材(I)と、インキ層(III)と、接着剤層(IV)と、シリカ及び/またはアルミナの蒸着層を有する蒸着フィルム(V)とを、この順で有する積層体であって、前記インキ層(III)が、顔料と、樹脂と、シロキサン系表面調整剤及び/またはアセチレンジオール系表面調整剤とを含む、水性インクジェットインキが印刷されてなる層であり、前記インキ層(III)が、シロキサン系表面調整剤及び/またはアセチレンジオール系表面調整剤を、1~500mg/m2含む、積層体。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
非浸透性基材(I)と、インキ層(III)と、接着剤層(IV)と、蒸着フィルム(V)とを、この順で有する積層体であって、
前記インキ層(III)が、顔料と、樹脂と、シロキサン系表面調整剤及び/またはアセチレンジオール系表面調整剤とを含む、水性インクジェットインキが印刷されてなる層であり、
前記インキ層(III)の単位面積あたりの、前記シロキサン系表面調整剤及び/またはアセチレンジオール系表面調整剤の含有量が、1~500mg/m
2
であり、
前記蒸着フィルム(V)が、樹脂フィルムと、シリカ及び/またはアルミナの蒸着層とを含む、積層体。
続きを表示(約 1,800 文字)【請求項2】
前記非浸透性基材(I)と、前記インキ層(III)との間に、更に前処理層(II)を有し、
前記前処理層(II)が、凝集剤を含む前処理液から形成されてなる層であり、
前記前処理層(II)の単位面積あたりの、前記凝集剤の含有量が、0.02~1g/m
2
である、請求項1記載の積層体。
【請求項3】
前記前処理層(II)が、更に、前記凝集剤を除く樹脂(IIR)を含み、
前記前処理層(II)の単位面積あたりの、前記樹脂(IIR)の含有量が、0.05~1g/m
2
である、請求項2に記載の積層体。
【請求項4】
前記接着剤層(IV)が、ポリイソシアネート化合物とポリオール化合物とを含む無溶剤型接着剤組成物の硬化膜からなる層である、請求項1~3のいずれかに記載の積層体。
【請求項5】
前記ポリイソシアネート化合物が、芳香族ポリイソシアネート化合物を含み、
前記接着剤層(IV)の単位面積あたりの、前記芳香族ポリイソシアネート化合物の含有量が、0.05~2.0g/m
2
である、請求項4に記載の積層体。
【請求項6】
前記非浸透性基材(I)がポリオレフィンフィルムであり、かつ、前記樹脂フィルムがポリオレフィン樹脂のフィルムである、請求項1~5のいずれかに記載の積層体。
【請求項7】
前記シリカ及び/またはアルミナの蒸着層が、前記接着剤層(IV)と接触している、請求項1~6のいずれかに記載の積層体。
【請求項8】
非浸透性基材(I)と、インキ層(III)と、接着剤層(IV)と、蒸着フィルム(V)とを、この順で有する積層体の製造方法であって、下記工程1~4を含む、積層体の製造方法。
工程1:非浸透性基材(I)上に、顔料と、樹脂と、シロキサン系表面調整剤及び/またはアセチレンジオール系表面調整剤とを含む水性インクジェットインキを、乾燥後のインキ層(III)の単位面積あたりにおける、前記シロキサン系表面調整剤及び/またはアセチレンジオール系表面調整剤の含有量が、1~500mg/m
2
となるように印刷したのち、乾燥して、前記インキ層(III)を得る工程、
工程2:前記インキ層(III)、及び/または、シリカ及び/またはアルミナの蒸着層を含む樹脂フィルムである、蒸着フィルム(V)上に、接着剤層前駆体を形成する工程、
工程3:前記接着剤層前駆体を介して、前記インキ層(III)と前記蒸着フィルム(V)とを重ね合わせる工程、
工程4:前記接着剤層前駆体を硬化して、接着剤層(IV)とする工程。
【請求項9】
非浸透性基材(I)と、前処理層(II)と、インキ層(III)と、接着剤層(IV)と、蒸着フィルム(V)とを、この順で有する積層体の製造方法であって、下記工程0、1’、2、3、4を含む、積層体の製造方法。
工程0:非浸透性基材(I)上に、凝集剤を含む前処理液を、乾燥及び/または硬化後の前処理層(II)の単位面積あたりにおける、前記凝集剤の含有量が、0.02~1g/m
2
となるように付与したのち、乾燥及び/または硬化して、前記前処理層(II)を得る工程、
工程1’:非浸透性基材(I)上に、顔料と、樹脂と、シロキサン系表面調整剤及び/またはアセチレンジオール系表面調整剤とを含む水性インクジェットインキを、乾燥後のインキ層(III)の単位面積あたりにおける、前記シロキサン系表面調整剤及び/またはアセチレンジオール系表面調整剤の含有量が、1~500mg/m
