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公開番号2024053367
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-15
出願番号2022159592
出願日2022-10-03
発明の名称杭打機の制御装置
出願人日本車輌製造株式会社
代理人個人,個人
主分類E02D 7/00 20060101AFI20240408BHJP(水工;基礎;土砂の移送)
要約【課題】オーガの昇降ストロークを大きくとりながら地質構造に応じた施工を進めることが可能な杭打機の制御装置を提供する。
【解決手段】ベースマシン14に起伏可能に立設したベースリーダ15の前方に、該ベースリーダに対して昇降可能に装着されるスライドリーダ16と、該スライドリーダに対して昇降可能に装着される掘削用のオーガ25とを設け、スライドリーダを昇降させる動力を油圧シリンダの伸縮駆動で発生させ、オーガを昇降させる動力を油圧モータの回転駆動で発生させる杭打機11の制御装置において、スライドリーダに対して下降するオーガの動作状態を検出する検出部と、該検出部がオーガの設定動作状態を検出したときに、スライドリーダに対するオーガの下降動作を停止させ、ベースリーダに対するスライドリーダの下降動作を実行させる駆動切替部とを備えている。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
ベースマシンに起伏可能に立設したベースリーダの前方に、該ベースリーダに対して昇降可能に装着されるスライドリーダと、該スライドリーダに対して昇降可能に装着される掘削用のオーガとを設け、前記スライドリーダを昇降させる動力を油圧シリンダの伸縮駆動で発生させ、前記オーガを昇降させる動力を油圧モータの回転駆動で発生させる杭打機の制御装置において、
前記スライドリーダに対して下降する前記オーガの動作状態を検出する検出部と、該検出部が前記オーガの設定動作状態を検出したときに、前記スライドリーダに対する前記オーガの下降動作を停止させ、前記ベースリーダに対する前記スライドリーダの下降動作を実行させる駆動切替部とを備えていることを特徴とする制御装置。
続きを表示(約 370 文字)【請求項2】
前記設定動作状態は、前記オーガの昇降位置があらかじめ設定された昇降範囲の下限に達した状態であることを特徴とする請求項1記載の制御装置。
【請求項3】
前記設定動作状態は、掘削長さに対応する前記オーガの移動量があらかじめ設定された移動量に達した状態であることを特徴とする請求項1記載の制御装置。
【請求項4】
前記設定動作状態は、前記オーガに作用する圧入抵抗又は引抜抵抗の増加に従って増加する圧入力又は引抜力があらかじめ設定された上限に達した状態であることを特徴とする請求項1記載の制御装置。
【請求項5】
前記設定動作状態は、前記オーガに作用する回転抵抗の増加に従って増加する回転トルクがあらかじめ設定された上限に達した状態であることを特徴とする請求項1記載の制御装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、杭打機の制御装置に関し、詳しくは、掘削用のオーガを備えた杭打機の制御装置に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
一般に、リーダに沿って昇降する掘削用のオーガを備えた杭打機は、その構造上、1回あたりの掘削長さ(オーガ昇降における1ストローク長さ)が、リーダの長さを限度として制限される。そのため、比較的小型の杭打機では、輸送性と作業性とが両立する設計範囲で、オーガの昇降ストロークを大きくとれる各種機構を備えたリーダ装置が提案されている(例えば、特許文献1,2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開平10-121474号公報
特開2007-277869号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
各特許文献に記載のリーダ装置は、いずれも可動側の部材と固定側の部材とを組み合わせて構成され、可動側の部材を長さ方向にスライドさせる油圧駆動装置を備えている。しかしながら、こうした油圧駆動装置は、オーガの昇降ストロークが得られる反面、機構を成立させるための専用部品が増えてしまうことから、コストアップの要因になりやすい。また、当該装置を油圧モータで動かす場合(特許文献1)と、油圧シリンダで動かす場合(特許文献2)とでは、力や速度に関して異なる特性を有しているものであるから、現場によっては、地質構造の変化に柔軟に対応することができないという不都合がある。
