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公開番号2024057801
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-25
出願番号2022164707
出願日2022-10-13
発明の名称エチレン・4-メチル-1-ペンテン・非共役ポリエン共重合体およびゴム組成物
出願人三井化学株式会社
代理人弁理士法人エスエス国際特許事務所
主分類C08F 210/00 20060101AFI20240418BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】タイヤ用ゴム材料の原料として新規なエチレン・4-メチル-1-ペンテン・非共役ポリエン共重合体を提供すること。
【解決手段】(i)~(v)を満たす、エチレン・4-メチル-1-ペンテン・非共役ポリエン共重合体およびこれを含むゴム組成物、タイヤ用ゴム材料、タイヤトレッドおよびタイヤ;
(i)エチレン/4-メチル-1-ペンテンのモル比が20/80~80/20;
(ii)非共役ポリエンに由来する構成単位のモル分率が0.01モル%~10モル%;
(iii)デカリン中135℃で測定した極限粘度[η]が0.01~5.0dL/g;
(iv)DSCによって測定したガラス転移温度が-40℃~10℃で(v)レオメーターを用いて線形粘弾性測定(190℃)により得られた、周波数ω=0.1rad/sでの複素粘度η*(ω=0.1)と、波数ω=10rad/sでの複素粘度η*(ω=10)と、比Pが、2.0~50である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
下記要件(i)~(v)を満たす、エチレン・4-メチル-1-ペンテン・非共役ポリエン共重合体;
(i)エチレン/4-メチル-1-ペンテンのモル比が20/80~80/20である;
(ii)非共役ポリエンに由来する構成単位のモル分率が0.01モル%~10モル%である;
(iii)デカリン中135℃で測定した極限粘度[η]が0.01~5.0dL/gである;
(iv)示差走査熱量計(DSC)によって測定したガラス転移温度〔Tg〕が-40℃~10℃である;
(v)レオメーターを用いて線形粘弾性測定(190℃)により得られた、周波数ω=0.1rad/sでの複素粘度η*(ω=0.1)と、周波数ω=10rad/sでの複素粘度η*(ω=10)と、の比P(η*(ω=0.1)/η*(ω=10))が、2.0~50である。
続きを表示(約 320 文字)【請求項2】
(A)ジエン系ゴム100質量部に対し、
(B)カーボンブラックおよび白色充填剤の少なくとも一方を30~120質量部、ならびに
(C)請求項1に記載のエチレン・4-メチル-1-ペンテン・非共役ポリエン共重合体を1~50質量部を含む、ゴム組成物。
【請求項3】
前記白色充填剤が、シリカである請求項2に記載のゴム組成物。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載のゴム組成物を含むタイヤ用ゴム材料。
【請求項5】
請求項4に記載のタイヤ用ゴム材料を用いて形成されたタイヤトレッド。
【請求項6】
請求項5に記載のタイヤトレッドを備えたタイヤ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、エチレン・4-メチル-1-ペンテン・非共役ポリエン共重合体とジエン系ゴムとを含むゴム組成物に関する。
続きを表示(約 3,200 文字)【背景技術】
【0002】
従来、自動車のタイヤトレッド用ゴム材料としては、一般にスチレン・ブタジエン共重合ゴム(SBR)とポリブタジエンゴム(BR)とを含むゴム組成物が使用されている。しかし、最近の省エネルギー化に伴う自動車の低燃費化および耐摩耗性に加えて、安全性の面から、高い制動性能を有するタイヤが要望されている。
【0003】
タイヤの耐摩耗性および自動車の制動性能を向上させるとともに、転動抵抗を低減することができるゴム組成物として、例えば、特許文献1には、スチレン・ブタジエン共重合ゴムと非共役環状ポリエン系共重合体とをブレンドしたタイヤトレッド用の原料ゴムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2008-308696号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
自動車のタイヤトレッド用ゴム材料として使用されている、従来のスチレン・ブタジエン共重合ゴムとポリブタジエンゴムとのブレンド物ではこれらの性能を満たすことができず、更なる改良が求められている。上記特許文献1に記載のブレンド物においても、耐摩耗性、制動性能および転がり抵抗の低減はまだ十分ではない。
本発明の一実施形態が解決しようとする課題は、タイヤ用ゴム材料の原料として好適に使用することができる新規なエチレン・4-メチル-1-ペンテン・非共役ポリエン共重合体を提供することである。また、本発明の他の実施形態が解決しようとする課題は、加工性に優れ、かつ、ウエットグリップ性能に優れるタイヤを得ることができるゴム組成物、および、タイヤ用ゴム材料を提供することである。
また本発明の他の実施形態が解決しようとする課題は、ウエットグリップ性能に優れるタイヤトレッドおよびタイヤを提供することである。
【0006】
上記課題を解決する手段には、以下の態様が含まれる。
