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公開番号2025094937
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-25
出願番号2024218191
出願日2024-12-12
発明の名称二酸化炭素固定表面被覆材、土木構造物及び建築構造物の表面被覆工法、土木構造物、並びに建築構造物
出願人積水化学工業株式会社,五洋建設株式会社
代理人個人,個人
主分類B01J 20/04 20060101AFI20250618BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】大気中の二酸化炭素を吸収する膜を簡単且つ効率的に形成できる二酸化炭素固定表面被覆材、その二酸化炭素固定表面被覆材を用いた土木構造物及び建築構造物の表面被覆工法、並びにその二酸化炭素固定表面被覆材を用いた土木構造物及び建築構造物を提供する。
【解決手段】本発明の二酸化炭素固定表面被覆材(10)は、粘着剤層(11)を備え、土木構造物又は建築構造物の表面に貼付して使用され、大気中の二酸化炭素を吸収して固定化する。本発明の表面被覆工法は、本発明の二酸化炭素固定表面被覆材(10)を、土木構造物又は建築構造物の表面に貼付する工程を含む。本発明の別の表面被覆工法は、本発明の二酸化炭素固定表面被覆材であって、粘着剤層からなる二酸化炭素固定表面被覆材を土木構造物又は建築構造物の表面に貼付する工程、及び土木構造物又は建築構造物に貼付した二酸化炭素固定表面被覆材の表面に基材を貼付する工程を含む。本発明の土木構造物及び建築構造物は、本発明の二酸化炭素固定表面被覆材が貼付されたものである。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
粘着剤層を備え、土木構造物又は建築構造物の表面に貼付して使用され、大気中の二酸化炭素を吸収して固定化する二酸化炭素固定表面被覆材。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
下記の二酸化炭素吸収量測定方法により前記二酸化炭素固定表面被覆材の二酸化炭素吸収量を測定した場合、測定開始から24時間経過時点での前記二酸化炭素固定表面被覆材の単位体積当たりの二酸化炭素の吸収量が3kg/m

以上である請求項1に記載の二酸化炭素固定表面被覆材。
<二酸化炭素吸収量測定方法>
23℃環境下で、二酸化炭素固定表面被覆材がデシケーターの内面やCO

濃度計に触れないように、SUS板に貼った状態の二酸化炭素固定表面被覆材とCO

濃度計をデシケーターに入れた状態で、-0.040MPaまでデシケーターを真空引きした後、炭酸ガスボンベとデシケーターとをつなぎ、デシケーター内にCO

を、デシケーターの内圧が0.000MPaになるまで注入し、注入開始から10分経過後のデシケーター内のCO

濃度計で測定したCO

濃度を初期濃度とし、初期濃度測定から24時間経過後のデシケーター内のCO

濃度をCO

濃度計で測定し、次の式(1)を用いて二酸化炭素固定表面被覆材の単位体積当たりの二酸化炭素の吸収量を算出する。
JPEG
2025094937000007.jpg
8
156
ここで、Pは標準気圧(101325Pa)であり、Vdはデシケーターの容積(7L)であり、Rは気体定数(8310Pa・L/(K・mol))であり、Tは測定温度(296K)であり、ΔDは24時間経過後のデシケーター内のCO

