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公開番号2024058270
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-25
出願番号2022165528
出願日2022-10-14
発明の名称積層体および積層体の製造方法
出願人三井化学株式会社
代理人弁理士法人エスエス国際特許事務所
主分類B32B 27/32 20060101AFI20240418BHJP(積層体)
要約【課題】従来の4-メチル-1-ペンテン系重合体よりも保存安定性に優れる4-メチル-1-ペンテン系重合体を含む樹脂層を備え、かつ、撥水性に優れる積層体を提供すること。
【解決手段】基材層(I)と下記要件(a)~(c)を満たす4-メチル-1-ペンテン系重合体(A)を含む樹脂層(II)とを備える積層体およびその製造方法;(a)示差走査熱量計(DSC)で測定した融点(Tm)が180℃を超え220℃以下である。;(b)DSCで測定した融解(吸熱)曲線における吸熱終了温度(TmE)が230℃以下である。;(c)DSCで測定した結晶化(発熱)曲線における発熱開始温度(TcS)が210℃以下である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
基材層(I)と、
下記要件(a)~(c)を満たす4-メチル-1-ペンテン系重合体(A)を含む樹脂層(II)と、
を備える積層体;
(a)示差走査熱量計(DSC)で測定した融点(Tm)が180℃を超え220℃以下である;
(b)示差走査熱量計(DSC)で測定した融解(吸熱)曲線における吸熱終了温度(TmE)が230℃以下である;
(c)示差走査熱量計(DSC)で測定した結晶化(発熱)曲線における発熱開始温度(TcS)が210℃以下である。
続きを表示(約 820 文字)【請求項2】
前記基材層(I)が、示差走査熱量計(DSC)で測定した融点が200℃以下のポリオレフィンを含む、請求項1に記載の積層体。
【請求項3】
前記融点が200℃以下のポリオレフィンが、ポリプロピレン、低密度ポリエチレンおよび高密度ポリエチレンからなる群より選択される少なくとも1つの樹脂である、請求項2に記載の積層体。
【請求項4】
前記樹脂層(II)の表面自由エネルギーが、32mN/m以下である、請求項1または2に記載の積層体。
【請求項5】
前記樹脂層(II)の水接触角が97°以上である、請求項1または2に記載の積層体。
【請求項6】
前記4-メチル-1-ペンテン系重合体(A)は、135℃のデカリン中で測定した極限粘度[η]が0.5~4.5dl/gの範囲にある、請求項1または2に記載の積層体。
【請求項7】
前記4-メチル-1-ペンテン系重合体(A)における、4-メチル-1-ペンテンから導かれる構成単位の量(U1)が84~100モル%であり、
エチレンまたは炭素数3~20のα-オレフィン(ただし、4-メチル-1-ペンテンを除く)から導かれる構成単位の量(U2)が0~16モル%(ただし、前記U1および前記U2の合計を100モル%とする)である、請求項1または2に記載の積層体。
【請求項8】
前記α-オレフィンが、炭素数6~18のα-オレフィン(ただし、4-メチル-1-ペンテンを除く)である、請求項7に記載の積層体。
【請求項9】
前記樹脂層(II)の厚みが25μm以下である、請求項1または2に記載の積層体。
【請求項10】
前記4-メチル-1-ペンテン系重合体(A)が、未変性の重合体である請求項1または2に記載の積層体。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、積層体および積層体の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
表示デバイス、半導体デバイス、光学部材、プリント回路基板などには、保護用、絶縁用、平坦化用、耐熱用、耐光用、耐候用などの各種コーティング剤が用いられる。これらのコーティング剤を用いて作成されたフィルムには、用途に応じて、耐熱性、透明性、電気絶縁性などの特性が要求される。
4-メチル-1-ペンテン系重合体は、表面張力が非常に低いことにより離型性に優れ、かつ耐熱性も高いため、4-メチル-1-ペンテン系重合体を含む樹脂層をプラスチック基板に積層した積層体は、産業用離型フィルム等として、しばしば利用されている。
【0003】
コーティングなどにより高い耐熱性、良好な電気絶縁性等を示すフィルムを形成し得る組成物として、例えば、特許文献1、および、2には、所定の4-メチル-1-ペンテン共重合体および当該共重合体と溶媒とを含む組成物が開示されている。また、混合気体に対し、選択透過性を有する極薄重合体膜の製造方法として、特許文献3には、25~80℃の温度に保持された4-メチル-1-ペンテン共重合体のシクロヘキセン溶液を用いた成膜法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2013-227421号公報
