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公開番号2024057924
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-25
出願番号2022164919
出願日2022-10-13
発明の名称質量分析装置
出願人株式会社島津製作所
代理人弁理士法人京都国際特許事務所
主分類H01J 49/00 20060101AFI20240418BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】キャピラリ管の内部でラジカルを生成し、試料成分由来のイオンが導入される反応室に該ラジカルを供給することによって該イオンを解離させる質量分析装置において、キャピラリ管を反応室に着脱する際にキャピラリ管の出口端が破損するのを防止する。
【解決手段】内部にラジカル流路を有するキャピラリ管410と、試料成分由来のイオンが導入される反応室132と、反応室の壁面に設けられた、キャピラリ管の外径よりも大きい径を有する開口1321と、キャピラリ管の出口端を露出させて該キャピラリ管を保持する保持部材50と、一端が保持部材に固定され他端がキャピラリ管の出口端に達し、該キャピラリ管の長さ方向に収縮可能な、該キャピラリ管の外周を取り囲む筒状の弾性部材であって、前記開口の径よりも大きい外径を有する管保護部材53とを備える。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
内部にラジカル流路を有するキャピラリ管と、
試料成分由来のイオンが導入される反応室と、
前記反応室の壁面に設けられた、前記キャピラリ管の外径よりも大きい径を有する開口と、
前記キャピラリ管の出口端を露出させて該キャピラリ管を保持する保持部材と、
一端が前記保持部材に固定され、他端が前記キャピラリ管の出口端に達し、該キャピラリ管の長さ方向に収縮可能な、該キャピラリ管の外周を取り囲む筒状の弾性部材であって、前記開口の径よりも大きい外径を有する管保護部材と
を備える質量分析装置。
続きを表示(約 370 文字)【請求項2】
さらに、
前記開口よりも大きな内径を有し、一端が該開口を囲う筒状の管接続部材
を備える、請求項1に記載の質量分析装置。
【請求項3】
前記管接続部の入口が、入口端に向かって広がるテーパ状を有している、請求項2に記載の質量分析装置。
【請求項4】
さらに、
前記反応室を収容する真空チャンバと、
前記真空チャンバと前記保持部材の間に配置される円筒状のシールジョイントと、
前記保持部材と前記シールジョイントを気密にシールする第1シール材と、
前記管接続部材と前記シールジョイントを気密にシールする第2シール材と、
前記真空チャンバと前記シールジョイントを気密にシールする第3シール材と、
を備える、請求項2に記載の質量分析装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、質量分析装置に関する。特に、原料ガスから生成したラジカルを用いてイオンを解離させる操作を行う質量分析装置に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
試料に含まれる成分を同定したり未知成分の分子構造を推定したりするために、質量分析装置を用いたMS/MS分析が行われている。MS/MS分析では、試料成分由来のイオン(プリカーサイオン)をコリジョンセルなどの反応室に導入し、該反応室でプリカーサイオンを解離させて種々のプロダクトイオンを生成して検出する。そして、検出されたプロダクトイオンの質量電荷比から得られる部分構造の情報に基づいて、試料成分を同定したり未知成分の分子構造を推定したりする。
【0003】
プリカーサイオンを解離させる方法の1つとして、水素ラジカル、酸素ラジカル、窒素ラジカルなどのラジカルを付着させるものが知られている(例えば特許文献1~3)。例えば、ペプチド由来のイオンに対してラジカルを用いた解離操作を行うと、ペプチドのアミノ酸配列等の構造を反映した様々な種類のプロダクトイオンが生成される。こうしたプロダクトイオンが観測されたマススペクトルを解析することにより、ペプチドの構造を推定することができる。
【0004】
こうした質量分析装置で用いられるラジカル生成部として、例えば非特許文献1、2に記載のものが知られている。これらのラジカル生成部は、石英やアルミナなどの誘電体から成るキャピラリ管と、該キャピラリ管の周囲に導電線を三次元螺旋状に巻回したヘリカルアンテナと、キャピラリ管の外周のうちヘリカルアンテナが巻回された部分を取り囲むように設けられキャピラリ管の出口端を露出させて保持するケーシングとを備えている。ヘリカルアンテナにマイクロ波電力を供給し、その渦電流によってキャピラリ管を通過する原料ガス中にプラズマを発生させることによって、ラジカルを生成する。ケーシングから露出したキャピラリ管の出口端はコリジョンセル内に挿入されており、キャピラリ管の内部で生成されたラジカルは、該キャピラリ管の出口端からコリジョンセルに供給される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2019-191081号公報
