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公開番号2024152323
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-25
出願番号2023066448
出願日2023-04-14
発明の名称粒子破砕特性を有する材料による地盤造成方法
出願人五洋建設株式会社
代理人個人,個人
主分類E02D 3/046 20060101AFI20241018BHJP(水工;基礎;土砂の移送)
要約【課題】砂等の混合材料が不要で、軽石等の粒子破砕特性を有する材料を単独で使用しより簡便に有効利用できる、粒子破砕特性を有する材料による地盤造成方法を提供する。
【解決手段】この地盤造成方法は、軽石等を地盤造成位置に投入し敷き均しを行う第1工程S01と、軽石等について転圧により締め固めを行う第2工程S02と、軽石等による地盤をほぐす第3工程S03と、締め固めおよびほぐしによる軽石等の粒度分布を評価する第4工程S04と、粒度分布が不十分と評価されたとき第2工程乃至第4工程を粒度分布が十分と評価されるまで繰り返す第5工程と、軽石等による地盤について転圧により締め固めを行う第6工程S05と、締め固め後の軽石等による地盤について品質の確認を行う第7工程S06と、品質が不十分であるとき第3工程乃至第7工程を品質が十分になるまで繰り返す第8工程と、を含む。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
粒子破砕特性を有する材料を用いて地盤を造成する方法であって、
粒子破砕特性を有する材料を地盤造成位置に投入し敷き均しを行う第1工程と、
前記粒子破砕特性を有する材料について転圧により締め固めを行う第2工程と、
前記粒子破砕特性を有する材料による地盤をほぐす第3工程と、
前記ほぐされた粒子破砕特性を有する材料から採取された試料について粒度試験または画像分析を実施し、前記締め固めおよび前記ほぐしによる前記粒子破砕特性を有する材料の粒度分布を評価する第4工程と、
前記粒度分布が不十分と評価されたとき前記第2工程乃至前記第4工程を前記粒度分布が十分と評価されるまで繰り返す第5工程と、
前記粒子破砕特性を有する材料による地盤について転圧により締め固めを行う第6工程と、
前記締め固め後の粒子破砕特性を有する材料による地盤について品質の確認を行う第7工程と、
前記品質が不十分であるとき前記第3工程乃至前記第7工程を前記品質が十分になるまで繰り返す第8工程と、を含む、粒子破砕特性を有する材料による地盤造成方法。
続きを表示(約 390 文字)【請求項2】
前記第4工程における粒度分布の評価を前記粒度試験または前記画像分析から得られた均等係数、または、均等係数および曲率係数に基づいて行う、請求項1に記載の地盤造成方法。
【請求項3】
前記第1工程、前記第2工程、前記第3工程および前記第6工程を、汎用の建設機械を用いて行う、請求項1に記載の地盤造成方法。
【請求項4】
前記品質確認を、前記粒子破砕特性を有する材料による地盤のコーン指数または締固め度に基づいて行う、請求項1に記載の地盤造成方法。
【請求項5】
前記粒子破砕特性を有する材料は、海底地盤の噴火に伴って発生した軽石、脆弱岩ずりまたは人工石材である請求項1に記載の地盤造成方法。
【請求項6】
前記地盤は、埋立地盤または盛土地盤である請求項1乃至5のいずれかに記載の地盤造成方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、粒子破砕特性を有する材料を用いて地盤を造成する地盤造成方法に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
近年、海底火山の噴火によって多量の軽石が噴出し、潮流や風の影響によって日本各地の港湾や沿岸に漂着し、漂着した多量の軽石による、漁船のエンジンの破損、旅客船の運航停止、養殖魚介類の死滅、水質環境の悪化などの経済上、環境上の問題が生じている。かかる軽石対策の一環として、浮遊している軽石を直接揚土・回収し、埋立材として利用する方法が提案されている(非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
内閣府沖縄総合事務局「軽石の埋立処分に関する技術検討委員会」資料(試験結果)http://www.ogb.go.jp/kaiken/minato/pumice
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者等は、日本国内の港湾等の複数地点A~Dで採取された軽石について物理特性を調査したが、その結果を以下に示す。また、かかる軽石の粒度試験により得た粒径加積曲線を図1に示す。粒径加積曲線から得られる次式(1)の均等係数Ucは、粒径加積曲線の傾度を表し、大きいほど粒径範囲が広い粒子から構成されていることを意味する。軽石は、脆い粒子破砕性材料であり、均等係数Uc=3.60で、10以下であり、粒径幅の狭い、単一粒径に近く、締固めには不適な材料である。
均等係数Uc=D
60
/D
10
(1)
ただし、D
60
:粒径加積曲線で通過質量百分率が60%に相当する粒径

10
:粒径加積曲線で通過質量百分率が10%に相当する粒径
【0005】
軽石(粒子破砕性材料)の物理特性
・土粒子密度ρs = 2.07mg/m

・かさ密度ρd = 0.6~0.8mg/m

・礫質土(均等係数Uc=3.60)
【0006】
海底地盤の噴火に伴って発生した軽石の特徴は、上記調査から以下の通りである。
(a)非常に多孔質であり、一般的な地盤材料と比較して軽量である。
(b)非常に多孔質であり、比較的脆い材料であり、粒子破砕特性を有する。
(c)粒径幅の狭い、単一粒径に近い礫材料である。
【0007】
軽石を有効利用するため盛土材や埋立材等の地盤材料として使用する場合、軽石は、上記材料特性(a)~(c)を有するため、以下の問題点がある。
(1)軽石は、粒径幅が狭く、単一粒径に近いため、締固めに向かない材料である。一般に締固め効率の良い地盤材料の指標として、均等係数Uc(Uc≧10)と曲率係数Uc'(1<Uc'<3)が用いられる。しかし、港湾に漂着した軽石の均等係数はUc=3.60と粒径幅の狭い材料であり、軽石単体では締固めによる地盤の密実化(強度の確保)を見込むことができない。このため、従来、軽石に砂材料を混合することで粒径幅を広げ、締固め効率を向上させた材料に改質することで地盤材料としての締固め品質を確保している。
【0008】
(2)軽石と砂の混合材料とする場合、混合する砂材料の調達が困難になることがある。軽石に混合する砂材料は、混合後の粒径幅を広くすることができる材料である必要があるため、条件を満たすことのできる砂材料の確保が必要である。また、従来工法では地盤強度を確保するためには、軽石:砂材料=1:1(容積比)で混合する必要があるため、相当量の砂材料が必要となるとともに、砂材料の必要分だけ軽石の利用量が減ってしまう。
【0009】
(3)混合材料とする場合、作業に係るコストや手間が大きい。施工に先立って軽石と砂材料を混合する必要があるので、混合機械や作業・仮置きヤードの確保が必要となる。
【0010】
本発明は、上述のような従来技術の問題に鑑み、砂等の混合材料が不要で、軽石等の粒子破砕性の材料を単独で使用しより簡便に有効利用できる、粒子破砕特性を有する材料による地盤造成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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