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公開番号2024042770
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-29
出願番号2022147569
出願日2022-09-16
発明の名称積層体
出願人三菱ケミカル株式会社
代理人
主分類C08J 7/046 20200101AFI20240322BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】 本発明は、面内リターデーションが300nm以下、かつ面方向の屈折率が1
.48~1.55の範囲であるポリカーボネート樹脂基材の少なくとも一方の面にハード
コート層を有する積層体とすることで、虹ムラや干渉ムラの発生が抑制された耐擦傷性に
優れた積層体を提供する。
【解決手段】 面内リターデーションが300nm以下、かつ面方向の屈折率が1.48
~1.55の範囲であるポリカーボネート樹脂基材の少なくとも一方の面にハードコート
層を有する積層体。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
面内リターデーションが300nm以下、かつ面方向の屈折率が1.48~1.55の
範囲であるポリカーボネート樹脂基材の少なくとも一方の面にハードコート層を有する積
層体。
続きを表示(約 590 文字)【請求項2】
前記ハードコート層が(メタ)アクリレート由来の化合物を含有する請求項1に記載の
積層体。
【請求項3】
前記ハードコート層の屈折率が1.46~1.57である請求項2に記載の積層体。
【請求項4】
前記基材の屈折率と前記ハードコート層の屈折率の差(絶対値)が0.05以下である
請求項3に記載の積層体。
【請求項5】
表面抵抗値が1×10
13
Ω以下である請求項1に記載の積層体。
【請求項6】
前記ハードコート層中に帯電防止剤を含有する請求項5に記載の積層体。
【請求項7】
前記基材と前記ハードコート層の間に機能層を有し、当該機能層中に帯電防止剤を含有
する請求項5に記載の積層体。
【請求項8】
前記基材を構成するポリカーボネート樹脂のガラス転移点が40~180℃である請求
項1に記載の積層体。
【請求項9】
前記基材を構成するポリカーボネート樹脂に複素ビシクロ環構造を含有する請求項8に
記載の積層体。
【請求項10】
前記基材を構成するポリカーボネート樹脂が共重合ポリカーボネート樹脂である請求項
9に記載の積層体。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、面内リターデーションが300nm以下、かつ面方向の屈折率が1.48~
1.55の範囲であるポリカーボネート樹脂基材の少なくとも一方の面にハードコート層
を有する積層体に関する。
続きを表示(約 3,300 文字)【背景技術】
【0002】
ディスプレイ部材、電気・電子部品、自動車用部品、建築用資材、レンズ、容器、包装
材など種々の用途でポリカーボネート、ポリエステル、ポリメチルメタクリレート、トリ
アセチルセルロース、ポリスチレン、ポリ塩化ビニルなどのプラスチック材料が使用され
ている。それらの中でもポリカーボネート、ポリエステル、ポリメチルメタクリレート、
トリアセチルセルロースはその機械的特性や透明性などに優れており様々な用途に適用さ
れている。またポリカーボネートは耐衝撃性や耐熱性にも優れており適用範囲が広い樹脂
の1つである。
【0003】
用途の一例として液晶ディスプレイにおいては、テレビ、パソコン、デジタルカメラ、
携帯電話、ゲーム機、タブレット等の表示装置として広く用いられている。液晶ディスプ
レイは、表示側を前面側、その反対側(バックライト側)を後面側とするとき、前面側偏
光板//液晶//後面側偏光板の構成を有する。偏光板は通常、染色一軸延伸されたポリ
ビニルアルコール膜の偏光膜に、保護フィルム等を貼り合わせた構成である(保護フィル
ム/偏光膜/保護フィルム)。保護フィルムとしては、高い透明性や光学等方性を有する
ことから、トリアセチルセルロースフィルム(以下、TACフィルムと略記することがあ
る)が多く使用されている。しかし、寸法安定性に劣ることや、透湿性が高いことから偏
光膜が劣化しやすいという欠点があった。
【0004】
これら欠点を補うために二軸延伸ポリエステルフィルムが提案されている。しかしなが
ら複屈折性を有するため、これを偏光膜の保護フィルムとして用いた場合に光学的な歪み
により画質が低下するという問題があった。すなわち、複屈折性を有するポリエステルフ
ィルムは所定の光学異方性(リターデーション)を有することから、偏光膜の保護フィル
ムとして用いた場合、観察の仕方によっては虹ムラが発生してしまい画質が低下する。そ
のためリターデーションを低くする手法が提案されている(特許文献1)。しかし十分に
リターデーションを低くすることができないため虹ムラの発生を十分に抑えることができ
ない。
【0005】