国際公開第2019/155725号
国際公開第2022/059247号
【非特許文献】
【0006】
Yuji Simabukuro、ほか4名、「タンデム・マス・スペクトロメトリー・オブ・ペプタイド・イオンズ・バイ・マイクロウェイブ・エキサイテッド・ハイドロジェン・アンド・ウォーター・プラズマズ(Tandem Mass Spectrometry of Peptide Ions by Microwave Excited Hydrogen and Water Plasmas)」、Analytical Chemistry、2018年、Vol.90、No.12、pp.7239-7245
島袋祐次(Yuji Simabukuro)、「コンプリヘンシブ・スタディ・オン・ザ・ロー-エナジー・アトミック・ハイドロゲン・ビーム:フロム・プロダクション・トゥー・ベロシティ・ディストリビューション・メジャーメント(Comprehensive Study on the Low-energy Atomic Hydrogen Beam: From Production to Velocity Distribution Measurement」(博士論文本文)、[online]、[2020年4月8日検索]、同志社大学学術リポジトリー、インターネット<URL: https://doors.doshisha.ac.jp/duar/repository/ir/27819/zk1079.pdf>
Hidenori Takahashi、ほか6名、「ハイドロゲン・アタッチメント/アブストラクション・ディソシエーション(HAD)・オブ・ガス-フェーズ・ペプタイド・イオンズ・フォア・タンデム・マス・スペクトロメトリー(Hydrogen Attachment/Abstraction Dissociation (HAD) of Gas-Phase Peptide Ions for Tandem Mass Spectrometry)」、Analytical Chemistry、2016年、Vol.88、No.7、pp.3810-3816
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ラジカル生成部では、ラジカルの生成を繰り返すうちにキャピラリ管の内部に汚れが生じる。キャピラリ管の内部に汚れが生じると、その汚れに由来する不純物がラジカルとともにコリジョンセルに流入し、MS/MS分析の測定結果に影響を及ぼしてしまう。そのため、適宜の時点でラジカル生成部をコリジョンセルから取り外し、キャピラリ管を洗浄及び交換する必要がある。従来のラジカル生成部では、キャピラリ管の出口端がケーシングから露出しているため、ラジカル生成部をコリジョンセルに着脱する際にキャピラリ管の出口端をコリジョンセルの壁面などにぶつけて破損させやすいという問題があった。
【0008】
ここでは原料ガスのプラズマを発生させてラジカルを生成するラジカル生成部を例に説明したが、加熱したキャピラリ管に原料ガスを導入することによってラジカルを生成するラジカル生成部(例えば非特許文献3)を用いる場合にも上記同様の問題があった。
【0009】
本発明が解決しようとする課題は、キャピラリ管の内部でラジカルを生成し、試料成分由来のイオンが導入される反応室に該ラジカルを供給することによって該イオンを解離させる質量分析装置において、キャピラリ管を反応室に着脱する際にキャピラリ管の出口端が破損するのを防止することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために成された本発明に係る質量分析装置は、
内部にラジカル流路を有するキャピラリ管と、
試料成分由来のイオンが導入される反応室と、
前記反応室の壁面に設けられた、前記キャピラリ管の外径よりも大きい径を有する開口と、
前記キャピラリ管の出口端を露出させて該キャピラリ管を保持する保持部材と、
一端が前記保持部材に固定され、他端が前記キャピラリ管の出口端に達し、該キャピラリ管の長さ方向に収縮可能な、該キャピラリ管の外周を取り囲む筒状の弾性部材であって、前記開口の径よりも大きい外径を有する管保護部材と
を備える。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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