2
となるように、かつ、少なくとも一部が前記前処理層(II)に重なるように印刷したのち、乾燥して、前記インキ層(III)を得る工程、
工程2:前記インキ層(III)、及び/または、シリカ及び/またはアルミナの蒸着層を含む樹脂フィルムである、蒸着フィルム(V)上に、接着剤層前駆体を形成する工程、
工程3:前記接着剤層前駆体を介して、前記インキ層(III)と前記蒸着フィルム(V)とを重ね合わせる工程、
工程4:前記接着剤層前駆体を硬化して、接着剤層(IV)とする工程。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、非浸透性基材、水性インクジェットインキ、接着剤組成物、及び、蒸着フィルムを用いて製造される積層体、ならびに、その製造方法に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
食品、洗剤、化粧品、医薬品の容器等のパッケージに用いられる軟包装材料では、プラスチックフィルムに、必要に応じて、金属蒸着フィルムや金属箔等を貼り合わせた積層体が使用されている。このような積層体は、一般には、あらかじめ印刷層を形成したプラスチックフィルム(以下、単に「フィルム」ともいう)に対し、別個準備した、金属蒸着フィルム、金属箔等を貼り合わせることで製造されており、この加工方法は「ラミネート加工」と呼ばれている。また、上記印刷層を形成するため、従来から、プラスチックフィルムに対してグラビア印刷またはフレキソ印刷が行われている。グラビア印刷、フレキソ印刷ともに、あらかじめ用意した版を使ってインキを転移させる印刷方法であり、高速印刷及び大量生産に適している方法といえる。
【0003】
一方で近年、軟包装材料が使用される商品の市場では、消費者ニーズの変化や多様化に伴い、上記商品の多品種化、短納期対応、商品サイクルの短期化が進んでいる。しかしながら上記印刷方法を採用する限り、印刷するための版が必要となるため、少量多品種生産では採算が合わないことが多い。また、版の作成にも時間を要するため、短納期で対応するのは難しい、というのが現状であった。
【0004】
上記印刷方法に対して、デジタル印刷方法は、版を必要としないため、コスト削減や短納期対応が可能であり、今後広く普及することが期待されている。デジタル印刷方法の一種であるインクジェット印刷方法は、非常に微細なノズルからインキ液滴を基材に吐出し、付着させることで文字や画像を形成する。インクジェット印刷方法には、使用する印刷装置の騒音が小さい、操作が簡便である、カラー化が容易である等の利点もあり、産業用途においても、利用の拡大が進んでいる。また従来、産業用途におけるインクジェット印刷方法で用いられるインキは、溶剤型やUV(紫外線)硬化型であったが、環境及び労働安全に対する配慮から、その水性化が行われている(例えば特許文献1参照)。
【0005】
軟包装材料を製造する際にインクジェット印刷方法を利用する場合、フィルムに対する印刷及び文字・画像形成が必須となる。インクジェット印刷方法で用いる水性型のインキ(本願では、「水性インクジェットインキ」とも呼ぶ)は、従来、普通紙や専用紙(例えば、写真光沢紙)のような浸透性の高い基材に対して印刷するためのものであった。このような水性インクジェットインキを、フィルムのような非浸透性の基材に対して印刷した場合、当該フィルムに付着した後の水性インクジェットインキの液滴が、基材中に全く浸透しない。そのため、浸透による乾燥が起きず、混色滲みや色ムラが発生する、文字や画像の鮮明性及び視認性が悪化する、といった問題が発生する。
【0006】
また一般に、非浸透性の基材には水性インクジェットインキが全く浸透しないため、水性インクジェットインキの層が擦れ等により剥がれやすい。このような剥がれに限らず、隣接する層同士の間の境界において剥離が生じる現象を「層間剥離(デラミネーション)」と言い、軟包装材料として使用する際に致命的な問題になり得る。また積層体では、層内部で発生した破壊による剥離が起こることもある。このような現象を「凝集破壊」と呼び、やはり実用上問題となる。例えば、印刷物を巻き取った状態または積み重ねた状態で保管した際、印字面に圧力がかかり、当該圧力により、層間剥離や凝集破壊が発生することで、ブロッキング(印刷面に貼り付いた基材等をはがす際に、インキの一部が当該基材に取られる現象)と呼ばれる現象が発生してしまう。
【0007】