<1> 下記要件(i)~(v)を満たす、エチレン・4-メチル-1-ペンテン・非共役ポリエン共重合体;
(i)エチレン/4-メチル-1-ペンテンのモル比が20/80~80/20である;
(ii)非共役ポリエンに由来する構成単位のモル分率が0.01モル%~10モル%である;
(iii)デカリン中135℃で測定した極限粘度[η]が0.01~5.0dL/gである;
(iv)示差走査熱量計(DSC)によって測定したガラス転移温度〔Tg〕が-40℃~10℃である;
(v)レオメーターを用いて線形粘弾性測定(190℃)により得られた、周波数ω=0.1rad/sでの複素粘度η*(ω=0.1)と、周波数ω=10rad/sでの複素粘度η*(ω=10)と、の比P(η*(ω=0.1)/η*(ω=10))が、2.0~50である。
<2> (A)ジエン系ゴム100質量部に対し、
(B)カーボンブラックおよび白色充填剤の少なくとも一方を30~120質量部、ならびに
(C)請求項1に記載のエチレン・4-メチル-1-ペンテン・非共役ポリエン共重合体を1~50質量部を含む、ゴム組成物。
<3> 前記白色充填剤が、シリカである<2>に記載のゴム組成物。
<4> <2>または<3>に記載のゴム組成物を含むタイヤ用ゴム材料。
<5> <4>に記載のタイヤ用ゴム材料を用いて形成されたタイヤトレッド。
<6> <5>に記載のタイヤトレッドを備えたタイヤ。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一実施形態によれば、タイヤ用ゴム材料の原料として好適に使用することができる新規なエチレン・4-メチル-1-ペンテン・非共役ポリエン共重合体が提供される。
また、本発明の他の実施形態によれば、加工性に優れ、かつ、ウエットグリップ性能に優れるタイヤを得ることができるゴム組成物、および、タイヤ用ゴム材料が提供される。
また本発明の一実施形態によれば、ウエットグリップ性能に優れるタイヤトレッドおよびタイヤが提供される。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の内容の説明は、本発明の代表的な実施形態に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施形態に限定されることはない。
本明細書において、数値範囲を示す「~」とはその前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
本明細書において、数値範囲を示す「~」とはその前後いずれか一方に記載される単位は、特に断りがない限り同じ単位を示すことを意味する。
本明細書において、2以上の好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
また、本明細書において、特に限定しない限りにおいて、組成物中の各成分、または、ポリマー中の各構成単位は1種単独で含まれていてもよいし、2種以上を併用してもよいものとする。
本明細書において、組成物中の各成分、または、ポリマー中の各構成単位の量は、組成物中に各成分、または、ポリマー中の各構成単位に該当する物質または構成単位が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する該当する物質またはポリマー中に存在する複数の各構成単位の合計量を意味する。
以下、本発明を詳細に説明する。
【0009】
<エチレン・4-メチル-1-ペンテン・非共役ポリエン共重合体>
本発明のエチレン・4-メチル-1-ペンテン・非共役ポリエン共重合体(以下、単に「共重合体」とも称する場合がある。)は、下記要件(i)~(v)を満たす。
下記要件(i)~(v)を満たす本発明のエチレン・4-メチル-1-ペンテン・非共役ポリエン共重合体は、タイヤ用ゴム材料として新規な原料である。
また、本発明に係るゴム組成物が、上記要件(i)~(v)を満たす共重合体を含むことにより加工性に優れ、得られるタイヤのウエットグリップ性能に優れる。この理由は明らかではないが以下のように推察される。ゴム組成物が、上記要件(i)~(v)を満たすエチレン・4-メチル-1-ペンテン・非共役ポリエン共重合体とジエン系ゴムとを含むことにより、エチレン・4-メチル-1-ペンテン・非共役ポリエン共重合体とジエン系ゴムとが非相容であり、非共役ポリエンが例えば、ENBのときはジエン系ゴムと共加硫し、非共役ポリエンが例えば、VNBのときはシリカとカップリングするので、本発明のエチレン・4-メチル-1-ペンテン・非共役ポリエン共重合体を含むゴム組成物より得られるタイヤは、ウエットグリップ性能に優れると推定している。
以下、本発明に係るエチレン・4-メチル-1-ペンテン・非共役ポリエン共重合体の詳細について説明する。
【0010】
<<要件(i)>>
エチレン/4-メチル-1-ペンテンのモル比が20/80~80/20である。
エチレン/4-メチル-1-ペンテンのモル比が上記の範囲にあると、優れた制動性と優れた燃費性能とが両立したタイヤを得ることができる。
上記観点から、エチレン/4-メチル-1-ペンテンのモル比は、好ましくは20/80~60/40であり、より好ましくは21/79~50/50であり、さらに好ましくは25/75~40/60である。
エチレンおよび4-メチル-1-ペンテンのモル数およびこれらの比は、後述の実施例に記載の測定方法により求められる。
(【0011】以降は省略されています)

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