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公開番号2024056107
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-22
出願番号2022156979
出願日2022-09-29
発明の名称踏切保安システム
出願人株式会社京三製作所
代理人個人,個人,個人
主分類B61L 29/28 20060101AFI20240415BHJP(鉄道)
要約【課題】公衆無線通信による無線通信を利用することによる通信装置の故障や通信遅延といった通信障害の発生時においても、踏切位置までに確実に停止させることが可能な仕組みを実現すること。
【解決手段】踏切保安システム1において踏切制御装置60は車上装置10からの踏切警報始点予測到達時刻の受信に基づいて踏切警報開始時刻を更新する。踏切警報開始時刻に踏切警報を開始し、踏切警報通知を車上装置10に送信する。踏切支障の信号を入力した場合に踏切支障通知を車上装置10に送信する。一方、車上装置10は踏切警報始点予測到達時刻を算出し、踏切制御装置60に向けて送信する。現在走行位置が所定の踏切停止制御区間内である場合には、踏切制御装置60との間の無線通信の途絶および回復の状況等に従って、所定の進路開通時速度で踏切を通過する進行パターンに沿った速度制御又は踏切位置までに停止可能な踏切停止パターンに沿った速度制御を行う。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
列車に搭載された車上装置と、踏切警報を制御する踏切制御装置と、が公衆無線通信により通信可能に構成された踏切保安システムであって、
前記踏切制御装置は、
前記車上装置からの踏切警報始点予測到達時刻の受信に基づいて踏切警報開始時刻を更新する制御を行う踏切警報開始時刻管理手段と、
前記踏切警報開始時刻に踏切警報を開始する制御を行うとともに、前記踏切警報中である旨の踏切警報通知を前記車上装置に送信する制御を行う踏切警報制御手段と、
踏切支障の信号を入力した場合に踏切支障通知を前記車上装置に送信する制御を行う踏切支障通知手段と、
を備え、
前記車上装置は、
走行距離に基づく現在走行位置を算出する現在走行位置算出手段と、
速度制限箇所に係わる制限速度および始終端位置のキロ程と、線路の勾配箇所に係わる勾配の値および始終端位置のキロ程と、を含む線路条件情報と、踏切位置のキロ程を含む踏切情報と、を記憶する記憶手段と、
前記現在走行位置と前記線路条件情報と前記踏切情報とに基づいて前記踏切警報始点予測到達時刻を算出し、前記踏切制御装置に向けて送信する制御を繰り返し実行する到達時刻通知制御手段と、
前記現在走行位置が所定の踏切停止制御区間内である場合において、前記踏切制御装置からの前記踏切警報通知の受信、前記踏切制御装置からの前記踏切支障通知の受信、前記無線通信の途絶、および、前記無線通信の回復、のうちの少なくとも1つに係る条件に従って、a)前記現在走行位置と前記線路条件情報とに基づく所定の進路開通時速度で踏切を通過する進行パターンに沿った速度制御、又は、b)前記現在走行位置と前記線路条件情報と前記踏切情報とに基づく前記踏切位置までに停止可能な踏切停止パターンに沿った速度制御を行う速度制御手段と、
を備える踏切保安システム。
続きを表示(約 480 文字)【請求項2】
前記速度制御手段は、
前記現在走行位置が前記踏切停止制御区間内である場合において、前記踏切制御装置から前記踏切警報通知を受信した場合には、前記a)の速度制御を行い、前記踏切制御装置から前記踏切警報通知を受信していない場合には、前記b)の速度制御を行う、
請求項1に記載の踏切保安システム。
【請求項3】
前記速度制御手段は、
前記現在走行位置が前記踏切停止制御区間内である場合において、前記踏切制御装置から前記踏切支障通知を受信した場合には、前記踏切警報通知の受信の有無に係わらず、前記b)の速度制御を行う、
請求項1に記載の踏切保安システム。
【請求項4】
前記速度制御手段は、
前記現在走行位置が前記踏切停止制御区間内である場合において、前記無線通信が途絶した場合には、前記b)の速度制御を行い、走行速度が所定の徐行速度以下となった場合には、当該徐行速度以下での踏切通過を許容する制御を行う、
請求項1~3の何れか一項に記載の踏切保安システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、踏切保安システムに関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
鉄道の踏切には、踏切警報機や踏切しゃ断機等の踏切設備が設けられている。踏切設備では、列車の接近時には警報を開始し、踏切をしゃ断するための制御を行うとともに、列車の通過後には警報を解除し、踏切を開放するための制御(踏切制御)を行う。踏切への列車の接近や通過を検知する手法としては、例えば、重畳式の軌道回路や、軌道回路の一種である踏切制御子等の設備を地上に設置することで検知する手法が知られている。しかし、そのような列車検知のための設備は踏切毎に設置する必要があるため、設置には多額のコストが必要となる。
【0003】