水性インクジェットインキでは一般に、混色滲みや色ムラの発生を防ぎ、鮮明性及び視認性に優れる印刷物を得るため、水性インクジェットインキに表面調整剤を添加し、濡れ性を制御することが行われている。しかしながら、このような水性インクジェットインキを単に使用して積層体を製造すると、上記表面調整剤が、印刷物表面や、他の層との界面及び当該他の層の内部にブリード(対象となる物質が、別の層との界面、当該別の層の内部、積層体表面等に染み出す現象)し、層間剥離や凝集破壊の原因となってしまう。
【0008】
更に、フィルム等の非浸透性基材に対する印刷物から製造した積層体を包装材料(例えばパウチ包装体)として使用した場合、内容物の一部や外部の水蒸気等が積層体を透過するために、例えば長期保管した後、層間剥離や凝集破壊が発生しやすくなる、という問題点も存在する。従って、例えば包装材料としての使用を考えた場合、長期保管後における、層間剥離及び凝集破壊防止は必須の課題といえる。
【0009】
上述した、内容物や水蒸気等の透過を解決する方法の例として、積層体を構成する層に、酸素や水蒸気等の透過を抑制する効果(ガスバリア効果)を有する層を組み込む方法がある。一般に、ガスバリア効果を高めるため、プラスチックフィルムに金属(酸化物)成分を蒸着させることで製造される蒸着フィルムが使用される。上記金属(酸化物)成分としてアルミニウムを使用したもの(アルミニウム蒸着フィルム)は、蒸着フィルムの代表例として知られている。その一方、金属(酸化物)成分として、シリカやアルミナを使用することで、透明な蒸着フィルム(透明蒸着フィルム)が得られる。このような透明蒸着フィルムには、ガスバリア効果が高い、パウチ包装体等を作製した際に内容物が視認できる、といった利点がある一方で、折り曲げ等により、シリカ及び/またはアルミナの蒸着層の表面にクラックが生じやすく、酸素や水蒸気等のバリア性が悪化する、という問題点が存在する。
【0010】
インクジェットインキを使用して製造され、透明蒸着フィルムの層を有する積層体の例として、特許文献2には、透明バリア層として酸化ケイ素や酸化アルミニウムを蒸着させたフィルムを用い、かつ、グラビア印刷等により形成した白色インキ層の上に、インクジェットインキで印刷された層を有する包装容器が開示されている。しかしながら、上記インクジェットインキの構成やその印刷方法については具体的な記載がなく、上述した課題が解決できるのかどうかは不明確である。また、特許文献3にも、シリカやアルミナを蒸着させたフィルムを用いたバリア層と、インクジェットインキで印刷された層とを有する包装袋が開示されている。しかしながら、上記特許文献3において、好ましいとされているインクジェットインキは油性(非水性)インクジェットインキであり、やはり、水性インクジェットインキを用いた例は開示されていない。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

東レ株式会社
積層体
8か月前
東ソー株式会社
積層体
7か月前
ユニチカ株式会社
シート
8か月前
東レ株式会社
多層成形品
2日前
東レ株式会社
積層不織布
7か月前
東レ株式会社
積層フィルム
7か月前
東レ株式会社
積層フィルム
3日前
東レ株式会社
積層フィルム
1か月前
東レ株式会社
積層フィルム
5か月前
個人
生地
1か月前
三菱ケミカル株式会社
積層体
1か月前
東ソー株式会社
多層フィルム
3か月前
三菱ケミカル株式会社
積層体
2か月前
東洋紡株式会社
離型フィルム
16日前
三菱ケミカル株式会社
積層体
2か月前
東洋紡株式会社
離型フィルム
16日前
三菱ケミカル株式会社
積層体
2か月前
セーレン株式会社
導電性編物
1か月前
東レ株式会社
多層積層フィルム
7か月前
三菱製紙株式会社
離型フィルム
4日前
平岡織染株式会社
複合体シート
7か月前
東ソー株式会社
易開封性積層体
7か月前
三菱製紙株式会社
離型フィルム
7か月前
東ソー株式会社
易開封性積層体
7か月前
三菱瓦斯化学株式会社
複合材料
8か月前
株式会社カネカ
ポリイミド積層体
1日前
株式会社 スワコー
光学フィルム
24日前
三菱製紙株式会社
セロハン積層体
8か月前
三菱製紙株式会社
シートパレット
7か月前
株式会社エフコンサルタント
面材
7日前
三洋化成工業株式会社
複層硬化膜
今日
三菱ケミカル株式会社
硬化性重合体
7か月前
東洋紡株式会社
包装用積層フィルム
1か月前
理研ビタミン株式会社
積層フィルム
6か月前
ダイハツ工業株式会社
表皮材
7か月前
星和電機株式会社
遮熱シート
8か月前
続きを見る