特開2015-34258号公報
特開昭55-41808号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、産業用離型フィルムの用途においては特に高い撥水性が求められる場合があるところ、特許文献1および2に記載の共重合体およびこれを用いた離型フィルムの撥水性には改良の余地があり、さらに撥水性の高い離型フィルムおよびこれを実現できる4-メチル-1-ペンテン系重合体が求められている。
また、特許文献3に記載の共重合体は溶剤への溶解性に改良の余地があり、より溶解性が高くワニス化させた際の保存安定性に優れる4-メチル-1-ペンテン系重合体が求められていた。
【0006】
本発明の一実施形態が解決しようとする課題は、従来の4-メチル-1-ペンテン系重合体より保存安定性に優れる4-メチル-1-ペンテン系重合体を含む樹脂層を備え、かつ、撥水性に優れる積層体、および、その積層体の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らが検討を進めた結果、基材層(I)、ならびに、特定の要件を満たす4-メチル-1-ペンテン系重合体(A)を含む樹脂層(II)を備える積層体によれば、上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち上記課題を解決する手段には、以下の態様が含まれる。
<1> 基材層(I)と、
下記要件(a)~(c)を満たす4-メチル-1-ペンテン系重合体(A)を含む樹脂層(II)と、
を備える積層体;
(a)示差走査熱量計(DSC)で測定した融点(Tm)が180℃を超え220℃以下である;
(b)示差走査熱量計(DSC)で測定した融解(吸熱)曲線における吸熱終了温度(TmE)が230℃以下である;
(c)示差走査熱量計(DSC)で測定した結晶化(発熱)曲線における発熱開始温度(TcS)が210℃以下である。
<2> 前記基材層(I)が、示差走査熱量計(DSC)で測定した融点が200℃以下のポリオレフィンを含む、<1>に記載の積層体。
<3> 前記融点が200℃以下のポリオレフィンが、ポリプロピレン、低密度ポリエチレンおよび高密度ポリエチレンからなる群より選択される少なくとも1つの樹脂である、<2>に記載の積層体。
<4> 前記樹脂層(II)の表面自由エネルギーが、32mN/m以下である、<1>~<3>のいずれか1つに記載の積層体。
<5> 前記樹脂層(II)の水接触角が97°以上である、<1>~<4>のいずれか1つに記載の積層体。
<6> 前記4-メチル-1-ペンテン系重合体(A)は、135℃のデカリン中で測定した極限粘度[η]が0.5~4.5dl/gの範囲にある、<1>~<5>のいずれか1つに記載の積層体。
<7> 前記4-メチル-1-ペンテン系重合体(A)における、4-メチル-1-ペンテンから導かれる構成単位の量(U1)が84~100モル%であり、
エチレンまたは炭素数3~20のα-オレフィン(ただし、4-メチル-1-ペンテンを除く)から導かれる構成単位の量(U2)が0~16モル%(ただし、前記U1および前記U2の合計を100モル%とする)である、<1>~<6>のいずれか1つに記載の積層体。
<8> 前記α-オレフィンが、炭素数6~18のα-オレフィン(ただし、4-メチル-1-ペンテンを除く)である、<7>に記載の積層体。
<9> 前記樹脂層(II)の厚みが25μm以下である、<1>~<8>のいずれか1つに記載の積層体。
<10> 前記4-メチル-1-ペンテン系重合体(A)が、未変性の重合体である<1>~<9>のいずれか1つに記載の積層体。
<11> <1>~<10>のいずれか1つに記載の積層体の製造方法であって、
前記4-メチル-1-ペンテン系重合体(A)および有機溶媒(B)を含む組成物(X)を準備する工程(1)と、
前記基材層(I)の少なくとも一方の面に前記組成物(X)を塗布し、前記4-メチル-1-ペンテン系重合体(A)を含む樹脂層(II)を形成する工程(2)と、
を含む、積層体の製造方法。
<12> 前記4-メチル-1-ペンテン系重合体(A)の、135℃のデカリン中で測定した極限粘度[η]が0.5~4.5dl/gの範囲にある、<11>に記載の積層体の製造方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一実施形態によれば、従来の4-メチル-1-ペンテン系重合体よりも保存安定性に優れる4-メチル-1-ペンテン系重合体を含む樹脂層を備え、かつ、撥水性に優れる積層体、および、その積層体の製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<積層体>
本発明の積層体は、基材層(I)と、要件(a)~(c)を満たす4-メチル-1-ペンテン系重合体(A)を含む樹脂層(II)と、を備える。
以下、本発明の積層体が備える各構成について以下に説明する。
(【0011】以降は省略されています)

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