濃度とデシケーター内のCO

濃度の初期濃度との間の差の濃度(vol%)であり、Vsはデシケーターに入れた二酸化炭素固定表面被覆材の体積(m

)である。
【請求項3】
前記粘着剤層は1種類以上の二酸化炭素固定剤を含む請求項1に記載の二酸化炭素固定表面被覆材。
【請求項4】
前記二酸化炭素固定剤が塩基性化合物である請求項3に記載の二酸化炭素固定表面被覆材。
【請求項5】
前記二酸化炭素固定剤がアルカリ土類金属の水酸化物である請求項3に記載の二酸化炭素固定表面被覆材。
【請求項6】
前記二酸化炭素固定剤が水酸化カルシウムである請求項3に記載の二酸化炭素固定表面被覆材。
【請求項7】
前記粘着剤層の厚みが100μm以上である請求項1に記載の二酸化炭素固定表面被覆材。
【請求項8】
前記粘着剤層が光硬化性樹脂により形成される請求項1に記載の二酸化炭素固定表面被覆材。
【請求項9】
前記粘着剤層がアクリル系粘着剤により形成される請求項1に記載の二酸化炭素固定表面被覆材。
【請求項10】
基材をさらに備える請求項1に記載の二酸化炭素固定表面被覆材。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、二酸化炭素固定表面被覆材、土木構造物及び建築構造物の表面被覆工法、土木構造物、並びに建築構造物に関する。
続きを表示(約 3,900 文字)【背景技術】
【0002】
産業革命以降、化石燃料の使用が増え、その結果、大気中の二酸化炭素の濃度も増加している。大気中の二酸化炭素は、地球温暖化を進行させ、大気中の二酸化炭素の濃度の増加を抑制するために、二酸化炭素の排出量の削減が望まれている。また、大気中の二酸化炭素の濃度を低減させる方法として、二酸化炭素の排出量の削減の他に、大気中の二酸化炭素を吸収する方法がある。大気中の二酸化炭素を吸収する方法には、例えば、二酸化炭素を吸収する能力を有する水ガラス塗料組成物を被塗布物に塗布する方法がある(特許文献1参照)。水ガラス塗料組成物を被塗布物に塗布することによって形成された塗膜は二酸化炭素を吸収して重合珪酸を形成する。これにより、塗膜は大気中の二酸化炭素を吸収することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
国際公開第2012/077344号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の水ガラス塗料組成物を用いて、大気中の二酸化炭素を吸収する塗膜を形成しようとすると、塗料の塗布にある程度の時間を要するとともに,塗料の浸透深さが均一とならず,故に吸収される二酸化炭素の量も一定ではないという問題が発生する。
そこで、本発明は、大気中の二酸化炭素を吸収する膜を簡単且つ効率的に形成できる二酸化炭素固定表面被覆材、その二酸化炭素固定表面被覆材を用いた土木構造物及び建築構造物の表面被覆工法、並びにその二酸化炭素固定表面被覆材を用いた土木構造物及び建築構造物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、鋭意検討の結果、大気中の二酸化炭素を吸収する塗料を塗布する代わりに大気中の二酸化炭素を吸収する粘着テープを貼り付けることで、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成させた。
本発明は、以下の[1]~[12]を提供する。
[1]粘着剤層を備え、土木構造物又は建築構造物の表面に貼付して使用され、大気中の二酸化炭素を吸収して固定化する二酸化炭素固定表面被覆材。
[2]下記の二酸化炭素吸収量測定方法により前記二酸化炭素固定表面被覆材の二酸化炭素吸収量を測定した場合、測定開始から24時間経過時点での前記二酸化炭素固定表面被覆材の単位体積当たりの二酸化炭素の吸収量が3kg/m

以上である請求項1に記載の二酸化炭素固定表面被覆材。
<二酸化炭素吸収量測定方法>
23℃環境下で、二酸化炭素固定表面被覆材がデシケーターの内面やCO

濃度計に触れないように、SUS板に貼った状態の二酸化炭素固定表面被覆材とCO

濃度計をデシケーターに入れた状態で、-0.040MPaまでデシケーターを真空引きした後、炭酸ガスボンベとデシケーターとをつなぎ、デシケーター内にCO

を、デシケーターの内圧が0.000MPaになるまで注入し、注入開始から10分経過後のデシケーター内のCO

濃度計で測定したCO

濃度を初期濃度とし、初期濃度測定から24時間経過後のデシケーター内のCO

濃度をCO

濃度計で測定し、次の式(1)を用いて二酸化炭素固定表面被覆材の単位体積当たりの二酸化炭素の吸収量を算出する。
JPEG
2025094937000002.jpg
8
156
ここで、Pは標準気圧(101325Pa)であり、Vdはデシケーターの容積(7L)であり、Rは気体定数(8310Pa・L/(K・mol))であり、Tは測定温度(296K)であり、ΔDは24時間経過後のデシケーター内のCO