【0005】
そこで本発明は、オーガの昇降ストロークを大きくとりながら地質構造に応じた施工を進めることが可能な杭打機の制御装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の杭打機の制御装置は、ベースマシンに起伏可能に立設したベースリーダの前方に、該ベースリーダに対して昇降可能に装着されるスライドリーダと、該スライドリーダに対して昇降可能に装着される掘削用のオーガとを設け、前記スライドリーダを昇降させる動力を油圧シリンダの伸縮駆動で発生させ、前記オーガを昇降させる動力を油圧モータの回転駆動で発生させる杭打機の制御装置において、前記スライドリーダに対して下降する前記オーガの動作状態を検出する検出部と、該検出部が前記オーガの設定動作状態を検出したときに、前記スライドリーダに対する前記オーガの下降動作を停止させ、前記ベースリーダに対する前記スライドリーダの下降動作を実行させる駆動切替部とを備えていることを特徴としている。
【0007】
また、前記設定動作状態は、前記オーガの昇降位置があらかじめ設定された昇降範囲の下限に達した状態であることを特徴とし、さらに、前記設定動作状態は、掘削長さに対応する前記オーガの移動量があらかじめ設定された移動量に達した状態であることを特徴とし、加えて、前記設定動作状態は、前記オーガに作用する圧入抵抗又は引抜抵抗の増加に従って増加する圧入力又は引抜力があらかじめ設定された上限に達した状態であることを特徴としている。また、前記設定動作状態は、前記オーガに作用する回転抵抗の増加に従って増加する回転トルクがあらかじめ設定された上限に達した状態であることを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
本発明の杭打機の制御装置によれば、ベースリーダに装着されたスライドリーダを該ベースリーダに対して昇降させる油圧シリンダ駆動と、スライドリーダに装着されたオーガを該スライドリーダに対して昇降させる油圧モータ駆動とをそれぞれ制御可能に構成し、オーガの設定動作状態に応じて、スライドリーダに対するオーガの下降動作からベースリーダに対するスライドリーダの下降動作に運転方式を切り替える駆動切替部を備えているので、可動部における駆動方式の切替動作を円滑に行いながら、各部を同方向に順々に駆動(単独駆動)させてオーガの昇降ストロークを大きくとることができる。しかも、一般的な油圧部品をそのまま使用できるだけでなく、既存システムに組み込むソフト的な対応も容易なことから、安価に構成できるものである。とりわけ、効率の良い油圧モータ駆動と低速域でも安定が得られる油圧シリンダ駆動との2通りの駆動方式を適切に切り替えることが可能となり、両者の動作特性の違いを活かした施工、すなわち、現場の多様な地質構造に応じた施工を進めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明の一形態例における制御装置が適用される杭打機の側面図である。
同じく掘削速度制御(順次切替モードの切替動作)における2つの駆動方式の対応関係を表すグラフである。
同じく掘削速度制御(移動量切替モードの切替動作)における2つの駆動方式の対応関係を表すグラフである。
同じく掘削速度制御(圧入引抜力切替モードの切替動作)における2つの駆動方式の対応関係を表すグラフである。
同じく掘削速度制御(トルク切替モードの切替動作)における2つの駆動方式の対応関係を表すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1乃至図5は、本発明の一形態例における制御装置を杭打機に適用した図である。杭打機11は、図1に示すように、クローラを備えた下部走行体12と、該下部走行体12上に旋回可能に設けられた上部旋回体13とで構成されたベースマシン14と、上部旋回体13の前部に立設したベースリーダ15と、該ベースリーダ15に対して長さ方向(図1の上下方向)にスライド自在に組み付けられたスライドリーダ16とを備えている。また、上部旋回体13の前部には、ベースリーダ15を起伏可能に支持するリーダサポート17が設けられている。さらに、上部旋回体13の前後左右の4箇所に安定用のジャッキ18が設けられるとともに、上部旋回体13の後端部に杭打機11のバランスをとるためのカウンタウエイト19が搭載されている。
(【0011】以降は省略されています)

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