また二軸延伸ポリエステルフィルムは機械的強度や透明性には優れるが、耐擦傷性には
劣るため使用する用途によってはハードコート層を設けることが好ましい。しかしながら
二軸延伸ポリエステルは屈折率が高いため(一般的なポリエステルである二軸延伸ポリエ
チレンテレフタレートフィルム(以下、PETフィルムと略記することがある)の場合な
ら1.65~1.66)の上にハードコート層(一般的な屈折率は1.50~1.53)
を積層するとその屈折率差から外光反射による干渉ムラ(虹模様)が発生してしまい視認
性に劣るものとなる。それを改善するためにハードコート層の屈折率を二軸延伸ポリエス
テルと同等程度に高くする方法や(特許文献2)、ポリエステル層とハードコート層の間
に屈折率が高い易接着層を配置して干渉ムラを抑える方法が提案されている(特許文献3
)。しかしながらこれらの方法はハードコート層に金属酸化物微粒子を多比率で導入する
必要があるため基材であるポリエステル層との密着性に劣る場合や、金属酸化物粒子によ
る光散乱で透明性が劣る場合がある。また易接着層を配置する場合も、屈折率を調整する
ために用いる金属キレート化合物は密着性を低下させる懸念や、塗布液の安定性などに懸
念がある。またそもそも易接着層で屈折率の調整をしないといけないという技術的制約が
大きくなってしまい自由に他の性能を付与することが難しくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2016-200835号公報
特開2009-269174号公報
特開2005-97571号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、面内リターデーションが300nm以下、かつ面方向の屈折率が1.48~
1.55の範囲であるポリカーボネート樹脂基材の少なくとも一方の面にハードコート層
を有する積層体であって、視認性、耐擦傷性、密着性に優れた積層体を提供することを目
的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、以下の態様を有する。
すなわち、本発明の上記目的は、以下の[1]~[13]の手段により解決できる。
[1]面内リターデーションが300nm以下、かつ面方向の屈折率が1.48~1.5
5の範囲であるポリカーボネート樹脂基材の少なくとも一方の面にハードコート層を有す
る積層体。
[2]前記ハードコート層が(メタ)アクリレート由来の化合物を含有する[1]に記載
の積層体。
[3]前記ハードコート層の屈折率が1.46~1.57である[2]に記載の積層体。
[4]前記基材の屈折率と前記ハードコート層の屈折率の差(絶対値)が0.05以下で
ある[3]に記載の積層体。
[5]表面抵抗値が1×10
13
Ω以下である[1]に記載の積層体。
[6]前記ハードコート層中に帯電防止剤を含有する[5]に記載の積層体。
[7]前記基材と前記ハードコート層の間に機能層を有し、当該機能層中に帯電防止剤を
含有する[5]に記載の積層体。
[8]前記基材を構成するポリカーボネート樹脂のガラス転移点が40~180℃である
[1]に記載の積層体。
[9]前記基材を構成するポリカーボネート樹脂に複素ビシクロ環構造を含有する[8]
に記載の積層体。
[10]前記基材を構成するポリカーボネート樹脂が共重合ポリカーボネート樹脂である
[9]に記載の積層体。
[11]前記基材がフィルムである請求項[1]~[10]に記載の積層フィルム。
[12]光学用途に使用される請求項[1]~[10]に記載の積層体。
[13]面内リターデーションが300nm以下、かつ面方向の屈折率が1.48~1.
55の範囲であるポリカーボネート樹脂基材の少なくとも一方の面に塗布液を塗布するこ
とによりハードコート層を形成する積層体の製造方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明の積層体は、虹ムラや干渉ムラの発生が抑制された耐擦傷性に優れた特性を有す
る。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<基材>
基材は面内リターデーションが300nm以下、かつ面方向の屈折率が1.48~1.
55の範囲を満たすことができるポリカーボネート樹脂であれば従来公知のポリカーボネ
ート樹脂を使用することが可能である。それらポリカーボネート樹脂の中でも複素ビシク
ロ環構造を構成要素として含有するポリカーボネート樹脂が好ましく、複素環の中でも酸
素を含有するビシクロ環構造(環状エーテルを有するビシクロ環構造)が耐候性の観点か
ら好ましい。それら中でも特に下記式(1)で示される構造を含有させることで一般的な
ポリカーボネート樹脂に比べて複屈折率などの光学特性、耐候性、耐傷付き性を向上させ
ることができる。
TIFF
2024042770000001.tif
34
68
(【0011】以降は省略されています)

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