濃度とデシケーター内のCO

濃度の初期濃度との間の差の濃度(vol%)であり、Vsはデシケーターに入れた二酸化炭素固定表面被覆材の体積(m

)である。
[3]前記粘着剤層は1種類以上の二酸化炭素固定剤を含む上記[1]又は[2]に記載の二酸化炭素固定表面被覆材。
[4]前記二酸化炭素固定剤が塩基性化合物である上記[3]に記載の二酸化炭素固定表面被覆材。
[5]前記二酸化炭素固定剤がアルカリ土類金属の水酸化物である上記[3]又は[4]に記載の二酸化炭素固定表面被覆材。
[6]前記二酸化炭素固定剤が水酸化カルシウムである上記[3]~[5]のいずれか1つに記載の二酸化炭素固定表面被覆材。
[7]前記粘着剤層の厚みが100μm以上である上記[1]~[6]のいずれか1つに記載の二酸化炭素固定表面被覆材。
[8]前記粘着剤層が光硬化性樹脂により形成されている上記[1]~[7]のいずれか1つに記載の二酸化炭素固定表面被覆材。
[9]前記粘着剤層がアクリル系粘着剤により形成されている上記[1]~[8]のいずれか1つに記載の二酸化炭素固定表面被覆材。
[10]基材をさらに備える上記[1]~[9]のいずれか1つに記載の二酸化炭素固定表面被覆材。
[11]上記[1]~[10]のいずれか1つに記載の二酸化炭素固定表面被覆材を、土木構造物又は建築構造物の表面に貼付する工程を含む土木構造物及び建築構造物の表面被覆工法。
[12]前記土木構造物又は前記建築構造物に貼付した前記二酸化炭素固定表面被覆材の前記土木構造物又は前記建築構造物の表面側の反対側の表面に基材を貼付する工程をさらに含む上記[11]に記載の表面被覆工法。
[13]上記[1]~[10]のいずれか1つに記載の二酸化炭素固定表面被覆材が貼付された土木構造物。
[14]上記[1]~[10]のいずれか1つに記載の二酸化炭素固定表面被覆材が貼付された建築構造物。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、大気中の二酸化炭素を吸収する膜を簡単且つ効率的に形成できる二酸化炭素固定表面被覆材、その二酸化炭素固定表面被覆材を用いた土木構造物及び建築構造物の表面被覆工法、並びにその二酸化炭素固定表面被覆材を用いた土木構造物及び建築構造物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1は、本発明の二酸化炭素固定表面被覆材の構成の一例を示す模式図である。
図2は、本発明の二酸化炭素固定表面被覆材の構成の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[二酸化炭素固定表面被覆材]
本発明の二酸化炭素固定表面被覆材は、粘着剤層を備え、土木構造物又は建築構造物の表面に貼付して使用され、大気中の二酸化炭素を吸収して固定化する。これにより、本発明の二酸化炭素固定表面被覆材は、大気中の二酸化炭素を吸収する膜を簡単且つ効率的に形成できる。なお、大気中の二酸化炭素を吸収して固定化するとは、二酸化炭素固定表面被覆材が大気中の二酸化炭素と反応して反応生成物を生成し、反応生成物を二酸化炭素固定表面被覆材中に保持すること、または、二酸化炭素固定表面被覆材が大気中の二酸化炭素を吸着し、吸着した二酸化炭素を二酸化炭素固定表面被覆材中に保持することをいう。また、本発明の二酸化炭素固定表面被覆材により、塩化物イオン等の劣化因子侵入に起因する土木構造物及び建築構造物の劣化を抑制し、土木構造物及び建築構造物の長寿命化を図ることもできる。
【0009】
(粘着剤層)
<粘着剤>
粘着剤層は、粘着剤により形成されることが好ましい。粘着剤の種類は特に限定されないが、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、ウレタン系粘着剤、及びシリコーン系粘着剤などが挙げられる。これらは単独で使用してよいし、組み合わせて使用してもよい。これらの中でも、粘着剤層は、アクリル系粘着剤により形成されることが好ましい。アクリル系粘着剤を用いることにより、粘着剤の分子量の制御がしやすくなり、粘着剤の柔軟性を高めて被着体表面の凹凸に追従しやすくなり、二酸化炭素固定表面被覆材を土木構造物及び建築構造物の表面に貼り付けやすくなる。
【0010】
粘着剤層は、光硬化性樹脂により形成されることが好ましい。すなわち、粘着剤層は、後述する通りに光硬化性の粘着剤組成物を光硬化させて形成されるとよい。粘着剤層は、光硬化性樹脂により形成されることで、適切に硬化させることができる。また、粘着剤層に光硬化性樹脂を使用することにより、100μm以上の厚膜にすることも容易となる。粘着剤層は、厚膜にすることで、土木構造物又は建築構造物の表面に対して高い粘着力で貼り付けられることが可能になるので、長期間にわたって土木構造物又は建築構造物の表面を保護することが可能になる。
粘着剤層は、光硬化性樹脂の中でも、アクリル系粘着剤により形成されることがより好ましい。なお、光硬化性樹脂により形成される粘着剤層は、粘着剤を構成する主ポリマーに光硬化型のものを使用すればよく、例えば、アクリル系粘着剤では、アクリル系重合体を光硬化型とすればよい。
(【0011】以降は省略されています)

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