これに対し、無線通信を利用して列車の車上装置と踏切の無線式踏切警報制御装置との間でデータの送受を行うことで列車検知のための設備を不要とした技術も知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2011-105117号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1のように無線通信を利用して踏切制御を行う場合は、通信装置の故障や通信遅延といった通信障害の発生について考慮する必要がある。通信障害の発生によって車上装置との無線通信ができなくなると、踏切制御を適正に行えない事態が生じ得る。一方で、通信障害が発生しないように、列車が走行する軌道上の全域で車上側と地上側とで確実な無線通信を連続させるためには、専用の無線設備の設置が不可欠である。その場合は、列車検知のための設備を設置する場合と同様に、コスト面の問題が生じる。
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、専用の無線設備の設置が不要な公衆無線通信による無線通信を利用することによる通信装置の故障や通信遅延といった通信障害の発生時においても、踏切位置までに確実に停止させることが可能な仕組みを実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための第1の発明は、列車に搭載された車上装置と、踏切警報を制御する踏切制御装置と、が公衆無線通信により通信可能に構成された踏切保安システムであって、前記踏切制御装置は、前記車上装置からの踏切警報始点予測到達時刻の受信に基づいて踏切警報開始時刻を更新する制御を行う踏切警報開始時刻管理手段(例えば、図10の踏切警報開始時刻管理部661)と、前記踏切警報開始時刻に踏切警報を開始する制御を行うとともに、前記踏切警報中である旨の踏切警報通知を前記車上装置に送信する制御を行う踏切警報制御手段(例えば、図10の踏切警報制御部663)と、踏切支障の信号を入力した場合に踏切支障通知を前記車上装置に送信する制御を行う踏切支障通知手段(例えば、図10の踏切支障通知部665)と、を備え、前記車上装置は、走行距離に基づく現在走行位置を算出する現在走行位置算出手段(例えば、図9の走行位置算出部161)と、速度制限箇所に係わる制限速度および始終端位置のキロ程と、線路の勾配箇所に係わる勾配の値および始終端位置のキロ程と、を含む線路条件情報と、踏切位置のキロ程を含む踏切情報と、を記憶する記憶手段(例えば、図9の車上記憶部190、図2の線路条件情報210、図3の踏切情報220)と、前記現在走行位置と前記線路条件情報と前記踏切情報とに基づいて前記踏切警報始点予測到達時刻を算出し、前記踏切制御装置に向けて送信する制御を繰り返し実行する到達時刻通知制御手段(例えば、図9の到達時刻通知制御部163)と、前記現在走行位置が所定の踏切停止制御区間内である場合において、前記踏切制御装置からの前記踏切警報通知の受信、前記踏切制御装置からの前記踏切支障通知の受信、前記無線通信の途絶、および、前記無線通信の回復、のうちの少なくとも1つに係る条件に従って、a)前記現在走行位置と前記線路条件情報とに基づく所定の進路開通時速度で踏切を通過する進行パターンに沿った速度制御、又は、b)前記現在走行位置と前記線路条件情報と前記踏切情報とに基づく前記踏切位置までに停止可能な踏切停止パターンに沿った速度制御を行う速度制御手段(例えば、図9の速度制御部169)と、を備える踏切保安システムである。
【0008】
第1の発明によれば、踏切制御装置は、列車の走行に合わせて車上装置から送信される踏切警報始点予測到達時刻を受信した場合に、当該踏切警報始点予測到達時刻を踏切警報開始時刻として随時更新することで警報開始時刻を適正化し、踏切警報開始時刻が到来した場合には踏切警報を開始するとともに、踏切警報通知を車上装置に送信する。また、踏切支障の信号が入力された場合には、踏切支障通知を車上装置に送信する。一方、車上装置は、列車の現在走行位置が踏切停止制御区間内である場合には、踏切制御装置からの踏切警報通知の受信や、踏切支障通知の受信、無線通信の途絶および回復の状況に応じて、進路開通時速度で踏切を通過する進行パターンに沿った速度制御、又は、踏切位置までに停止可能な踏切停止パターンに沿った速度制御を行う。これによれば、専用の無線設備の設置が不要な公衆無線通信による無線通信を利用することによる通信装置の故障や通信遅延といった通信障害の発生時においても、踏切位置までに確実に停止させることが可能な仕組みを実現することが可能となる。
【0009】
また、第2の発明は、上記の踏切保安システムにおいて、前記速度制御手段は、前記現在走行位置が前記踏切停止制御区間内である場合において、前記踏切制御装置から前記踏切警報通知を受信している場合には、前記a)の速度制御を行い、前記踏切制御装置から前記踏切警報通知を受信していない場合には、前記b)の速度制御を行う、踏切保安システムである。
【0010】
第2の発明によれば、列車の現在走行位置が踏切停止制御区間内である場合において踏切警報通知を受信した場合には、進行パターンに沿った速度制御を行うことができる。一方、列車の現在走行位置が踏切停止制御区間内である場合において踏切警報通知を受信していない場合には、踏切停止パターンに沿った速度制御を行うことができる。これによれば、踏切警報が開始されていない踏切に列車が接近した場合であっても、踏切位置までに確実に停止させることが可能な仕組みを実現することが可能となる。
(【0011】以降は省略されています)

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